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2006年1月26日 (木)

信託受益権の譲渡

 不動産管理処分信託の契約書を最近よくみかけます。

 これは不動産を持っている会社がその不動産を信託して、信託受益権を譲渡する方が、不動産を直接譲渡するよりも流通にかかる税金が安く、買戻しも簡単だからだと思います。受益権者は、不動産の賃貸収入を受取り、最終的にはその不動産の売却代金ももらえるというものです。

 この不動産管理処分信託。当初は委託者=受益者の信託だから自益信託として設定されますが、売買することにより委託者≠受益者となってしまいます。いわゆる他益信託みたいな状態になるのかな。委託者の地位も信託受益権の譲渡に伴い受益者に移転できるのか。

 委託者の権限には、たとえば受益者を解任できたり、受託者が破産した場合財産を返せと要求できたり、受託者のミスで信託財産が毀損した場合もとに戻せと言えます。これらは一身専属権みたいなものだから、原則的には他の人に譲渡できるようなものではないと考えられています。

 でも不動産管理処分信託で委託者に権利を残すということは、不動産を売買した後において、売主に権利を残すのと同様の状態であるからおかしいですよね。

  不動産管理処分信託においては、一般的に信託報酬が信託財産から支払われます。これは、委託者の権利義務が信託受益権にくっついているようなもの。

 だから不動産管理処分信託は、不動産を譲渡したのと経済的にも、法律的にも同じようなものであると考えます。そしてこれをベースに土地信託がらみの税法も設計されているなと思います。

参考 三菱信託銀行信託研究会 信託の法務と実務 第4版 P533 金融財政事情研究会

四宮和夫 信託法(新版)P344、325 有斐閣

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