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2006年3月31日 (金)

全株取得条項付種類株式の使い方

 会社法では、全株取得条項付種類株式というのを発行できます。これは、2種類以上の種類株式を発行している会社でそのうちの1種類の株式については、株主総会の特別決議をへて、会社が買い取ることができるように定款でルールづけした種類株式のことです。

 すでに普通株式を発行している会社がその普通株式を全株取得条項付種類株式に変更させる場合は、定款変更のための株主総会の特別決議ならびに種類株主総会の特別決議で可能です。

 同じようなネーミングの株式として取得条項付株式というのがあります。これは、株主の同意なく一定の事由が生じた場合は、会社が株式を買い取れるものです。すでに発行している普通株式を取得条項付株式に変換させるためには、こっちは株主全員の同意が必要です。

 さて全株取得条項付種類株式の使い道ですが、敵対的買収防衛策で使えます。定款で20%以上株式を取得した株主(敵対的買収者)が現れた場合は、株主総会特別決議を開いて、株主全員から株式を取得し、20%以上取得した株主に対しては、議決権制限つき株式を発行すると決めることができます。

 これは敵対的買収者の持株比率が20%以上33%以下だったらいいのですが、33%を超えると、特別決議を否定できるから効果はないでしょうね。

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2006年3月30日 (木)

不動産管理信託でできること

 不動産管理信託というのがあります。

 これは、不動産の管理業務を信託会社が行うのが基本になりますが、他に不動産管理処分信託(信託された不動産を売却して、代金を受益者に返して信託終了)、他に資産流動化109条による特定社債管理業務や、同法第144条による特定資産の管理および処分にかかる業務(この辺は不勉強なので説明不可)を行う特定目的会社支援業務、生前信託を含む「不動産の遺言信託関連業務」などなどが可能になります。(注1)

 ただし地主さんから不動産の信託を受けて、信託受益権を交付し、その地主さんが信託受益権を売却しようとする場合の売買の代理や媒介を行うためには、信託受益権販売業者の登録が別途必要になります。

 不動産管理信託を利用することによるメリットとして信託会社が訴訟の当事者になれることがあります。たとえば家主がご高齢者の場合で、不動産の管理を業者に委託しても、家賃の回収が滞った場合、「家賃払え!」と訴えることになると思います。この場合、訴えることができるのは、あくまでもご高齢の家主さんであり、不動産管理業者が代わりに裁判の矢面にでることはできません。でもご高齢の方は、裁判にでるのが億劫という傾向があり、それゆえに泣き寝入りしてしまうというケースがあるようです。

 でも信託会社に不動産を信託して、管理を委託してもらう場合は、裁判の当事者にプロの信託会社がなれるので、このような問題は解決できるようになるようです。

 注1 桐生幸之介、米田淳 「不動産の信託」 P122住宅新報社

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2006年3月29日 (水)

その他資本剰余金の配当

 現行商法においては、資本金を減資ささてその他資本剰余金に振り替え、これを配当として株主に支払うことが出来ます。これは、かつてバブルが崩壊し、配当を支払うことが苦しかった金融機関あたりが泣きついて、作られた制度じゃないかなと思うのです。

 本質的にはこの部分は、資本からの払戻に当たるので、会計上は、配当として取扱わず、資本の払戻として、株主に関しては、有価証券の帳簿価額を減額させていたと思います。

 ところが税法においては、源泉が資本であろうとなんであろうと、配当として払った場合は、利益積立金の流出と考えて、源泉税の対象にしていたと思います。

 しかしこれは変。だってお金を貸して、その元本がかえってきても、それは元本の返済ではなく利息ですよ!という悪質な詐欺まがいの行為をお上がどーどーと行ってきたのですから、

 会社法になって、株式会社から株主への分配に関しては、その源泉が利益だろうと、資本だろうと関係なく 剰余金の配当としてひとくくりにまとめられることになりました。

 そうなるとその他資本剰余金からの配当はどうなるのか?減資払戻金はどうなるのか?みーんなみんな配当になるのか?

 で、まだ政令が出ていない段階なのでなんともいえませんが、その他資本剰余金の配当をした場合は、全部配当とするのではなく、資本(資本、資本積立金)部分と利益積立金部分の比率で、支払額を按分して、資本部分は株式の払戻として扱い、利益積立金部分は、配当として扱われるのではないかと思われます♪

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2006年3月28日 (火)

信託の会計はどうなるのか

カレーパンさんから昨夜、下記のようなコメントを頂戴しました。

「合同運用信託の受託者は原則として現金主義会計、というのはちょっとびっくりですね。

合同運用信託の信託財産に係る消費税については受託者に帰属するわけですが、

資産の譲渡等の時期も全部現金主義にするのでしょうか。それはちょっと変な感じですね。」

 いちおうお断りとしまして、この合同運用信託の受託者は原則、現金主義会計というのは、三菱信託銀行信託協会 「信託の法務と実務 4訂版」P176を引用しておりまして、私自身の実務をベースにしているものではありません。

 ただ資産の譲渡等の時期を全部現金主義にするというのは、おっしゃるようにおかしいですね。

 取引の決済が期末をまたぐ場合は、調整をしているのかもしれません。

 で、信託の会計について、信託法ではいくつか登場していまして、

(会計の原則)
信託法案 第十三条 信託の会計は、一般に公正妥当と認められる会計の慣行に従うものとする。

これだけ読むと、信託の会計は、一般に公正妥当なルールとなっていますが、これはいわゆる従来型の現金会計を引きずっている信託慣行会計なのか、事業会社でもやっているいわゆる普通の会計なのかわかりませんね。

でも会社法では、企業会計の慣行となっていますが、信託法はただの会計ですから、やっぱり現金主義会計でやって、税務上調整すべき項目だけ調整をしているのかもしれません。

会社法第431条
 株式会社の会計は、一般に公正妥当と認められる企業会計の慣行に従うものとする。

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2006年3月27日 (月)

上場会社は黄金株を発行できない

 黄金株とは、種類株式の1つで、たとえば株主総会で、誰を取締役にするのか、取締役の誰を頸にするのか決める決議で、拒否権を発動できるようなタイプのものです。たとえ株主総会決議でOKが出ても、拒否権つき種類株主総会でXがでると、この議案はボツになります。人事の生殺与奪をにぎっているので非常に強い権力を持った株式です。

 この黄金株は、敵対的買収者が会社の株を買い占めたような場合でも、会社と友好関係のある株主が黄金株を所有しているときは、敵対的買収者が取締役の人事に嘴をいれようとしても拒否できますので、会社側としては、非常にありがたい武器になります。ただしこの株式が、敵対的買収者側にわたると、とどめの一撃を打てる武器になりますので、黄金株に譲渡制限を前もってつけるなどの工夫が必要です。

 ただこの黄金株の発行をあっさり認めると、会社がだめで、なんとか建て直そうとやってきた株主に対して、会社側の保身を極度に促すことになり、これは株主にとってもよろしくありません。

 で、この黄金株については、原則的には、株主の権利を不当に制限にするものとして、東証の上場基準によると、どうやら上場廃止になりそうですね。

 株主及び投資者の利益を侵害するおそれが少ないと東証が認める場合は黄金株を認めるようですが、これはたとえば、民営化企業が、その企業行動が国の政策目的に著しく矛盾することがないよう、国を割当先として拒否権付種類株式を発行する場合(注1)であるので、日の丸案件以外は難しいということかなあ♪

注1 飯田一弘 東京証券取引所上場部企画担当 「買収防衛策の導入にかかる上場制度の整備」 P21 商事法務 No1760

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2006年3月26日 (日)

がんばれ JDC TRUST!

