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2005年12月22日 (木)

ちょっとサハラ砂漠の夜明け見に行ってきます。

 こんばんわ 信託大好きおばちゃん@関西空港です。

 今日の大阪は雪でぐちゅぐちでした。朝、プールに行くのに自転車をころがしていくのですが、雪でスリップして大変。ついでに陸橋でこけて、定期とかおとして、親切な人に拾ってもらったりで、、、、 なんかおばちゃんの私生活がでてしまってます。

 で、そんなさっぶーくて、年末のこのくそ忙しい日本からしばらく離れて、モロッコに行ってきます。激安パックで モロッコまで ドーハ経由トリポリ経由で20時間くらいかけてですが、

 なんか どーしてもサハラ砂漠の夜明けが見たくなって8日間という短い日程ですが行きます。

 関係者のみなさん だまっててごめんなさいね。 来年はおとなしくしますから。。。

 では年末にまたもどってきます。それでは!

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信託法改正要綱試案に関する意見募集の結果 有限責任、有価証券化

 なんどもこのブログで書いているように、信託法の改正で有限責任信託が実現するかもしれません。つまり今の信託法では有限責任信託ではないわけで、たとえば信託財産である不動産の瑕疵で第三者に損害を与えた場合、受託者は、手数料収入しかもらえない立場なのに、工作物責任という重たい無限責任を負う。

 この有限責任信託については賛成意見が大多数。そうでしょうね。パブリックオピニオンに対して反応するのは、受託者になりたいような人たちが多いから、

 もう1つがこのブログでは書かなかったのですが、信託受益権の有価証券化、現状では原則的には信託受益権は、債権です。したがって有価証券と比較すると流通性に難があります。この辺のどこが難なのかは、まだ深く勉強してないので書けませんが、

 それが改正により有価証券になると、流通性が増し、信託がほんとうにメジャーになるかもしれない。ということでしょう。

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 第66 有限責任信託(仮称)について
受託者の有限責任性を原則とする新たな信託の類型として,有限責任信託(仮称)
を創設するものとする【甲案】を支持する意見が35件と大多数を占め,受託者の有限
責任性を原則とする新たな信託の類型を創設しないものとする【乙案】を支持する意
見は4件であった。

第67 受益権の有価証券化について
賛成意見が大多数を占めたが,受益証券の発行を一般法たる信託法によって認める
必要はなく,必要に応じて,信託業法,資産の流動化に関する法律等によって手当て
をするべきであるとの反対意見等も3件みられた。また,受益権を振替制度の対象と
すること(注3 ),信託財産のみを引当財産とする債券を発行すること(注4)につい
ても,これを支持する意見が大多数を占めた。

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2005年12月21日 (水)

信託法改正要綱試案に関する意見募集の結果 後継ぎ遺贈型の受益者連続

 後継ぎ遺贈方の受益者連続

 これが実現すると、日本の事業承継、相続対策にそれなりの大きな影響を与えるのではないかと思います。

 すなわちある人(X)が信託を設定して、自分が生きている間は自分が受益者となり、信託財産からの利益を受け、十分が死んだら、奥さん(Y)が受益者となり、奥さんが亡くなったら3人の子供(甲、乙、丙)のうち甲が受益者になり、、、、と決めることができます。

 遺言でもYに財産を残すということはできます。でもYが遺贈された財産を、誰に渡すかは、Yの自由です。Xは甲に財産を渡したいけど、Yと甲の仲が悪く、遺言で乙に財産を渡すと書くと、Xの財産承継の意思は、実現できなくなります。

 でも受益者連続の信託を認めると、Xの財産承継の意思は、実現できるようになります。

 亡くなった人の意思が、一族の運命に大きな影響を与え続ける!というのは、後継者たちにとって、ありがた迷惑なところもあるのですが、

 この受益者連続に対するパブリックオピニオンも肯定的な意見が多かったようです。

 課税関係の問題もありますが、信託の設定で、Xが亡くなったらYに財産を譲り、 Yが亡くなったら甲に財産を譲りというような場合は、シンプルにそれぞれ相続が発生した時点で、その時の価額で課税するというようにすれば、通常の相続税と整合するので、いいのではないかと思います。

第62 いわゆる後継ぎ遺贈型の受益者連続について
有効性を認める見解が大多数を占めたが,わが国の相続制度との理論的整合性を図
る必要があることなどを理由に慎重に対応すべきとする見解も3件あった。ただし
有効性を認める見解の中でも期間の制限を設けるべきとの留保意見も複数みられた

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2005年12月20日 (火)

信託法改正要綱試案に関する意見募集の結果 目的信託

 目的信託というのを今回の改正で作ろうとしています。受益者が誰かわからないような信託

 たとえば、学術に貢献のあった人に対して助成するような信託、これも信託の段階では、誰にわたすようなものかわからないですね。

 こういうものは公益信託に入るのでしょう。

 公益信託にはいらなくて目的信託に該当するもの。 さっと思い浮かぶのがチャリタブルトラスト、資産の流動化を行う際に、昔、SPC(特定目的会社)の株式をケイマンのチャリタブルトラストが持ってましたよね。今は中間法人ですけど、 チャリタブルトラストや中間法人がやっているような機能を信託に持たせるということでしょう。 目的信託の下にSPCをつけて、そこにオリジネーターの資産を持ってくるというようなスキームなんか想定できます。

 で、この目的信託についてどうするかという要綱試案について

 甲案 公益信託のみOK 

 乙案 公益信託以外の目的信託は期間限定でOK 

 意見の結果

 甲案支持 10件

 乙案支持 15件

 公益以外のニーズは資産流動化等のビークルとしてあると思うから乙案の方向で決まっていくのじゃないかなあ

第69 いわゆる目的信託について
受益者を確定し得ない信託(いわゆる目的信託)は,公益信託を除き,有効に成立
しないものとする【甲案】を支持する意見が10件,目的信託は有効に成立するものと
するが,公益信託以外の信託であって受益者が確定されないものは,効力の発生の日
から起算して一定の期間を超えて存続してはならないものとする【乙案】を支持する
意見が15件であった。

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2005年12月19日 (月)

信託法改正要綱試案に関する意見募集の結果 信託宣言

 信託法の改正に関して、パブリックオピニオンの結果が公表されています。この中で論点になりそうなところ 今日は信託宣言

 信託宣言とは、信託の委託者が受託者になるような信託のこと これが実現すると、たとえばソフトウェアの開発会社が信託会社になった場合、自分で開発したソフトを自分で信託宣言をして、受取った信託受益権を投資家に販売し、投下資本を回収できる つまり信託銀行に払った手数料分だけ儲かります。

