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2005年10月20日 (木)

日本で遺言信託は発展するか?

 信託は、日本においては今までのところ投資信託のように多くの投資家からお金を集めて、専門家がそれを集中して投資し、儲けを投資家に配分するような際に、そのお金を集めて出したり入れたりするバスケットのようなもの(ビークルといわれますが)として使われることが多かったです。

 しかし欧米では、個人がその所有する資産を管理することが難しい場合だけでなく、相続対策、事業承継対策としても使われます。専門家に資産管理だけでなく、相続対策も相談でき、自分が望んでいるような形 すなわち誰に何を渡すかということを決め、実行できるからだと思います。

 日本においても最近、遺言信託に力をいれる金融機関が増えてきています。遺言に信託を設定するということだけのサービスから始まり、相続時に遺産を遺言にしたがって、配分していくところまでできます。

 なぜ日本の金融機関が遺言信託に参入したいかというと、遺言の作成にかかわることにより、個人の財産状況、家族状況などとても知りたい情報が正確に手に入るからだと思います。その情報をベースに金融機関が販売している商品を売り込むと、何も情報がないときよりも成約率は高くなるからです。

 では日本は英米のように今後、個人の資産管理信託が発展するでしょうか。私は、??です。なぜかというとたとえばアメリカでは、信託のしくみと相続のしくみが似ていて、信託が相続にスライドしやすいから発展したところもあるのですが、日本では信託と相続はシステムが違うからです。

 信託というのは、委託者が自分の財産を受託者に預け、運用してもらい、その運用利益や、元本を自分があげたいと思う人にわたせるしくみです。

 アメリカの相続は、日本のように相続と同時に被相続人の財産が自動的に相続人に移るというようなシステムではなく、いったん遺産財団という、被相続人のものでも相続人のものでもない、別の存在というものができると考えます。そして弁護士などが、その財産の管理をしたり財産の配分をしたりして財産の配分が全部終わると、遺産財団はなくなります。この遺産財団と信託というのは似たようなシステムだから、信託が多く利用されているように思います。

 日本においてこのままでは遺言信託の発展は難しいと思います。相続と信託は全然違うシステムですし、遺言信託関連の手数料がサービスと比較して高いからです。でも価格競争により合理的な手数料になるならば発展すると思いますし、信託を使うことにより相続税が安くなるというように税法かえたら大化けすると思います。

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