 このブログで何度か登場している ジャパンデジタルコンテンツ信託会社のこと書きます。この会社は、アニメのような知財信託に特化した、本邦初の会社であり、代表取締役の土井さんは、知財関係のセミナーでお話なさったり、原稿を書かれたりしていらっしゃいます。原稿を拝見して、第一人者の凄みをひしひしと感じてます。

 で、ふっとこの会社の業績がどうなってるのかなあと思ってHPの四半期報告書を読んだのですが、結構厳しいものがありますね。

 H18 第3四半期 売上 480   経常利益 △671

 H18  通期予測 売上 2,400   経常利益  470

 いずれも連結ベース 、単位:M円

 第3四半期までは信託業務の収益があがっていないようですが、ラスト3ヶ月で売上20億円ほど計上される予定となっています。

 この内容は四半期報告書によると

 「通期の見通しにつきましては、平成17年11月25日に発表した予想数値は変更はしておりません。 内容につきましては、デジタルコンテンツアレンジメント事業の積上げや既に募集が完了している「シネマ信託~天使」の手数料収入をはじめ、平成17年10月20日付で発表いたしました「シネカノン・ファンド」45億円の案件組成に伴う手数料収入など、上期からずれ込んでいる案件を取込むことにより、売上高2,400百万円、経常利益470百万円、当期純利益470百万円を見込んでおります」 

 うーーーん どうかなあ 

あと これは、業績うんぬんとは関係ないのですが、結構投資事業有限責任組合に投資していて、かつ出資割合が50%超えているものもあるのですが、連結範囲に入れてません。これライブドアの件もあったので連結にいれないとまずいのでは?

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(3)投資事業組合等の連結の範囲に関する取扱い

投資事業組合等に対する出資のうち、当社の出資持分が過半数を超える投資事業組合が14ファンドありますが、投資事業組合等の資産、負債及び収益、費用は出資持分に応じて各出資者に帰属する為、投資事業組合等は子会社として取扱っておりません。

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でも、私は、JDTは、すごく可能性を秘めている会社であり、土井さんは凄いと思っている者の1人なので、ぜひ、がんばっていただきたいと思います。資金繰りで大変だなあというのは、ひしひしと財務諸表から感じますが、事業にしっかりとした理念があり、羅針盤の方向が時代にあっていると思うので、きっと成功すると思います。

 決算書楽しみにしてます。

 なんか小学生の作文のようになりましたが、いいたいことは がんばれJDC TRUST! がんばれ土井さん!

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2006年3月25日 (土)

パソコン教室の収入に税金はかからない?かかる?

 少子化の影響で、学校の生徒数は毎年減少しています。生徒数が減ると、当然授業料収入も減るし、補助金収入も減ります。でも学校の経費の多くは人件費であり、そう簡単に人を減らすことはできません。

 そこで学校としては、新たな収入源として、社会人教育に力をいれているところが多くあります。社会人教育の一環で、いろんな授業を社会人向けに公開してます。社会人の利便を考えて、授業が夕方からあったり、土日に集中してあるようなところもあります。

 さてこの社会人教育で、受講者からもらう授業料に対して、税金はどうなってるのでしょうか。

 たとえばパソコン教室を開いた場合、

 法人税法の世界では、学校法人のような公益法人が営む事業からの収入は、非収益事業と収益事業にわけ、収益事業の収入のうち、これは、税金をかけますよと決めたものについては、税金がかかります。

 いわゆる学校が生徒から受ける授業料については、非収益事業収入だから法人税の計算の対象なりません。でも課外事業の収入については、本来の学校のビジネスではないので、収益事業に該当する可能性が高いです。ところがこの収益事業に該当するものについては、何なのか限定列挙されており、たとえば洋裁、和裁(なんかものすごく古めかしいのですが)を教える場合は、収益事業になるのですが、パソコン教室は、この限定列挙に含まれていないので、いまのところ課税されないことになります。

 一方消費税の世界では、学校が行う課外授業の収入については、原則として課税の対象になるのです。法人税のような限定列挙という規定振りではないからです。

 公益法人改革がうたわれ、公益法人に対する税金のかけかたについても、今後議論がなされると思います。その過程で、法人税における限定列挙は、時代に対応していないので、改正される可能性もあるのではないでしょうか♪

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2006年3月24日 (金)

税金のクレジット払い?

 ちょっと今日は、頭がくらくらして回らないので(笑)、かるーく

 ネットサーフィンをしていたら日経のhpで面白い記事がありました。

 税金のクレジット払いが可能になるかもしれません。 個人の所得税や消費税は、振り替え納税という制度を使うと 1ヶ月ぐらい税金の支払いが今でも遅れるのですが、クレジットの場合もそんな感じで引き落とされるのでしょうか?

 でもクレジット払いの場合は、クレジット会社に5%とか手数料払いますよね。国税庁いや財務省もそれくらい手数料払うのでしょうか? 5%はないかなあ。

 このクレジット払いって個人だけなのかなあ。いわゆるコーポレートカードもokで法人税も引き落とせますよとかなるのかなあ。

以下転載

 国税カード納付、解禁へ・規制改革3カ年計画の再改定案

 政府の規制改革・民間開放推進3カ年計画の再改定案の全容が23日、明らかになった。国税や介護保険料のクレジットカードによる支払いについて2006年度中に結論を出すと明記。駐車違反車両のレッカー移動業務などを民間企業に開放する方向性も打ち出した。「官業の民間開放」を幅広い分野で加速させる狙い。月内に閣議決定する。

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060323AT3S2202H23032006.html

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2006年3月23日 (木)

証券取引法がなくなる!

 証券取引法が改正され金融商品取引法(いわゆる「投資サービス法」)に変わる法律案が平成18年3月13日国会に提出されました。

 ちょうど信託法改正案と同日ですね。

 なんか金融庁のホームページを読むと、膨大な条文のようですが、これはおいといて、

 金融商品取引法になるとどう変わるかというと、

 証券取引法はいわゆる上場株式の売買を前提にして設計されているから、いろんな金融商品の登場に対して対応がとれてない。それぞれの金融商品については野放しというわけでなく、それぞれの業法で規制をしているのですが、縦割り行政の弊害でややこしかった。

 そこで投資家向け金融商品に関しては、がばーっとこの法律の網で規制しましょう。

 組合の出資でも集団投資スキームに該当するものや信託受益権(全部とは思わないけど)、抵当証券 それにわけのわからんデリバティブもお仲間ということにしましょう。

 で、なんでもかんでも金融業者等に規制をかけるのではなく、相手がプロか 素人かによって区別して、情報開示の規制を設けましょう。

 第2のほりえもんがでないように、偽計だなんだと神をも恐れぬ輩に対しては、厳しく成敗しましょう。

 開示を充実させましょう。

 四半期開示の法定化  ご苦労様です。。。。  半報がなくなるとはいっても

 財務報告にかかる内部統制の強化。。。。。もうひとつおまけにご苦労様です。

 膨大な事務作業の増大と投資家保護を両天秤にかけて、それでもやることにメリットがあるのでしょうか。

 なんかアメリカのコピーに走りすぎて、物事の本質をとらまえていない形式的な制度に走りすぎてきたなという印象です。

 コストがベネフィットより大きいしくみは、資本主義、自由主義の世界では淘汰されものですから、数年後には揺り戻しがあるのではないかと思います♪

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2006年3月22日 (水)

何も信託宣言1年凍結しなくても

 国会に信託法の改正案が提出されましたが、この中で信託宣言(自己信託)に関しては1年凍結となってます。ヒステリックになった国会議員のおじいちゃん対策なんでしょうか。

 でも何もこんなことしなくても信託宣言って、事業会社がするのは難しいんです。というのも信託会社は、信託法だけで作れるのではなく、信託業法に基づいて、免許または登録をしないといけないのですが、業務の範囲に関して次のように定めているんですよね。

 信託業法21条

 2.信託会社は、前項の規定により営む業務のほか、内閣総理大臣の承認を受けて、その信託業務を適正かつ確実に営むことにつき支障を及ぼす恐れがない業務であって、当該信託業務に関連するものを営むことができる。

 小泉さんの承認がいるんだ。。。これは大変。。。

 例えば、著作権信託を業とする信託会社が兼業業務を許されるか否かは、当該著作権信託との関連性を有するか否か、その他の業務上の分離が重要です。業務の関連性については、例えば著作権等管理事業、著作物製作業務、販売業務、著作権利用サービサー業務、アセットマネージメント業務などが、一般的に当該信託業務に関連するものと考えられます。注1 