 この信託宣言に関しては、信託協会は原則大反対、経団連は大賛成だったと思います。

 パブリックオピニオンの結果は以下のとおり これをみると 原則賛成である乙案、丙案が、原則反対の甲案を凌駕してますね。だから原則賛成になるのかもしれません。ただし信託業法による兼営問題があるので、一般の会社が信託宣言をするのは難しいのではないかと思います♪

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 委託者と受託者が同一である信託を設定することはできないものとするが,対象と
なる財産が自らを受託者とする他の信託の信託財産である場合にあっては,この限り
でないものとする【甲案】を支持する意見が8件,

 委託者と受託者が同一である信託を設定することについては,特段の制限を設けないものとする【乙案】を支持する意見が29件,

 一定の要件の下,委託者と受託者が同一である信託を設定することを許容するものとする【丙案】を支持する意見が10件であった。

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2005年12月18日 (日)

子会社合併と企業結合

 今日は日曜日♪ ほんとうだったら日経ビジネスネタなんだけど、日経ビジネスをバッグにつめるの忘れて、東京に来たから書けません。 お洒落なウィークエンド東京ライフ! ホテルのプールでひと泳ぎして、ビルの高層階からダイナミックな町並みをながめながら、出来立てほやほやの条文等について好き勝手なことを言う。気分は貴族♪

 会社法関連の法務省令案のうち「組織再編行為に関する法務省令案」をこれから読もうとしているところですが、これを理解するためには、会計の知識、それも企業結合会計とか事業分離会計の理解が不可欠な気がします。

 ようするに組織再編行為を 取得、持分の結合、企業支配下の取引、共同支配企業の形成の4つにわけ、取得の場合で、取得された側の資産、負債の受入は原則時価評価(パーチェス法)で計上、それ以外の場合は、適正な簿価で資産、負債を引継ぎましょうというものだと思います。

 このうち企業支配下の取引、これはたとえば親会社が子会社を合併するような行為です。これは、企業グループ内の組織再編に該当するようなものだから、資産、負債は適正な帳簿価額で計上しないといけません。

 でもたとえば子会社株式の90%を親会社が持ち、10%を少数株主が所有している場合、少数株主に合併時、親会社株式を交付したような処理は、グループ外取引にあてはめるからこの分は時価で計上しないとだめ

 例  Y社 資産 1,000 負債 600 純資産 400の会社

    発行済み株式数 X社90% Z10%所有

    X社がY社を吸収合併 ZにX社の株式 時価50を交付(新株発行 すべて資本組入れ)

    X社が所有するY社株式 帳簿価額 600 に関してはX社は株式交付しない

 合併による仕訳 すべて個別財務諸表上の処理

    資産 1,000  負債 600

             合併差益 400

  X社株式消却

   親会社持分相当額 360      Y社株式 600

   抱き合わせ株式消却損 240

  Z部分

   少数株主持分相当  40      資本金  50   

   のれん          10

   合併差益       400      親会社持分相当額 360

                         少数株主持分相当額 40

◎ 「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」216項によると、親会社側の抱き合わせ株式消却損益は、PLの特別損益になるようですね。今の実務だったらこれ、当期純利益の下にきてるのが主流のようですが、

◎少数株主持分について、取得の対価と持分相当額の差異はのれんで計上するのですね 持分プーリング法の場合は、のれんは計上されないのですが、少数株主に対する株式の交付は外部取引になるので時価計上となるからでしょうか。

 上記のような仕訳と考え方でいいのかなあ♪

   

    

 

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2005年12月17日 (土)

デザインは企業を語る

 土曜日はお約束のように日経ビジネスねたから 2005年12月12日号 佐藤卓氏グラフィックデザイナーー 「デザインは企業を語る。」 この記事、さっき布団の中で読んでいたのですが、心に刺さるものがあって、何度も読み返しました。

 佐藤さんは著名なグラフィックデザイナー 製品とかのデザインをする人です。著名なデザイナーというと、なんかすごいひらめきがあって、この製品はこれ!とイメージしてデザインを作るのかなあと思っていたのですが、彼の手法はそうではないようです。

 なんか企業の経営戦略とか、製品の本質、企業がその製品をどのような顧客に売りたいのか。顧客はその製品に何を望んでいるのか、というまるでマーケッティングや企業戦略のような視野をもち、それらを結集してデザインを創り上げるというような手法です。

 明治乳業のおいしい牛乳のパッケージを作るときも 市場全体を見渡し、消費者に受け入れられている製品を理解して、その中でおいしい牛乳のポジションはどうあるべきかを議論されたそうです。その結果なのかどうかはわかりませんが、牛乳はスーパーの安売りの目玉で1本150円から160円という製品もあるのにおいしい牛乳は220円前後で売られるそうです。(日経ビジネス2002.12.12. P161)

 デザインは、商品へのお化粧ではなく、その製品に関わった人間、それを購入するお客、その商品が歩んできた歴史など、様々な要素がつまっているそうです。。(日経ビジネス2002.12.12. P162)

 そしてデザインを見る目はどうしたら養えるか? なにげない毎日、目にするものを単に眺めるのではなく見ることが大切なのだそうです。見る!つまり目にしたものの外見の向こうに見え隠れする本質や思いを読みきることなのだと思います。

 これは何もデザインにとどまることではないと思います。たとえば企業を経営するような場合、経営者のやる仕事で大事なものは、目に見えない将来の利益の源泉が何かを読みきり、それに賭ける!ことだと思います。占い師じゃあるまいし将来のことなんて突然ひらめいてくることもありません。でもテレビや雑誌のような誰でもただで入手できる情報、お客さまとの会話などを分析し、本質は何だろうと考えていくとそんなに悩まなくてもすーっと将来の道筋がみえてきて、自信をもって、これをやる!と決められるのではないでしょうか。

 そう 「見る」時間を増やす これが成功へのキーワードなのかもしれません。

 

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2005年12月16日 (金)

構成員課税の疑問 組合員が免税と課税事業者の場合

 bara3さんコメントありがとうございます。選択している減価償却方法の差異を解決する方法は、どちらかが減価償却の届出を提出し、LLP等の減価償却方法を使えるようにするのが実務的でしょうね。

 構成員課税の疑問はちょこまかいろいろあって、今日は、消費税の問題。

 組合員が免税業者と課税業者の場合、LLP等の事業体の消費税に関する会計処理は、税込みか税抜きかどちらですればいいのかという問題です。

 たとえば100円の商品を売上げ、現金を受け取った場合の仕訳

 税込経理の場合    現金 105   売上 105

 税抜経理の場合    現金 105   売上 100

                         仮受消費税 5

 組合員が免税業者の場合は、会計処理は税込みでしないといけません(直所38 通達5、直法2-1 通達5)。課税業者の場合は、税抜きでも税込みでもいいのですが、消費税の計算はコンピューターで通常やってくれるし、損益に影響でないから税抜きのところが多いです。そうすると組合員間で会計処理が異なります。こんな場合の解決策は? 

