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2005年10月24日 (月)

RCCの事業再生信託

 RCC(整理回収機構)とくれば、バブル崩壊後の重苦しい世相と中坊社長が浮かびます。住専の不良債権処理のために作られましたが、住専にとどまらず、不良債権の回収、事業再生の業務を現在も行っています。

 このRCCの不良債権の回収、企業再生の業務を行う過程で信託を用いたスキームがあります。このうち初期の2つの信託を用いたスキームを書きます。

1つは不良債権の証券化のスキーム

 銀行が持っている不良債権をSPCを通じてRCCに譲渡し、RCCで信託を設定します。RCCは不良債権の回収業務を行います。銀行は、不良債権譲渡の対価として信託受益権受取り、この信託受益権を投資家に販売します。この結果、銀行は、不良債権をオフバランス化できます。

 なぜ直接RCCに売却せずに、信託設定にしているのかですが、まだ深く調べていないのですが、おそらく税金等のコストが売却するより信託設定の方が安いこと、売却した場合RCCが不良債権を所有してしまうので、自分が回収責任を全部背負い込むことになり、RCCの性格上(RCCの株主は預金保険機構)それはまずかったのではないでしょうか。

 RCCが不良債権を買い取り、そのまま持ち続け、回収業務を行い、それでも不良債権が回収されなかった場合は、RCCに不良債権がたまり、RCCの財務基盤を悪化させます。 

 RCC自体が不良債権を買取、それを担保に債券を発行して、債権者に販売する場合、もし発行した債権がデフォルト状態になるとRCCが矢面に立ちます。信託にすることにより、RCCは回収業務を行いますが、もし一生懸命努力してそれでも回収できなくても、その負担は証券化をした債権を購入した投資家になります。

もう1つが管理型信託

 いくつかの銀行が持っている不良債権をRCCに信託し、RCCはそれぞれの金融機関の不良債権を公平に回収し、その債権にくっついてやってきた担保不動産を処分していきます。このケースでは、銀行は不良債権の譲渡の対価として受け取った信託受益権を所有し続けるのでオフバランス化のメリットはありません。しかし複数の債権者がいて利害調整が難しいような場合、RCCを利用することにより公平、透明な回収作業が行えるために、意見がまとまりやすいというメリットや、現在は瀕死の会社でも、事業が再生する可能性が高いので、信託受益権を持ち続けることにより、会社との関係を保てるというメリットなどがあります。

 RCCの信託スキームは、事業信託を今後行うに際して、非常に参考になるのではないかと思います。

  

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