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2005年10月22日 (土)

レモンマーケット

 レモンというとまず思い浮かぶのは、 レモン哀歌 高村光太郎「智恵子抄」

 「私の手から取った一つのレモンをあなたの綺麗な歯ががりりとかんだ」

  このフレーズとともに黄色くて爽やかな、しょっぱい感がさーっとイメージされます。

  先日、ネタ探しと基本の勉強のために渡辺晋「これ以上やさしく書けない不動産の証券化」PHP、 を買ったのですが、なぜ証券化関連の本の中でこれを選んだのかというと、本の帯にレモンマーケットという言葉があり、さーっと心に染みていったからです。

 なんか素敵そうだなあ♪  とっても知りたいなあ♪

 で、本題!  レモンマーケットとは、買い手が、その商品を外から見て、中身がどうなのかよくわからないような市場のこと。 レモンは黄色くてそこそこ分厚い皮に覆われていて、どのレモンがおいしいのかどうか判別がつかないことから、外からでは欠陥がわからないような中古の自動車のことをレモンカーというようです。

 このレモンマーケットについて深く研究した人がいて、その人 名前はアカロフというのだそうですが、2001年にレモンマーケットの理論でノーベル経済学賞を受賞されたそうです。

 売り手は商品の中身(欠陥とか)をよく知っているが、買い手はわからないような商品の場合、買い手は、内容に不安があるからリスク分安い値段でないと買おうと思いません。安い値段でしか売れないとわかると、売り手は、品質の良い商品とわかっても儲からないので、品質の良い商品を供給しなくなります。そうすると、売り手が供給するのは、欠陥のある商品だけになり、買い手は、欠陥のある商品なら「ただ」でもいらないと思うので、結局、市場は行き場のない欠陥のある商品の山と化してしまうということです。このような理論のことをレモンマーケットの理論というそうです。

 このレモンマーケットの理論のような恐ろしい結末にならないためにはどうすればいいのでしょうか。それは、商品の内容を買い手にわかるようなシステムを作ることです。

 このシステムの1つとしてディスクロージャー(情報開示)があり、商品を市場でたくさんの人に買ってもらう場合には、売り手は商品の内容について、ルールに基づいて情報を提供しなければならなりません。

 このディスクロージャー、それなりに知識のある投資家の人たちにとっては理解を促すよい資料なのでしょうが、そんなに知識のない投資家の人たちにとっては、ただの紙で、結局投資の判断のベースになるのが、金融機関の営業マンのセールストークだったりします。そして後日トラブルが起こったときに、ちゃんと資料を提供してたでしょ!と主張されて、泣き寝入り。 

 ディスクロージャーの内容を充実させるのはいいのですが、それよりも普通の人たちに、投資判断をするまでの資料の分析の仕方をわかりやすく教えるシステムを作った方がいいと思います。

 

 

 

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