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2005年11月30日 (水)

管理型信託業でできること

 資産流動化型信託業を営もうとおもった場合、管理型信託会社と信託受益権販売業者の登録をした会社を作るというのが主流になるといわれてます。

 管理型信託とは、委託者の意思に基づいて信託財産を管理、処分するだけの信託であり、信託財産につき保存行為又は財産の性質を変えない範囲内の利用行為もしく改良行為のみが行われる信託です(信託業法2③一、二)。

保存行為、財産の性質を変えない範囲内の利用行為、改良行為とは?

信託会社等に関する総合的な監督指針5-2-1(2)より

 <?信託財産の保存行為とは?>

◎知的財産権等に対する侵害を排除するための行為 

 勝手に利用する人に使うな!と弁護士引き連れ主張する行為

◎未登記不動産等について登記等を行う行為

◎消滅時効の中断等財産権の消滅を防止する行為

 お金を貸したけど、ちっとも返してくれない相手に払ってね!と懇願するような行為もあるのかなあ

◎配当、利息の受取等財産権からの予定された収益を収受する行為

 預金の利息が預金口座に入ってくるようなこと

 <?財産の性質を変えない範囲内における利用行為とは?>

◎信託財産の管理又は処分により生じた金銭を普通預貯金により管理する行為

 たとえば土地信託で、家賃収入や土地を売却した場合の売買代金を普通預金に入れること

◎民法602条に規定する短期賃貸借に該当する行為

 短期賃貸借とは、処分能力、権限のない者(たとえば準禁治産者、相続財産の管理人)が賃貸借の当事者になる場合は、賃貸期間が短期間に制限されるということ

◎知的財産に関し他者の利用を制限しない通常実施権を設定する行為

◎知的財産に関し他者の利用を制限する専用実施権を短期間(3年以内)実施する行為

通常実施権、専用実施権は明日書きます。

 ☆財産の性質を変えない範囲での利用行為にならないものは?

◎ 預貯金を貸付債権に変更する行為

お金を貸しちゃだめ

◎上記短期賃貸借に該当しない賃貸借に該当する行為

602条によるとたとえば土地の賃貸借は5年 建物の賃貸借は3年となってるから、この期間を超える賃貸借契約を受託者は第三者と結んで、収益を得るのはだめということか?

◎知的財産権に関し専用実施権を長期間設定する行為

<?財産の性質を変えない範囲内における改良行為とは?>

◎無利息債権を利息付債権に変更する行為

利息0%から利息5%に変更するようなこと

◎財産権から担保権という負担を除去する行為

担保権をなくすことにより財産を自由に使える

 ☆次のような行為はだめ!

◎農地を宅地に変更する行為

◎預金を株式に変更する行為

ようするに違う資産(現金等以外)に化けるような行為はだめということかなあ♪

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2005年11月29日 (火)

管理型信託業と運用型信託業

 信託業法の改正で管理型信託業法の改正が可能になりました。

 この管理型信託業というのは、通常の信託業(運用型信託業)と簡単に比較すると

        運用型信託業       管理型信託業

参入資格      免許             登録☆

業務範囲   信託業すべて      信託業の範囲が制限☆☆

組織形態   株式会社のみ      株式会社のみ

最低資本金   1億円            5,000万円

最低営業保証金 5,000万円       2,500万円

☆ 3年ごとに登録更新

☆☆

 ◎ 委託者又は委託者から指図の権限の委託を受けたのみの指図により信託財産の管理又は処分が行われる信託

 ◎ 信託財産につき保存行為又は財産の性質を変えない範囲内の利用行為若しくは改良行為のみが行われる信託

  (信託業法2③一、二)

              

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2005年11月28日 (月)

自社で流動化信託ビジネスをする方法 

 信託業が改正になり、銀行以外の業種でも信託業に参入が可能になりました。

 たとえば大企業が自分の所有している資産を信託して、信託受益権を販売し、早めに投下資本を回収しようという資産流動化ニーズがある場合、自分自身が信託会社になるのは、信託業法で認められにくいので(事業会社が信託宣言使えるか?参照)子会社で参入することが多いと思います。そしてその子会社が、信託会社のうち管理型信託の登録をし、それに付け加えて信託受益権販売業の登録をすれば、自分たちのグループ内で資産を流動化し、投資家に直接販売できます。

 どういうスキームかというと 

①資産を有している会社が子会社をつくり、管理型信託と信託受益権販売業の登録をする。

②資産を信託子会社に譲渡し、信託を設定し、信託受益権を受取る

③信託受益権を信託子会社に譲渡して、販売代金を受取る。

④信託子会社は、信託受益権を投資家に販売して販売代金を受取る。

⑤投資家は、信託受益権を購入して代金を支払う。

⑥信託された資産が利益を生み出す。

⑦信託子会社は、利益から手数料等を差し引き、投資家にその利益を分配する。

⑧もしその信託受益権が有価証券であり、もしその有価証券が上場しているなら(これはあくまでも仮定)、投資家は、信託受益権をマーケットで売買して、投下資本を回収する。

こんなかんじになります。

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2005年11月27日 (日)

日経ビジネス ホテル,エアラインランキング

 今日は日曜日♪ 

 ついでに中国語の検定試験4級 (英検4級みたいなもんですが)のある日♪

 私は日経ビジネスが好きで何年もとってます。ここで毎年ホテル、エアラインランキングを掲載してます。今年のホテルのランキングは

        東京                 大阪

1  パークハイアット東京        ザリッツカールトン大阪

2  ホテルオークラ東京         帝国ホテル大阪

3  帝国ホテル、ホテル西洋銀座   ホテル阪急インターナショナル

11月23日リッツ.カールトンで学んだ仕事で一番大事なことにリッツカールトン大阪の話を書いたのですが、やっぱり大阪はリッツのぼろ勝ち

パークハイアットとリッツの共通点は、きめ細やかな顧客サース パークハイアットは客単価が@51,000らしいです。「新しいことにチャレンジするのではなく、今のサービスの質をより高めていくことが私の仕事」パークハイアットのロバート.パーカー総支配人

 顧客ごとのニーズに対して、レディーメードのサービス(いわゆるマニュアル的なサービス)ではなく、オーダーメードのお客さまを感動させるサービスをしているということなのでしょうね。

 そのサービスをするのは各従業員ですが、きっと教育が行き届いているのでしょう。

 また顧客に応じたオーダーメードのサービスのよさで高い評価を獲得したのが国際線エアライン部門の全日空 サービスの代表例として、搭乗から降機まで、1人の乗客を同じ客室乗務員が担当するパーソナルサービスだそうです。

 高付加価値ビジネスの秘訣は、オーダーメードのサービスが提供でき、顧客を感動させられるかどうかです。ハードウェアよりもソフトウェアのよさで勝負します。

 それを組織的に構築できるかどうか。実現できると、ランキングがあがり、収益性も向上するのでしょうね♪

 参考 「ホテル.エアラインランキング」 日経ビジネス 2005年11月21号

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2005年11月26日 (土)

信託業への参入 人材の確保

 信託業法が改正され、銀行以外でも信託業を営むことができるようになりました。

第一号が、映画ソフト等の信託 いわゆる1つの知財信託のジャパン デジタル コンテンツ信託株式会社

第二号が たぶん遺言信託とか相続事業承継系信託の朝日信託株式会社

第三号が リース債権等を信託する資産流動化系の日立キャピタル信託株式会社

 次は何かな?

 で、信託業に参入する場合、いろんな条件を満たさないといけないのですが、一番キーになるのが人材の確保 どういう人材がいるかというと

 人的構成に照らして、信託業務を的確に遂行することができる知識及び経験を有し、かつ、十分な社会的信用を有していること(信託業法5①三)

 具体的には

 イ 営業の本部機能を有する部門に、信託業務に関する知識を有する者を複数名配置することとなっているか。うち少なくとも1名は、信託業務に3年以上携わった経験を有する者であるか

 ロ 信託財産運用部門及び信託財産管理部門のそれぞれに、管理又は処分を行う財産管理、処分業務に3年以上携わった経験を有する者を配置することとなっているか。

 ハ 内部監査部門及び財務管理部門のそれぞれに、信託業務に関する知識を有する者を配置することとなっているか

 二 法令等遵守の管理部門に、信託業務及び信託関係法令に関する知識を有する者を配置することとなっているか。

 ホ 信託業務に係る営業の担当者は、信託業務に関する知識を有する者であるか。

 へ 信託業務を担当する役員が、その経歴及び能力等に照らして、信託業務を公正かつ的確に遂行することができる十分な素質を有しているか。

<信託会社等に関する総合的な監督指針 2-2-4 人的構成に照らした業務遂行能力の審査(2)①>

 ようするに今の段階では、信託銀行から数人は経験者をひっぱってこないとだめなようです。

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2005年11月25日 (金)

ケイマンのチャリタブルトラスト

 今はもうTK+YKスキームにおされて、あまり使われていないと思いますが、資産の流動化スキームでよく使われたのがケイマン島のSPCを使う方法。

 ケイマンのSPCに資産を直接譲渡するケースと、ケイマンのSPCが東京支店を設けて資産を譲渡する方法、ケイマンのSPCが子会社を作る方法があります。

 いずれの方法であれ、ケイマンのSPCの株主がチャリタブルトラストになります。

 チャリタブルトラスト(慈善信託)であることが、流動化スキームでは重要です。

 どうして作るかというと、昔の記憶をたどってるので間違ってるかもしれませんが、ケイマンのSPCを弁護士が最低資本金で作ります。そして弁護士がその株式を信託会社に譲渡します。信託会社がその株式について信託宣言をします。この段階で 信託会社が委託者=受託者=受益者になります。そして、受益者を信託会社から慈善団体に変える。そうすると実質的には慈善団体がSPCを所有することになります。もしかしたら信託宣言の段階で受益者を慈善団体にしていたかもしれません。

 チャリタブルトラストを作るメリットは?