 そこで上場会社の子会社が免税の場合の処理の逆のような計算をするのかなと思います。

 上場会社で連結財務諸表を作っているような場合、親会社が税抜き経理をやっていたら、子会社も税抜き経理をしないといけません。

 子会社が消費税の免税業者のような場合は、私が知っているケースでは、とりあえず税込み経理で帳簿を作り上げ、試算表までいった段階で、精算表のようなものを作り、その時点で、税込み経理を税抜き経理に変換します。

 その税抜き分を連結財務諸表に取り込みます。税金を申告するときのベースになる決算書は、もちろん税込み経理となります。なんか2つ決算書ができるから変かもしれませんが、そうでもしないと申告と連結が立ち行かなくなってしまうんですよね。

 これを応用させて、LLPの組合員に免税業者と課税業者がいる場合で、課税業者の方がツヨイときは、LLP等の会計処理は税抜き経理で組合員にパスするーされます。そして免税業者の方で、精算表みたいなものをつかって、税込みに変えるのかなあ

 ひとつ、ひとつの仕訳を税込みに変えるのは大変だからまとめてということになるのでしょうか。

 今日は出張先なので、LLP等関連のところだけ消費税を税抜きから税込みへ一括返還させるのが可能かどうか検証ができないのですが、だめだと実務は混乱すると思うのですが♪

 

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2005年12月15日 (木)

構成員課税の疑問 減価償却方法

 構成員課税(パススルー課税)とは、ある事業体で生じた所得や欠損について、その事業体の所得とは税金の計算上せず、その事業体を所有している出資者たちの所得又は、欠損として税金の計算をしましょうねという税金計算の方法です。

 株式会社、有限会社、、、、中間法人とかはみんなその事業体で生じた所得や欠損はその事業体で計算します。

 でもLLPや任意組合、匿名組合、信託(原則ですよ)で生じた所得や損失は、LLPや任意組合、匿名組合については出資者、信託については受益者が特定しているような場合は、受益者、受益者がいないような場合は、委託者(なんの利益も受けないのに!)の所得や損失として税金を計算します。

 この構成員課税(パススルー課税)に関していろんな疑問やら問題点やらあるのですが、そのうちの1つ 減価償却の償却方法について書きます。

 たとえばLLPの出資者が個人(50%出資)と法人(50%出資)で、LLPが機械1,000万円を買いました。耐用年数5年(償却率 定額法 0.2 定率法 0.369)減価償却方法ですが個人は定額法、法人は定率法を選択しています。

 さてLLPの所得や欠損を計算する際 減価償却をどう計算するのでしょうか。

 全部定額法でして計算すると 1、000万円X0.9X0.2=180万円 個人、法人各90万円配賦

 全部定率法で計算すると 1,000万円X0.369=369万円 個人、法人 各184.5万円配賦 

 もしLLPが定額法で計算するとなると 法人は 184.5万円ー90万円=94.5万円償却不足が発生しますよね。

 もしLLPが定率法を選択すると、個人は 94.5万円償却しすぎだから、税金の計算上、定額法で計算しなおすんでしょうね。

 こんなのややこしいからということでLLPの減価償却計算する時に法人対応部分は定率法で、個人対応部分は定額法で計算するつまり 法人に184.5万円、個人に90万円の合計274.5万円の減価償却費を計上。 これもヘン。

 たぶん解決策として、法人と個人の力関係で法人の方が強い場合は、定率法でLLPの減価償却費の計算をすることにして、個人の減価償却方法については、新たに事業所を設けたもので、既に選択している償却方法以外の償却方法(今までは定額法、LLPの減価償却方法は定率法)を選択するという届出を出して、定率法で計算してもらうという方法をとるのでしょうか。(所得税法施行令123)たとえ個人が事業を営んでいる場所と同じところでLLPの事業をやっても、個人とLLPは別だとかとらえて。 これは私見です。でもそうしないと大変でしょ。

 反対に個人の方が強い場合は、法人の方で、LLPの減価償却方法について届出を出すのでしょうか♪

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2005年12月14日 (水)

LLPの業務執行とはどんなもの?

 またまたLLP さっき起きたばっかりで、新ネタが発酵されていないときの隠し玉(でもないのですが)

 LLPは、民法上の組合(以下「任意組合」という)の特殊なものという位置づけだと思います。

 任意組合は、一緒に事業に参加したい人は何かもってきて(お金でもいいし、労務の提供でもいい)この指とまれ!といって組成されます(民法667)。

 全員が汗をかいて組合の事業に参加するのもOKだし、1人の組合員だけが汗をかいて、あとの人は、その1人がちゃんとやっているかチェックしたり、とんでもない奴の場合は頸にしたりする権利だけ持つというのもOKです(民法672②、673)。

 LLPは、任意組合と同様 一緒に事業に参加したい人は何か持ってきて(お金OK 物OK 労務の提供はだめ! 債権者の保護に価するような価値が見出せないから?)この指とまれ!といって組成されます(LLP法11)。

 任意組合との違い(組合員の組合債務に対する責任の範囲以外の違う点)は、全員が汗をかかないといけない。とりあえず何かやらないといけない。1人だけ汗をかいてあとは左団扇はだめ!(LLP法13)

 じゃ、汗をかくって(業務執行)は、どんなことをみんなすればいいの?

 普通の会社の組織図をぱっと思い浮かべても、メーカーだったら まず何を作るか考える開発部門があって、開発した製品を製造する部門があって、完成した製品を売る部門があって、、、、というように事業をするにはいろんな部門が必要になってきますよね。

 こんな感じで組合員が個別に役割をはたす。A組合員は開発担当 B組合員は製造担当 C組合員は営業担当 D組合員は経理担当 。。。。。

 特に役割に応じて この担当は重要じゃないからだめだとか、毎日やっていないからだめということはないと思います。たとえばD組合員は月に1回帳簿つけをするのは、汗をかいている(業務執行している)にあてはまると思います。またD組合員は月に1回の帳簿つけをする時間もないから、その業務を会計事務所に委託し、できたものを確認する(たぶん丸投げでしょうけど)という場合も、LLPの組合員全員がOKといった場合は可能じゃないでしょうか。

 でも国会答弁によると、「ほんのわずかな業務のみを執行したりといったようなケース、つまり言ってみれば、形式的には業務執行に参加していることにはなっているんだけれども、実態として見た場合に業務執行に当たっていないといったようなケースというのは、LLP法におけます共同事業要件、業務に参画するということを満たしていないというふうに考えられると思います。」 

 積極的事業参加要件にあてはまる場合とあてはまらない場合の境界線がわからない!

