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2006年2月16日 (木)

信託法改正要綱 答申 その7 限定責任信託

 信託法改正要綱が答申されました。

 この中で新たに有限責任信託が規定されるようです。

 限定責任信託、これは、簡単にいうと信託財産に関して生じた債務に関して、受託者は、信託財産を限度として弁済しましょう。それ以上は責任は負いませんよ。というものです。

 つまり現行の信託法での受託者の責任は無限責任であり、信託財産について生じた債務については、信託財産で弁済しきれない場合は、受託者固有の財産を売り払ってでも弁済しないといけません。

 受託者はあくまでも信託財産の名目上の所有者であり管理してなんばの人なのに責任だけ重大。 (でもこの債務の弁済は最終的には受益者に飛んでくると思うのですが、実務がどうかは別として)

 とにかく受託者は責任が重たすぎて、受託者になりたい人がなかなか現れないのは問題だ! ということでできそうなのが限定責任信託 ポイントは次のようです♪

 ◎限定責任信託の場合は、登記ではっきりわかるようにする。

 ◎信託財産に関して帳簿を作る(だったら無限責任信託は帳簿を作らなくていいのか?)

 ◎受益者への財産の分配可能限度額を設ける(たぶん300万円)。

 ◎もし分配可能限度額を超えて分配したような場合は、受託者や財産をもらった受益者は弁償しないといけない。

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第67 限定責任信託について
1 総論
受託者がのの(1)から(9)までに掲げる権利に係る債務について信託財産第13 1
のみをもってその履行の責任を負うこととする新たな信託の類型(限定責任信託)
を創設するものとする。

2 設定
限定責任信託は,受託者がのの(1)から(9)までに掲げる権利に係る債務第13 1
6 について信託財産のみをもってその履行の責任を負う旨の信託行為の定めをし,
の登記をすることによって限定責任信託としての効力を生ずるものとする。

3 会計等
(1) 会計帳簿の作成及び保存等
ア 受託者は,法務省令で定めるところにより,限定責任信託の会計帳簿を作成
しなければならないものとする。

イ 受託者は,アの会計帳簿及び信託事務の処理に関する書類を作成したときか
ら10年間当該期間内に信託の清算の結了があったときはその日までの間
保存しなければならないものとする。

(2) 計算書類の備置き及び閲覧等

ア 受託者は,法務省令で定める一定の時期において,限定責任信託の貸借対照
表及び損益計算書並びにこれらの附属明細書その他の法務省令で定める書類を
作成しなければならないものとする。

イ 受託者は,アの書類を,その作成の時から信託の清算の結了の時まで,保存
しなければならないものとする。

ウ 利害関係人は,アの書類の閲覧又は謄写を求めることができるものとする。

(3) 財産分配の制限
信託財産は,受益者に対して給付することができる額として純資産額の範囲内
において法務省令で定める方法により算定される金額を超えて,これを給付する
ことができないものとする。

(4) 財産分配に関する責任
ア 受託者が(3)に違反して受益者に対する信託財産に係る給付をした場合には
次に掲げる者は,次に掲げる義務を負うものとする。ただし,受託者がその職
務を行うについて注意を怠らなかったことを証明した場合は,この限りでない
ものとする。
a 受託者給付額に相当する金銭の信託財産に対するてん補の義務

b 当該給付を受けた受益者給付額に相当する金銭の受託者に対する支払の
義務

イ アのa又はbのいずれかによってa又はbに定める義務の全部又は一部が履
行された場合にはa又はbに掲げる他の者は当該履行された金額の限度で
a又はbに定める義務を免れるものとする。

ウ アの場合において,受託者は,当該分配を受けた受益者に対し,アに違反し
て当該受益者が分配を受けた財産に相当する金銭の支払を請求することができ
る。ただし,受益者が,当該分配を受けた日において,受託者がアに違反して
信託財産の分配をしたことについて善意である場合には,この限りでないもの
とする。

エ アの場合において,信託債権者は,当該分配を受けた受益者に対し,当該受
益者が当該分配を受けた財産の額(当該財産の価額が当該債権者の受託者に対
して有する債権額を超える場合にあっては,当該債権額)に相当する金銭を支
払わせることができるものとする。

4 特定の限定責任信託の受託者である旨の明示
受託者は,特定の限定責任信託の受託者である旨を明示して取引をしなければな
らないものとする。

5 受託者の第三者に対する責任
受託者が信託事務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは,当該受託
者は,これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負うものとする。

6 公示制度の整備
限定責任信託の登記制度を整備するものとする。 

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