 やっぱり倒産隔離でしょう。 SPCを使って資産を移動するのは、資産を証券化して、投資化からお金を集めたいからです。投資家は、資産がお金をいっぱい生んでくれるから投資してくれるのであって、昔その資産を所有していた会社がどうかなんて関係ありません。

 お金をいっぱい生んで欲しい。でも証券が紙切れになっら困る。ここで問題なのは、資産を譲渡した会社(オリジネーター)が倒産した場合、破産管財人の手が、SPCに移った資産にかかるリスクがあるかどうかです。破産管財人が、SPCの資産は実は倒産した会社の物だけど差押さえを逃れるためにわざと移したと主張して破産財団にほりこまれた場合、その資産を担保にした証券は価値がなくなるので、投資家は投下資本を回収できなくなってしまいます。

 破産管財人の追求を受けないようにするための方法の1つとして、SPCの株主を資産を保有していた会社と全く関係のない会社や人にしてしまうのです。でも関係ない者だったら誰でもいいかというとそうでもありません。会社は株主のものです。株主の意向で会社の経営なんてなんとでもなります。もし悪い奴が株主になって資産を食い物にしたら、投資家が困ってしまいます。

 だから株主は、そんな食い物にしないような人や団体で、会社の運営にも口をださないのがいいのです。その点 慈善団体はいいのです。誰が受益者が明確でないし、資産の所有者とも関係ないので、

 

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2005年11月24日 (木)

事業会社が信託宣言使えるか?

 信託宣言という言葉があります。委託者が信託宣言!をすると、委託者が所有している財産は信託財産となって、委託者の者であって委託者のものでない不思議な状態になります。委託者=受託者となるような状態で、とりあえず委託者=受託者=受益者という状態になるのですが、受益者が有する信託受益権を転売することができるので、そうすれば受益者は、委託者以外の第三者となります。

 たとえば製薬会社で、明らかに大化けしそうな製薬開発部門を信託宣言し、信託受益権を投資家に販売すると、製薬部門はそのままの状態で、投下資本は、早く回収できます。

 いわゆるトラッキングストックみたいなことを信託受益権を使ってできるのかなあ。信託受益権自体 有価証券化が可能になりそうですが、

 で、問題はこれが本当に実現可能かどうかということ 神田秀樹(監修、著)阿部泰久、小足一寿著 「新信託業法のすべて 」P180~P181  きんざい によると

「しかし、法令(信託業法、信託業法施行令、信託業法施行規則)ならびに、金融庁が定めるガイドラインである「信託会社等に関する総合的な監督指針」(以下「監督指針」というを仔細にみると、一般事業会社がそのまま本体で信託業を営むことは、兼業規制などの業務規制、信託会社としての行為規制等をクリアすることが困難であることから、あまり現実的ではないと思われる。」

 となってます。 この信託業法等の規制とは、たとえば 信託業法5②八から

他に営む業務がその信託業務に関連しない業務である株式会社又は当該他に営む業務を営むことがその信託業務を適正かつ確実に営むことにつき支障を及ぼす恐れがあると認められる株式会社は、(信託会社の)免許を与えられない

 ということから、上記の場合、信託会社が製薬会社を兼営するということになるのですが、それはこの規定の運用でひっかかり難しいということをいっているような気がします。

 事業会社が信託宣言をして事業信託をするというは難しそうなので、その代替案としてあるのが

 「むしろ、実際に異業種からの信託業参入として行われるものは、既存の事業会社が、新たに信託子会社を設立して信託業に参入する場合が多いものと思われる」

 上記 神田秀樹(監修、著)阿部泰久、小足一寿著 「新信託業法のすべて 」P181  きんざい に記載されています。

 そういえば日立キャピタル(株)が100%出資の信託会社を設立して参入してますね。

 http://www.hitachi-capital.co.jp/hcc/news/2005.html

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2005年11月23日 (水)

リッツ.カールトンで学んだ仕事で一番大事なこと

 今日は休日です。起床時間はいつもあんまりかわらないので休日の感覚はないのですが、

 神田正光 リッツ.カールトンで学んだ仕事で一番大事なこと あさ出版 という本があります。

 私は、大阪のおばちゃんなのですがリッツカールトンの中に入ったことはありません。事務所の男の子が、最近ここで結婚式をあげたそうですが、庶民が気軽に入って、ご飯を食べたり、宴会したりというのはちょっとはばかられるような目に見えない敷居の高さがあります。あそこは別格。

 別格ということは、当然お値段もはります。大阪は東京と比べて、非常に値段にシビアな世界です。にもかかわらず、他と比べて、何割も高い値段をお客さま方は満足して支払われます。これは物凄いことだと思います。

 どこが他と違うのでしょうか? 

 パーソナルサービス 心くばり 相手の心情を十分に考慮したり、予測される事態に対して万全の対処をすることです。

 たとえば24時間対応のホテルのルームサービスってありますよね。 普通のホテルは、コストを考えるから、アイテム数が少なく、簡単な調理でできるものになってるようです。

 リッツの場合は、夜間も昼間もかわらないフルラインの料理をだしているそうです。採算を度外視してもです。でも夜中にすごい料理がでてきたら(夜中に血の滴るようなビーフステーキを食べれること自体凄いのですが)、お客様は感動するでしょうね。他じゃでてきませんから。

 夜中の豪華なルームサービス → 顧客感動 → 他よりも高額な代金を払う。→もう一度感動を味わいたいからまた予約する

 こういうふうなサイクルができてくるから、夜中にコックさんを常駐させることによるコスト増は、ルームサービスの代金よりも高いかもしれませんが、最終的にはホテルの代金に組み込まれ、リピーターとして再びお金を落としてくれるので、吸収されるのだと思います。

 このサイクルを作ることができれば、高収益のビジネスというのは可能なのでしょう。

 そしてこのキーポイントは、顧客を感動させる従業員の心配り、それを全員に徹底的に浸透させている。そのためにクレドという経営哲学 ようするにお客さまへの心配りが何よりも大事ということを研修やOJTで教えているそうです。

 この高収益ビジネスの秘訣はお客さまへの心配りの徹底というのは非常に学ぶべきところがあると思います。

 

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2005年11月22日 (火)

三菱UFJ 大学の知財 初の信託

 昨日(平成17年11月20日)、日経新聞の朝刊の第一面に 三菱UFJ 大学の知財初の信託 まず九州大と企業に仲介という記事が載ってました。ごらんになられた方も多かったのではないかと思います。

 簡単にスキームを書くと

 九州大学初のベンチャー企業が持っている技術のノウハウの特許を受ける権利を信託して信託受益権を受取る。

 受託者(三菱UFJ)がこの権利を使ってくれる事業会社を探す。受託者は特許を侵害するような悪いやつがあらわれたら法律事務所と組んで退治する。

 実用化が可能で儲かりそうになったらベンチャー企業は、持っている信託受益権を投資家に売却し投下資本を回収する。

 メリット 

◎ 特許権を信託することによって、専門家のアドバイスが受けられる。

◎ 実用化して儲かりそうになったら、本当に儲かる前に信託受益権の販売を行うので投下資本が早期に回収できる。

疑問点

◎ 新聞とか 三菱UFJのプレスリリースを読んでいると、特許権として特許庁がOKした段階で信託しているのではなく、その前の段階で 「特許を受ける権利」に対して信託をしているような気がするのです。そんなんOKなんでしょうか?

◎特許侵害があった場合法律事務所と協力して損害賠償を起すということですが、直接保有するよりも信託をすることにより損害賠償できる範囲が狭まるというリスクがあるのですが、この辺は検討されたんでしょうか?

 これについては、私のブログ 知財信託はなぜブレークしないに書いてますのでご覧ください。

日本経済新聞のHP http://www.nikkei.co.jp/news/main/20051121AT2Y2000220112005.html

三菱UFJのHP

http://www.tr.mufg.jp/ippan/release/

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2005年11月21日 (月)

CAPM DCF法

DCF法とは、企業が将来生み出すお金の合計額を今受取れるならいくら?という観点から企業を評価する方法です。

 このDCF法のキーポイントは、経営者が自由になるお金(フリーキャッシュフロー)と、現在価値に割り引く際の利率 すなわち資本コストです。

 この資本コストを計算する代表的な方法が、負債と自己資本の資本コストを加重平均するWACCです。負債のコストは借入金の平均利率なので、簡単に数値を拾い出すことができます。たいへんなのが自己資本の資本コストです。

 この自己資本の資本コストの計算方法として代表的なものにCAPM(Capital Average Princing Model)があります。これは、どんな状況になっても、投下資本が回収されるような債券の利回りをベースに、その会社に投資しても返ってこないようなリスクを加算して資本コストを計算します。計算式は次のとおりです。

 自己資本コスト=リスクフリーレート+マーケットプレミアムXβ値

 リスクフリーレートとは?

 絶対に安全な運用資産の利回り 長期国債の利率を採用することが多いようです。

マーケットプレミアムとは?

 リスクフリーレートを超える株式市場全体の投資収益率(株式投資に対して一定期間に受取れる配当とか、キャピタル合計額の割合)です。

 だって株式に投資するのは、長期国債に投資するより利回りが高いからだもん♪

β値とは?

