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2006年3月 6日 (月)

利益参加型社債 ケイマンスキーム 

 利益参加型社債でなぜケイマンに作るのか?このなぞはよくわからないのですが、

 最近の事例をベースにどんなしくみになっているかというと

① 日本国内にspcを作って、そこが不動産の信託受益権を購入する。

② spcは不動産の購入資金を調達するためにケイマンの会社と匿名組合契約を結ぶ

③ 匿名組合契約を結んだケイマンの会社は利益参加型社債を発行してファンドが引き受ける。

④ このファンドの出資者を投資家からつのる。

 ⑤spcで取得した不動産の受益権に関して、収益がでたら、匿名組合契約に基づき分配金をケイマンの会社に支払う。

⑥ ケイマンの会社が利益参加型社債発行しているので、利益に応じて利子をファンドに支払う。

 ⑦ファンドが投資家に利益を分配する。

 で、税制がからむところでメインの匿名組合と、ケイマンのところですが

☆ 匿名組合の分配金は、営業者の税金の計算上損金となるから、spcで、収益があがっても分配金分だけ差引いて税金の計算ができる。

☆ ただし、匿名組合の分配金を外国法人(ケイマン会社)に支払った場合、20%の源泉税が差引かれる。ケイマンとは租税条約を結んでいないので、非課税にはならない。

☆おそらくケイマンの会社は東京支店を設けていると思う。この場合20%の源泉がとられても、確定申告で精算される。 PEがある場合の免除の規定は、匿名組合の分配金にはあてはまらない。

☆ケイマンの東京支店の所得を計算する時、収益として、分配金が計上されるけれども、利益参加型社債を支払った場合、その部分については損金として差引いて税金を計算できる。国内所得を生むための必要経費みたいなもんだから。したがって、所得はかなり圧縮できる。

☆ケイマンは外国の会社であり、日本の国内法では外国の法人が発行した社債の利子は、源泉をとわず、国外源泉所得となるから日本の源泉税の対象にはならない。

☆ケイマンの会社の税金について、東京支店部分は、日本の税法で税金がかかるかもしれないが、ケイマンではかからない。

☆ケイマンの会社から利子を支払うときに、ケイマンで源泉はかからない。

☆ただし日本の投資家がファンドから利子なのか配当なのかわからないけど、受取った場合は、その時点で日本のルールにのって源泉税がかかる。

 ふーああしんど。 実務でやってないので間違っているのかもしれませんが、税法を組み立てると上記になるのかなあ。

流れをずーっとみていると、SPCと匿名組合とケイマンをかますことによって、中間の所得をなるべく圧縮して、投資利回りを高くし、最終的に投資家が負担する税金コストは、最後の源泉税だけというようになっているような気がしますね。

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コメント

すばらしい解説ありがとうございます!
仕組みが分かりました。

しかし、匿名組合配当には源泉されてしまうんですね・・・それを確定申告で取り戻そうということは、若干CFに歪みが出るけど、それは仕方がないということでしょうね?

そして、最終的には、配当所得以外は投資家の負担にならないということですね。

しかし、単に投資家の税法上の負担を増やさないということなら、同じことは、パススルー課税である信託でも可能(委託者指図型投資信託)なのに、わざわざ上記のようなスキームを組んでそれをしないところは、やはり日本の法規制を免れるためではないかという気がますますします。。。。実際その手の取引は巷にあふれかえっているわけではありますが。

投稿: HK | 2006年3月 6日 (月) 20時39分

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