そこが知りたいのですが。。。。

 もし積極的事業参加要件を満たしていないとなったらどうなるのか? 契約自体が無効になって最初からなかったものとなるのか? これじゃLLPと取引をした人たちにまで被害が及んじゃいますよね。

 おそらくLLPという特殊な契約がはねられ任意契約になるのかなあ。その結果、LLPの特典である有限責任が否定され、組合員はLLPで生じた債務については無限責任を負う! と思います♪

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2005年12月13日 (火)

LLPは民法上の組合の業務執行組合員になれるか?

 最近LLPねたが多いですねえ。社会的に注目されてますし、個人的にもちょっと勉強しとかないといけない事情がありまして。。 会社法の省令案も読まないといけないのですが、はああああああ 時間がないよーーーーん。遊ぶ時間はしっかり確保なんですけどね。

今日のタイトルはLLPは、民法組合の業務執行社員になれるか?

LLPの出資者は、法人と個人に限定されているから(LLP法1)、民法上の組合がLLPの組合員にはたぶんなれないと思います。でもLLPが民法上の組合の組合員になれないとはどこにも書いてません。だからLLPが民法上の組合の組合員になれる!

 民法上の組合の特徴というと、組合員が無限責任を負うというのが非常に重要であり、これは周知の事実のようなものですが、他にも重要な特徴があります。

 すなわち原則として各組合員が業務執行権を有し過半数でこれを行使する。ただし、組合契約で業務執行組合員を定めたときは、他の組合員は、業務執行権がなく、ただ業務及び組合財産の状況を検査する権限を有するだけになる(民法670-673)。

 つまり1人の組合員が業務執行を全部やる。あとの組合員にあるのは、ちゃんと運営ができているかをチェック(民673)し、あかんわ!と思ったら頸にする(民法672②)権利のみというやつです。事業への消極的な参加をしている組合員の存在を認めているわけです。

 これがLLPの場合、一部の委任は認めてもらえるけど、全部はだめということでしょう(LLP法13②)。

 何が問題になるかというと、LLPが民法上の組合の業務執行を全部やる組合員になるわけです。そして好き放題事業をやって大失敗する。組合員は無限責任社員ですから、民法上の組合の他の物言わぬ組合員たちは、無限責任を負う。もちろんLLPも組合員ですから無限責任を負うのですが、ご存知のようにLLP法で原則的には、組合の業務に関して第三者に損害が生じたとききは、組合員は、組合財産をもって損害賠償の責任を負う(LLP法17条)となります。そうすると積極的組合事業参加者が有限責任、消極的組合事業参加者が無限責任ということになります。

 もちろん組合員に悪意又は重大な過失があるときは、LLPの組合員が民法上の組合の損失についてLLPの組合財産を超えて負担しないといけないのですが(LLP法18)、

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2005年12月12日 (月)

目的信託? 公益信託

中田さん12/10のコメントにお答えして

「地域開発がらみで、地方自治体に、地元住民が資金を寄付するような仕組みを検討しています。チャリタブル・トラストや信託宣言を使った、いい仕組みは無いでしょうか?」

 これって 地元住民 → → 地方自治体 → → 地域開発

              お金(寄付)     お金

 というスキームですよね。これに信託を利用するということですよね。

       住民  → →  信託 →→ 地域開発(受益者)

       委託者       受託者    受益者

 いわゆる他益信託で、受益者が特定していないというパターンですよね。

 たぶん、公益のために使われるから、公益信託にはなるような気がします。公益信託の場合は、主務官庁の許認可がいると思います(信託法67~75)。

 ただし公益信託については主務官庁制を廃止するかどうかについては、公益法人法制の改正の動向を踏まえて、なお検討するものとする(信託法改正要綱試案第70)となっていますので、今後は許認可はいらない方向になると思いますが、税制上の特典を受けるためには、別途手続が必要となってくると思います。

この公益信託のうち特定公益信託というのがあって、信託銀行がやっているのですが、一定の世のために集めたお金を使うような信託の場合は、国がやるべきことをかわりにやるものだから、このために寄付をした人に対して税金上の特典をあげましょうというものです。これにあてはまると、寄付をした個人は寄付金控除(所得税法78①、③)、法人は寄付金の損金算入(税金計算上、費用としてみてあげる)(法人税法37⑤)、相続財産を信託した場合は、相続税が非課税(租税特別措置法70)、信託期間中の運用益も非課税(というような恩典(所得税法11③、法人税法12①但書)があります。

 特定公益信託の場合は、税法上の特典が得られるということでかなり制限が設けられています。 まず受託者自ら事業を執行するようなものはだめです。だから住民から集めたお金を受託者が事業資金として使い、あがった収益を地域開発に使うというのはだめということでしょう。

 いわゆるお金を左から右にわたすようなもの 国、地方公共団体ならびに公益法人等が所有する公共施設等の設置、管理に対する助成金の給付はOKのようですが、(社団法人信託協会、公益信託その制度のあらまし P14)

 受託者自身が事業を行いその儲けを地域開発に使うような場合の信託としては、今信託法の改正が行われ目的信託というのが検討されていますが、これで使えるかもしれません。

 問題は、税金なんですよね。特定公益信託にもならず、公益信託のカテゴリーにもあてはまらないような目的信託となった場合、寄付した人がばばをつかむような税金のシステムなんですよ。つまり寄付しても寄付金を税金の計算上、引いてもらえない。あげくのはてに信託で事業をやって儲けた分については、自分は利益を受けないにもかかわらず、税金だけかかってしまったりするんですよ(所得税法13①二、法人税法①二)。

 特定公益信託にならないけど公益信託というような場合、寄付した段階で個人や法人が寄付金を税金の計算上引いてもらえるかどうか微妙だし(むずかしいかもしれない)、信託期間中の儲けに関して、個人は公益信託の場合は税金がかからないが(所得税法11)、法人は儲けに対して税金がかかってしまう(法人税法12)という悲惨な結果になります。