 株式全体市場の投資収益率が1%変化した場合、対象会社の投資収益率がどれだけ変化するかを表したもの 

 β値>1% かなり変動リスクが高い(株価が乱高下しやすい こけるリスクもある) 

∴ マーケットリスクプレミアムXβ値が大きくなる→ 自己資本コストが高くなる

 β値<1% 変動リスクが低い(株価が安定している。こけるリスクが低い。)

∴ マーケットリスクプレミアムXβ値が小さくなる→ 自己資本コストが低くなる

とりあえずDCFシリーズは一応終了 さて 明日のネタは何にしようかな♪

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2005年11月20日 (日)

WACC DCF法

 DCF法とは、会社が将来稼ぎ出すお金の合計額を、現在受取るならHow much?として、会社の価値を評価する方法です。

 この方法の計算上、キーとなるのは、経営者が自由に使えるお金(フリーキャッシュフロー)と、現在価値に割り引く場合の資本コストです。

 この資本コストがいくらなのかを計算する方法として、代表的なものにWACC(weighted average cost of method)があります。これは資金調達の方法は大きく分けて、他人資本(負債 借入金)と自己資本(資本 出資)であり、それぞれの資本コストを加重平均して求めるものです。算式は次のとおり

 資本コスト=他人資本コストX(1-実効税率)X負債比率+自己資本コストX自己資本比率

負債比率=有利子負債の時価/(有利子負債の時価+株式時価総額)

自己資本比率=株式時価総額/(有利子負債の時価+株式時価総額)

? なぜ他人資本コストは実効税率を引くか? 支払利息は税務上、損金となり収入から差引けるので、その分税金が安くなるので、会社からでていくコストが減るから

 ちなみに自己資本コストの配当は、税務上、損金とならず収入から差引けないので、実効税率をマイナスできない。

?有利子負債の時価ってどうするの

 資産を時価評価することはよくきくけど、負債を時価評価するってよくきかないですよね。これ通常は、簿価できます。 借入金の場合、毎年利息を払いますよね。たとえば利率5%で1億円借りた場合 1年後に返すのは、1億500万円 これを資本コスト5%として割引くとと1億円だから 簿価で計上したのと同じと考えるのかなあ

?株式時価総額ってどうして計算するの?

 これ、株式が上場している場合は簡単だけど、非上場の場合は大変で、やっぱ 時価純資産とか使わざるを得ないのかなあ。ほんとにこれは困る。非上場って 株式所有している人によって、価値が違うからね。 大株主は会社を支配するため 小株主は配当を受取るため。 義理、 義務。。。。

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2005年11月19日 (土)

資本コスト DCF法

 DCF法とは、会社が将来稼ぐお金がいくらなのかをはじきだして、その金額が今もらえるといくらになるのかという観点から、その会社の価値を評価する方法です。

 このDCF法のキーになる数値は2つあり、1つは昨日書いたフリーキャッシュフローであり、今日書く資本コストです。

 資本コストとは、事業を行い、お金を生み出すためには、事業を行うために必要なお金を調達してこなければなりません。この資金を調達するためには、コストがかかります。

 このコストは、借入金のような他人資本の調達場合は、利子であり、出資のような自己資本の調達の場合は、配当にあたります。利子は、その会社が儲かっていようがいまいが一定の利率で支払わなければなりません。これに対して配当は、儲かっている場合は払うことができますが、儲かっていない場合は、払うことができません。

 会社が倒産した場合、会社の財産を処分して、他人資本提供者や、自己資本提供者に弁済しますが、優先して弁済を受けれるのは、他人資本提供者の方です。

 自己資本の提供者は、当然、儲からない場合は、配当がもらず、倒産したら紙切れにすぐなることを重々承知しています。おなじ100円を投資しても、お金を貸した方が安定して利息をもらえ、配当はどうなるかわからないのに利子と同じ利回りだったら、誰も株式には投資しません。自己資本の提供者は、他人資本の提供者よりも、より高い利回りを求めます。

 ですから通常 他人資本コストよりも自己資本コストの方が高くなります。

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2005年11月18日 (金)

フリーキャッシュフロー DCF法

 DCF法とは、会社が将来いくらお金を稼ぐかということから会社の価値をはじき出す方法です。この方法でキーとなるのが フリーキャッシュフローと資本コストです。

 フリーキャッシュフロー(FCF)とは、経営者が自由になれるお金のことで簡単な算式で書くと、(税引前当期純利益+支払利息)X(1-実効税率)+減価償却費-固定資産投資額-運転資本純増額(運転資本純減額)

☆なぜ支払利息をたすのか?

 お金を稼ぐためには、まず資金が必要 その資金を調達する手段としては、2つあって、お金を借りる方法とお金を出資してもらう方法 これらの調達のコストは、支払利息ど配当 配当は会計上も税務上も費用にならないので、支払利息も配当と同じ条件にするため計算からぬいたのです。

☆なぜ(1-実行税率)なの? 

 稼いだ利益に対する最大のコストはやっぱり税金だからその分を差引かないと、手取りの儲けははじけないのです。

☆なぜ減価償却費をたすの?

 減価償却とは、建物とかパソコンとか目に見える資産は、時間がたったり、使用したりすると価値が減少するので、使用期間にわたって、一定のルールで、その減少部分を費用として配分しましょうというようなもの。普通の費用は、発生するとお金がでていくけど、この減価償却は、費用が発生しても、買った資産の価値が減るだけで、お金がでていかないんです。つまりこの部分は、会社にお金が残ると考えて、FCFを計算する時はプラスにするんです。

☆なぜ固定資産投資額を差引くから?

 固定資産を買うとお金がでていくから。

☆なぜ運転資本純増額を差引くのか?

 運転資本とは、会社の事業に通常必要なお金で、この部分が増えるということは、それだけお金がでていくということだから。

 こんなかんじでFCFは計算しますね♪

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2005年11月17日 (木)

DCF 現在価値って何?算式ってどんなの?

 DCFとは、将来獲得するお金を現在の価値で評価する方法です。

 現在価値というのは、どういうことかというと たとえばここに100万円あります。今100万円受取るのと 1年後100万円受取るのだったらどちらを選択しますか? たぶん誰でも今受取りますよね。 だって今100万円受取って預金をしたら低金利といえども利息がつきます。もし利率が2%なら1年後自分お金は102万円です。 1年後に100万円の現金を受取るよりも利息分だけ特です。

 じゃもし1年後に100万円受取るために今、いくらお金があったらいいの? これは1,000,000÷1.02=980,382です。

 つまり1年後の100万円の現在価値は980,382なんです。こんなかんじで将来受取る現金を現在価値におきかえるのは、評価する対象は、将来のお金だけと、取引するのは今だからだと思います。

 DCFの算式はだいたいどうなっているのかというと

 予想期間内各年のフリーキャッシュフロー(FCF)の現在価値の合計額+予想期間経過後のFCFの現在価値=企業の経済価値 

 フリーキャッシュフローっていうのは、一応算式はありますけど、簡単にいうと経営者が好きに使えるお金のこと

 予想期間という言葉が2つありますけど、将来いくらお金が入ってくるかという予想をいつまでたてられるか、その予想ができる期間のことです。どうなるかわからない未来のことだからそんなもんわからんと言っちゃえばそれまでですが。通常 5年とか10年とか 中期経営計画って言葉ありますよね。あーいう計画で予想されている期間なんかDCFの計算のときに使ったりします。

 上記算式に予想期間経過後におけるFCFの現在価値がありますよね。これは、予想された最後の期間に獲得するお金が、その後、永遠に続くと考えた場合の予想期間終了後に獲得するお金の合計額の現在価値のことです。

 このDCFのキーになる数値がFCFと現在価値に割り引く時に使う利率(資本コスト)です。これらは、裁量というか判断の入るところですので、いくら合理性を追求しても、それが本当に正確な事実をあらわしてるのか、本質的なところは誰もわからない部分です。なんてっつたって絵に描いた餅ですから。

 このFCFと資本コストを明日以降ちょこっと書きます。

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2005年11月16日 (水)

知財評価 ロイヤリティ料率をベースにしたインカム法

 知財評価を行う場合、評価方法はいくつもあるのですが、その評価方法の分類の仕方で有名なのがスミスとパールの分類であり、これによるとコスト法、マーケット法、インカム法に分類されます。

 このうち知財評価と相性がいいのはインカム法だろうなと思います。このインカム法とは将来、知的財産を利用することにより生み出すであろうお金を予想して、それが今の価値だったらいくらになるの?ということから評価するものです。

 この将来、知的財産を利用することにより生み出すであろうお金を予想して、今の価値に引き戻す方法は、DCF法(ディスカウント キャッシュフロー法)という方法です。

 この方法は、企業評価をする際に最近よく使われる方法です。たとえ現在、投資過多で債務超過状態の会社でも、将来、その投資が成功して、大金が転がり込むことが予想されるならば、その大金をベースに価値を評価するので、非常に高い企業評価となります。

 ただここで評価の対象にしているのは、あくまでも知財評価で企業評価ではありません。ですからDCFで企業価値をはじき出した場合は、ここから知財評価部分を切り出さないといけません。企業価値は、特定の知的財産だけから成り立つものではないですから

 この企業価値から特定の知的財産を切り出す方法もいくつかあります。

 この切り出し方 つまり知的財産の寄与度を求める方法のひとつとして、ロイヤリティ料率により見積もる方法があります。他の会社とライセンス契約を結んだ場合、売上の何パーセントかのロイヤリティを払ってねというような取り決めをすることが多くあると思います。簡単にいうと将来の毎年の利益のうちライセンス料相当分をはじき出し、それを現在価値に割り戻して合計するというような方法ではないかなと思います。

 欧米で多様されているのが、将来各期の利益の25%(33%)をロイヤリティ率と考えて、各期の利益に料率を乗じた金額の現在価値の集積で知財評価をする方法だそうです。 

 25%の理論的根拠は、利益は技術開発、製品開発、製造、販売の4つの部分の均等な努力から獲得されるものだから、技術開発は4分の1の25%、この部分が知財評価のベースになるということです。33%の理論的根拠は、上記のうち技術開発と製品開発をワンセットにすると3つの部分になるので貢献率3分の1で33%ということです。注1

また25%(33%)なのかというとロイヤリティ料率の多くが利益の25%と33%の間に分布するという実証報告もあるそうです。注2

明日以降 インカム法の幹となるDCF法についてちょこちょこっと書きます。

注1、 鈴木公明 知財評価の基本と仕組みがよーくわかる本 P162 秀和システム

注2 鈴木公明 知財評価の基本と仕組みがよーくわかる本 P163 秀和システム

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2005年11月15日 (火)