 事業会社が資産の一部を流動化のために切り出すために信託会社を兼営するというのはほとんどだめでしょうね。

 そうすると子会社参入となるのでしょうか。 なお信託会社については、主要株主(20%以上保有)を届ける必要があります。 株主がよからぬ人である場合は、信託会社の許認可が下りない。

 ただ銀行法では、銀行の主要株主になろうとする場合は認可制だそうですが、信託業法は届出だそうです。 

 銀行の場合は、その業務の適正な遂行、経営の健全性の確保が信用秩序の維持、預金者保護という高い公共性に直結することから、銀行の経営に実質的な影響を及ぼす主要株主についても認可制が導入された。一方、信託会社の場合は、銀行等と同等の公共性を認めるには至らず、届出制による把握等で足りると考えられたものと思われる。注2

 注1 松田政行 「図解コンテンツファイナンス」P60 日刊工業社

 注2 神田英樹(監修、著)阿部泰久、小足一寿著 「新信託業法のすべて」P46 社団法人金融財政事情研究会

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2006年3月21日 (火)

連結納税と組織再編 欠損金の繰越控除

 連結納税という制度があります。法人の税金の計算は、通常は、その法人1社の所得をベースにするのですが、連結納税の場合は、ある法人とその法人に100%支配されている子会社群の所得を合算して税金を計算する制度です。この制度によると赤字と黒字を通算して税金を計算できるから、赤字分、支払う税金が少なくなるというメリットがあります。

 組織再編とは、合併とか会社分割とか、現物出資とか事後設立 平成18年の改正で株式交換、移転も含まれるようになりましたが、会社と会社をくっつけたり、はなしたり、ぶらさげたりすることです。税務上、原則的には、組織再編の時点で、資産を譲渡する法人側では、含み損益を実現させますが、一定の要件を満たした場合は、含み損益に対する課税を繰延させることができます。

 この繰延できる場合を適格組織再編といい、100%支配関係にある会社同士の組織再編、100%資本関係以外のグループ内会社間の組織再編、共同で事業を行うような場合の組織再編のカテゴリーごとに要件が異なります。

 また適格合併の場合で、被合併法人が税務上の欠損金(将来利益がでたとき相殺できるもの 7年間キャリーできる)を持っている場合は、合併法人に引継ぐことができます。ただし赤字の会社を買ってきて、それと合併することにより、税金を減らすというようなことをしかねないので、グループ会社間の合併の場合で、欠損金の繰越控除を認められるのは、みなし共同再編という要件も満たさないとダメとなってます。

 さて連結納税グループ間の会社が合併したような場合はどうなるでしょうか。これは法人税と事業税で取り扱いが異なります。

 例えば3月決算の連結子法人AとBが 平成18年10月1日に合併した場合

Aが被合併法人で平成18年3月31日までの欠損金の累計が3億円 平成18年4月1日から平成18年9月30日までの欠損金が1億円の場合

法人税の場合:

 まず3億円は、無条件にBの欠損金として付け替えられます。

 次に1億円は、Bの平成19年3月31日期の所得の金額の計算上、損金として計上されます。

 つまり法人税においては、みなし共同再編の要件がなくても欠損金は引継がれるわけです。

事業税;

 事業税は、単体納税の場合も、法人税の欠損金の繰越控除とは別の欠損金の繰越控除のシステムを持っており、これは連結納税になっても変わりません。

 注意したいのは、事業税において、適格合併により欠損金の繰越控除ができるのは、法人税と異なり、みなし共同再編の要件が必要になります。

 つまり上記の場合は、平成18年3月末までの欠損金3億円と平成18年4月1日から12月31日までの欠損金1億円の合計額4億円について、みなし共同再編の要件を満たせたら、Bに引継ぐことが出来ます。

 また連結納税(法人税)の計算上、平成18年4月1日から12月31日までの期間に生じた欠損金1億円は減算していますが、事業税の計算においては、これはもち戻します。

 なんかとってもややこしいですね♪

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2006年3月20日 (月)

米国のGPS,LPSは組合か?法人か?

 昨日と同様に国税庁から公表された有限責任事業組合等の個人組合員に関する税務上の取り扱いの質疑応答から、

 この質疑応答の中で「任意組合等に含まれる『外国におけるこれらに類するもの』とは、具体的にどのようなものをいうのか。」というのがあります。

 ようするに外国で組成された事業体で生じた所得について、その事業体で課税するのではなく、構成員で課税するのは何ですか?ということを問うているのです。

 この問いに対する回答として米国のgeneral partnership (GPS 全員が無限責任組合員 任意組合みたいなものなのかなあ?)や limited partnership(LPS 1人以上の無限責任組合員と、1人以上の有限責任組合員により組成されている 投資事業有限責任組合みたいなものかなあ)については、『共同事業性及び財産の共同所有性を有するものが該当する。』となってます。ようするにみんなで事業をして、資産は共有状態ということなのでしょう。

 そして『パートナーシップ契約であっても、その事業体の個々の実態等により外国法人と
認定されるものは、「外国におけるこれらに類するもの」から除かれる。』

 パートナーシップ契約であっても外国法人と認定されるものは、どういう要件なのでしょう? 

 以前 米国LLCが日本で法人であると認定し、理由として下記をあげています。

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http://www.nta.go.jp/category/tutatu/shitsugi/houjin/31/03.htm

 LLC法に準拠して設立された米国LLCについては、以下の理由等から、原則的には我が国の私法上、外国法人に該当するものと考えられます。

 LLCは、商行為をなす目的で米国の各州のLLC法に準拠して設立された事業体であり、外国の商事会社であると認められること。

 事業体の設立に伴いその商号等の登録(登記)等が行われること。
 事業体自らが訴訟の当事者等になれるといった法的主体となることが認められていること。

 統一LLC法においては、「LLCは構成員(member)と別個の法的主体(a legal entity)である。」、「LLCは事業活動を行うための必要かつ十分な、個人と同等の権利能力を有する。」と規定されていること。

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①Limited Liability Corporationというネーミングだから商事会社?

 それなら GPS LPSは partnershipだから 組合?

②商号の登記をしているから? GPS もLPSも契約書を作って、登録してますね。登記というのかな。 でもそれだったら日本の有限責任事業組合(日本版LLP)だって組合契約を登記してますよね(LLP法57)。

③事業体自らが訴訟の当事者になれるから法人だって書いてますけど、日本では以前から組合が訴訟の当事者になれるという見解があります。

④ 統一パートナーシップ法典によると GPSは、2人以上の者が共同所有者として営利を目的として事業を営むための団体である。。。となってるからLLCとは違うかなあ。

 でもどう考えても 日本版LLPはアメリカのLLPのコピペだし、投資事業有限責任組合だってLPSのコピペでしょ、

 日本版がLLPやらLPSやらが構成員課税だったら、コピー元のGPSやLPSも基本的には構成員課税だと思います。外国法人だ!というのがあるなら そのケースとなぜそうなのかをはっきりして欲しいですね♪

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2006年3月19日 (日)

そして誰も個人で匿名組合に出資しなくなった

 匿名組合契約というのは、「事業をするからお金をだしてくれませんか。儲かったら利益を分配します。損がでたら損失を配賦しますよ。でも損失の限度は出資金額までね。それから事業はプロに任せてください。余計なお節介はしないでね」というような契約です。

 この匿名組合契約の個人の出資者の所得についてどのように取扱われるのかいろいろ論じられていました。

 それが今般所得税基本通達の改正により原則的には雑所得として取扱われることになりました(所基通36・37 共-21)。

 雑所得として取扱われることになると、他の所得とは損益通算できません。損益通算とは、ある所得で損失が生じても他の所得と相殺して税金を計算するから、通算分税金が少なくなるというものです。

 でも雑所得内部で他に所得がある場合は、損失は内部通算できるのではないか?と考えたのですが、これも損失の分担が確定しない限りだめなようです。ようするに必要経費とはされないようです( 平成17年度税制改正及び有限責任事業組合契約に関する法律の施行に伴う任意組合等の組合事業に係る利益等の課税の取扱いについて(情報) 質疑応答 問23 匿名組合契約に基づき営業者の営む事業において損失が生じた場合の課税はどのようになるか。)

たとえばある年の 出資金額が1,000円で 損失が200円の場合、(この損失の負担は確定していない)200円は、必要経費になりません。

 法人の場合は、200円について損金として認めてもらえるのにね。

 翌年に利益が500円でた場合は、 500円のうち出資金の填補に200円はあてて、残りの300円が匿名組合の利益として、雑所得になります。

 この損失200円が必要経費にならない理由として、損失の負担が確定していないことをあげていますが、たとえ損失の負担が確定していても、他に雑所得がない場合は、内部通算できないし、損益通算もできないから切り捨てられるのでしょうね♪

 

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2006年3月18日 (土)

来料加工問題 納税者VS国税 どっちが勝つか?