 つまり寄付した人が損をしないような信託スキームは特定公益信託にするしかないんですね。特定公益信託については信託銀行に相談された方がいいとおもいます。

 なお、信託法が平成19年にも改正されそうですし、公益法人制度改革もありますし、ついでに信託周り、公益法人周りの税金も付随して改正が行われると思われますので、この辺の動向をにらんで、どうするか考えられた方がいいとも思います♪

---------参考 目的信託-------------------------------------------------

 目的信託というのは受益者を特定しないものです。上記のようなケース でこれについて要綱試案では2案でていて、

甲案 受益者を確定し得ない信託(いわゆる目的信託は)は、公益信託を除き、有効に成立しないものとする

乙案 1.受益者を確定し得ない信託は、有効に成立するするものとする

    2.公益信託以外の信託であって受益者が確定されないものは、効力の発生の日から起算して一定の期間を超えて存続してはならないもとのとする

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2005年12月11日 (日)

片道切符でマニラに飛ばされた男

 今日は日曜日、だけど朝一番ののぞみで東京に行かなきゃ行けない。 

 ずっと前に読んだ本で高雄宏政「リーダーの決断」世界文化社があります。功成り、名遂げた財界人の話が書いてます。それぞれ読んでいると、面白いように挫折して、普通だったらそこでおしまいなのに、挫折を踏み台にして駆け上がっていったようですね。

 特に凄いと思ったのだトヨタの社長、会長、経団連の会長という凄いサクセスロードを駆け上がった奥田硯氏。

 奥田さんは若い時から、自分に正直というか、言いたい放題というか、まあそんな感じで経理に17年いらっしゃったそうですが、歴代の上司からの評価はいつも最低。企業のはみだしもんだったのでしょう。

 決定的に上司と対立したのが39歳の時で、片道切符でマニラに飛ばされたそうです。

「私はよく海外に行くと駐在している社員たちに言うんですよ。君たちは非常に幸せだって。島流しにあったというけど、日本じゃお偉いさんが来ても車の手配で終わるが、海外では直接仕事や経営の話ができる。自分を売り込むチャンスだ。ただその機会をものにするかどうかは、日ごろの研鑽と本人の心がけ次第だけど」(高雄宏政 リーダーの決断 片道切符でマニラに飛ばされた男 P285 世界文化社)

ところがここからが奥田さんの凄いところで、マニラにつくと分厚い人脈を築きあげたそうです。そしてある日 ひょっこり社長の豊田章一郎さんが初孫をみにマニラにやってきました。

このとき奥田さんは、豊田さんをマカラミアン宮殿(マルコス大統領が住んでいたところ。イメルダ夫人のカラフルな靴が何百、何千とあったのがすごい印象に残ってます)に案内し、豊田さんの印象に物凄く残ったようです。こんなとろこに凄い男がいる! だったんでしょうね。

で、ここからは奥田さんのサクセスストーリー^ 6年半マニラ駐在を終えて日本にもどったら豪亜部長→49歳の若さで、トヨタの取締役 →。。。。。

 奥田さんにとって豊田さんは、幸運を導いてくれる人だったのでしょう。また豊田さんもその後の奥田さんの活躍をみるにつけ、天才的に人を見抜く目があったのでしょう。

 ここで大切なのは、誰の人生においても挫折はあるものであり、その挫折の期間をどういきるかがその人の次の人生を決めてしまうということだと思います。悲観してもはじまらない。実力をためることに神様がくれた時間なんだから楽しまないといけません。どん底を見てしまっているからこれ以上下はありませんよね。どんなときでもポジティブに考えて行動しないと♪

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2005年12月10日 (土)

上場会社の子会社上場と上場廃止

 土曜日なので、日経ビジネスネタ。最近本を買っていないので、毎週送られてくる本の中からねた探しです。

 日経ビジネス 2005年12月5日号の特集は 成功するM&A その中の記事『ベンチャーがM'&A目当てに資金調達 市場が促す主役交代』です。

 ポイントだけを書いていくと上場企業の責任は『十分な配当』と『成長力を見せること』配当は利益がないと払えないし、利益の源泉は、事業の成長だから、一番大事なのは成長性 これが続かない限り、最近の株主はシビアだから上場やめろ!といわれることになります。

 この成長性を維持するために すでに大企業の上場会社とベンチャー系の上場会社では子会社戦略が異なるそうです。

 すでに大企業の上場会社は、以前 ソニーが上場子会社を非上場化したように、既存の上場会社をあえて100%子会社にするという手法を使うところがあります。

 上場すると外部株主がやってきて、経営にくちばしをいれることもあるので、親会社の思うような事業を子会社にさせるわけにもいかない場合もあります。そのために親会社の事業展開がうまくいかない。市場が親会社を評価しない。株価が下がる。というような負の連鎖をおこすこともあります。

 これを断ち切り、子会社の個としての成長よりも、親会社を中心としたグループの成長を目指す方が全体最適で望ましい。だから業績のいい子会社は100%子会社にしましょうということだと思います。

 最たる例がNECが200年7月に上場したNECソフトと2003年9月に上場したNECシステムテクノロジーを2005年に100%子会社化させたことです。これによりソフトの開発にかかるコストが今期で100億円減少したそうです。

 一方非上場会社の方では、子会社を上場させることにより親会社の時価総額も高めるという戦略をとるところもあります。『成熟した大企業は、子会社も大きくなって事業分野が重なったりするから再編が必要になるし、それによって本体の力を高めることもある。だから非上場化が起きる。一方、新興企業は将来価値を高めることを期待される。そのために、われわれにない技術、あるいは顧客基盤を持つ企業を買収するというのが、当社の方針』インターネット総合研究所 藤原洋所長(『市場が促す主役交代』 P41日経ビジネス 2005年12月5日号)

 親会社は、事業の絵を描いて、お金を探してくる。子会社は、その事業を大きくする。その結果、親会社の価値は高まっていくというものでしょう。

 いずれにしてもキーワードは成長性 フォローの風が吹いていると時は、成長戦略はうまくはまるのですが、アゲインストの風が吹いている時に、成長を続けられるか、下降曲線を止められるか。経営者の真の実力は後者で問われると思います。

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2005年12月 9日 (金)

信託の有限責任 (工作物責任)

 LLPが4日続いて、工作物責任、使用者責任ときたから次は製造物責任にいこうかなとちょっと考えたのですが、疲れたので信託に回帰。

 信託法の改正要綱試案で有限責任信託が検討されています。これは、信託財産にかかわる債権が10億円あっても信託財産が3億円しかなかったら、受託者は3億円支払ったらいい。7億円分自分の財産から支払わなくてもいいというものです。