知財評価

 税金のことばかり書いて疲れたので(笑)、ここでがらっとかえて知財評価の話

 知財信託を行う場合、委託者は知的財産に信託を設定し、信託受益権を受取る。そしてこの信託受益権を売却して、知的財産の開発のためにかかったコストを回収し、あわよくば大きな利益をゲットしようと考えているだろうなと思います。

 そこで大事なのはこの知的財産がいくらなのか? 誰もが納得できる価格って How much?    証券取引所みたいなマーケットがあって、誰でも知的財産を同じ時刻に同じ値段で買うことができたら簡単なのですが、そんなものありませんよね。

 で、この知的財産の評価については幾通りかの分類方法があり、その中でもメジャーな「スミスとパールの分類」によると 知的財産の評価は大きく分けて3つあります。

 ◎ コスト法

 ◎ マーケット法

 ◎ インカム法

 ◎コスト法 

 これは、簡単にいうと知的財産を創り上げるまでにかかった費用の合計額をもって評価しましょうというもの このコスト法は、本当に実際にかかった費用で算定する方法(ヒストリカルコスト法)と、今、もう一度知的財産を創るならいくらかかるかで算定する方法(リプレイスメントコスト法)があります。

 ◎マーケット法

 同じような知的財産についていくらで取引されたかに基づいて算定する方法(比準法)や固定負債の時価と資本の時価から有形固定資産や投資その他の資産を差引いて、知的財産を評価する方法(残差法)があります。

 ◎インカム法

 これはその知的財産を使って将来いくらお金が入ってくるか、儲かるかを予想してそこから知的財産を評価する方法があります。

 たぶん今、知的財産の評価でメジャーなのはインカム法と思います。

 マーケットはないからマーケット法といっても事例がまずないですよね。

 かかった値段で評価するといっても、知的財産って、人の発想というかひらめきに基因するところもあるので、ものすごく時間をかけたり、設備投資をしたらいいものができるということもないですからコスト法もしっくりこないですね。

 そうすると消去法でインカム法 でもこれって、将来の予想に基づくから、いくらうーんとうなっても究極的には鉛筆なめなめの絵に描いた餅。でもこの鉛筆なめなめ絵に描いた餅法(口が悪いのですが)が、今のファイナンスでの評価方法の主流なんです。夢に値段をつける! 

 まあ上場会社の株式の評価も、純資産より遥かに高い場合がいくらもありますし、その場合の純資産との差額の原因はいろいろあるのですが、つまるところその会社の成長性に対する期待のお値段 夢のお値段なんでしょうね。

 

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2005年11月14日 (月)

民法上の組合等から非居住者への利益の分配

 平成17年の税制改正で、民法上の組合等(日本版LLPも含まれます)で、日本国内に恒久的施設(事業を行う一定の場所、支店とか工場とか 「PE」という)を有するものが国内で稼いだ所得のうち、組合員である非居住者(日本にいない個人)や外国法人の取り分については、支払うときに20%の源泉所得税を差引きますよというルールができました。

 以前から同じようなケースの場合、組合員である非居住者や外国法人は、国内所得の取り分については、確定申告をしなければならないとさていました。でも日本に来たこともない外人がなんで確定申告せーへんといかんの 取れるものならとってみやがれ! あーかんべー となってあんまり税金を払わなかった。これはいかん いかんとお上が考えて、確実に税金が取れる方法つまり利益を分配するときに税金を差引き、確定申告で精算しましょうというふうにルールを変更しました。

 このルールのみそは、組合の計算期間が締まってから2ヶ月たっても利益を分配しない時でも、2ヶ月後に分配したものとみなして、税金を払わなければならいというルールにしたことですね。 同じような形態で匿名組合というのがあるのですが、こっちは、実際に非居住者等に利益を分配した時(お金が動いた時)に源泉徴収がされるんですよね。

 ところで国際課税のルールって 日本の税法が一番えらいのではなくて、租税条約という2国間で税金をどうするのかを決める条約があって、こっちの方が日本の税法よりえらいんです。

 国内法では、日本国内にPEがあれば、そのPEと関連するかどうかにかかわらず国内の稼ぎはみんな日本で税金かけますよなんです。

 ところがたいての租税条約では、 事業の稼ぎのうちPEに帰せられる部分のみ、PEのある国で税金かけますよとなってます。

 そうするとどうなるのかというと  租税条約のある国に住んでる人や会社が組合員である場合の組合所得で日本で税金がかかるのは、日本国内の稼ぎのうちPEと関係するものというように限定されます。

 なお組合が外国で稼いだ所得を非居住者等に分配した場合は、源泉徴収もいらないし、確定申告もその部分はしなくていいんです。 外人が外国で稼いだ利益は、日本で税金を課す範囲を超えてるということでしょう。

 さてこのルールの変更で、いっぱい外人から税金をとることができるのでしょうか?

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2005年11月13日 (日)

ブランドって何だろう ルイヴィトンは凄い

 ルイ. ヴィトンというと、私は、いつもお客さんが一杯入っている御堂筋に面した心斎橋の店が頭に浮かびます。ルイ.ヴィトンは、ブランド物のバッグで有名な店ですが、エルメスに比べると、価格帯が低く(といっても 10万円くらいはするのかなあ)、デザインも時代に応じて、変化(進化?)していってますね。

 ヨーロッパの多くのブランドショップはお金持ちでブランド信仰のある日本にやってきましたが、ルイ.ヴィトンほど成功しているものはないような気がします。

 ブランド戦略がすごいのでしょう。 うまいなあって思うことが2つあります。

 1つは、日本というのは、西洋に比べて、働くようになってからも親元で生活する若者(特に女性)が多く、 彼らがもらう給料のうち、自由に使えるお金が、そこそこの年収のある中高年の人たちよりも遥かに多いのです。その自由に使えるお金をブランド物に使ってもらうために、イメージ戦略というか広報活動を上手にやってるのでしょう。若い女性が読む雑誌にイメージ広告をだしたり、セレブがルイビュトンを持ってる写真を出したりして、ルイビュトンを持つと、自分の価値が数ランクあがる!と思わせる → ルイヴィトンが欲しいと思う → ルイビュトンを買おう という自然の流れができるようにしてるのでしょう。

 そしてルイビュトンの店に行くと、とても品のある作りで、ガードマンがドアを開けてくれ、中に入ると 上品にバッグが置かれている。 あのセレブが持ってたのと同じものだ。→買おう! で、ここでお値段の問題になるのですが、それがだいたい10万~20万円もあれば、まあ欲しいものが手に入るのです。この値段は、バッグという機能を考えると、非常に高いのですが、エルメスのように100万円を超えるなら大変ですが、これくらいの値段だったら、ボーナスで買えます。海外旅行を1回あきらめれば買えますよね。海外旅行は行っても、お土産と写真しか残らないけど、ルイビュトンのバッグは、永遠に残ります。そしてそのバッグを持つことにより、自分が数ランク上がったような優越感を持てます。こっちがいい!となるのでしょう。私は、逆に物より時間にお金をかけたいから、暇があったら旅行に出かけますが、

 もう1つルイビュトンが凄いなと思ったのは、以前日経ビジネスに掲載された記事を思い出してなので間違っているのかもしれませんが、ルイビュトンが一般大衆に受けて売上を伸ばすと、高価なものから誰でも買えるものになるのでブランドイメージは、あまり上がりません。下がるかもしれません。そうなると、ブランド物を一杯買ってくれる優良顧客(本当のセレブ)が逃げていきます。

 つなぎとめるためにどうするかというと、優良の顧客だけを集めてソサエティというか特別の会を作ります。そして、この会の人だけ特別に、豪華な催しに招待して楽しんでもらいます。たしか、スターウォーズの特別試写会への招待だったと思います。誰でも体験できないような面白いことを、特別の会に参加していたことにより体験できるとなると、うれしいですよね。 とてもうれしい→ そんなうれしさを提供してくれるルイビュトンはすばらしい→もっと買おう! となるのでしょう。

 つまり 売上の裾野を広げる戦略と、コアになる顧客をつなぎとめる戦略 これを同時に鮮やかに行っているのだと思います。所得水準等に応じて顧客の優越感というかあなたは特別の人なのですよというイメージをバッグを通じて提供しているのでしょうね。

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2005年11月12日 (土)

決断力

 先週の日曜日(11月6日)アマチュア将棋の瀬川晶司氏が将棋プロ入り6番勝負で3勝され、プロ入りを決められました。

 私は、将棋については何もわかりませんが、彼の夢にかける情熱の凄さに感銘を受けました。

 私は、棋士の羽生芳治氏の書かれた本を何冊かもっています。将棋のことについて書いた本は持っていません。彼の生き方、物事のとらまえ方について書いた本ばかりです。どの本も感銘を受けた部分については、何度も読んでいますので、手垢で汚れてますね。

 羽生氏が書かれた「決断力」角川書店も、彼の生き方、物事のとらまえ方について書かれた本ですが、この中で刺さった部分を書きます。

 以前、私は、才能は一瞬のきらめきだと思っていた。しかし今は、十年とか二十年、三十年を同じ姿勢で、同じ情熱を傾けられることが才能だと思っている。直感でどういう手が浮かぶとか、ある手をぱっと切り捨てることができるとか、確かに個人の能力の差はある。しかし、そういうことより、継続できる情熱を持てる人のほうが、長い目で見ると伸びるのだ。注1

 1つのことに打ち込んで続けるには、好きだということが根幹だが、そういう努力をしている人の側にいると、自然にいい影響が受けられるだろう。さらに、ペースを落としてでも続けることだ。無理やり詰め込んだり、「絶対にやらなきゃ」というのではなく、一回、一回の集中力や速度、費やす時間などを落としても、毎日、少しずつ続けることが大切だ。無理して途中でやめてしまうくらいなら、「牛歩の歩み」にギアチェンジしたほうがいいと思っている。注2

  落ち込んだときは、蛍光ペンでグリーンに塗られたこれら文章を読んでます。自分の生き方が間違ってないのかなあと思った時に、この文章を読んで、納得したり、反省したりしています。

 羽生さんほどの才能はないのですが、何かを求めて雨の日も、風の日も、正月も、出張に行った日も、こつこつ知識を吸収して、頭の中でくるっとかきまぜ、アウトプットすることがここ数年(3年くらいかなあ)の私の柱ですね。考えてたり書いたりするのはいつも早朝なので、頭の中がクリアで、それだけに集中できて、終わるといつも達成感を感じます。

これからも、ちょっとずつ ちょっとずつ 進化していきたい。そうすればいつかきっと、きっと夢は叶う!

