一昨日、ストックオプションの会計を書きました。今日は、税務をからめて
現在、交付しているストックオプションの多くが、税制適格のストックオプションだと思います。
税制適格のストックオプションというのは、
従業員や役員(子会社の従業員等含む)に対して、無償で新株予約権を交付
権利行使は 付与決議から2年を経過した日から10年を経過した日までにやってね
権利行使は年間1,200万円まで
新株予約権は譲渡できないよ
行使価格≧付与時の株価 だからね
などなどの要件があって、この要件クリアしていたら、権利行使段階の課税をスキップして、株式を売って、キャピタルゲインで一儲けをした段階で1回課税して終わりというもの
もし役員、従業員が受取ったストックオプションが非適格だったら、権利行使段階で1回給与課税とかされて、譲渡段階でもう一回ね。
で、今般の会計の改正と税制の改正でどうなるかというと一昨日の記事をベースに税務を加えると
まず新株予約権の価値というものを最初にはじき出して、この権利を得るために、従業員等が汗水たらして働いた期間に対応して、費用計上します。
会計上の仕訳は、株式報酬費用XXX/ 新株予約権XXX
税務上の扱い 税制適格 株式報酬費用は損金不算入
税制非適格 株式報酬費用は損金不算入
ベースは法人税法改正案54条②
従業員が権利行使をして、株をよこせ!と宣言した時点で、権利行使価格分、現金が会社に入ってきて、新株を発行した場合新株予約権を資本金等に振り替えます。
会計上の仕訳は、
新株予約権 XXX /資本金等XXX
現金 XXX
税務上の取り扱い
税制適格 何もしない
税制非適格 権利行使した部分に対応する株式報酬費用は減算できる。
ベースは法人税法改正案54①
がーーーーん 税制適格のストックオプションの場合は、永久に税務上の費用にはならないのです。
ストックオプションの株式報酬費用を会計上計上するのは、基本的に上場会社でしょ。
上場会社というのは、利益をよくみせたい。そうしないと投資家が魅力的だと思ってくれないから
でもストックオプションの費用が永久に損金にならないとすると、繰延税金資産にもあげられないから利益を思いっきり圧縮させますよね。
もう税制適格ストックオプションなんか馬鹿くさいからやりたくないと思う会社も増えるかもしれません。 いや従業員の納税負担の増加という犠牲の上に、会社の節税対策で非適格ストックオプションをやるところがあるかもしれません、
ただ、費用が増えるといっても、この分キャッシュはでていかないんですよね。働く人のモチベーションの維持と天秤にかけるとやはり税制適格ストックオプションに関してメリットがある会社もあるかもしれません。
それでも税制適格ストックオプションをやりたい会社が次に何を考えるかというと、株式報酬費用の算定の段階でいかに新株予約権の価額を低くするかでしょう。
金融工学だかなんだかよくわかりませんが、どうせ中身なんか文科系の人たちにはわかりませんから。きっと新株予約権の評価鑑定ビジネスができるのでしょう。大化けの可能性はあんまりないような気はしますが♪