 現行の信託法を上記のケースにあてはめると、受託者は7億円分自分の財産から支払わなくちゃいけないんです。でもそれだったらかなわないということで、実務上は有限責任特約で受託者の固有財産に対し、強制執行等ができなくなるというように取り決めているようです(田中和明 『信託法改正と信託実務』 信託223号 P55)。

 さて工作物責任と有限責任信託の問題を書きます。工作物責任とは何度もいうように土地、建物の所有者がこれらの資産について生じた損害に関しては、ほとんど無過失責任を負うという非常に厳しいものです。不動産に信託を設定すると、必ず信託の登記をして所有権は委託者から受託者に移ります。したがって不動産の所有者であったら必ず負わされる工作物責任が受託者に生じ、現行では、信託財産の範囲を超えてでも賠償をしないといけません。特約で免れるかどうかは未検討です。

 これが有限責任信託になると、受託者の財産を受託者固有の財産と信託財産にきっちり区別し、工作物責任についても信託財産の範囲に限定できることになるようです(『信託法改正要綱試案に関する意見』 社団法人信託協会)。

 受託者は不動産の所有者だけどもあくまでも名義的なものであり、実質的には受益者のために存在するという観点から考えると、工作物責任という無過失責任を受託者固有の財産をさしだしてまでも負うというのは合理的ではないのでこれは納得のいく案です。

 LLPで出資した場合、組合員は有限責任といっても工作物責任は無限責任で負わされます。信託を用いて、資産を運用した場合は、工作物責任は信託財産限度の有限責任になるということでしょうか♪

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2005年12月 8日 (木)

LLPと有限責任 (使用者責任)

 LLPの有限責任の問題で、昨日、工作物責任について書きました。これは、土地、建物の所有者の責任の問題であり、LLPの所有物は、組合員の合有と考えるので、組合員の責任になる。したがってLLPの財産の限度額で損害賠償すればOKとはならないというものです。

 工作物責任というのは、不法行為の中の特殊なものですが、同じようなものに使用者責任があります。

 X社の従業員Yが、会社の車で、商品を運んでいる途中で、事故って、Zに大怪我をさせた。このような場合、ZはXに損害賠償できるかというケースで、Xが負う責任です。

 この責任をZが問うためには

 Zは次について証明しないといけません。

①被告と直接の加害者との間に使用者、被用者の関係(があること)

②被用者が「事業の執行につき」

③第三者に不法行為を行ったこと

 これに対しXは

④被用者の責任及びその事業の監督につき相当の注意をなしたことまたは相当の注意をなしても損害が生じたであろうことを立証すれば、免責されるというものです(民法715条、内田貴 民法Ⅱ 債権各論 P445 東京大学出版会)

 このケースをLLPにあてはめると X LLPの従業員Yが LLPの車でZを撥ね飛ばし大怪我させた。ZはXを訴えられるか? ひいては Xの組合員 A,B,Cを訴えられるか?

 LLPがYを雇用することはできますが、LLPは権利義務の主体にはなれないということで、契約上は XLLPの組合員、A,B,CがXを雇用したという形になります。

 そうするとXの組合員YがZに怪我をさせたときは使用者責任はA,B,Cにダイレクトにくるのかという問題点があります。

 実質的にはXとYとの雇用関係ですが、形式的にはA,B,CとYの雇用関係となりますよね。

 法律だけ追いかけていくとA,B,CがYを雇い、Yが事業の執行につき、Zを怪我させたので、A、B,Cに使用者責任がかかります。これを免責するのはほとんど不可能だろうなと思います。

 そうするとA,B,CはLLPXの財産を超えて損害賠償をしないといけないのか? 

 結論としては、私は、使用者責任については、組合の業務に関して第三者に損害が生じたときは、組合員は、組合財産をもって当該損害を賠償する責任を負う(LLP法17条)に原則的にはあてはまるのではないかと思います。このケースは、Yが組合の仕事をして、その際に第三者であるZに怪我をさせた場合ですから。

 ただし悪意や重過失がある場合は、LLPの財産を超えて賠償をしないといけないとなるのではないのでしょうか(LLP法18条)

 まあ、そうじゃないと怖くて、LLPなんて作れませんよね。

  民法 第715条(使用者等の責任)

 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
 
 2 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。
 
 3 前2項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。
 

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2005年12月 7日 (水)

LLPと有限責任 (工作物責任)

 LLPと有限責任を考える際、工作物責任はどうなるのかという問題があります。

 工作物責任とは、土地、建物の所有者にとって非常に厳しい責任です。

 土地の所有者Xが建物を建ててこれをYに貸しました。この建物の建築士がかの有名なアネハネハ氏であったこともあり、震度5の地震であっさりつぶれてしまい、この建物の下敷きになってZさんが死にました。Zさんの遺族はZさんが死んだことに対する損害賠償を誰にできますか?

 建物を利用しているのはYですが、Yに過失がないような場合は、Xに対してZの遺族は訴えることができます。たとえこの倒壊の原因がアネハネハ建築士であり Xが悪意も過失もなくてもです。このようなXの責任のことを工作物責任といいます(民法717)。無過失責任だから非常に厳しい。もちろんXはアネハネハ建築士に求償できますが、アネハネハ建築士が破産宣告でもされたら泣き寝入りですよね。

 これは、個人の場合ですが、もし上記の事例でLLPが土地、建物を建てた場合、組合員はLLPが有限責任であることを理由に、LLPの財産を限度として損害賠償をし、それを越える部分は免責されますか?

 LLP法17条によると組合の業務に関して第三者に損害が生じたときは、組合員は、組合財産をもって当該損害を賠償する責任を負うことになっているから、原則はLLPの財産が限度です。

 でもこのケースの場合は、土地建物の所有形態はどうなっているかというと、これはLLPの所有でなく、LLPの組合員の合有となっています。工作物責任というのは、あくまでも所有者の無過失責任というものですから、LLPの有限責任性をもって、相手方に対抗することはできないと思います。

 したがって工作物責任で訴えられた場合は、LLPの建物の所有者である組合員は、所有者の責任として、LLPの財産の限度を超えても賠償をしないといけなくなるケースもあるのではないかと考えます。

(民法717条)

 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。
 
 2 前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。
 
 3 前2項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。
 

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2005年12月 6日 (火)

LLPと有限責任 (破産の当事者になれるか)

