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2005年11月11日 (金)

敵対的買収 信託型ライツプラン まとめ

 今週は、なんとなく敵対的買収 信託ライツプランにつっこみ、ずずっときてしまいました。で、今日で〆.

 敵対的買収というのは、現経営者と対立する勢力が会社の株式をたくさん買って、「資本主義は、株をいっぱいもっている人が、会社を支配するものだから、私の言うことを聞きなさい!」と迫ること。。。

 このような敵対的買収者が現れてから対策を練ってもなかなかうまくいかないので、事前に対策を練り、毒薬をしこんでおいて、もしあなたが会社を乗っ取りに来ても、損すするだけですよというアナウンスをしておく。そのことによって、敵対的買収が起こらないようにしておくのが、企業防衛上は最適なのかもしれません。

 この予防的プランの中で信託を使ったプランが多く採用されているようです。それは、敵対的買収者が現れる前の段階で新株予約権(将来株式を時価よりも通常は安い値段で買うことができる権利)を発行しておくが、その新株予約権を受取ることができるのは、敵対的買収者が現れた時点の株主というような設定ができるからです。

 もし敵対的買収者が現れる前の時点で、新株予約権を発行し、その時点の株主に渡すと、新株予約権を発行した後に株主となったものは、敵対的買収者が現れた時点で、新株予約権をもらえません。新株予約権が行使されて大量に株式が発行されると、1株あたりの株価が下がるので、新株予約権発行後に株主となった者は、敵対的買収者でないのに、とばっちりを受けたみたいに損失を被ります。

 また敵対的買収者が現れた時点で、新株予約権を発行するというのも問題があります。新株予約権をただで発行するためには株主総会の特別決議が必要なのですが、これを開いて、ほんとうにokがでるか。また有事に時価より低い値段で新株予約権を発行すると、株主の権利を不当に害するとかいって発行差し止めのリスクもあります。

 信託型ライツプランには、会社が発行した新株予約権をいきなり信託する方法と、spcに新株予約権を発行し、その新株予約権を信託する方法があります。

 当初検討された信託型ライツプランでは、敵対的買収者には、新株予約権の権利行使も、新株予約権の譲渡も認められないものでした。でもそのことにより、敵対的買収者が受けるべき利益が、敵対的買収者以外の株主に移ったとみなされ、新株予約権を株主に付与した時点で、敵対的買収者以外の株主に新株予約権の受贈益課税が生じることになりました(注1)。

 課税リスクは問題であるということから、敵対的買収者は、新株予約権を行使できないが譲渡できるというような信託ライツプランが次に考案されました。この場合は、上記のような利益の移動がないことから、新株予約権時に、敵対的買収者以外の株主に新株予約権の受贈益課税のリスクはなくなりました。

 そしてそのことから、この新類型の信託型ライツプランが現状では、多く採用されているようです。

注1 信託型ライツプラン(直接型)では、個人株主は、新株予約権付与時には、課税されず、権利行使時に課税されます。

参考文献 関根武  経済産業省経済産業政策局産業組織課課長補佐 「ライツプランの類型化における検討過程と課税上の取り扱い」 商事法務 No1746

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