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2005年12月 6日 (火)

LLPと有限責任 (破産の当事者になれるか)

 昨日いただいたbara3のコメントに対する回答らしいものを書きます。あくまでも回答らしいもので、ピンポイントをとらえるにはいたっていませんが、

 bara3のコメントは「今回のテーマで債務超過で解散という場合に、最終的な手続きについてお分かりならば教えてください。だれもがLLPは有限責任と口にしますが、本当のところをわかっている人は少ないと思います。LLPが債務超過の時に自主解散はどうやってするのでしょうか。ちなみに法人の場合は破産の申し立てができますが、LLPにはその能力がありません。」 

 LLPが破産の申立の当事者になれるかという点にポイントを絞ります。

 民事訴訟法では、訴訟の当事者となれるのは、原則的には、人と法人です。

 でも法人でない社団や財団で、代表者や管理者の定めのあるものは、当事者能力があると定めています(民事訴訟法29)。これらは、社会活動を行っており、それに伴い紛争の主体となることが避けられないし、代表者や管理者がはっきりしている場合、相手方も誰を訴えたらいいのかはっきりするので訴訟の当事者になれるとした方が円滑に訴訟ができると考えたからだと思います(裁判所書記官研修所監修 民事訴訟法講義案 P28 司法協会)。

 破産手続等に関しては、特別の定めがある場合を除き、民事訴訟法の規定を準用するので(民訴法13)、法人でない社団又は財団で、代表者又は管理者の定めのあるものは、破産の当事者になることができます。

 では組合ひいてはLLPはどうでしょうか。組合が訴訟の当事者になれるかどうかというのは明確な規定はありません。学説上は積極説(訴訟の当事者になれる)と消極説(訴訟の当事者になれない)にわかれています。

 内田貴著 民法Ⅱ 債権各論 P291 東京大学出版会 によると「組合は、権利能力なき社団と同様、代表者または管理人の定めがあれば、訴訟の当事者とりうる」とも書いてます。

 またLLP法21条によると 「債務者、仮差押命令又は仮処分命令に表示された当事者が組合である場合においては、」となっていますから、組合が破産の当事者になるのを前提に立法しているのではないかと思います。

 このようなことからLLPも破産の当事者になる可能性はかなりあると思いますが、LLPならすべてOKか、代表者の定めのあるLLPに限定なのか等、明文化されていないのではっきりしません。

 また破産したあとの処理についてもどのようにするのかもはっきり決められていませんので、いざ破産をした場合も、実務的には問題が山積みされるのではないかと思います。

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コメント

おはようございます。
コメントありがとうございます。破産能力についての学説については存じております。
ご案内のとおり、下記のとおり、LLPを作る際に議論されています。立法関係者の中ではないので、破産能力には引き続き検討すると報告しており、時間の関係で破産能力ありとは決定できなかったと聞いております。

有限責任事業組合制度の創設の提案
(中間とりまとめ)平成16年12月17日

有限責任事業組合制度に関する研究会
2破産能力の確認
 LLPの破産能力については、今後引き続き検討する

第2回 議事要旨より
1. 日時:平成16年10月8日
(4)解散・清算時の規定
○ 債権者の立場から言えば、破産法の適用は必要なのではないかと思う。また、LLPの破産能力については確認が必要な上、破産財団の範囲を明確にするためには、①講学上「合有」と言われている組合財産の性質を法律上明定することの必要性、②組合財産の分別管理を義務付け、組合員固有の財産との区別を明確にしておくことの必要性についてそれぞれ検討すべきなのではないか。
http://www.meti.go.jp/policy/economic_industrial/gather/0000617/index.html

参考サイト
http://civilpro.law.kansai-u.ac.jp/kurita/hasan2/lecture/hasanYouken.html

投稿: bara3 | 2005年12月 6日 (火) 06時33分

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