 昨日いただいたbara3のコメントに対する回答らしいものを書きます。あくまでも回答らしいもので、ピンポイントをとらえるにはいたっていませんが、

 bara3のコメントは「今回のテーマで債務超過で解散という場合に、最終的な手続きについてお分かりならば教えてください。だれもがLLPは有限責任と口にしますが、本当のところをわかっている人は少ないと思います。LLPが債務超過の時に自主解散はどうやってするのでしょうか。ちなみに法人の場合は破産の申し立てができますが、LLPにはその能力がありません。」 

 LLPが破産の申立の当事者になれるかという点にポイントを絞ります。

 民事訴訟法では、訴訟の当事者となれるのは、原則的には、人と法人です。

 でも法人でない社団や財団で、代表者や管理者の定めのあるものは、当事者能力があると定めています(民事訴訟法29)。これらは、社会活動を行っており、それに伴い紛争の主体となることが避けられないし、代表者や管理者がはっきりしている場合、相手方も誰を訴えたらいいのかはっきりするので訴訟の当事者になれるとした方が円滑に訴訟ができると考えたからだと思います(裁判所書記官研修所監修 民事訴訟法講義案 P28 司法協会)。

 破産手続等に関しては、特別の定めがある場合を除き、民事訴訟法の規定を準用するので(民訴法13)、法人でない社団又は財団で、代表者又は管理者の定めのあるものは、破産の当事者になることができます。

 では組合ひいてはLLPはどうでしょうか。組合が訴訟の当事者になれるかどうかというのは明確な規定はありません。学説上は積極説(訴訟の当事者になれる)と消極説(訴訟の当事者になれない)にわかれています。

 内田貴著 民法Ⅱ 債権各論 P291 東京大学出版会 によると「組合は、権利能力なき社団と同様、代表者または管理人の定めがあれば、訴訟の当事者とりうる」とも書いてます。

 またLLP法21条によると 「債務者、仮差押命令又は仮処分命令に表示された当事者が組合である場合においては、」となっていますから、組合が破産の当事者になるのを前提に立法しているのではないかと思います。

 このようなことからLLPも破産の当事者になる可能性はかなりあると思いますが、LLPならすべてOKか、代表者の定めのあるLLPに限定なのか等、明文化されていないのではっきりしません。

 また破産したあとの処理についてもどのようにするのかもはっきり決められていませんので、いざ破産をした場合も、実務的には問題が山積みされるのではないかと思います。

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2005年12月 5日 (月)

LLPと有限責任 (第三者責任)

 有限責任事業組合(以下「LLP」という)が、すでに利用できるようになっています。この有限責任事業組合は、共同で営利を目的とする事業を営むための組合契約であって、組合員の責任の限度を出資の価額とするもの(LLP法1条)です。たとえば、組合の事業のために負債が10億円生じましたが、資産としては1億円しか組合に残っていないような場合は、1億円の資産を限度に負債を支払えばよく、残りの9億円の負債を組合員個人の財産から支払わなくてもよいというものです。

 ただしどんな場合でも有限責任であるとすると、組合と取引をする第三者は返済できない場合のリスクが大きくなるので、組合員が自己の職務を行うことについて悪意または重大な過失があったときは、当該組合員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負います(LLP法18条)。

 LLPの組合員は、LLPで行う事業に対して善良な管理者としての注意義務があります(LLP法56、民法671,644)。この善管注意義務の減免は契約によって可能と考えられています。でも、第三者に対する責任に関しては、減免を認められません。認めると取引の安全の保護ができなくなるからでしょうね。

 たとえば映画の製作委員会をLLPで行うメリットは有限責任とされますが、著作権侵害によりLLPが訴えられ場合、組合員は有限責任をたてにできるでしょうか。悪意(著作権の侵害を知っていて放置した)とか重過失(プロフェッショナルなら通常わかることなのに確認作業をしなかったために侵害された)といわれて認められしまうと、組合員はとことん責任をおわないといけなくなります。

 有限責任っていうのはLLPの売りなのですが、有限責任にならない場合もあるのでその辺をきっちり理解しといた方がいいと思います。

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2005年12月 4日 (日)

レクサス トヨタのルイヴィトン的戦略

  最近、土日は日経ビジネスを題材にしたネタを中心に書いてます。面白いのは、土日ネタの方が他のHPですぐにとりあげられてるみたいで、月-金とは異なる読者層の方がお越しになられてるような気がします。ありがとうございます。 

 また2005年11月28日の日経ビジネスの特集は「レクサス」、トヨタの最高級ブランドですね。ざーっと斜め読みしての感想は、トヨタのルイヴィトン的戦略を実現させてるんだなあと。

 ルイヴィトン的戦略というのは、売れ筋商品の価格設定は、普通の人が爪先立ちしなくても買える程度の高さに設定して、売上のパイを広げます。でもこの結果、誰でも手に入るというブランドイメージが定着すると、たくさん高額商品を買ってくれる優良顧客は、希少性がなくなるので逃げていくかもしれません。そこで優良顧客を逃さないようにするために「あなただけの特別なサービス」を提供していくというものです。私のブログ「ブランドって何だろう ルイヴィトンは凄い」に少し書いてます。

 トヨタは車を作って販売する会社ですので、このブランド戦略を開発、製造、販売の各段階で行い、他のトヨタ車とレクサス車の差別化をはかっています。

 開発段階では、最先端の技術はまずレクサス車に搭載するそうです。

 製造段階で凄いと思ったのは、省力化のためにほとんどやらなくなった水研というと塗装前の車を手で磨く作業を復活させたそうです。

 これなんか 真夜中でも顧客の要望に答えるためにコックさんを常駐させるリッツカールトンの手法に似てますよね。私のブログ「リッツカールトンで学んだ仕事で一番大事なこと」

 そして販売なんですが、レクサス車のオーナーが販売会社にやってくると「ようこそいらっしゃいました、 ○○様」と呼んで出迎えられるそうです。別に名乗らなくても。

 これは駐車場の天井にセンサーがはめこまれ、レクサス車に搭載されたetc端末を通じ、車種や氏名、顔写真!や予約の有無がカウンター内の端末に表示され、スタッフの携帯電話にメールが届くからできることなのだそうです。業務の効率化もあるのでしょうけれども、お客さんは感動しますよね。

 なんか今のブランド戦略は、トヨタもルイヴィトンもリッツカールトンも根っこは同じようなものです。最高の品質のハードウェアにソフトウェア(サービスでしょう)で付加価値をつけ、他よりも高い値段にもかかわらず、消費者が自分からよってくるようなシステムを作りあげてます♪

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2005年12月 3日 (土)

