« 敵対的買収 信託型ライツプラン(SPC型)の税金 | トップページ | 敵対的買収 信託型ライツプラン まとめ »

2005年11月10日 (木)

敵対的買収 信託型ライツプラン(新類型)の税金

 敵対的買収4日目 毎日少しずつ読んで、少しずつ理解が深まってます。頭が悪いので、すーっといっきに理解が深まりません。

 今まで敵対的買収の信託型ライツプラン 直接型、SPC型について書いてきました。

 直接型は、発行会社が新株予約権(将来株式を決まった値段 通常は時価よりも安い値段で買うことができる権利)を無償で発行し、これに信託を設定します。将来、敵対的買収者が現れた時点で、新株予約権をその時の株主全員に交付します。ただし毒薬が入っていて、敵対的買収者だけは、新株予約権を行使することも、譲渡することもできません。他の株主は、敵対的買収者登場前の値段の半分で、株式を買い、市場で売却してキャピタルゲインを得ることができるというものです。

 SPC型は、発行会社が新株予約権を無償でSPCに譲渡し、SPCが信託予約権に信託を設定します。敵対的買収者が現れた時点で全株主に新株予約権を無償で交付します。敵対的買収者は、権利行使も譲渡もできませんが、それ以外の株主は、上記同様に株式を買い、キャピタルゲインを得ることができます。

 ここで問題になるのが、新株予約権を無償で譲り受けた場合の株主の課税です。法人の株主の場合は、直接型、SPC型のいずれも時価相当額の課税がなされ、個人株主は、SPC型の場合に時価相当額の課税が為されると書きました。

 これは発行会社が株主に価値のあるものをただで譲渡するから生じるものなのですが、発行会社が株主にプレゼントしたとは考えないのです。発行会社にとって、この新株予約権の発行取引というのは、税法の考え方によると資本取引であり、価値のあるものをただで株主に渡して、自分は損をしたというようなものではないと考えます。自分の財布が2つあって、1つの財布から別の財布に100円うつしても、結局自分のもちものは100円だからと考えるのかなあ。 うまく表現できない。

 では、だれがプレゼントしたのか? それは敵対的買収者です。彼は、結局新株予約権を受け取っても行使も、譲渡もできず、発行済株式数が増え、自分の持株比率が減るから非常な損失が生じます。反対に敵対的買収者以外の株主は、お得な値段で株式を買って、売却してキャピタルゲインを得ることができます。つまり新株予約権を付与した段階で、敵対的買収者から他の株主へ価値が移転したと考えて、その価値の移転部分について利益が発生しているから、その部分について税金もはらってもらいましょうという考えに基づいてます。

 ということは、もし敵対的買収者もたとえ、新株予約権の権利行使ができなくても、新株予約権を譲渡して、投下資本を回収することができるようになった場合は、上記のように敵対的買収者の犠牲の上に、他の株主が得をするという状況ではないから、もはや敵対的買収者から他の株主への価値の移転というものはないと考えるので、新株予約権を引き受けた時点で、敵対的買収者以外の株主の新株予約権の時価相当額に対する課税はありません。

 このようなパターンのライツプランのことを新類型といいます。これは下記2点が確保されているものです。

① 新株予約権を譲渡するには取締役会の承認を要する旨が記載されており、かつ、承認に当たって買収者を排除する規定が存在しないこと

②買収者から新株予約権を譲り受けた者が権利行使を制限されていないこと

新株予約権を用いた敵対的買収防衛策の【新類型】に関する原則的な課税関係について(法人税・所得税関係)(平成17年7月7日)

http://www.nta.go.jp/category/tutatu/sonota/houzin/4168/01.htm

関根武 経済産業省経済産業政策局産業組織課課長補佐 「ライツプランの類型化における検討過程と課税上の取扱い」 商事法務 No1746

|

« 敵対的買収 信託型ライツプラン(SPC型)の税金 | トップページ | 敵対的買収 信託型ライツプラン まとめ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 敵対的買収 信託型ライツプラン(SPC型)の税金 | トップページ | 敵対的買収 信託型ライツプラン まとめ »