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2006年4月30日 (日)

組織再編行為により生じる株式の特別勘定

 信託大好きおばちゃん@東京です。 なんか眠れませんね今朝は、

 商事法務1764で 波多野直子企業会計基準委員会研究委員が、組織再編における持分の結合、共同支配企業の形成、共通支配下の取引等を書いてます。

 先週号も別の方が組織再編の取得の場合について書いていらっしゃいます。

 この商事法務2号に書かれたもので、ようやっと企業結合会計、事業分離会計と会社法の関係がわかるようになってきました。 ようするにリンクしているということを書いているのですが、

 その中でタイトルの『組織再編行為により生じる株式の特別勘定』がどんなものかちょっと判ったような気がします。 こういうのって文章で書いてもイメージできません。仕訳だとわかるのですが、

 ちょっとデフォルメしますが たとえば次のような資産、負債の事業をを子会社に分社した場合

 有価証券 200   負債 1,000

 土地    300   その他有価証券評価差金 100

 その他資産120   土地再評価差額金     200

              新株予約権         20

             差額(移転事業にかかる株主資本相当額)▲700

 子会社に分社したような場合は、帳簿価額で引継ぐ。たとえば土地が帳簿上300でも 時価が1,000のような場合はこのようなことがおこるわけです。

 事例では対価として新株50支払っても、 株主資本額(資産-負債-評価差額金-新株予約権)がマイナスの場合は、分社型の方は、払込資本を増額させません。

 対価として株式を支払った場合の事業を承継した方の仕訳で差額 ▲700については、営業権を増加させるのは間違いで

有価証券 200   負債 1,000

 土地    300   その他有価証券評価差金 100

 その他資産120   土地再評価差額金     200

             新株予約権        20

             その他利益剰余金    ▲700

 合計    620                    620

ちなみにこんな事業分割の対価として現金500を支払った場合は、

有価証券 200   負債 1,000

 土地    300   その他有価証券評価差金 100

 その他資産120   土地再評価差額金     200

             新株予約権        20

 営業権 1,200   現金            500

 というようにどーんと営業権があがる。

 分社の対価が株式のみの場合で、これに対応した分割会社の方の仕訳

 承継会社のその他利益剰余金▲700に対応する部分を、移転による利益として計上せずに 

 負債 1,000                有価証券 200

 その他有価証券評価差金 100     土地    300

  土地再評価差額金     200    その他資産 120

    新株予約権 20    『組織再編行為により生じる株式の特別勘定』700

 となるみたい。

 譲渡する資産の帳簿価額<負債の帳簿価額となるような場合で対価として株式を受取り、株式の帳簿価額を 資産の帳簿価額ー負債の帳簿価額で計上しないといけないけど、このままだと株式の帳簿価額がマイナスになってしまう。

 でも株式の帳簿価額ってどんなに債務超過でも0を下回ることはない。だって株主は有限責任だもんね。だけど帳簿価額引継ぎが共通支配下の取引の原則だから、便宜上 上記のような長ったらしいネーミングの勘定科目を使うということか♪

            

             

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2006年4月29日 (土)

土地信託通達の誕生

 土地信託通達ってありますよね。 信託した不動産から生じる収入や費用が受益者にパススルーされるようなやつはどういうやつかを規定しているやつ。

 信託商品を設計する場合、たぶんこの通達に合うような形で設計されてると思うのです。 合わなかったら税務がどうなるか。。

 この通達のポイントは

◎土地や建物を信託財産として、管理、運用、処分(儲け方は、賃貸収入や売却収入)

◎自益信託(委託者=受益者)

◎収益受益権と元本受益権に分けない

◎受託者が信託銀行

◎基本的には信託受益権が分割されない

で、当初は信託受益権は、相続とかの場合しか分割できなかったけど、平成10年になって、 

☆分割口数が50口以下

☆分割後の1口当たりの金額が最低1,0000万円

☆収益受益権は転売禁止

という条件つきで、信託受益権を分割して譲渡が可能になったのです

で、佐藤一雄 『不動産証券化の実践 完全版 』P39ダイヤモンド社 によると、

『当初の共有持分権は1は最低1億円とするよう旧大蔵省から高騰による指導を受けたため、1口あたり1億円となっています。法律にも通達にも基づかない口頭指導の理由は、預金から不動産へ資金が流れるのをセーブしたからではないか』