注1 羽生芳治 「決断力」 P170 角川書店

注2 羽生芳治 「決断力」 P172 角川書店

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2005年11月11日 (金)

敵対的買収 信託型ライツプラン まとめ

 今週は、なんとなく敵対的買収 信託ライツプランにつっこみ、ずずっときてしまいました。で、今日で〆.

 敵対的買収というのは、現経営者と対立する勢力が会社の株式をたくさん買って、「資本主義は、株をいっぱいもっている人が、会社を支配するものだから、私の言うことを聞きなさい!」と迫ること。。。

 このような敵対的買収者が現れてから対策を練ってもなかなかうまくいかないので、事前に対策を練り、毒薬をしこんでおいて、もしあなたが会社を乗っ取りに来ても、損すするだけですよというアナウンスをしておく。そのことによって、敵対的買収が起こらないようにしておくのが、企業防衛上は最適なのかもしれません。

 この予防的プランの中で信託を使ったプランが多く採用されているようです。それは、敵対的買収者が現れる前の段階で新株予約権(将来株式を時価よりも通常は安い値段で買うことができる権利)を発行しておくが、その新株予約権を受取ることができるのは、敵対的買収者が現れた時点の株主というような設定ができるからです。

 もし敵対的買収者が現れる前の時点で、新株予約権を発行し、その時点の株主に渡すと、新株予約権を発行した後に株主となったものは、敵対的買収者が現れた時点で、新株予約権をもらえません。新株予約権が行使されて大量に株式が発行されると、1株あたりの株価が下がるので、新株予約権発行後に株主となった者は、敵対的買収者でないのに、とばっちりを受けたみたいに損失を被ります。

 また敵対的買収者が現れた時点で、新株予約権を発行するというのも問題があります。新株予約権をただで発行するためには株主総会の特別決議が必要なのですが、これを開いて、ほんとうにokがでるか。また有事に時価より低い値段で新株予約権を発行すると、株主の権利を不当に害するとかいって発行差し止めのリスクもあります。

 信託型ライツプランには、会社が発行した新株予約権をいきなり信託する方法と、spcに新株予約権を発行し、その新株予約権を信託する方法があります。

 当初検討された信託型ライツプランでは、敵対的買収者には、新株予約権の権利行使も、新株予約権の譲渡も認められないものでした。でもそのことにより、敵対的買収者が受けるべき利益が、敵対的買収者以外の株主に移ったとみなされ、新株予約権を株主に付与した時点で、敵対的買収者以外の株主に新株予約権の受贈益課税が生じることになりました(注1)。

 課税リスクは問題であるということから、敵対的買収者は、新株予約権を行使できないが譲渡できるというような信託ライツプランが次に考案されました。この場合は、上記のような利益の移動がないことから、新株予約権時に、敵対的買収者以外の株主に新株予約権の受贈益課税のリスクはなくなりました。

 そしてそのことから、この新類型の信託型ライツプランが現状では、多く採用されているようです。

注1 信託型ライツプラン(直接型)では、個人株主は、新株予約権付与時には、課税されず、権利行使時に課税されます。

参考文献 関根武  経済産業省経済産業政策局産業組織課課長補佐 「ライツプランの類型化における検討過程と課税上の取り扱い」 商事法務 No1746

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2005年11月10日 (木)

敵対的買収 信託型ライツプラン(新類型)の税金

 敵対的買収4日目 毎日少しずつ読んで、少しずつ理解が深まってます。頭が悪いので、すーっといっきに理解が深まりません。

 今まで敵対的買収の信託型ライツプラン 直接型、SPC型について書いてきました。

 直接型は、発行会社が新株予約権(将来株式を決まった値段 通常は時価よりも安い値段で買うことができる権利)を無償で発行し、これに信託を設定します。将来、敵対的買収者が現れた時点で、新株予約権をその時の株主全員に交付します。ただし毒薬が入っていて、敵対的買収者だけは、新株予約権を行使することも、譲渡することもできません。他の株主は、敵対的買収者登場前の値段の半分で、株式を買い、市場で売却してキャピタルゲインを得ることができるというものです。

 SPC型は、発行会社が新株予約権を無償でSPCに譲渡し、SPCが信託予約権に信託を設定します。敵対的買収者が現れた時点で全株主に新株予約権を無償で交付します。敵対的買収者は、権利行使も譲渡もできませんが、それ以外の株主は、上記同様に株式を買い、キャピタルゲインを得ることができます。

 ここで問題になるのが、新株予約権を無償で譲り受けた場合の株主の課税です。法人の株主の場合は、直接型、SPC型のいずれも時価相当額の課税がなされ、個人株主は、SPC型の場合に時価相当額の課税が為されると書きました。

 これは発行会社が株主に価値のあるものをただで譲渡するから生じるものなのですが、発行会社が株主にプレゼントしたとは考えないのです。発行会社にとって、この新株予約権の発行取引というのは、税法の考え方によると資本取引であり、価値のあるものをただで株主に渡して、自分は損をしたというようなものではないと考えます。自分の財布が2つあって、1つの財布から別の財布に100円うつしても、結局自分のもちものは100円だからと考えるのかなあ。 うまく表現できない。

 では、だれがプレゼントしたのか? それは敵対的買収者です。彼は、結局新株予約権を受け取っても行使も、譲渡もできず、発行済株式数が増え、自分の持株比率が減るから非常な損失が生じます。反対に敵対的買収者以外の株主は、お得な値段で株式を買って、売却してキャピタルゲインを得ることができます。つまり新株予約権を付与した段階で、敵対的買収者から他の株主へ価値が移転したと考えて、その価値の移転部分について利益が発生しているから、その部分について税金もはらってもらいましょうという考えに基づいてます。

 ということは、もし敵対的買収者もたとえ、新株予約権の権利行使ができなくても、新株予約権を譲渡して、投下資本を回収することができるようになった場合は、上記のように敵対的買収者の犠牲の上に、他の株主が得をするという状況ではないから、もはや敵対的買収者から他の株主への価値の移転というものはないと考えるので、新株予約権を引き受けた時点で、敵対的買収者以外の株主の新株予約権の時価相当額に対する課税はありません。

 このようなパターンのライツプランのことを新類型といいます。これは下記2点が確保されているものです。

① 新株予約権を譲渡するには取締役会の承認を要する旨が記載されており、かつ、承認に当たって買収者を排除する規定が存在しないこと

②買収者から新株予約権を譲り受けた者が権利行使を制限されていないこと

新株予約権を用いた敵対的買収防衛策の【新類型】に関する原則的な課税関係について(法人税・所得税関係)(平成17年7月7日)

http://www.nta.go.jp/category/tutatu/sonota/houzin/4168/01.htm

関根武 経済産業省経済産業政策局産業組織課課長補佐 「ライツプランの類型化における検討過程と課税上の取扱い」 商事法務 No1746

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2005年11月 9日 (水)

敵対的買収 信託型ライツプラン(SPC型)の税金

 日曜日にブログで「ナノ経済と検索エンジン」を書き、Googleで知財信託とかトップページにでて、、なんて書いたのですが、突然、私のブログが、Googoleから消えてしまいました。すごいショック! メールで問い合わせたところ、登録自体は削除されていないので、次回のスクロールのときは、、、と返事はきたのですが、、、

 検索エンジンの登録って、超零細業者にとっては、生命線みたいなものですよね。これが唯一の世界に開いた窓なんです。これを切られたら、、、(涙) でも、なんとなく昨日のアクセス分析をみてると、安定顧客基盤ができつつあるようなので、今日もたんたんと書き続けます。いつも読んでいただいてありがとうございます。

 さて昨日の続き。

 ⅡSPC型ライツプラン

 会社が新株予約権を無償で発行し、その新株予約権を SPC(特別目的会社)が引き受けます。SPCは、この新株予約権を譲渡することも、利益を受けることもできません。

 敵対的買収者があらわれた時点で、この新株予約権を、その時点の全株主に譲渡します。この新株予約権には、毒薬が塗りこめていて、敵対的買収者は、この新株予約権を行使して、株式に変えることも、新株予約権を譲渡することもできません。したがって買収者の持株比率がさがり、株式の値段も下がるので敵対的買収者は損失を被ります。

 敵対的買収者以外の株主は、買収者登場前の時価の半分の値段で株式を取得し、売却してキャピタルゲインを受けることができます。

 ①新株予約権設定時、信託設定時

 一 発行会社

 会社が新株予約権をSPCに対して発行した時点で、会社側はいくらで新株予約権を発行しようとも特に税金はかかりません。会社としては、新株予約権の発行は、資本取引のグループに属するものであり、税法の世界では、資本取引に関しては税金がかかりません。株主の個人の財布の中にあったお金が、会社(会社は株主のもの)という別の財布に移動しただけと考えるからでしょうか。

二 SPC

 この新株予約権を引き受けたSPCは、法人です。法人である限り、税金のルールとして、取引はいつも時価で行われたものと考えます。もし時価よりも低い値段で新株予約権を引き受けた場合は、時価との差額は、発行会社からプレゼントされたものと考え、収入に計上しないといけません。

 SPCは、敵対的買収の時の新株予約権をただで引き受けるのですが、その時点で値段がつくようなものだったら、その値段分を収入として計上しなければなりません。しかし敵対敵意買収の防衛のためにSPCが取得した新株予約権については、原則的にこの時価との差額について税金をかけないとしています。

