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2005年10月27日 (木)

特定贈与信託と税金の話をちょこっと

 特定贈与信託というものがあります。これは、特別障害者(重度の障害をお持ちの方)を受益者として、ご家族やご家族以外の方(個人に限られる)が、信託銀行と特別障害者扶養契約を結び、6,000万円までの財産(現金でなくてもいいようです。)を信託した場合、この信託設定の時点で、特別障害者の方は、贈与税を払わなくてもいい!というものです。

 この信託は、他益信託とよばれるものです。他益信託とは、委託者≠受益者である信託のことです。ちなみに自益信託は、委託者=受益者の信託です。

 他益信託を設定すると、設定以後その財産から受ける利益は、委託者から受益者にかわるので、設定時点で委託者から受益者に信託財産の贈与があったものとみなして、受益者は、贈与税や相続税を払わないといけなくなります。

 たとえばあるお金持ちの人が、1億円を信託して子供に毎年、生活資金として200万円わたすという信託を設定した場合、子供は毎年、200万円ずつしかもらえず、途中で解約してお金を引き出すことができないにもかかわらず、最初の設定時点で贈与税を子供は支払わなければなりません。

 もちろん1億円満額に対して、税金をかけるのではなく、定期金を受け取る権利として評価しますので1億円よりは低くなります。 この評価額ですが、終身お金をもらえるのか、それなら子供の年齢がいくつか、期間限定でお金をもらえるのか、それなら何年間もらえるのかなどに応じてかわります。でもいくら評価が下がるといっても、設定時点で子供にお金がないと贈与税を払うことはできませんよね。

 また子供は、毎年受け取る利益に対しては、所得の種類に応じて、税金をおさめなければなりません。これは特定贈与信託でも同じ。

 この信託の税金でおかしいなと思うところは、たとえば5年毎に1,000万円の運用益を受益者にわたすという他益信託契約を結び、毎年、信託財産から上がる利益は、受益者に分配せず、信託財産に組み入れたような場合でも、受益者は、毎年、税金を払わなければならないことです。つまり、受益者は、お金をもらってないのに、税金だけ払うという状態が4年間は続くということです。

 特定贈与信託は、税務上のメリットがあるので利用範囲が非常に狭められています。なんでもOKだったら相続税対策に濫用されるからでしょう。でも公益性を重視するならば、もうちょっと幅を広げたらいいのにと思います。

 ちなみに又聞きの話ですが、信託銀行さんは、あんまり特定贈与信託を営業されていないそうです。なんでも採算性に問題があるようで、、

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