昭和61年っていったら バブルなりかけだったからなあ。。。。。

ジュリアナ東京で 羽の生えた扇子ひらひらはもうちょっとあとだったかなあ。。

でその後 『旧国鉄から引継いだ土地の処分を進めていた国鉄清算事業団は、88年『地価を顕在化させない土地処分方式』として、この民間で生まれた信託型小口化商品を導入しました。 

 具体的には91年には渋谷の物件のほかが小口化により販売されました。。。。 

ここで奇妙なのは、1つは国税庁は前記通達一部を変え、”特別認可”(そ、そんなのありか?)ということで、事業団と信託銀行の間で一本の信託契約で1つの受益権をつくり、その受益権をさらに小口化することを認めたということです。

 なお、この ”特別認可”という不透明な行政は、その後98年4月信託協会に対する回答として国税庁の通達により、分割数50口以内、最低分割単位1,0000万円とやっと明示されました』

護送船団ですねえ。。。。 いいですね。。。。 

密室政治 『お代官様!』『越前屋 お前も悪じゃのお。。ふっふっふっ』

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2006年4月28日 (金)

信託税制の不思議 今の相続税では、受益者連続信託は根付かない

 信託法が改正されて、受益者連続というのが、可能になります。受益者連続と言うのは、たとえば財産を自分が死んだ時に奥さんに遺贈させ、奥さんが死んだ時に娘に遺贈させるというようなものです。

 永遠に受益者連続というのを認めと、死んだ人が、未来永劫に渡って一族を支配するというおどろおどろしいことになるので、期間限定つきですね。

 この受益者連続というのは、事業承継を考えた場合、画期的なことなのですが、これを阻むものがあります。すなわち相続税法

 いまの相続税法というのは、もちろん受益者連続というのを想定していません。それでもいまの相続税法にあてはまるとどうなるのか?これについて 松崎為久『財産管理、承継制度における信託の新しい活用法と税務上の課題 ~受益者連続信託の租税法的支店からの分析』第28回日税研究賞 入選論文集 日本税務研究センター 2005で検討してます。

 エッセンスを書くと

 たとえば大金持ちが受益者連続信託として、自分が死んだ時に財産を妻に遺贈させ、妻が死んだ時点で、孫にその財産を遺贈させるという信託を設定する。

 大きく分けて課税の方法は2つある。

 (1)被相続人の死亡時に、配偶者に単純遺贈するというパターン これだと配偶者の税額軽減が受けられる。でも孫への第2次遺贈というのが行われないと考える。 孫に財産を移動させるかどうかは、配偶者の意思にゆだねられるところもあるから受益者連続ではなくなってしまう。

 (2)孫への停止条件付遺贈とするパターン これだと被相続人が死んで、配偶者そのほかの相続人は、相続財産を未分割財産として受取ったとして相続税の計算をする。そうすると配偶者の税額軽減は適用できない。

 そして配偶者が死んだ時点で、孫への遺贈が行われるが、この時点で停止条件が成就し、相続財産がどのように分割されるかが固まるから、相続税の再計算を行う。分割されるから配偶者の税額軽減も適用でき、払いすぎた相続税が還付される。

 でもね。この時点で配偶者は死んでいるのですよ。配偶者の税額軽減というのは、か弱い配偶者の生活保障の意味で、被相続人の財産の半分か1億6千万のどっちか大きい金額まで配偶者がもらった場合は、その分の税金は払わなくていいですよというものなんです。

 それが受益者連続信託を、停止条件付遺贈ととらえると、配偶者が死んでから税金が還付されるので、配偶者の生活の保障にならないですよ。

 こんなもんあほらしい。だから受益者連続信託なんかやめて! もらった財産は、自分が死ぬ時に、旦那(被相続人)の希望どおりに渡せるように、私が遺言を書いときますから、となるのでしょうね。

 だから今の相続税だと、受益者連続信託は根付かないとなるわけです。

 信託を発展させるためには、ここのところをどうするかですね♪

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2006年4月27日 (木)

信託税制の不思議 消費税

 売掛金を信託して、信託受益権として受取るようなスキームが以前からあると思います。信託受益権を転売して、早期に資金回収を計れるようなメリットがあると思います。

 今日、疑問に思ったのは、消費税の話

 売掛金を信託して、信託受益権を受取っただけでは、消費税ってかかりませんよね。

じゃ、この信託受益権を誰かに売った場合はどうなるのか? 