一高たかはしとウェルネット

 日経ビジネスの2005年11月28日号をぼけっと読んでいたら、ひと劇場「ガスと電子決済で上場」という記事が目に留まりました。

 北海道に一高たかはし という会社があります。

この会社は、灯油やガスを販売している会社であるジャスダックに上場しています。

そしてこの会社の子会社にウェルネットという電子決済会社があり、この会社もジャスダックに上場しています。

両社の株式の時価総額を比較すると

  一高たかはし  84億円 (12/2/2005現在)

  ウェルネット  192億円 (12/2/2005現在)   

  ウェルネットの方が一高たかはしの2.3倍あります。

 ガスの販売と、電子決済はアンマッチなのですが、きっかけは日経ビジネスによると顧客のガス使用状況をコンピューターを使って一元管理をし、コストを削減することをいち早く行ったことです。その後、子会社を使った事業展開として、LPG販売事業と相乗効果のあるシステム開発 すなわち一高の顧客がコンビにでガス料金を支払えるシステムを構築し、コンビにを窓口にした代金収納サービスを始めたそうです。

 この記事を読んで、すごいと思ったのは、高橋社長の度量です。彼自身は自分を飾らない性格で、一高監査役の高橋雅行氏(社長の実弟)によると「兄は自分に経営の能力がないことを知っている。」だそうです。(日経ビジネス 2005.11.28 p158)

 しかし「信頼できる部下には徹底的に仕事を任せる。しかも、部下を引き立てる。懐が深く、度量が大きな経営者だ。」北海道銀行執行役員常務本店長 三戸篤人 (日経ビジネス 2005年11月28日 p156)

 これはできるようでむずかしい とくにオーナー系は、 かまどの灰までわしのもんや!というスピリットの人が多いですから。

 オーナーの仕事はつきつめてみたら、 将来利益を生み出す事業を見つけ出し、その事業からきちんとお金が落ちるような利権というかしくみを確保し、事業を成長を促してくれるようなキーとな人材を探してくるというのが、初期段階では重要で、この3つを成したら、あとはスーッと軌道にのっていくはずです。

 ほんとうに経営者としても傑出しているならワンマンでそのまま事業を運営するのがいいのかもしれませんが、だめとわかっているならできる人を連れてくる方がずっといいです。

 オーナーにとって大事なのは、自分の能力の限界を知り、あとは、人にまかして、リスクをとれる度量なのでしょうね。

 なお日経ビジネスは、株式の時価総額の親子逆転から、親会社を安い値段で買収することにより、収益性の高い子会社が手に入るので、敵対的買収の危険性があることを指摘しています。ただ一族や従業員が4割の株式を所有しているのであまりないかもしれません。

 このままの状態でいいとは投資家も高橋社長も思っていないでしょう。もうひとつ大きくなるためには、まかせるだけでなく高橋社長自身が先頭になって組織を作り変えていくことが必要になるのでしょうね。

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2005年12月 2日 (金)

信託販売業者

 資産の流動化と販売を自分のところでやりたい場合、自分(資産の持ち主)が信託会社になるのは、信託業法の問題で難しいから、まず子会社を作ります。そしてその子会社を管理型信託会社として登録します。いろんな要件が必要ですが、信託銀行等で信託財産の管理を3年以上した人と信託ビジネスに3年以上かかわった人の確保はぜっったいに必要です。

 そしてその子会社は管理型信託会社の登録だけでなく信託受益権販売業者の登録もします。そうすると自分のところで流動化ビジネスができるようになります。

 この信託受益権販売業者は、登録制で3年ごとに更新が必要であり、営業保証金として1,000万必要です。もし管理型信託会社と信託受益権販売業者を兼営した場合、営業保証金は最低 2,500万円+1,000万円=3,500万円いるのでしょうね。これに管理型信託会社の場合は、資本金が5,000万円いるから最低8,500万円の資金が必要ということでしょうか。

 この信託受益権販売業者になれる要件というのは、信託会社になる要件よりはゆるいです。信託会社の場合は、他の事業との兼営に関しては、かなり難しいのですが、そんなしばりは信託受益権販売業者にはありません。また信託業務の知識のある人をおいておく必要はありますが、信託銀行等で3年以上の実務経験をした人2人以上というようなことはありません。きっと他人の財産を預かって収益をあげるという業務を行わないからだと思います。

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2005年12月 1日 (木)

専用実施権と通常実施権

 専用実施権とは、ある特許権を独占的に使うことができる権利です。この権利がある者に与えられると、特許権者といえどもその特許を使うことはできません。また専用実施権者は、特許権が侵害された場合、差止め請求や損害賠償を行うことができます。そしてこの専用実施権は、特許庁の原簿に登録しなければ効力は生じません(特許法98①二)。

 これに対して通常実施権は、ある特許権を使うことができる権利です。ですから複数の人や法人に通常実施権を与えることはできます。ただし特許権が侵害された場合、通常実施権者は、自分では差止請求や損害賠償を行うことはできず、特許権者にお願いしないといけません。また特許庁の原簿に登録しなくても当事者間では効力は生じますが、第三者に対抗するためには、登録が必要です(特許法99①)。

 ところで当事者間の契約では独占的使用権を与えても、特許庁に登録していないようなものがあります。これは独占的通常実施権といいます。たとえばある地域のみ独占的実施権をあたえ、他の地域においては他者の利用を認めているような権利です。

 管理信託会社の監督指針のうち知的財産にかかわる部分は以下です。

5-2-1(2)②財産の性質を変えない範囲内における利用行為

ハ 知的財産に関し他者の利用を制限しない通常実施権を設定する行為

二 知的財産に関し他者の利用を制限する専用実施権を短期間(3年以内)実施する行為

ここで問題になるのが独占的通常実施権はどのように取扱われるからです。

 これについて 小林卓泰 「知的財産信託における法的留意点」 P122別冊NBL No102によると、

 『独占的通常実施権の付与が、「財産の性質を変えない範囲内の利用行為」にあたるか否かを判断する上での要素とはならず、「独占」の程度、すなわち「他者の利用を制限」する程度に着目して、「財産の性質を変えない範囲内の利用行為」に当たるか否かの判断がなされるべきと言えよう。

 かかる観点からは、地域や分野を制限した上で第三者に独占権を付与するような独占的通常実施権の場合(すなわち、当該地域又は分野以外においては、「他者の利用」は制限されていない場合)には、専用実施権の場合のように3年以内のものに限る必要はないように思われる(もっとも、管理型信託会社の登録が3年毎の更新性になっている点との関係には留意が必要である)。』

 となっています。ですから 

通常実施権 期間制限なし

独占的通常実施権 原則的には期間制限なし

専用実施権  3年

と考えるのでしょか♪

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