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2005年11月25日 (金)

ケイマンのチャリタブルトラスト

 今はもうTK+YKスキームにおされて、あまり使われていないと思いますが、資産の流動化スキームでよく使われたのがケイマン島のSPCを使う方法。

 ケイマンのSPCに資産を直接譲渡するケースと、ケイマンのSPCが東京支店を設けて資産を譲渡する方法、ケイマンのSPCが子会社を作る方法があります。

 いずれの方法であれ、ケイマンのSPCの株主がチャリタブルトラストになります。

 チャリタブルトラスト(慈善信託)であることが、流動化スキームでは重要です。

 どうして作るかというと、昔の記憶をたどってるので間違ってるかもしれませんが、ケイマンのSPCを弁護士が最低資本金で作ります。そして弁護士がその株式を信託会社に譲渡します。信託会社がその株式について信託宣言をします。この段階で 信託会社が委託者=受託者=受益者になります。そして、受益者を信託会社から慈善団体に変える。そうすると実質的には慈善団体がSPCを所有することになります。もしかしたら信託宣言の段階で受益者を慈善団体にしていたかもしれません。

 チャリタブルトラストを作るメリットは?

 やっぱり倒産隔離でしょう。 SPCを使って資産を移動するのは、資産を証券化して、投資化からお金を集めたいからです。投資家は、資産がお金をいっぱい生んでくれるから投資してくれるのであって、昔その資産を所有していた会社がどうかなんて関係ありません。

 お金をいっぱい生んで欲しい。でも証券が紙切れになっら困る。ここで問題なのは、資産を譲渡した会社(オリジネーター)が倒産した場合、破産管財人の手が、SPCに移った資産にかかるリスクがあるかどうかです。破産管財人が、SPCの資産は実は倒産した会社の物だけど差押さえを逃れるためにわざと移したと主張して破産財団にほりこまれた場合、その資産を担保にした証券は価値がなくなるので、投資家は投下資本を回収できなくなってしまいます。

 破産管財人の追求を受けないようにするための方法の1つとして、SPCの株主を資産を保有していた会社と全く関係のない会社や人にしてしまうのです。でも関係ない者だったら誰でもいいかというとそうでもありません。会社は株主のものです。株主の意向で会社の経営なんてなんとでもなります。もし悪い奴が株主になって資産を食い物にしたら、投資家が困ってしまいます。

 だから株主は、そんな食い物にしないような人や団体で、会社の運営にも口をださないのがいいのです。その点 慈善団体はいいのです。誰が受益者が明確でないし、資産の所有者とも関係ないので、

 

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コメント

信託宣言しないと信託会社の収益になりますが・・・・

投稿: みうら | 2008年6月24日 (火) 17時36分

ありがとうございます。
仕組みは理解できたのですが
委託者が信託会社ってどういうことなのだろうと
思っていました。
そういうものなのだと理解しておきますhappy01

投稿: 三毛猫 | 2008年6月24日 (火) 17時24分

ケイマンの法律に関してはよくわかりませんが、
文献をみても、チャリタブルトラストの作り方は信託宣言でやっています。つまり委託者が自分でもっている財産を信託財産にして、自分で管理するという方法をとっています。
ケイマンで会社を作るのは、通常、弁護士であり、彼が、その会社の株も持つと思います。でも彼は弁護士であり、信託業務の受託者ではない。日本だったら、弁護士が委託者で、信託会社が受託者とするような信託となるのですが、どうもケイマンでは、そのような手法はとっていないようです。

理由はよくわかりません。文献を深く調べたらわかるのかもしれませんが、手元にある資料では、理由はわかりません。

投稿: 信託大好きおばちゃん | 2008年6月24日 (火) 00時18分

2005年11月25日の記事に質問させていただきました。
返信いただけると幸いです。

投稿: 三毛猫 | 2008年6月23日 (月) 23時47分

弁護士がその株式を信託会社に譲渡します。信託会社がその株式について信託宣言をします。この段階で 信託会社が委託者=受託者=受益者になります。

この部分なのですが
委託者が弁護士でなく
信託会社というのがよく分かりません。
信託会社が受託者、受益者であるということは
理解できるのですが。
信託会社自身も倒産隔離をしているということですか?

投稿: 三毛猫 | 2008年6月21日 (土) 04時26分

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