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2005年11月 7日 (月)

敵対的買収 信託型ライツプラン

 今年は、IT企業による敵対的買収がおおはやりですね。まず、ご存知ホリエモンのニッポン放送買収の問題がおこり、いまは、楽天の三木谷さんのTBS買収 

 10月31日号の日経ビジネスでは、TBS経営統合で、世界に通じるメディア業をめざすということですが、アメリカのAOLがタイムワーナーを買収し、結局うまくいかなかったことを例にとって、この買収の結末は悲観的であるというようなニュアンスのことが書かれてました。

 人は、メディアを見世物としてみるが、インターネットはサーチとして利用している。 この本質の違いから融合は難しいのか。。。 メディアにちょかいだすより、ネットの世界でナノメディアの覇者をめざす(今なら簡単になれるはず)方が、ぼろ勝ちできるのにね。

 で、今日のテーマは、敵対的買収に使われる信託型ライツプランの話

 まず、敵対的買収とは、簡単にいうと現経営者と対立する勢力が、会社の株式を手にいれ、会社の経営権を奪取することかな

 買収者が現れた場合、会社の方では、呆然とするのではなく、いろんな方法で防戦をすることができるのですが、やはり事前に手を打っておいた方が会社側にとっては有利です。

 事前対策の方法としてジャスタックに上場しているニレコが、新株予約権を発行し、敵対買収防衛先を導入した時点の株主に対し、1株につき2株の新株予約権を割り当てましたが、これは、裁判所の命令で差し止められました。なぜ差し止められたかというと、 新株予約権割当て後に株主となったものは、敵対的買収者が現れた時点で、発行済株式数が激増するので1株あたりの価値が下がり、損失が生ずるからです。そしてそんな重大な問題がおこることを取締役会決議だけで決めるのはおかしいということなんでしょう。

 そこで別の予防策としてあがったのが、信託型ライツプランです。パターンとしては2つあります。

 1つは、買収者だけ行使できないという新株予約権を発行し信託を設定します。そして敵対的買収者が現れた時点で、全株主に新株予約権を無償で交付します。買収者以外の株主は、新株予約権を行使して株式を手に入れます。そしてその株式を売却して、売却時の時価と行使価額の差額のキャピタルゲインを受け取ります。

 もう1つは会社が買収者だけが行使できないという新株予約権を発行し、SPC(特定目的会社)が新株予約権を引き受けます。このSPCは、新株予約権を信託します。そして敵対的買収者があらわれた時点で、新株予約権を全株主に無償で交付します。買収者以外の株主は、新株予約権を行使して、株式を株式を手に入れます。そしてその株式を売却して、売却時の時価と行使価額の差額のキャピタルゲインを受け取ります。

 信託を使った場合とニレコの場合でどこが違うかというと、ニレコの場合は、敵対的買収者が現れる前の株主に対して、一律に新株予約権を交付します。

 これに対して信託の場合は、敵対的買収者が現れた時点の株主に対して、一律に新株予約権を交付します。

 信託を利用することにより、敵対的買収者が現れた時点で、敵対的買収者以外の株主の間で不平等な取扱いがなされないようにしています。

 しかし信託を利用するプランにも問題はいくつかあるようです。たとえば新株予約権自体は、敵対的買収者が現れる前に発行されているので、潜在的株式調整後の1株あたり当期純利益などが低くなってしまうことや、将来増資が行われると、どのように新株予約権を割り当てたらいいのか、うまく調整ができなくなる場合があります。

 また新株予約権の有利発行になるので、総会の特別決議が必要になるので、内容を改定して何度も行うことは難しいです。

 あと新株予約権の、付与、行使、譲渡の際の税金の問題もあります。これは、明日書きます。

 参考 「特集ネット消費者の真の支配者 ネット賢人は騙されない」 日経ビジネス 10月31日号

 資料 公正なM&Aルールに関する提言(平成17年7月7日 自由民主党総合経済調査会企業統治に関する委員会) 商事法務 No1738

 武井一浩、中山竜太郎、高木弘明、石田多恵子 「条件決議型ワクチンプラン」の設計書(中)-新会社法、会社防衛指針等を踏まえた買収防衛策の一標準形 商事法務No1743

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