 SPCは新株予約権を引き受けたものの譲渡を制限され、すぐに信託を設定し、新株予約権を保有することによる利益は何も与えられないので、新株予約権の時価が限りなく0に近くなるはずです。注1 それだったら課税してもあまり国にもメリットがないからでしょう。

 三 信託会社

 信託会社は、新株予約権に信託を設定した時点で、名目的な新株予約権の所有者になりますが、将来の株主のために株式を管理するのが仕事で、新株予約権から生ずる利益を受け取ることもないので、税金もかかりません。

 ②敵対的買収者登場、株主に新株予約権交付、株主権利行使、株式売却

 一 SPC

  SPCは、敵対的買収者があらわれた時点で、新株予約権を無償で株主全員に譲渡します。本来なら譲渡時点での新株予約権の時価に相当する利益をもらえるはずなのに、ただで譲渡したというのは、株主に対してプレゼントしたから寄付金だとして税金の計算上費用にならず、税金がかかってしまうとも考えられます。しかしこの時価との差額の部分は、株主に対するプレゼントではなく、契約により譲渡しなければならないからやっているのだ!この損失は合理的なものだ!ということで税金の計算上も費用として認められます。注1、注2

 一 法人株主

 法人株主は、SPCから価値のある新株予約権をただで譲り受けたと考えて、譲り受けた時点の新株予約権の時価を受贈益として収入に計上しなければなりません。

 次に権利行使をした時点で、新株予約権を時価評価した金額と、権利行使により株式購入のために支出した金額(敵対的買収者登場前の時価の半分)の合計額を有価証券の取得価額にします。権利行使時の時価と行使価額の差額である受贈益に対して税金は生じません。

 そしてその株式を譲渡した時点で、譲渡したときの時価と上記により計算した有価証券の取得価額の差額について譲渡益が計上され税金がかかります。

 二 個人株主

 個人株主に関しては、昨日書いた直接型とは異なります。直接型の場合は、新株予約権を付与された時に税金を課さず、権利行使をした時点で税金がかかりますよというルールでした。

 しかしこのSPC型の場合、個人株主は、直接、新株予約権を発行会社から付与されるのではなく、SPCから譲り受けるので、権利行使した時点で税金がかかりますよというルールは適用されません。そうなると法人と同じように新株予約権を取得した時点で、取得時の時価を受贈益とみなし、この収入に対して税金がかけられます。

 そのかわり、権利行使時には、その時点の株式の時価と権利行使価額(敵対的買収者登場前の時価の半分)の差額に対して税金はかかりません。

 そして、株式を売却した時点で、新株予約権の時価と権利行使時に株式取得のために支出した金額の合計額を株式の売却収入から差し引いた譲渡所得に対して税金がかかります。もちろん売買手数料とかも所得から差し引くことができます。

注1 新株予約権を用いた敵対的買収防衛策に関する原則的な課税関係について(法人税、所得税関係)平成17年4月28日 国税庁

 http://www.nta.go.jp/category/tutatu/sonota/houzin/4068/01.htm

注2 関根武 経済産業省経済産業政策局産業組織課課長補佐 「ライツプランの類型化における検討過程と課税上の取扱い」 P23 商事法務 No1746

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2005年11月 8日 (火)

敵対的買収 信託型ライツプラン(直接型)の税金

 昨日 敵対的買収 信託型ライツプランのケースを2つ書きました。もうひとつあるのですが、それは後日で今日はこの2つのケースのうち直接型ライツプランの税金の話をちょこっと書きます。

Ⅰ直接型ライツプラン

 会社が譲渡制限のある新株予約権を無償で発行し、信託を設定します。買収者が現れた時点で、その時点の株主全員に新株予約権を無償交付します。だけど敵対的敵買収者はこの新株予約権を行使することも譲渡することもできません。他の株主は、新株予約権を行使し、買収者登場前の時価の半分で株式を取得し、売却してキャピタルゲインを手に入れることができます。

 ①新株予約権発行、信託設定時

 新株予約権者が将来敵対的買収者が現れた時点での株主ということは、新株予約権を設定した時点では誰が株主かはわかりません。このような場合、新株予約権という信託財産に関わる税金は、委託者である発行者が払いましょうと規定されています。ただ、このケースは、新株予約権者が新株予約権を受け取るという状態なので、実質的には、まだ信託予約権が発行されていないものと考えて税金はかけないと考えます。

 また信託会社は、信託にまつわる所得の帰属者にはならないので、税金はどの時点でもかかりません。

②敵対的買収者登場、株主に新株予約権交付、株主権利行使、株式売却

 一 発行会社

   この時点で実質的に新株予約権を無償で交付し、株主が権利行使をしたらお金が入ってきて、株式が発行されるという流れになります。このような一連の取引を資本等の取引といい、税法上は、このような取引をした会社に対して税金はかかりません。

 二 法人株主

  法人株主は、新株予約権をただでもらった時点で、新株予約権を時価でプレゼントされたと考えて、その金額を税金の計算上収入として計上しなければなりません。これは、法人税法の基本のルールである、取引は常に時価で行われたとして税金を計算しましょうという考えに基づいてます。

 そのかわり、権利行使をした時点では、新株予約権を時価評価した金額と権利行使により株式取得のために支出した金額の合計額が有価証券の取得価額となるだけで特に税金は生じません。

そして売却した時点で売却価額とこの有価証券の取得価額の差額の譲渡益に税金がかかります。

三 個人株主

 個人株主の場合は、法人株主と異なり、信託型ライツプランのように株主総会の特別決議を経て、ただで新株予約権の付与を受けた場合は、付与を受けた時点で税金はかからず、権利行使をした時点で権利行使時の株式の時価と権利行使価額(敵対的買収者が現れる前の時価の半分)の差額部分について税金を計算するというルールになっています。

 なぜこのような課税関係なのかというとこの信託型ライツプランの新株予約権の譲渡が制限されているから換金価値もないだろうということが前提とされているようですから、もし譲渡可能な新株予約権を個人株主に発行するような場合は、付与時に税金がかけられる思います(注1)。

 そして個人がその株式を譲渡した場合は、譲渡した時の株式の価額(時価)と権利行使時の価額(時価)の差額に対して税金がかかります。権利行使時の価額(時価)と株式の権利行使価額(株式の購入価額)の差額に関しては、すでに課税されているので、譲渡時点では税金はかかりません。

 個人の権利行使時の所得の種類はどうなるのでしょうか? 所得税は、法人税と違い所得の種類により税金の計算が違います。新株予約権の権利行使をして得た所得については、原則的には雑所得となると思います。では、株主がたとえば発行会社の役員や従業員の場合は、給与所得なのかな? でもこの新株予約権は、会社との雇用関係、委任関係があるものに対して特別に発行したものではなく、株主一律に発行し、その株主のうち特定の人が、たまたま発行会社の従業員だった、役員だった、ということですから雑所得ではないでしょうか。

注1 関根武 経済産業省掲載産業政策局産業組織課課長補佐 ライツプランの類型型における検討過程と課税上の取扱い P20 商事法務 No1746

 

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2005年11月 7日 (月)

敵対的買収 信託型ライツプラン

 今年は、IT企業による敵対的買収がおおはやりですね。まず、ご存知ホリエモンのニッポン放送買収の問題がおこり、いまは、楽天の三木谷さんのTBS買収 

 10月31日号の日経ビジネスでは、TBS経営統合で、世界に通じるメディア業をめざすということですが、アメリカのAOLがタイムワーナーを買収し、結局うまくいかなかったことを例にとって、この買収の結末は悲観的であるというようなニュアンスのことが書かれてました。

 人は、メディアを見世物としてみるが、インターネットはサーチとして利用している。 この本質の違いから融合は難しいのか。。。 メディアにちょかいだすより、ネットの世界でナノメディアの覇者をめざす(今なら簡単になれるはず)方が、ぼろ勝ちできるのにね。

 で、今日のテーマは、敵対的買収に使われる信託型ライツプランの話

 まず、敵対的買収とは、簡単にいうと現経営者と対立する勢力が、会社の株式を手にいれ、会社の経営権を奪取することかな

 買収者が現れた場合、会社の方では、呆然とするのではなく、いろんな方法で防戦をすることができるのですが、やはり事前に手を打っておいた方が会社側にとっては有利です。

 事前対策の方法としてジャスタックに上場しているニレコが、新株予約権を発行し、敵対買収防衛先を導入した時点の株主に対し、1株につき2株の新株予約権を割り当てましたが、これは、裁判所の命令で差し止められました。なぜ差し止められたかというと、 新株予約権割当て後に株主となったものは、敵対的買収者が現れた時点で、発行済株式数が激増するので1株あたりの価値が下がり、損失が生ずるからです。そしてそんな重大な問題がおこることを取締役会決議だけで決めるのはおかしいということなんでしょう。

 そこで別の予防策としてあがったのが、信託型ライツプランです。パターンとしては2つあります。

 1つは、買収者だけ行使できないという新株予約権を発行し信託を設定します。そして敵対的買収者が現れた時点で、全株主に新株予約権を無償で交付します。買収者以外の株主は、新株予約権を行使して株式を手に入れます。そしてその株式を売却して、売却時の時価と行使価額の差額のキャピタルゲインを受け取ります。

 もう1つは会社が買収者だけが行使できないという新株予約権を発行し、SPC(特定目的会社)が新株予約権を引き受けます。このSPCは、新株予約権を信託します。そして敵対的買収者があらわれた時点で、新株予約権を全株主に無償で交付します。買収者以外の株主は、新株予約権を行使して、株式を株式を手に入れます。そしてその株式を売却して、売却時の時価と行使価額の差額のキャピタルゲインを受け取ります。

 信託を使った場合とニレコの場合でどこが違うかというと、ニレコの場合は、敵対的買収者が現れる前の株主に対して、一律に新株予約権を交付します。

 これに対して信託の場合は、敵対的買収者が現れた時点の株主に対して、一律に新株予約権を交付します。

 信託を利用することにより、敵対的買収者が現れた時点で、敵対的買収者以外の株主の間で不平等な取扱いがなされないようにしています。

 しかし信託を利用するプランにも問題はいくつかあるようです。たとえば新株予約権自体は、敵対的買収者が現れる前に発行されているので、潜在的株式調整後の1株あたり当期純利益などが低くなってしまうことや、将来増資が行われると、どのように新株予約権を割り当てたらいいのか、うまく調整ができなくなる場合があります。

 また新株予約権の有利発行になるので、総会の特別決議が必要になるので、内容を改定して何度も行うことは難しいです。

 あと新株予約権の、付与、行使、譲渡の際の税金の問題もあります。これは、明日書きます。

 参考 「特集ネット消費者の真の支配者 ネット賢人は騙されない」 日経ビジネス 10月31日号

 資料 公正なM&Aルールに関する提言(平成17年7月7日 自由民主党総合経済調査会企業統治に関する委員会) 商事法務 No1738

 武井一浩、中山竜太郎、高木弘明、石田多恵子 「条件決議型ワクチンプラン」の設計書(中)-新会社法、会社防衛指針等を踏まえた買収防衛策の一標準形 商事法務No1743

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2005年11月 6日 (日)

ナノ経済と検索エンジン

 今日は、11月6日、 ブログを最初に書いたのが10月6日ですから、ブログ歴2ヶ月目に突入です。この1ヶ月、ブログを読んでいただいたみなさま本当にありがとうございます。謝謝!