 これって売掛金を譲渡した場合と同じじゃないのかな?

 そうしたら有価証券に類すもの(消法9⑤)

 非課税売上グループにはいる。

 非課税グループに入ると何が問題化というと、課税売上割合の計算で分母にはいってしまうということ

 課税売上割合っていうのは、消費税の計算をするときに、支払った消費税を受取った消費税からいくら差っぴけるかというところで重要になってくるのです。簡単な算式は

   課税売上/(課税売上+非課税売上)

 非課税売上の割合が5%をきるくらいだったら、支払った消費税は全額差っぴけるけど、そうじゃない場合は、それなりにとなってくる。 差っぴける消費税が少なくなるということは、払う消費税が多くなる。 だから非課税売上っていいかげんにできない。

 で、売掛金を譲渡した場合は、非課税売上にどーんとあがるのかというと、そうじゃないんですね。 資産の譲渡等の対価として取得した金銭債権の譲渡対価の額は含めないとなるから(消費税施行令48②二)

だから たとえば課税売上10億円信託受益権の譲渡1億円、他の非課税売上1,000万円の場合の課税売上割合は、

  10億円/(10億円+1,000万円)=99%となって 支払った消費税は全額差っぴける。

でも、この信託受益権を購入した者がいて、その者が譲渡した場合は、資産の譲渡等の対価として受取ったものじゃないから非課税売上にしっかり入る。そうすると課税売上割合は

  10億円/(10億円+1億円+1,000万円)=90% 

こうなると、支払った消費税は全額引けなくなってしまうんですね。

で、ただの投資家でなくて、たとえばこんな債権を集めてきたSPCなんかも同じ処理になるのでしょうね。

なんかこのへん中里実さんがタックスシェルターであーだこーだと論じてたのが頭にひっかかって書いてみました。

ついでにというとなんですが、信託法の改正で、信託受益権が有価証券化されますよね。

このような場合、最初の売掛金を信託した者が有価証券である信託受益権を譲渡した場合は、どうなるのでしょうか? 現状では 分母に5%相当額を含めるということですが、これ改正でどうなるのでしょうか?

 たとえば土地信託の信託受益権をぱーんと譲渡した場合、現状では、土地を譲渡したとして譲渡対価が10億円だったら、10億円が非課税売上になると思うのですが、これが5%となるのですが そうしたら5,000万円が非課税売上にカウントということですか♪

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2006年4月26日 (水)

三角合併 税の繰延OKか

 今日はココログのメンテナンスの影響で、記事を書く時間が大変遅くなってしまいました。今日は、早朝プールの定休日なので、朝から蓬莱の餃子を食って、税理士の掛川雅仁氏の『税理 2006.5』という雑誌に書かれた物凄い原稿『剰余金の分配と内部留保』の2度読みをしてました。久々に感動しました。

 で、本日のねたは三角合併 昨日日経新聞の一面にもじゃーんとでていましたね。『株式交換』の税制整備 外国企業の日本企業買収 政府検討 株主課税繰延

 これ株式交換とかいてますけど 実は三角合併というやつです。 わかりやすいたとえ話で、たとえば マイクロソフトが、ジャストシステム(古いかな)を欲しいと考えるわけです。直接ジャストシステムの株式を購入しようとすると、銭がいる。銭がでていき、あげくのはてにジャストシステムの株式が暴落したら、マイクロソフトとしては困ってしまう。

 そこで マイクロソフトが、自社株式を現物出資して、日本にマイクロソフトビークルを作る。 そして、マイクロソフトビークルを存続会社として、ジャストシステムを消滅会社とする合併を行う。

 ジャストシステムの株主は、合併により自分が持っている株式と交換に、非上場のマイクロソフトビークルが持っているマイクロソフトの株式を受取る。

 マイクロソフトは、1円も銭を流出させずにジャストシステムをゲットする。

 このような合併のこと。 商法の世界では、親会社株式を所有することも認められないし、合併の対価として合併存続会社の親会社の株式を渡すということも認められていなかったからできなかったけど、会社法になってOKになった。

 でもライブドアの事件がでてきて、国会議員のおっちゃんたちが騒いだので、この三角合併のようなスキームは1年繰延べられ、しかも、上記でいうジャストシステムの合併承認総会は、特殊決議といって、通常の株主総会の特別決議よりも要件を加重したんですよね。