 昨年あたり、税金をめぐる納税者と国税の争いで話題になったものに来料加工問題があります。

 これは、日本のメーカーが、中国で製造を行うために直接進出する際に生じるビジネスリスクを避けるためによく使われるスキームです。すなわち日本のメーカーが香港に子会社を作ります。子会社は中国の会社と製造委託契約を結びます。材料は無償で提供し、中国の会社で生産し、製品を買い取ります。また中国の会社での製品の品質の管理等のために香港の会社と中国の会社が経営委任契約を結び、管理者を香港の会社が中国の会社に派遣します。中国の会社に対しては、加工賃や家賃等を支払います。

 日本では、香港のような税率の低い国に子会社を作った場合、原則としてその子会社の利益を親会社の利益に合算させて税金を計算しないといけません。子会社に利益を溜め込んで、日本での税金を減らすのは許せない!ということでしょう。この税金の制度をタックスヘイブン税制といいます。

 でも税率の低い国の子会社の利益はなんでも合算課税の対象になるのではありません。ちゃんとビジネスをした場合は、合算課税の対象になりません。

 合算課税の対象にならない要件はいくつもありますが、もし卸売業なら非関連者基準といって、親会社グループ以外とたくさん取引をしていたらOKです。製造業ならば、その国に工場があればOKというのがあります。

 日本標準産業分類によると 自ら製造を行わないで、自己の所有するに属する原材料を下請工場などに支給して製品をつくらせ、これを自己の名称で販売する製造問屋は製造業とせずとなってます。

 国税側は、来料加工契約は経営委任契約とセットになっている。香港の子会社から人を派遣して、工場をコントロールしているということは、実質的には、香港の子会社の工場のようなものだ。ということは香港の子会社は工場を持っているから製造業だ。なのに香港に工場がないということはタックスヘイブン税制でいう製造業はその国に工場を持たないとだめと言う要件を満たしていない。だから税金をかけるぞということでしょう。

 ちなみに香港と中国は政治的には同じくにでも、税金的には別の国の扱いを受けます。

 納税者側は、来料加工契約はあくまでも下請け契約であり、香港の子会社は、下請けから受取った製品を自分のブランドで売ってるから、製造問屋です。また中国の会社へ管理者を派遣するのは、品質維持のために必要だからであり、これをもってして、製造問屋ではなく実質的に製造業というのはおかしいということでしょう。

 ところで日本においては租税法律主義という原則があります。これは、税金をかける場合は、法律で決めてください。お上が勝手に税金をかけると、納税者は不安で、取引ができなくなるでしょ。ということです。

 取引が税務上どうかを判断する時は、本件の場合は、来料加工契約一連のスキームが製造問屋としての要件を満たしているかを判断します。その際に大事なのは、あくまでも法律的に要件にあてはまっているかであって、経済的な実質がどうかではないのです。

 国税は、最近経済的実質アプローチで税務訴訟に持ち込んで負けてますね。例えば航空機リース事件において、任意組合契約を実質的には利益配当契約だと主張しましたが、任意組合契約としての要件を満たしているので、任意組合契約の場合の税金のルールで税金を計算して問題がないと判決されてます。

 経営委任契約により香港子会社の従業員が中国の会社で製造のコントロールをしてもその効果はあくまでも中国の会社に帰属するので、この契約をもって中国の会社の工場が香港の子会社の工場とはいえません。

 また来料加工契約も、契約として下請契約の要件を満たしており、実質上も下請として運営されているならばまぎれもく香港の子会社は製造問屋であり、製造業ではなく卸売業と判断されるのではないでしょうか。

 参考文献

 宮武敏夫 「タックスヘイブン対策税制と来料加工」 国際税務 Vol25 N012.

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2006年3月17日 (金)

キャッシュアウトマージャーは、取締役会決議だけでOK?

 会社法の施行により1年遅れますけどキャッシュアウトマージャーが可能になります。

 キャッシュアウトマージャーとは、合併により合併消滅会社の株主に、合併存続会社の株式のかわりに現金を交付する合併です。これが認められると、うざい合併消滅会社の株主にお金を渡して、追い出すことができます。

 合併を決めるためには、原則として、合併消滅会社、合併存続会社で株主総会の特別決議が必要です。でも小さな規模の合併の場合(規模が合併存続会社の純資産の20%以下のような合併)は、合併存続会社では取締役会の決議だけで簡易合併が認められます。

 また合併消滅会社の株式を9割以上所有しているような場合は、合併消滅会社では取締役会の決議で合併が認められます。

 しかしたとえば、三角合併のように合併消滅会社の株主に合併存続会社の親会社の株式を渡すような場合で、合併消滅会社が公開会社(上場会社という意味ではなく、株式に譲渡制限のない会社)で、親会社が、外国の会社のようなときは(まだ具体化されてません )、特別決議より条件のキツイ特殊決議でOKとならないと合併が認められませんから、合併消滅会社において取締役会決議だけでOKとはなりません。

 また合併存続会社が非公開会社(譲渡制限のある会社)の場合も取締役会決議だけではOKとはなりません。なぜなら非公開会社が第三者割当を行う場合は、株主総会の特別決議が必要なのに、組織再編を利用すると取締役会決議だけで第三者に株式が交付されるのではバランスがとれないからです。

 ここから考えてキャッシュアウトマージャーはどうかと考えると、、、、

 合併消滅会社の場合は、交付されるのは現金であり、特殊決議が必要なのは、今所有している株式よりも流動性の低い物を交付された場合に限られると思うので、特殊決議は不要であり、要件を満たせば、取締役会決議でOKと思います。

 合併存続会社の場合、交付されるのは現金であるので、たとえ合併存続会社が非公開会社であっても、株主総会の特別決議をあえて開く必要性がないので、要件さえ満たせば取締役会決議でOKと思います。

 ただし合併存続会社で合併により差損が生じるような場合は、取締役会決議だけはXですが、

 したがって、合併存続会社、合併消滅会社いずれも要件を満たせば、取締役会決議でOKであると思います。

 

 

 

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2006年3月16日 (木)

信託法 国会提出

 3月13日に信託法が国会仁提出されました。

 法案提出理由としては次のようです。

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 社会経済情勢の変化にかんがみ、信託法制について、受託者の義務、受益者の権利等に関する規定を整備するほか、信託の併合及び分割、委託者が自ら受託者となる信託、受益証券発行信託、限定責任信託、受益者の定めのない信託等の新たな制度を導入するとともに、国民に理解しやすい法制とするためこれを現代用語の表記によるものとする必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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 受託者の義務 : 善管注意義務だけでなく、忠実義務があるのが信託の特徴

 受益者の権利 : 受益者集会なんて株主総会みたいなものも作れるようになるらしい

 信託の併合及び分割 : 信託の合併、分割のようなもの

 委託者が自ら受託者となる信託 :いわゆる自己信託 信託宣言 一年間凍結すると言うがどうなることやら、、、

 受益証券発行信託 :信託受益権は債権だから譲渡する場合は、受託者にお伺いをたてないといけないけど、有価証券の場合は、受益者名簿の名義を変更すると受益者として扱われます。

 限定責任信託: 現行の信託法では、受託者は、信託財産に関して、無限連帯責任を負わされます。つまり損失が生じた場合、信託財産だけで弁済できないなら、自分固有の財産も差し出さないといけません。これはキツイということで、受託者の責任を、信託財産限りにしたもの。もちろん受託者の大失敗で生じた損失については、有限責任の枠を超える場合もあります。

