リバースモゲージ
リバースモゲージローンというのがあります。不動産を持っている高齢者の方が、その不動産を担保に老後の生活資金を定額受取り、その返済は、相続発生後、不動産を売却して行うというものです。
日本ような高齢化社会において、老後の生活資金を自分の資産を担保に先に受け取っていくというニーズがかなりあると思うのですが、今のところあまり発展していません。
取り扱っているのは信託銀行と地方自治体です。信託銀行の方は、不動産の評価額が5,000万円以上のようなので、該当する人が限られてきます。
地方自治体ですが、1981年に武蔵野市が始め、いくつかの地方自治体が追随しています。武蔵野市は、地方自治体が直接融資しているのですが、他の多くの自治体は、間接融資型であり、最終的には金融機関が融資しています。ちょうどバブルの崩壊により土地の価値が下落したので、金融機関の審査が厳しくなったこともあり、あまりリバースモゲージが行われなかったのだと思います。
このままではリバースモゲージは、絵に描いた餅になってしまうということで、2003年以降、厚生労働省が低所得者向けの長期生活資金制度を作り、地方自治体に資金を提供するようになりました。 窓口は社会福祉協会となっています。
大阪府の場合は、
http://www.pref.osaka.jp/shakaiengo/chouki.html
これは、低所得の65歳以上の人が対象で、居住用不動産の価値が1,500万円以上で、貸付額は30万円/月以内、利率は3%と長期プライムレートのいずれか低い方を選択できます。
ただし居住用不動産といっても、マンションはだめなようです。
このリバースモゲージが発展しないのは3つのリスクがあるからです。すなわち、予想以上に長生きして、借入金の残高が不動産の価値を超えてしまうリスク、不動産の価値が下落して担保われになるリスク、支払金利が高くなるリスクです。
これらのリスクをカバーするためには、中古不動産の流通市場を発展させる。不動産の価値より借入金の残高が超えるような事態になった場合に国がその差額を保証する制度を作る。リバースモゲージの件数が増加した場合は、資産をまとめて証券化して、市場から資金を調達する方法が考えられます。
アメリカでは、政府が本腰をいれてバックアップしたため、リバースモゲージビジネスが大発展したようですが、アメリカからの制度の輸入が好きな日本のことですから、そう遠くない将来に、リバースモゲージビジネスは発展するだろうなと思います。
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