 でもこの三角合併がほんとうに浸透するかどうかのメインポイントは、実は、株主総会の特別決議がどーだこーだということではなくて、ジャストシステムの株主が合併後に、保有するジャストシステムの株式を譲渡して、かわりにマイクロソフトの株式をもらう時点で、ジャストシステムの株主に株式の譲渡益課税がされるかどうかということなんです。

 ここで繰延が実現できたら、三角合併は、かなり広がるかもしれない。でもそうすると外資による日本企業の買収も加速化される可能性もある。

 どうなるか。。。各方面のひとが固唾を呑んでみていたと思います。

 で、私は1年以上前から、外国企業株式を対価とする合併の場合の、課税の繰延は必ず可能になると個人的に確信してました。

 その証拠として、 去年出版した 書籍『税理士、会計士、社長の疑問に答える新会社法の実務Q&A』清文社の中で次のように書いてます。

  『予想では、この親会社株式の範囲は、100%の出資関係を有する親会社に限定され、政策的配慮から外国の親会社についても一定の場合は認められるのではないかと考えます。』 

 で、なぜこう思っていたのかというと、小泉さんの対外政策が非常にアメリカ寄りであったこと。アメリカ政府も日本と同じで、企業からの政治資金が必要であり、その政治資金の大きな担い手が、日本企業を買収して事業を拡大させたいというニーズがあること。そんな企業の要望を受けてアメリカ政府が日本政府につきつけ、小泉さんはいろんな借りがあるからいやとはいえないだろう。

 それに将来的に日本の経済の発展のためには、日本企業が外国に進出するだけでは限界があり、外国企業が日本に投資する必要があり、その環境を整える必要があること。

 などなど だから、必ず、税制は、外国企業による日本企業の買収がよりスムーズにおこなえるように創っていくだろうと。

 ただ、三角合併による課税の繰延をどのような理論付けするか(組織再編税制やら、連結納税やら) この課税の繰延を認めると、租税回避行為も必ずでてきますから、それをどうおさえるか。この辺がお上の腕の見せ所ですね。 

 とっても期待してます。

 なお、生おばちゃんの正体をお知りになりたい方は上記書籍を買ってくださいね♪

 

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2006年4月25日 (火)

信託税制の不思議 将来キャンセルされても、贈与税は満額払う

 今日のこの記事は200回目 昨年の10月6日にスタートさせて半年強にしては、ハイペース ヒット数もちょっとずつ増えてきて、今日中に25,000は超えそうですね。 非常にマイナーなわりには、徹底的に信託周りや他の事業体等の記事を書いているので、GoogleやYahooの検索エンジンが、お客さまを連れてきてくださるんですね。

 今日は星田寛氏の『解除権等の特約のあるパーソナルトラストにかかる贈与税』JTRI税研 126 Vol.21-No5.から

 ここで次のような事例があります。

 甲(75歳)が乙(甲の息子45歳)に対して、甲の死亡または10年のいずれか短い期間毎年100万円の定期金を給付する旨の信託契約を締結したが、次のような定めがあり、かつ結果になった場合の乙に対する贈与税関係はどうなるか

①甲が4年後に死亡し、信託契約は終了し、以後乙に給付せず、残余財産は、甲の相続人に交付

②甲がいつでも信託契約を解除できる特約を定め、4年後に解約権を行使して契約は終了し、残余信託財産は甲に戻す 乙は4年分のお金は返還しない

 いずれにしても当初信託を設定した時点で、10年間毎年100万円受取るという権利を甲から乙に贈与したと考えて、この10年分の権利を評価して乙は、贈与税を支払います。

 でもこの権利がですね、乙の意思ではなく、甲の死亡という不可抗力とか、甲の意思により4年後になくなるわけです。 1年目から4年目までは財産をもらってるけど、5年目以降には財産がもらえなくなくなってしまう。でも最初に支払う贈与税というのは10年分なんですね。

 じゃ、4年後に 将来に向かって財産をもらう権利がなくなったので、5年目以降の財産に相当する贈与税を返してもらえるかというと、これが無理なんですね。

 上記のような信託って 設計可能だけど、贈与税払いっぱなしリスクがあるから、おそらく誰もやらないでしょうね。このままだと。。。。ニーズはあると星田さんは書いてらっしゃいますけどね。

