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2006年3月14日 (火)

知的財産と信託

 久々に知財信託ネタ (社)信託協会「信託 225 2006-1」に、ジャパンデジタルコンテンツ信託株式会社 代表取締役社長 土井宏文氏の『知的財産と信託』が掲載されています。

 ジャパンデジタルコンテンツ信託株式会社は、現在唯一の知財信託(それも映画のようなコンテンツビジネス)に特化した信託会社ではないでしょうか。

 日本は世界的に見ても優れたコンテンツ(アニメとか)を排出しているのに、コンテンツ業界は前近代的。

 コンテンツビジネスは、発注会社である十数社が牛耳っているが、そのコンテンツを作り出す頭脳がいてるのは、中小の制作会社。でも中小の制作会社は主役になれず、いいアイディアがあると大手に持ち込み、採用されると、大手の下請けとして仕事をもらう立場になっている。

 クリエーターが報われない世界なんですね。。。。

 コンテンツを制作するにはお金がかかります。制作会社は小さいし、信用があんまりないからお金を貸してくれません。

 だから映画を作るような場合、以前ここにも書きましたが製作委員会方式という民法上の組合のような方法で、映画ビジネスにかかわりたい関係者がお金を出資するのが主流です。

 でもこの方式だと映画の著作権等の権利が共有になってしまい、何かするのも全員の承認がいるから大変です。

 それで他にいい方法がないかなということでSPCと匿名組合をかましたような手法が使われることもありました。これらの方法の場合、著作権はSPCが持つような形になり製作委員会を使った場合のデメリットは解消されるのですが、複雑なスキームを作るから時間もかかるし、倒産隔離などを行うために契約書の文言を相当入れなければならないので弁護士への費用もかなりかかるようです。

 その点、信託の場合は、他のスキームと比較すると、信託の所有権は名目上は受託者帰属するので製作委員会のようなデメリットは生じないし、信託は法律で倒産隔離が認められているから、契約の文言を相当入れる必要もなくなるし、スキームもシンプルなのでコストパフォーマンスがいいそうです。

 ただ信託受益権を直接販売した最初のケースでは、機関投資家が対象で個人には販売しなかったようです。これは、パススルー課税の問題があったから、、、この辺は後日書きます。

 

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