受益者の定めのない信託  :法律の設計としては、公益目的に限らないですね。ただマネーロンダリングのように悪用されないように、受託者は誰でもなれないようにするようですが、

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2006年3月15日 (水)

信託受益権をなぜ個人投資家に販売しづらいのか

 昨日、このブログで、知財信託を設定して販売した先は、機関投資家だった。個人投資家の場合はパススルーの問題があるから、と書きました。これは、土井宏文 ジャパンデジタルコンテンツ信託株式会社 代表取締役社長 『知財信託』 「信託No225」P46、に記載されているものですが、 何をいってるのかなと自分なりに考えました。

 知財信託の税務上の取り扱いについては、何も決められてません。まだ世の中に出て来たばかりだから、当たり前と言えば、当たり前。

 ただ土地信託に関しては、個別通達で決められているものがあります。

 それによると、土地信託のうち自益信託(委託者=受益者)のような信託の信託受益権を有している場合は、信託された土地で発生した、収益や費用を、自分の収益や費用として、税金を計算できる場合(パススルー課税)が、一定の条件としてあります。

 これはどういうものかというと、信託受益権が有価証券のように広く投資家の間を転々と流通することができるように設計されていないようなものです。

 この土地信託がパススルー課税される要件の1つとして次のようながあります。

 ☆分割口数が50口以下、かつ分割後の1口当たりの最低金額が1,000万円以上

 このような大口の信託受益権を持っているのは、土地を実際持っているのと変わらないと考えるのでしょうか。

 で、知財信託の信託受益権を販売する場合、パススルー課税が可能な範囲の投資家を前提と考えたので、一口1,000万円でも買えるような機関投資家に販売したということでしょう。 

 販売した知財信託が映画の著作権なので、必ず当たって儲かるとは限らないですよね。損失が生じた場合、損失がパススルーされないと投資家としては、あまりメリットがありませんから。

  

 

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2006年3月14日 (火)

知的財産と信託

 久々に知財信託ネタ (社)信託協会「信託 225 2006-1」に、ジャパンデジタルコンテンツ信託株式会社 代表取締役社長 土井宏文氏の『知的財産と信託』が掲載されています。

 ジャパンデジタルコンテンツ信託株式会社は、現在唯一の知財信託(それも映画のようなコンテンツビジネス)に特化した信託会社ではないでしょうか。

 日本は世界的に見ても優れたコンテンツ(アニメとか)を排出しているのに、コンテンツ業界は前近代的。

 コンテンツビジネスは、発注会社である十数社が牛耳っているが、そのコンテンツを作り出す頭脳がいてるのは、中小の制作会社。でも中小の制作会社は主役になれず、いいアイディアがあると大手に持ち込み、採用されると、大手の下請けとして仕事をもらう立場になっている。

 クリエーターが報われない世界なんですね。。。。

 コンテンツを制作するにはお金がかかります。制作会社は小さいし、信用があんまりないからお金を貸してくれません。

 だから映画を作るような場合、以前ここにも書きましたが製作委員会方式という民法上の組合のような方法で、映画ビジネスにかかわりたい関係者がお金を出資するのが主流です。

 でもこの方式だと映画の著作権等の権利が共有になってしまい、何かするのも全員の承認がいるから大変です。

 それで他にいい方法がないかなということでSPCと匿名組合をかましたような手法が使われることもありました。これらの方法の場合、著作権はSPCが持つような形になり製作委員会を使った場合のデメリットは解消されるのですが、複雑なスキームを作るから時間もかかるし、倒産隔離などを行うために契約書の文言を相当入れなければならないので弁護士への費用もかなりかかるようです。

 その点、信託の場合は、他のスキームと比較すると、信託の所有権は名目上は受託者帰属するので製作委員会のようなデメリットは生じないし、信託は法律で倒産隔離が認められているから、契約の文言を相当入れる必要もなくなるし、スキームもシンプルなのでコストパフォーマンスがいいそうです。

 ただ信託受益権を直接販売した最初のケースでは、機関投資家が対象で個人には販売しなかったようです。これは、パススルー課税の問題があったから、、、この辺は後日書きます。

 

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2006年3月13日 (月)

事業譲渡類似株式の譲渡と日英、日米租税条約

 確定申告の期限もあとちょっととなっていますが、

 株式を譲渡した場合は、譲渡した人が利益を受けるから申告して税金を払います。

持っている株式が日本の会社のもので、持っている人が日本人だったら、日本で申告して終わりなのであまり問題がないのですが、たとえば持っている人が外人だったらどうなるのでしょう?

 原則としては、売った人の所在地でだけ課税されることになります。ですから外人が日本の株式を譲渡した場合は、その外人の所在国だけであり、日本では課税されません。

 でもたとえば日本の不動産を外人が譲渡した場合は、外人はその所在地だけでなく日本でも税金を払わないといけないんですよね。

 それだったら税金を逃れるために日本の不動産を現物出資して会社を作って、その株を売ればいいと誰でも考えるでしょう。

 だから日本の不動産のかたまりのような会社を売った場合は、日本でも税金を納めないといけないルールになってます。

 同じように日本の会社をコントロールできるくらい持っている外人が、一定量の株式を譲渡した場合は、日本でも税金を納めないといけないルールになっています。このような株式の譲渡を事業譲渡類似株式の譲渡といいます。

 ところで外国と日本の間の税金のルールで、一番エライのが租税条約です。日本の国内でどんなルールをつくっても、租税条約で違うルールを作っていたら、租税条約のルールに従わないといけません。

 日米租税条約においては、日本で不動産のかたまりのような会社の株式については、アメリカ人が譲渡した場合、日本で課税してもいいよというルールがありますが、日本の事業譲渡類似株式の譲渡については、原則的には、アメリカ人は、アメリカでだけ課税したらいいとなっています。

 ところで今度国会を通過する予定の日英租税条約では、日本の事業譲渡類似株式について、イギリス人が譲渡した場合は、日本で課税してもいいよとなっています。逆に日本人がイギリスの事業譲渡類似株式を譲渡した場合は、イギリスで課税してもいいよとなるのでしょう。

 ただし日本の会社が持っているイギリスの会社が、別のイギリスの会社と合併し、それが日本の税務上の適格合併(合併時に含み損益を課税せず、繰延べられる)に該当する場合は、合併時点で日本の会社が持っている合併消滅会社の株式がなくなり合併存続会社の株式にかわり生ずるキャピタルゲイン等に対して課税を繰延べてもいいですよ。

 で、将来、合併存続会社の株式を譲渡した時点で、繰延た利益に対しては日本でだけ課税しますよと読むのでしょうか?

 日英租税条約に関する交換公文 日本側書簡 

5 

 条約第十三条3に関し、一方の締約国の居住者が他方の締約国の居住者である法人の発行した株式の譲渡によって取得する収益について、当該一方の締約国の居住者がその他の株式の譲渡によって取得する収益と同一の要件により租税が課される場合には、当該法人の発行した株式の譲渡によって取得する収益は、当該一方の締約国において租税が課されるものとされることが了解される。

さらに 法人の組織再編成において株式の譲渡から生ずる収益に対し一方の締約国の法令により課税の繰延が認められる場合(当該繰延の対象となった収益の全部又は一部に相当する収益が、将来行われる譲渡又は組織再編成により免税となる場合を除く)には、当該繰延の対象となった収益は、当該一方の締約国において租税が課されるものとされることが了解される。

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2006年3月12日 (日)

マンションの修繕積立金 信託可能

 昨日の日経ネタからです。

 マンションって、だいたい10年目、25年目あたりに大修繕をしますね。どんな立派なマンションも年月がたつと綻びがめだつため大修繕を行うわけです。

 この大修繕の費用と言うのが馬鹿にならないらしいです。私が住んでいるマンションは60世帯が住んでいるので、中規模なのでしょうけれども、それでも修繕には億近いお金がかかるようです。

 この修繕のためのお金は、私の場合は、入居時に○○万円払い、毎月 ○○円支払ってます。そういえば、最近毎月の支払いが少なすぎるので増額したい旨のおふれが回ってました。

 この修繕積立金(かなり大きなお金になりますが)は、マンション管理組合という組織体(この管理組合のメンバーはマンションの住人であり、その中から理事長を互選)、これは人格のない社団が主流だそうですが、この団体が預かります。