 星田さんは、アメリカの税制の信託解除権が委託者にある場合は、委託者課税というシステムを導入したらと書いてらっしゃいますね。これだと信託設定時点では贈与税は発生させない。まだ財産に対する権利を委託者が留保しているから

 私も、上記のような場合は、財産をもらう時点ごとに贈与税を払うというシステムの方がいいと思うけど、いわゆる連年贈与みたいなものだしねえ。。。うーーーーん

 やっぱり合理的な設計はむずかしいのかなあ

 

 

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2006年4月24日 (月)

信託税制の不思議 退職給付信託

 今日は4月24日、おそらく、上場会社の個別決算は、ほとんど〆てると思います。

 決算をしている作業で、いろんな勘定科目を固めていきますが、いつも最後に残るのが、税金、税効果、 まあ利益が固まらないとどうしようもないので、そうなるのですが

 上場会社は、会計と税務が結構遊離しているので、法人税法別表4やら別表5(1)やらにぎっしり、数値が書き込まれてたりしますよね。

 申告書を作る段階になって、なんでこんなややこしいことせにゃならんのかと思うものの1つとして退職給付信託の処理があります。

 これは、退職給付引当金を会計上導入する時に、多額の会計基準変更時差異をいきなり計上すると、費用がいっぱいいでて、決算の数値が悪くなるのはかなわないということで、信託銀行あたりがあみだしたものだと思います。

 たとえば含め益のある有価証券に退職給付債務を設定することにより、解消しましょうというもの。 会計上の仕訳

    退職給付費用(会計基準変更時差異) XXX  退職給付引当金 XXX

    退職給付引当金          XXX      有価証券     XXX

                                有価証券譲渡益 XXX 

 退職給付信託というのは、従業員等の将来の退職金にあてるために会社財産に信託を設定したもので、会社は信託設定後、自由に処分できないので、有価証券も退職給付引当金も会計上、オフバランス化しましょうというものです。

 でもね。ここで税務が登場してくるわけです。税務上、退職給付債務というのは、受益者が特定していない信託となるわけなのです。従業員ということはわかっているけど、どの従業員にどれだけというのがはっきりわからない。未来の従業員もいてる。

 で、こんな場合は、お約束の委託者課税となるわけです。但書信託で記載されている厚生年金基金等の契約とも違うしね。

 そうすると、どうなるかというと 会計上は有価証券はないとして計算してるけど、税務上は有価証券があるよって計算するんですね。

 信託設定時に、会計上は、有価証券譲渡益がでてきても、税務上は、有価証券を譲渡していないから、この部分は税務上は益金にならないのは、企業にとって喜ばしいことだった。たしかにここまでは、

 ところが有価証券があると仮定して、税務上は処理をし続けないといけない。だから、配当を受取った場合は、その分を資産計上しないといけないし、国内からの配当の場合は、受取配当の益金不算入をしないといけない。 期待運用収益部分は、会計上の仮定の収入だからこれは、税務上は益金にいれてはいけない。。。。(ためいき)

 これがややこしくて大変。。わけのわからん資料を作らないといけないし、、、間違えそうだし

 でも退職給付信託って、委託者(企業)への返還が認められないものでしょ。つまり実質的には、自分が得られない収入に対して、税金だけかけられる。しかも手間が大変。

 これは、おかしいですよね。。。 委託者課税の大弊害です。信託財産を1つの組織体として課税して、信託財産の収益から税金を払うというようにすればいいのです。信託設定時に譲渡益課税が行われるという弊害はありますが、

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法人税法第12条 信託財産に係る収入及び支出の帰属

信託財産に帰せられる収入及び支出については、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める者がその信託財産を有するものとみなして、この法律の規定を適用する。ただし、合同運用信託、投資信託、特定目的信託、 第37条第6項(寄附金の損金不算入)に規定する特定公益信託、社債等の振替に関する法律(平成13年法律第75号)第2条第11項(定義)に規定する加入者保護信託又は 第84条第1項(退職年金等積立金の額の計算)に規定する厚生年金基金契約、確定給付年金資産管理運用契約、確定給付年金基金資産運用契約、確定拠出年金資産管理契約、勤労者財産形成給付契約若しくは勤労者財産形成基金給付契約、国民年金基金若しくは国民年金基金連合会の締結した国民年金法(昭和34年法律第141号)第128条第3項(基金の業務)若しくは第137条の15第4項(連合会の業務)に規定する契約若しくはこれらに類する退職年金に関する契約で政令で定めるものに係る信託の信託財産に帰せられる収入及び支出については、この限りでない。

  • 一 受益者が特定している場合 その受益者
  • 二 受益者が特定していない場合又は存在していない場合 その信託財産に係る信託の委託者

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2006年4月23日 (日)

これは使える合同会社 会社更生法をぶっとばせ!

