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2005年10月21日 (金)

有限責任信託 300万円規制を作るのか?

 信託法の改正により有限責任信託(仮称)ができることになりそうです。

 信託に対して1,000お金を貸した人に対して、通常はこの元本1,000と利息を併せて返済しなければなりません。 でも信託で行っている事業がおかしくなって払えなくなった場合、もし信託財産として600あるならば、信託を運営している受託者は、600を払えばOKというような信託です。たとえ受託者が他に財産を5,000持っていても、その財産から400を返済する必要はないです。もちろん受託者に重大な問題があったような場合は、400を払わなければなりませんが、

 現行の信託法では、上記のようなケースでは、原則として受託者は600の信託財産を返済に充てるだけでなく、自分の財産から400を返済に充てないといけません。自分の責任でもないのに返済義務だけ重くのしかかるのは酷なので、特約で借入金が払えなくなった場合、信託財産のみを財源にして返済すると決めていることが多くあるようです。

 信託法が改正になり、有限責任信託が認められて喜ぶのは、受託者でしょう。そして困るのは信託財産と取引をする債権者でしょう。債権者は信託財産がなくなったら、貸倒になるリスクがあるからです。では債権者を守るためにどうするのでしょうか。

 債権者を守るための方法のうち最も重要なものは、債権の唯一の担保になる信託財産の確保です。信託財産は受益者に分配することを前提に存在しているから、いくら分配しても問題はないはずです。でもそれでは債権者を貸倒に対するリスクから守れなくなるので、一定の分配額の制限を設けるようです。

 一定の分配額を超えて受益者に分配したら、受託者はお金で補填しないといけないようです。でも分配をして得をするのは受益者だから、受託者は受益者から分配した分を返してくれと言えるようです。ただし受益者が限度オーバーの分配だったことを、分配をうけた日に知らなかったような場合は、受託者は受益者から分配分を返してもらえません。

 このような分配額の制限は、信託だけに設けようとしているのではありません。

 来年施行される会社法において、株式会社は、株主に対して配当を行った後、会社に純資産(資産-負債)を最低300万円は残さなければなりません

 また有限責任事業組合(日本版LLP)においても同様の300万円規制があります。

 このように出資者が出資額を限度にしか責任をとらないような事業体については、300万円規制を設けるようです。そうすると有限責任信託においても同様の300万円規制が入るのではないでしょうか。

 

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