 マンション管理組合はこの修繕積立金をどう運用するかを決める権利がありますが、通常は、マンションを施行した業者と関係のあるマンション管理業者が、どうするか提案し、組合は了承という形が多いような気がします。

 この修繕積立金が安全に運用できるかについてはリスクがありますよね。運用先が大丈夫かとか、マンション管理業者がええかげんなことをしないかとか、理事が運用資金を流用したりしないかとか、、、

 そこで、この修繕積立金を信託できるように制度化するようです。そうすることによって、修繕積立金は、マンション管理組合や業者の手から離れた特別の存在となり、安全に運用されることになります。リスクは減りますが、信託会社に対する手数料コストは増えます。

 といってもペイオフなど運用リスクはありますし、信託受益権を誰かが無断で売り飛ばすというリスクがなくなるわけではありませんが♪

--------------------------------------------ここから日経ネット記事転載-------

マンション修繕費など信託可能に・国交省07年度導入検討

 国土交通省は、マンション管理組合が修繕費などを信託銀行に預けて分別管理
する「信託方式」を2007年度にも導入する方針を固めた。管理組合内で不正があ
ったり、組合の口座を実質的に取り仕切る管理業者が倒産したりして資産が散逸
するのを防ぐのが狙い。同時に管理業者の資格要件も厳格にする。年内にも関連
法の改正法案を国会に提出する方向だ。

 マンションについては耐震偽装などが相次いで発覚している。施工業者のモラ
ル低下などを背景に、施工業者とつながりの深い管理業者の問題点を指摘する声
もあり、国交省は管理組合の資産管理の面からも安全対策が必要と判断した。
(07:01)

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2006年3月11日 (土)

信託法改正 閣議決定2

 なんかココログの調子が悪いので、 別の記事で書きます。

 3月8日に自民党で信託法改正案が了承されましたが、10日には、政府が信託法改正案を了承しました。今国会に提出するようですが、おそらく通るでしょう。

 下の日経の記事でわかるように、事業信託のことがメインで信託宣言(自己信託)は、顔ものぞかせてませんね。

 事業信託は、以前書いたように、非常に魅力があるモノだと思います。

現行の信託法では、資産を信託できても負債はできないんですよね。

この事業信託が可能になることにより、企業の一部門を信託して、トラッキングストックのような信託受益権を販売して、投下資本をより早く回収できます。

業績の悪い事業を信託して、優れた経営者に立て直してもらい、再生後信託を終了させると、会社の一部を切り離さずに事業再生ができます。

事業信託の問題点としては、受託者が委託者と違うといっても、企業の一部を切り出してして事業信託する場合は、分別管理や収益、費用の配賦が適正に行われているか、メンテナンスチェックが必要になりますね。

また何度もこのブログに書いたように、事業信託で事業が失敗した場合の債務の弁済責任がどうなっているのか(ケースによっては受益者が無限責任になる場合もある)を、特に委託者が信託受益権を譲渡する場合は、しっかり譲受者に説明しないと大変なことになりますよね。

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信託法改正 閣議決定

----------------------------------------------日経ネット記事 2006/3/10----

信託法改正案を閣議決定・多様な信託、可能に 

 政府は10日の閣議で、多様化した経済社会活動に見合う新たな信託を認める信託法の改正案と、信託を引き受ける事業者を規制する信託業法改正案を決定した。企業が事業部門を丸ごと信託できる「事業信託」を可能にするなど規制を大幅に緩和。利益を得る受益者に代わって受託者を監視する制度を新設するなど、受益者保護を鮮明にする。政府は今国会での成立を目指す。 

 信託法は、委託者が自分の財産を信託銀行など受託者に引き渡し、受益者のために財産の管理、処分を託す信託制度の基本法。1922年の法制定以来の抜本改正だ。 

 改正の目玉は「事業信託」の容認だ。信託できる対象が「資産」だけから「資産と負債」にまで拡大。企業は「高リスク・高リターン」の先端技術事業部門などを丸ごと信託会社に信託し、その事業から得られる受益権を投資家に販売して資金をスピーディーに調達できるようになる。 

 受益者の同意があれば信託銀行などが受託した財産の取得を許容。受託者の信託違法行為への差し止め請求権を創設し、受益者を救済する仕組みも盛り込んだ。  (

09:45

)

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2006年3月10日 (金)

利益連動型報酬

なぜかこんな時刻ですが、信託大好きおばちゃん@東北の空港です。

なんかココログの調子が悪くてたまりません。24時間以上ストップです。

朝、原稿書いて、送れるチャンスを伺ってましたあ。

 平成18年の税制改正の大きなポイントの一つに、役員賞与の取り扱いがあります。

役員に対して支払われるボーナスというのは、今までの考えでは、儲かったときの利益の分配であるから、配当と同じように原則的には費用になりません。これでずっとやってきました。

 ところが会社法ができて、役員に支払うものは報酬だろうと賞与だろうと同じルールで決めて支払ってねとなりました(会361)。

 また経団連とかの経済団体は、役員に対する報酬の後払いのような役員退職金制度をやめて、働きに応じてそのつど払う利益連動型報酬を役員報酬として認めてくれ(つまり損金OKにしてね)と要求しました。

 その結果、役員に対する報酬で新たに利益連動型報酬が認められそうです。

 でも、これって要件が厳しいんです。

     同族会社(一族で株もって、経営している会社)じゃない会社の業務執行役員(ちゃんと汗をかいてる役員)が対象

     有価証券報告書を提出してる会社(いわゆる上場会社)が対象

     報酬は限度が設定されていて、業務執行役員はみんな同じような算式で報酬が決まる

     報酬委員会(これは委員会設置会社、おそらく委員会設置会社以外でもこれに類した制度を作ったらOKだと思う)が、誰がいくらもらうか決定?

     有価証券報告書に、内容を記載(算式でいいのか? 役員報酬の総額でいいのか? 個別の役員報酬の開示が必要なのか?)

ようするに一握りの上場会社が対象のようです。でも税法で要求する有価証券報告書への記載内容が個人ごとの報酬だったら、あまりやりたがらないかもしれませんよね。

報酬が多すぎても少なすぎても外野からいろいろ言われそうだから。

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2006年3月 9日 (木)

もう誰もストックオプションなんてやらない!

 一昨日、ストックオプションの会計を書きました。今日は、税務をからめて

 現在、交付しているストックオプションの多くが、税制適格のストックオプションだと思います。

税制適格のストックオプションというのは、

従業員や役員(子会社の従業員等含む)に対して、無償で新株予約権を交付

権利行使は 付与決議から2年を経過した日から10年を経過した日までにやってね

権利行使は年間1,200万円まで

新株予約権は譲渡できないよ

行使価格≧付与時の株価 だからね  

などなどの要件があって、この要件クリアしていたら、権利行使段階の課税をスキップして、株式を売って、キャピタルゲインで一儲けをした段階で1回課税して終わりというもの

もし役員、従業員が受取ったストックオプションが非適格だったら、権利行使段階で1回給与課税とかされて、譲渡段階でもう一回ね。

で、今般の会計の改正と税制の改正でどうなるかというと一昨日の記事をベースに税務を加えると

まず新株予約権の価値というものを最初にはじき出して、この権利を得るために、従業員等が汗水たらして働いた期間に対応して、費用計上します。

会計上の仕訳は、株式報酬費用XXX/ 新株予約権XXX

税務上の扱い 税制適格  株式報酬費用は損金不算入

        税制非適格  株式報酬費用は損金不算入

     ベースは法人税法改正案54条②

従業員が権利行使をして、株をよこせ!と宣言した時点で、権利行使価格分、現金が会社に入ってきて、新株を発行した場合新株予約権を資本金等に振り替えます。 

 会計上の仕訳は、 

       新株予約権 XXX /資本金等XXX

       現金     XXX

 税務上の取り扱い 

    税制適格  何もしない

    税制非適格  権利行使した部分に対応する株式報酬費用は減算できる。

    ベースは法人税法改正案54①

 がーーーーん 税制適格のストックオプションの場合は、永久に税務上の費用にはならないのです。

 ストックオプションの株式報酬費用を会計上計上するのは、基本的に上場会社でしょ。

上場会社というのは、利益をよくみせたい。そうしないと投資家が魅力的だと思ってくれないから

 でもストックオプションの費用が永久に損金にならないとすると、繰延税金資産にもあげられないから利益を思いっきり圧縮させますよね。

 もう税制適格ストックオプションなんか馬鹿くさいからやりたくないと思う会社も増えるかもしれません。 いや従業員の納税負担の増加という犠牲の上に、会社の節税対策で非適格ストックオプションをやるところがあるかもしれません、