 ブログの管理機能の中にアクセス分析といって、どのような方が、どんな方法で、何時に来ていただいたのかがだいたいわかります。それを読んでますと、私のブログは、土日が少なくて平日が多い。平日は日によって多い時間帯が違うのですが、朝の9時10時、昼の12時、1時 夕方の5時、6時くらいにに山ができることが多いですね。

 あと、検索エンジンを通してこられる方が10月31日(月)から急に増えてきました。どのようなキーワードで来ていただいたかがわかるのですが、これが面白いです。多いのは、事業信託、知財信託、遺言信託、パススルー、ビークル、、、、 中には、レモン、値段のフレーズ検索で来られた方がいらっしゃいますが、きっと中身をご覧になって驚かれたでしょう。レモンの相場を調べようとしたら、ノーベル賞を受賞したレモンマーケットの理論の話だったのですから。

 この検索エンジンほど、インターネットの発展を促し、経済のトレンドを大きく変えるものはないですね。検索エンジンは、キーワード入力をすると、そのキーワードに関連するHPやブログをたちどころに出してくれます。検索エンジンに入力する方は、マスメディアが流す情報だけでなく、自分特有の事情にフィットしたような情報を知りたいのでしょう。そしてキーワード検索の結果、自分の必要な情報が手に入れて、自分で情報を分析して、次のアクションをとる。

 今までは、企業が大量に物を作って、マスメディアで大々的に宣伝し、販売するというのが大企業の手法で、これにより市場占有率を高め収益を拡大させていきました。中小企業には資金力がないので、自分たちがどのようにすぐれた品物を作っても販路が見つからないので、大企業の下請けになり、頭を押さえつけられる状態でした。

 ところが、インターネットの発達で、HPを作り、ブログを作り、それが検索エンジンに乗っかり、いろんな人の目に触れるようになると、すぐれたハードウェアやソフトウェアを作り出す会社なら、その会社がどこにあろうと、どんなに小さくても評価され、売上を急激に伸ばすことが可能になりました。どんなニッチな分野でも需要はあり、、その分野に特別のノウハウがある会社なら、検索エンジンがそのニッチな分野の需要者をつれてきてくれるのです。

 日経ビジネスの2005.10.31号を読んでいると、これからはナノ経済の時代、ナノマーケティングが大事というような趣旨の記事が載っています。大量生産、大量販売の場合は、消費者を面で捕らえたのですが、ナノ経済は、点と点で結び、消費者の求める固有のニーズにどれだけ対応できるかが、売上拡大のキーになってきます。

 小が大に勝てる時代 それがナノ経済の時代です。

 すぐれたノウハウがあるかどうかは別として、この信託大好きおばちゃんも検索エンジンソフトのすごさをひしひしと感じています。たとえばGoogleで 事業信託を検索すると、今、2番目にでてきます。知財信託も1ページ目、遺言信託は2ページ目ですが、周りは、大銀行ばっかり。。。 開設して2ヶ月目に突入の単なるおばちゃんなんですが。。。

   さてそんな時代の中で、信託大好きおばちゃんは、シンデレラになれるでしょうか。

 これからもこつこつ毎日書き続けていきます。

 

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2005年11月 5日 (土)

リバースモゲージ

 リバースモゲージローンというのがあります。不動産を持っている高齢者の方が、その不動産を担保に老後の生活資金を定額受取り、その返済は、相続発生後、不動産を売却して行うというものです。

 日本ような高齢化社会において、老後の生活資金を自分の資産を担保に先に受け取っていくというニーズがかなりあると思うのですが、今のところあまり発展していません。

 取り扱っているのは信託銀行と地方自治体です。信託銀行の方は、不動産の評価額が5,000万円以上のようなので、該当する人が限られてきます。

 地方自治体ですが、1981年に武蔵野市が始め、いくつかの地方自治体が追随しています。武蔵野市は、地方自治体が直接融資しているのですが、他の多くの自治体は、間接融資型であり、最終的には金融機関が融資しています。ちょうどバブルの崩壊により土地の価値が下落したので、金融機関の審査が厳しくなったこともあり、あまりリバースモゲージが行われなかったのだと思います。

 このままではリバースモゲージは、絵に描いた餅になってしまうということで、2003年以降、厚生労働省が低所得者向けの長期生活資金制度を作り、地方自治体に資金を提供するようになりました。 窓口は社会福祉協会となっています。

大阪府の場合は、

http://www.pref.osaka.jp/shakaiengo/chouki.html

 これは、低所得の65歳以上の人が対象で、居住用不動産の価値が1,500万円以上で、貸付額は30万円/月以内、利率は3%と長期プライムレートのいずれか低い方を選択できます。

 ただし居住用不動産といっても、マンションはだめなようです。

 このリバースモゲージが発展しないのは3つのリスクがあるからです。すなわち、予想以上に長生きして、借入金の残高が不動産の価値を超えてしまうリスク、不動産の価値が下落して担保われになるリスク、支払金利が高くなるリスクです。

 これらのリスクをカバーするためには、中古不動産の流通市場を発展させる。不動産の価値より借入金の残高が超えるような事態になった場合に国がその差額を保証する制度を作る。リバースモゲージの件数が増加した場合は、資産をまとめて証券化して、市場から資金を調達する方法が考えられます。

 アメリカでは、政府が本腰をいれてバックアップしたため、リバースモゲージビジネスが大発展したようですが、アメリカからの制度の輸入が好きな日本のことですから、そう遠くない将来に、リバースモゲージビジネスは発展するだろうなと思います。

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2005年11月 4日 (金)

LLPとみなし有価証券

 TK+YKスキームの出資者の税金について法人と個人の分けて2日間書きました。

  平成16年12月に証券取引法が改正されて、TK+YKスキームにしたがって、投資家が取得する匿名組合の出資持分は、みなし有価証券とされることになりました。匿名組合契約の営業者が取得する資産が不動産そのものの場合は、みなし有価証券の対象にならないのですが、信託受益権の場合はみなし有価証券の対象になるからです。

 みなし有価証券になったので、平成17年3月の貸借対照表に、出資持分の残高はそれまでは出資金のような勘定科目を使っていた企業も、有価証券、投資有価証券勘定に振り替えたのではないでしょうか。

 今年になって有限責任事業組合(日本版LLP)が作れるようになりました。そしてこの出資持分についてもみなし有価証券とされる場合とされない場合があります。

 そもそも日本版LLPというのは、組合員が共同で事業をやりましょうといって参加するものであって、投資利回りの追及のために参加するものではないですよね。

 「有限責任事業組合契約に関する法律 第1条(目的)

 この法律は、共同で営利を目的とする事業を営むための組合契約であって、組合員の責任の限度を出資の価額とするものに関する制度を確立することにより、個人又は法人が共同して行う事業の健全な発展を図り、もって我が国の経済活力の向上に資することを目的とする。」

 だから投資家保護の必要な有価証券にはあてはまらいことが多いと思ったのは私だけじゃなくて、証券取引法の改正のときのパブリックコメントでもでています。そしてそれに関するお上の回答は

 「有限責任事業組合の組合員であっても、投資の見返りとしての利益の配当を他者の努力に依存していると考えられる者については、株式会社における株主と同様に、投資者保護の必要性が認められます。」 

http://www.fsa.go.jp/news/newsj/17/syouken/f-20050728-1.html

 みなし有価証券に該当しない日本版LLPの出資とは、下記の要件すべてに該当するものです。

 ☆組合の業務執行の決定について総組合員の同意を要するもの

 ☆日本版LLPの組合員のすべてが次のいずれかに該当するもの

  ●当該組合の事業に常時従事する組合員

  ●当該組合の事業のために欠くことができない専門的能力を発揮して当該組合の事業に従事する組合員            (証券取引法施行令第1条の3の3)

  日本版LLPが考えている組合員の事業参加と証券取引法が考えている事業参加では、証券取引法の方が遥かに狭い領域なんでしょう。

  これだとほとんどの日本版LLPが有価証券とみなされてしまうかもしれませんね。

  

  

 

  

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2005年11月 3日 (木)

TK+YKスキームの出資者(個人)の税金

 TK+YKスキームの出資者(法人)の税金について昨日書きました。法人に関しては、しっかり法律で規定されているので、実務上の問題点は、今後いろいろでてくると思いますが、基本的な考え方を説明することはできます。

 それでは個人はどうなるのか? これに関する明確な回答は、私にはだせません。おそらく今出版されている本も通達の紹介や、自論の展開にとどまっているのではないでしょうか。なぜなら匿名組合の損益について、個人の場合はどのように取り扱うのか、通達はあるのですが、明確な規定がいまだになされていないからです。

