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2005年11月 1日 (火)

シネマ信託 TM~蟲師~

JDC(ジャパンデジタルコンテンツ)信託株式会社が平成17年10月28日に東京三菱銀行と開発型ファイナンス.スキームを組成 

~小椋事務所制作. 大友克洋監督作品「蟲師」にて~というプレスリースをしました。

http://www.jdc.jp/ir/index.html

このスキームを簡単に書くと次のとおりです。

①小椋事務所は制作委員会方式で映画を制作する。

②小椋事務所は、資金を銀行からお金を借りて、制作委員会に出資する。

③映画が完成すると小椋事務所は著作権の一部を取得する。

④小椋事務所は、取得した著作権に対してJDCを受託者とする信託を設定し、信託受益権を受取る。

⑤銀行はこの信託受益権に担保を設定する。

⑥小椋事務所は、信託受益権の一部を投資家に販売する。

⑦小椋事務所は投資家から信託受益権売買代金を受取る。

⑧小椋事務所は、受取った代金で銀行からの借入金を返済する。

 なぜいきなり信託にせずに、借入→制作委員会→信託とするのかというと、信託財産となるのは既に存在している財産であり、未来の財産を信託することはできないからです。

 各登場人物のメリットは次だと思います。

 制作会社である小椋事務所は、早期に投下資本を回収できる。

 銀行は、貸出金の焦げ付きリスクの少ないビジネスを拡大できる。

 投資家は、信託受益権を取得することから、映画の興行益等から利益を受けることができる。

 しかし映画がこけた場合は、投資家は、利益の分配だけでなく、元本の回収もできない場合があります。これは株式に投資するのと同じことです。

 また信託を設定しているのは、著作権の全部ではなく、著作権の一部であり、組合の有する著作権は合有です。将来、映画の二次利用、三次利用などで、組合員の間で話がまとまらないような場合、組合員の一部が倒産した場合なども、投資家は、本来なら受けらるべき利益や元本の回収ができなくなるリスクがあります。

 このようなリスクがあるので、そのリスクを加味した信託受益権の価額を設定しないと、投資家は怖くて知的財産をベースにした信託受益権に手を出せなくなります。

 したがって合理的な信託受益権の価額を算定することが重要になると思います。

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