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2006年3月13日 (月)

事業譲渡類似株式の譲渡と日英、日米租税条約

 確定申告の期限もあとちょっととなっていますが、

 株式を譲渡した場合は、譲渡した人が利益を受けるから申告して税金を払います。

持っている株式が日本の会社のもので、持っている人が日本人だったら、日本で申告して終わりなのであまり問題がないのですが、たとえば持っている人が外人だったらどうなるのでしょう?

 原則としては、売った人の所在地でだけ課税されることになります。ですから外人が日本の株式を譲渡した場合は、その外人の所在国だけであり、日本では課税されません。

 でもたとえば日本の不動産を外人が譲渡した場合は、外人はその所在地だけでなく日本でも税金を払わないといけないんですよね。

 それだったら税金を逃れるために日本の不動産を現物出資して会社を作って、その株を売ればいいと誰でも考えるでしょう。

 だから日本の不動産のかたまりのような会社を売った場合は、日本でも税金を納めないといけないルールになってます。

 同じように日本の会社をコントロールできるくらい持っている外人が、一定量の株式を譲渡した場合は、日本でも税金を納めないといけないルールになっています。このような株式の譲渡を事業譲渡類似株式の譲渡といいます。

 ところで外国と日本の間の税金のルールで、一番エライのが租税条約です。日本の国内でどんなルールをつくっても、租税条約で違うルールを作っていたら、租税条約のルールに従わないといけません。

 日米租税条約においては、日本で不動産のかたまりのような会社の株式については、アメリカ人が譲渡した場合、日本で課税してもいいよというルールがありますが、日本の事業譲渡類似株式の譲渡については、原則的には、アメリカ人は、アメリカでだけ課税したらいいとなっています。

 ところで今度国会を通過する予定の日英租税条約では、日本の事業譲渡類似株式について、イギリス人が譲渡した場合は、日本で課税してもいいよとなっています。逆に日本人がイギリスの事業譲渡類似株式を譲渡した場合は、イギリスで課税してもいいよとなるのでしょう。

 ただし日本の会社が持っているイギリスの会社が、別のイギリスの会社と合併し、それが日本の税務上の適格合併(合併時に含み損益を課税せず、繰延べられる)に該当する場合は、合併時点で日本の会社が持っている合併消滅会社の株式がなくなり合併存続会社の株式にかわり生ずるキャピタルゲイン等に対して課税を繰延べてもいいですよ。

 で、将来、合併存続会社の株式を譲渡した時点で、繰延た利益に対しては日本でだけ課税しますよと読むのでしょうか?

 日英租税条約に関する交換公文 日本側書簡 

5 

 条約第十三条3に関し、一方の締約国の居住者が他方の締約国の居住者である法人の発行した株式の譲渡によって取得する収益について、当該一方の締約国の居住者がその他の株式の譲渡によって取得する収益と同一の要件により租税が課される場合には、当該法人の発行した株式の譲渡によって取得する収益は、当該一方の締約国において租税が課されるものとされることが了解される。

さらに 法人の組織再編成において株式の譲渡から生ずる収益に対し一方の締約国の法令により課税の繰延が認められる場合(当該繰延の対象となった収益の全部又は一部に相当する収益が、将来行われる譲渡又は組織再編成により免税となる場合を除く)には、当該繰延の対象となった収益は、当該一方の締約国において租税が課されるものとされることが了解される。

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コメント

tamagoさん こんにちわ

日英条約の旧というか現行ですよね。これ、私は、紙で確認状態なんです。

現行の租税条約はほとんどネットで拾えないんですよね。

有料のサイトの場合は拾えるそうですが、

投稿: 信託大好きおばちゃん | 2006年4月 7日 (金) 17時12分

日英租税条約が改定されるようですね!
新条約のPDFは見つかったのですが、比較のために
旧条約を見れるサイトご存知だったら教えてください。
横レスですみません・・・

投稿: tamago | 2006年4月 7日 (金) 16時53分

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