 ただ、費用が増えるといっても、この分キャッシュはでていかないんですよね。働く人のモチベーションの維持と天秤にかけるとやはり税制適格ストックオプションに関してメリットがある会社もあるかもしれません。

 それでも税制適格ストックオプションをやりたい会社が次に何を考えるかというと、株式報酬費用の算定の段階でいかに新株予約権の価額を低くするかでしょう。

 金融工学だかなんだかよくわかりませんが、どうせ中身なんか文科系の人たちにはわかりませんから。きっと新株予約権の評価鑑定ビジネスができるのでしょう。大化けの可能性はあんまりないような気はしますが♪

    

 

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2006年3月 8日 (水)

(自己信託)信託宣言 1年凍結 

 HNさん 昨日はスピーディなコメントありがとうございます。

 日経新聞は夕刊に載ってましたね。

 ようするに、信託法改正案は、

◎自己信託(委託者=受託者となるような信託)部分は施行日から1年凍結

◎目的信託(受益者が特定されていないような信託)当分の間、一定の基準を満たす者以外は、受託者になれない。 個人はだめ 闇の勢力とご関係のある方もだめ。 誰に渡すかわからないことをいいことにして、表のお金が信託を通して闇に簡単に消えていく可能性があるからか。

 政府は10日にも閣議決定し、今国会成立をめざす。

 ゆるりと動き出したのかな♪

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2006年3月 7日 (火)

ストックオプションの会計

 ストックオプションの会計基準が平成17年12月27日に公表されました。

 役員や従業員にストックオプション(株式を時価よりも安い値段で買うことができる権利)を与えることにより、モチベーションをあげてもらう しかも給与で払うとお金がでていくけど、ストックオプションの場合、株で払い、利益はマーケットでの売却益から受取るので、会社も従業員としてもハッピー ということで、非常にはやっている制度です。

 でもこれはおかしいということで、時価よりも安い価格で株式を買う権利を与えるということは一種の報酬だという会計処理をしましょうとなりました。

 この場合、新株予約権の価値というものを最初にはじき出して、この権利を得るために、従業員等が汗水たらして働いた期間に対応して、費用計上します。

仕訳は、株式報酬費用XXX/ 新株予約権XXX

従業員が権利行使をして、株をよこせ!と宣言した時点で、権利行使価格分、現金が会社に入ってきて、新株を発行した場合新株予約権を資本金等に振り替えます。 

 仕訳は、新株予約権 XXX /資本金等XXX

       現金     XXX

自己株式を進呈した場合は 

      新株予約権XXX/ 自己株式XXX,

                  自己株式処分差益XXでしょ。

 この株式報酬費用というのは、どうして計算するのかというと、ブラックショールズとか二項モデルとからしいのですが、勉強不足で上手に説明できません。でもって、これらのむずかしい公式にあてはめるためには、株式に時価がないといけないから、非上場会社については、これらの算式にあてはめられません。

 そこで非上場会社はどうなるかというと、ストックオプション付与時の株価より行使価格が低い場合は、その部分について株式報酬費用として認識しましょうとなります。でも通常税制適格ストックオプションを使うと思うし、その場合は付与時の時価以上の行使価格とするから、株式報酬費用はでてきません。

 したがって、権利行使時に  現金 XXX 資本金等 XXXとなるだけ いまとかわらないですね。

 あと、子会社の従業員に対して、親会社がストックオプションを交付した場合、子会社の従業員等に対する報酬と認識されるか否かで会計処理はかわるのですが、報酬と認識される場合の仕訳は

個別FS上

 親会社    株式報酬費用XXX   新株予約権 XXX

 子会社    給与手当  XXX    株式報酬受入益 XXX

連結修正仕訳  

         株式報酬受入益 XXX 給与手当 XXX

 これに税務がからむと あーしんどだな。

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2006年3月 6日 (月)

利益参加型社債 ケイマンスキーム 

 利益参加型社債でなぜケイマンに作るのか?このなぞはよくわからないのですが、

 最近の事例をベースにどんなしくみになっているかというと

① 日本国内にspcを作って、そこが不動産の信託受益権を購入する。

② spcは不動産の購入資金を調達するためにケイマンの会社と匿名組合契約を結ぶ

③ 匿名組合契約を結んだケイマンの会社は利益参加型社債を発行してファンドが引き受ける。

④ このファンドの出資者を投資家からつのる。

 ⑤spcで取得した不動産の受益権に関して、収益がでたら、匿名組合契約に基づき分配金をケイマンの会社に支払う。

⑥ ケイマンの会社が利益参加型社債発行しているので、利益に応じて利子をファンドに支払う。

 ⑦ファンドが投資家に利益を分配する。

 で、税制がからむところでメインの匿名組合と、ケイマンのところですが

☆ 匿名組合の分配金は、営業者の税金の計算上損金となるから、spcで、収益があがっても分配金分だけ差引いて税金の計算ができる。

☆ ただし、匿名組合の分配金を外国法人(ケイマン会社)に支払った場合、20%の源泉税が差引かれる。ケイマンとは租税条約を結んでいないので、非課税にはならない。

☆おそらくケイマンの会社は東京支店を設けていると思う。この場合20%の源泉がとられても、確定申告で精算される。 PEがある場合の免除の規定は、匿名組合の分配金にはあてはまらない。

☆ケイマンの東京支店の所得を計算する時、収益として、分配金が計上されるけれども、利益参加型社債を支払った場合、その部分については損金として差引いて税金を計算できる。国内所得を生むための必要経費みたいなもんだから。したがって、所得はかなり圧縮できる。

☆ケイマンは外国の会社であり、日本の国内法では外国の法人が発行した社債の利子は、源泉をとわず、国外源泉所得となるから日本の源泉税の対象にはならない。

☆ケイマンの会社の税金について、東京支店部分は、日本の税法で税金がかかるかもしれないが、ケイマンではかからない。

☆ケイマンの会社から利子を支払うときに、ケイマンで源泉はかからない。

☆ただし日本の投資家がファンドから利子なのか配当なのかわからないけど、受取った場合は、その時点で日本のルールにのって源泉税がかかる。

 ふーああしんど。 実務でやってないので間違っているのかもしれませんが、税法を組み立てると上記になるのかなあ。

流れをずーっとみていると、SPCと匿名組合とケイマンをかますことによって、中間の所得をなるべく圧縮して、投資利回りを高くし、最終的に投資家が負担する税金コストは、最後の源泉税だけというようになっているような気がしますね。

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2006年3月 5日 (日)

信託法改正案が国会に提出できない!

 昨日平成18年3月4日の日経新聞を読んでいたら信託法改正案 国会提出「黄信号」信託宣言に異論噴出がでてました。

 ぎゃっつ! 信託大好きおばちゃんブログ存亡の危機か!(笑)

 信託宣言を認めたら第2のホリエモンを生み出しかねないから 議論噴出で 3月3かの自民党法務部会、財務金融部会合同会議では時間が足りなかったので 信託法改正案の了承を見送ったらしい。

 今頃何を寝ぼけたことをいっているのだ!  信託銀行の陰謀か(笑)

 ホリエモンは非常に改正の足をひっぱってますね。 会社法でも、ホリエモンのおかげで対価の柔軟化が1年遅れたし、、、

いわく「債務者が資産の一部を信託宣言すると債権者は信託財産に手を出せない。悪徳な債務者が財産隠しに使うのではないか」

 そのために詐害行為取り消し等の規定をおいている。

 いわく「会社の利益を信託財産としてホ体から切り出し、会社本体の決算を赤字にすれば法人税の課税逃れになる」

 信託税制はいまのところパススルー 委託者=受益者であるなら、法人本体で事業をしているのと同じこと

 受益者が移動した場合は、原則として 受益者の所得とパススルー 

 p.s みうらさん コメントのお名前 最初間違えてました。訂正して、お詫びします ほんとうにごめんなさい。

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2006年3月 4日 (土)

資本、資本準備金の減少 会社法

 土曜日ネタはどうしようかなと思ったのですが、たまたま昨日 お昼に激辛坦々麺食いながら議論してたのがありましたので、それを書きます。

 すなわち会社法になって 資本金、資本準備金の減少の手続がどうなるのか?