 個人の場合は、法人と違って、所得の種類に応じて、税金の計算の方法が変わります。たとえば不動産所得や事業所得や譲渡所得で生じた損失が生じても、原則としては、他に所得があれば、その所得と相殺して税金を計算することはできます。しかし雑所得とされた場合は、損失が生じても他の所得と相殺して税金の計算をすることはできません。

 所得税基本通達36.37共-21によると、「匿名組合の組合員が当該営業者から受ける利益の分配は、当該営業者の営業の内容に従い、事業所得又は、その他の所得とする。」となっています。

 ここから営業者が不動産の賃貸を営んでいるような場合は、不動産所得、その不動産を譲渡している場合は、譲渡所得として取り扱うことができると考えて、申告をしているケースが多いようです。課税庁も、これらの所得が黒字の場合は、実害?もないので特に否認もしていなかったのかもしれません。

 しかしこの処理を課税庁は認知していない、認知しなくなってきたと推測されるような状況になってきました。すなわち平成17年の税制改正で、任意組合の個人の組合員のうち事業をコントロールしていない者に関しては、その任意組合に関する不動産所得の計算上生じた損失の金額は、なかったものとして損失を他の所得と損益通算できなくなる規定ができたのです。

 ここで規定しているのは、あくまでも任意組合の組合員であり、匿名組合の組合員は、含まれていません。法人の場合は、匿名組合の組合員の損失の取扱いについて決めているのにです。

 課税庁は、匿名組合の組合員については、不動産所得が生ずることはないという考えがあるのではないでしょうか。なぜなら匿名組合において不動産を所有するのは、あくまでも営業者であって、組合員ではないからです。

 そうなると組合員に配賦された所得は、事業所得か、雑所得になると思います。不動産を所有していないから不動産所得が生じないと考えるならば、その不動産を譲渡しても不動産の譲渡所得も発生しないということになりますね。

 匿名組合の本質を考えると、事業を行い、そのリスクをすべて負うのは、営業者であり、出資者は、出資を行い、その成果として損益の分配を受けるものであるならば、そのような出資者に事業性を見出すことは困難です。

 TK+YKスキームというのは、通常、会社の有する資産をオフバランス化したいというニーズに基づき組成され、その資産の購入資金を投資家からつのるということであれば、投資家は、金融商品として匿名組合に出資しているものと考えられます。つまり事業に参画するためではなく、投資利回りを求めて出資する。そうならば、他の金融商品と同様の所得として取り扱うのが妥当であるから、雑所得となるのではないでしょうか。

  なるほど、ケースによっては、営業者の事業に参画して行っていることもあると思います。しかし事業所得(不動産賃貸業なら、やはり不動産所得でしょうね)かどうかで課税庁と対立し、裁判にもつれこみ、最終的に勝訴になっても、それまでに莫大な時間とコストがかかります。

 だから私は、これからTK+YKスキームを組成し、個人の出資者を募る場合は、その所得は、雑所得とされ損失がでても、他の所得と通算できないのが原則と考えた方がいいのかなあっと思います。 

 ただ法人と比較して、個人の組合員の損失の取扱いがあまりにも、きつすぎる!これも今回の改正に対する私の感想です。私としては、個人も法人も同じような金融商品を購入するならば、同じような計算方法で税金を計算するシステムを作るのが合理的だと思います。

 たとえば、匿名組合から分配された利益は雑所得と規定し、損失が生じた場合は、その年度で他の所得と相殺できないが、将来、匿名組合の利益が出た場合には、その利益とは相殺できるようにするというような規定を作って欲しいです。

 いずれにせよこの問題が混沌としているのは、明確な規定がないことが最も大きな原因と思うので、速やかに、どのように取り扱うのか明示して欲しい思います。

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2005年11月 2日 (水)

TK+YKスキームの出資者(法人)の税金

 資産の流動化のスキームとしてTK+YKスキームがあります。

 これは、資産を持っている会社(オリジネーター)が、その資産を自分の貸借対照表からも、連結の貸借対照表からも減らしたいけれども、これからも利用したいような場合に使われるスキームです。

 どのようなものかというと、オリジネーターが中間法人に出資し、その中間法人が、有限会社(YK)に出資します。このことによりオリジネータが万が一倒産しても、YKに譲渡される資産が倒産したオリジネーターの債権者の手に渡るリスクをなくします。

 次にオリジネーターは、資産に信託を設定し、信託受益権を受け取ります。

YKは、自分を営業者とする匿名組合契約(TK)を投資家と結びます。投資家からかき集めたお金で、オリジネーターから、信託受益権を買い取ります。

 なぜ資産そのものでなく、信託受益権を買うのかというと、信託受益権の方が資産そのものを動かすときよりも、資産の移動に関連した税金が安いからです。

 なぜTKを投資家と結ぶのかというと、資産の運用益に対して、投資家が分配を受ける前の段階でかかる税金が安いからです。

 たとえばYKで、資産の運用益が100でした。YKそのものに出資した場合、運用益100に法人税等がかかり、残った利益が投資家に分配されます。法人税等の実効税率が40%ならば投資家に分配できる利益は100X(1-40%)=60となります。

 TKで投資家には100の運用益がでた場合、90の利益を投資家に配賦すると決めたら、TKは100-90=10の利益に対して税金がかかります。TKの投資家は90の利益を受け取ります。

 それではTKの投資家の税金の計算はどうなりますか? これは投資家が法人なのか個人なのかによって異なります。個人の投資家の場合は、あまりTK+YKスキームは使われません。なぜなら個人は、法人と比べて、損失がでた場合、不利な取扱いを受けるからです。

 法人の場合はどうなるのか。

 利益が出る場合、上記のように90の利益が配賦された場合は、90を税金の計算上いれます。

 損失がでた場合は、TKが平成17年4月1日以後(航空機リースは平成19年4月1日以後)に結ばれた契約なのかどうかにより異なります。また平成17年4月1日前のTKでも平成17年4月1日以後、新たにTKの出資者となったものは、改正後の税法の適用を受けます。

 平成17年4月1日前の契約で、匿名組合の出資金の額が70で損失の配賦額が100の場合は、100の損失を配賦を受ける日に計上できます。

 でも平成17年4月1日以後の契約の場合は、原則的には、出資金の額が70なら100の損失でも70しか損失として計上できません。30の損失は、将来TKの利益が50生じたなら、そのときに差し引けます。なぜこのようにしたかというと、TKの出資者というのは、出資額を限度にしか、TKの事業から生ずるリスクを負担しません。なのに出資額以上に損失を税金の計算上差し引けるとなると、これを利用して税金を逃れようとする人たちがいっぱいあらわれるからです。

 この出資金の額というのは、TKに出資した金額そのものではありません。たとえば出資金額が50で、TKの利益が40でした。このような場合は、出資金額は50+40=90となります。 また次に20の利益の分配を実際に受けた場合の出資金の額は90-20=70となります。

 なぜこのようなシステムを採用したかというと、このシステムを使うことにより、出資者のTKの利益について2重に課税されたり、TKの損失について2重に差し引かれたりしないようにするためです。もし40の利益がでても出資金額が50のままで、この出資金を90で売却した場合、40の利益について、利益が発生した時点と、売却した時点の2回にわたって課税されることになるからです。

 なんかむずかしいですね。これは、アメリカのパートナーシップの税金の計算のしくみを輸入して、日本バージョンにマイナーチェンジしたようなものです。 

 なお、TK+YKスキームのお薦めの本としては、永沢徹監修 さくら綜合事務所編著 「SPC&匿名組合の法律.会計、税務と評価 」清文社がありますが、これは上級編であり、かつ、平成17年の組合税制は書いていますけど、1ページちょっとで改正の簡単な説明にとどまっています。

 

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2005年11月 1日 (火)

シネマ信託 TM~蟲師~

JDC(ジャパンデジタルコンテンツ)信託株式会社が平成17年10月28日に東京三菱銀行と開発型ファイナンス.スキームを組成 

~小椋事務所制作. 大友克洋監督作品「蟲師」にて~というプレスリースをしました。

http://www.jdc.jp/ir/index.html

このスキームを簡単に書くと次のとおりです。

①小椋事務所は制作委員会方式で映画を制作する。

②小椋事務所は、資金を銀行からお金を借りて、制作委員会に出資する。

③映画が完成すると小椋事務所は著作権の一部を取得する。

④小椋事務所は、取得した著作権に対してJDCを受託者とする信託を設定し、信託受益権を受取る。

⑤銀行はこの信託受益権に担保を設定する。

⑥小椋事務所は、信託受益権の一部を投資家に販売する。

⑦小椋事務所は投資家から信託受益権売買代金を受取る。

⑧小椋事務所は、受取った代金で銀行からの借入金を返済する。

 なぜいきなり信託にせずに、借入→制作委員会→信託とするのかというと、信託財産となるのは既に存在している財産であり、未来の財産を信託することはできないからです。

 各登場人物のメリットは次だと思います。

 制作会社である小椋事務所は、早期に投下資本を回収できる。

 銀行は、貸出金の焦げ付きリスクの少ないビジネスを拡大できる。

 投資家は、信託受益権を取得することから、映画の興行益等から利益を受けることができる。

 しかし映画がこけた場合は、投資家は、利益の分配だけでなく、元本の回収もできない場合があります。これは株式に投資するのと同じことです。

 また信託を設定しているのは、著作権の全部ではなく、著作権の一部であり、組合の有する著作権は合有です。将来、映画の二次利用、三次利用などで、組合員の間で話がまとまらないような場合、組合員の一部が倒産した場合なども、投資家は、本来なら受けらるべき利益や元本の回収ができなくなるリスクがあります。

 このようなリスクがあるので、そのリスクを加味した信託受益権の価額を設定しないと、投資家は怖くて知的財産をベースにした信託受益権に手を出せなくなります。

 したがって合理的な信託受益権の価額を算定することが重要になると思います。

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