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2005年10月18日 (火)

中間法人がなくなる!!!

 中間法人というのがあります。よくある株式会社のような法人は、その法人のためにお金を出した人は、儲かれば利益をわけてもらえることから営利目的で作られたものと考えられます。これに対して中間法人というのは、儲けた利益を分配しないことから非営利目的の法人とされます。

 中間法人には、無限責任中間法人と有限責任中間法人とがあります。

 無限責任中間法人は、社員が中間法人の債務に対して、無制限に負担しなければならないものです。

 有限責任中間法人は、社員(法人の運営に参加する人)が、中間法人の債務に対して、無制限に負担しないだけでなく、出資義務もありません。出資義務もないということは、法人の運営費用を収入で賄えないようは場合は、通常は、会社の憲法である定款で、社員が負担するように決めています。でも、お金は基金という形で、社員以外の人から集めることができます。この基金をだす人は、株式会社のようにお金をだすけど、口もだすということはできません。しかも利息のようなものももらえません。

 こんな条件の悪い基金に出資する人はいないと思われるかもしれませんが、世の中はうまくできるもので、そんな中間法人を使いたい人たちがいます。それが資産の流動化スキームに組み入れられるケースです。会社(オリジネーター)が所有している資産をこれからも利用したいけど、会社のバランスシートからはずして、先に代金をもらいたいようなケースです。

 オリジネーターがSPV(資産を所有し、投資家からお金を集めるためだけに存在する媒体 有限会社とかを利用することもある)に直接出資し、資産を譲渡した場合、万が一オリジネーターが倒産したらオリジネーターの債権者たちが、このSPVの資産を回収不能になった債権の弁済に充てようとSPVの資産を召し上げる可能性があります。それでは資産の価値を信じてお金をだした投資家たちは、大損してしまいます。

 そこでオリジネーターがSPVに直接出資することによるリスクを回避(倒産隔離といいます)するために、いったんオリジネーターが有限責任中間法人を作り、基金を拠出します。そしてオリジネーターと関係のない第三者が有限責任中間法人の社員になり、SPVに出資します。SPVが投資家からお金をかき集めて、資産を購入します。

 このように流動化スキームで大切な役割をしている中間法人ですが、現在議論されている公益法人制度改革によると来年にもなくなるようです。ということは上記のようなスキームは今後は不能になるのでしょうか。

 現在、公益法人は、諸官庁の許認可により設立されるものです。公益法人制度改革によると、この公益法人の範囲を広くして中間法人のような非営利目的の法人も含めて、株式会社のように形式的要件を満たしたら設立できるようにします。そしてこの非営利法人のうち、公益性が高いと判断された法人については、税制上の優遇制度などの特典を与えるということになると思います。

 ですから中間法人というネーミングの法人はなくなると思いますが、このような組織体は今後も存在するので、上記のような流動化スキームは今後も可能と思います。

http://www.gyoukaku.go.jp/jimukyoku/koueki-bappon/yushiki/h161119houkoku.html

 

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