 手続とは、減資等を承認する総会は 株主総会か取締役会決議か?株主総会なら特別決議か普通決議か? 債権者保護手続はいるのか? 

 ちょーかんたんにまとめると

              資本金の減少(会447)     資本準備金の減少(会448)

承認手続き

 株主総会

   特別決議       原則(会309②九)

   普通決議       例外 注1             原則(会309①)

 取締役会決議      例外 注2             例外 注2

 債権者保護       必ず必要(会449)         原則 必要 (会449)

                                   例外 不要 注3

 注1 定時総会で資本金の減少を決めて、欠損填補にあてたような場合 会309②九

 注2 減資をして同時に増資をするような場合 (会447③)

     減準備金をして同時に増準備金をするような場合(会448③)

 注3 定時総会で、資本準備金の減少を決めて、欠損填補に充てる場合(会449①)

  上記のルールにしたがうと、資本金を減らして、欠損填補に充てたような場合は、特別決議がなくても、定時株主総会の普通決議で承認できるが、債権者保護手続きは必要

  資本準備金を減らして、欠損填補に充てるような場合は、定時でない普通決議でもOKで、かつ、債権者保護手続もいらない

 間違ってたら指摘してね♪

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2006年3月 3日 (金)

利益参加型社債、受益者の責任などなど 

 朝起きたら HKさんからの3連発のコメントがあり、びっくりしました。利益参加型社債については、私の造詣のなさが基因した記事でして、以前 みうらさんからもコメントいただいて、日本でも発行が可能のようで、、、、 社債に限りなく近い株式の発行が認められているのに(種類株式)、その逆がだめというのは合理性にかくので、そうでしょうね。

 じゃ なぜケイマンなのか? 税制の問題? ケイマンでは法人税ゼロだから? 日米租税条約はあんまり関係ないと思います。 なぜならケイマンで発行している利益参加型社債の投資家は、どうも外人よりも邦人が多いような気がしますので、

 次に破産と受益権に関して、 現行信託法では、受託者は信託で生じた債務について無限責任を負い、その分 費用請求が受益者に対して発生するから受益者が責任を負うことになるというのは、私も以前の記事「事業信託と受益者の無限責任」2006/2/1に書いてます。

 有限責任信託になったら受託者の費用請求も限度があるから、受益者が無限責任を負うリスクもなくなるというのが私のつたない理解です。

 受益権の放棄に関しては、理解できますが、この辺 たしか信託法の改正の要綱のところにもあったような気がしますので、一度じっくり読みます。

 この受益者の責任がどうなるのかという問題は、信託の発展を考えると非常に重要(特に事業信託)なので、自分なりに整理したいと思っております。また理解したところはブログに書きたいと思います。

 リアルの私はほんとうにダメ人間でして(笑)、だから一日に一歩ずつ進歩したいという気持ちで続けてます。世間の片隅で、ひっそり生息している信託大好きおばちゃんです。 今後も何か意見があればコメントしてくださいね♪

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2006年3月 2日 (木)

信託の組織再編

 ひさびさに信託に回帰 

 組織再編ってありますよね。

 会計でいうと 合併、会社分割、株式交換、移転、事業譲渡が組織再編に入るのかな?

 税務でいうと 合併、会社分割 現物出資、事後設立、新しく株式交換、移転もグループのメンバーになるのかな?

  なんか漏れがあるかもしれない。思いつきでパーっと書いてるから。

 で、信託においても組織再編ができるようになるらしい。

 信託の併合  受託者を同一とする複数の信託の信託財産を一の新たな信託の信託財産とすること

 合併 兄弟会社の合併のようなもの? 受託者を株主とみたてるとそうだけど、

 信託の分割 「新規信託分割」 ある信託の信託財産の一部を受託者を同一とする新たな信託の信託財産として移転すること

 新設分割みたいなもの? 分社型分割みたいなもの? 

 信託の分割 「吸収信託分割」 ある信託財産の一部を受託者を同一とする他の信託における信託財産として移転すること

 吸収分割みたいなもの? 

  事業信託が可能になり、事業信託の併合、分割が行われるようになると、当然 企業結合会計だ 適格組織再編だ! とややこしい問題がわいてきます。

 ただ会社の組織再編と違うのは、受託者はあくまでも名義上の登場人物で、実質的に財産を所有しているのは、受益者と考えると

 受託者Aが所有する事業信託XとY(受益者はX’とY')を併合(合併)するというも可能でしょう。

 この場合は、会計上は 、取得、持分の結合、共通支配下の取引、共同支配企業の形成のうちのどれだ!と考えて処理するのでしょうか?

 税務上は X'とY’の関係で 適格とか非適格とか判断するのか?

 なんか大変ですね♪

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2006年3月 1日 (水)

任意組合等 措置法通達改正 その3

 信託大好きおばちゃん@田舎から田舎へ大移動 仕事しているのか 列車に乗ってるのか よーわからん です。

 任意組合の組合員が法人の場合で、組合の事業を自分で仕切っていないようなときは、その組合員に配賦された損失のうち、調整出資金額(組合員になったときに投資した金額に組合利益をプラスして、組合損失をマイナスして計算する)を超える部分は、損失が繰り延べられます。

 これは、あくまでも原則 もし損失が生じても、欠損にならないのがわかっているような場合は調整出資金額うんぬんは無視して、その損失金額自体が繰り延べられてしまいます。

 たとえばレバレッジドリースを利用して航空機をリース事業を組合が行った場合、投資期間の最初は、航空機の減価償却費と借入金利息でめい一杯損失がでます。この損失と組合員の他の利益(所得)を相殺するとその分、支払う税金が減るので節税商品として売られました。この節税商品のいいところは、税金は減るけど、お客様には、損はさせないところです。つまり損失は生じても、欠損にならないのがわかっているから節税商品として売れる! だからこんな商品を利用した場合に生じた損失は認めないよというのがこの法律の趣旨だと思います。

  で、この法律でいう明らかに欠損とならないと見込まれるときの判定なのですが、それが通達で決められています。

 契約で当初からにぎっている場合はだめというのが基本でしょうけど、通達では「例えば、損失のうち少額の求償を受ける可能性があることや、相対的に発生の蓋然性の低い事由により生ずる損失が補てんされないこと等の事実のみをもって、当該組合事業が「明らかに欠損とならないと見込まれるとき」には該当しないこととなるものではないことに留意」という事例が記載されています。 

  この日本語難しすぎる 2つのケースに当てはまる場合、損失全額繰延に該当しないとは限らない つまり該当する場合もあるということか

  でこの2つのケースの翻訳

 ◎少額の損失の補填を受けるという契約であっても損失の全額繰延にあてはまる場合もある

 ◎ほとんどおこるはずがないけど実現すると莫大な金額になる損失は補填しないという契約は、通常おこりうる損失は補填しますよと想定されるので損失全部が繰延になる場合もある

(明らかに欠損とならないと見込まれるときの判定)

6 7の1 2- 4

 組合事業が措置法令第39条の31第7項に規定する「明らかに欠損と
ならないと見込まれるとき」に該当するかどうかは、当該組合事業の形態、組
合債務の弁済に関する契約、損失補てん等契約その他の契約の内容その他の状
況から判断するのであることから、例えば、損失のうち少額の求償を受ける可
能性があることや、相対的に発生の蓋然性の低い事由により生ずる損失が補て
んされないこと等の事実のみをもって、当該組合事業が「明らかに欠損となら
ないと見込まれるとき」には該当しないこととなるものではないことに留意す

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