 昨日、HKさんからいただいたコメントをベースに、これからは証券化のビークルとして合同会社が使えるかもしれない。なぜなら合同会社には会社法更生法の適用がないから。

 従来有限会社が使われてきた理由のひとつとして、会社更生法の適用がないということがありました。でも会社法の適用になると、会社更生法の適用があります。

 そうなるとビークルにお金を貸していた金融機関としては、こけた場合、回収不能リスクが高まります。

 で、昨日あれから 前法務省民事局付 現無職の郡谷大輔 編著 「中小会社、有限会社の新会社法」をはらはらとめくったら、きっちり載ってました。

P431~432  合同会社となるかどうかの判断基準

会社更生法の適用を免れたいという会社

「特例有限会社と合同会社の会社法制上の差異は、対内的な法律関係についての規制の厳格さの差異が中心となっており、対外的な法律関係においては、それほど大きな差異があるものではない。

 他方対内的な法律関係の自由度は、旧有限会社の運営状況や旧有限会社を巡る利害関係者の状況を考えれば、事実上の会社運営のあり方を工夫することによって、十分対応可能なものである。

 しかし、合同会社と特例有限会社の他の法制における差異として、最も大きなものとしては、会社更生法の適用の有無だろう。

 会社更生法は、破産法や民事再生法など他の倒産手続と比較すると、債権者等の権利に対して強力な制限を加えながら、会社の更正を計ろうとするものである。

 そして、会社更生法は、旧有限会社には適用されない倒産手続であったが、会社法により、旧有限会社が、会社法上の株式会社となることによって、利用可能なものとなったものである。

 一般論としていえば、特例有限会社に、会社更生法が適用されることとなったことは、倒産手続の選択肢が増加していることになるから、特例有限会社にとって有利な改正であるといえよう。

☆ しかし、担保権者の権利をも制限しつつ手続が遂行されるという会社更生法に基づく更正手続は、旧有限会社を資産の流動化等特定の用途に用い、担保権者の権利が制限される可能性があることが、その仕組みの根幹に影響を与える可能性がある場合もある。

このような場合において、従来の仕組みを維持しようとする時は、合同会社になることが必要であろう。」

 どんぴしゃっ ビークルの場合は、合同会社でしょうね。これからは

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2006年4月22日 (土)

またまた TK+YKスキーム のお返事

 HKさん おはようございます。 信託大好きおばちゃんです。いつも夜中に読んでいただいてありがごうございます。

 さて、お返事というか HKさんのコメントで、1つ賢くなりました。

「会社法施行後は現在のYKにも会社更生法が適用されるため、会社更生法の適用がなく決算公告もないLLCがYKのために使われることとなります。現在すでにあるYKをどうするかですが、レンダーによってはLLCに組織変更させる権限を契約上取得しているものもあるようです。」

 従来 有限会社(YK)が使われたのは、会社法更生法の適用がないというのも大きな要因でした。もし適用があれば、担保をもっていても更正担保権となって、債権者がお金をすぐに取り戻すことができないからです。

 会社法で有限会社が原則なくなるからどうなるのかな?と思っていたのですが、そうですか。 合同会社を使うという手法があるのですね。

 合同会社は使えないとさんざんいわれてたのですが、そのような使い道もあるのですね。

 4月20日の日経の朝刊に 「京都の商店街 合同会社で法人化」という記事があります。

「今日都市周辺周辺の商店街で組織する任意団体きょうと情報カードシステム(KICS)は新会社法で設立可能になる合同会社で法人化する. -------- 法人名は「合同会社きょうと情報カードシステム」出資金は1,000万円で商店街組合など26団体が計900万円、京都市が100万円をそれぞれ出資する。法人化によって金融機関からの融資が受けやすくなり、将来の設備投資に向けた内部資金の留保も可能になる。------------」

 なぜ株式会社でなく合同会社なのかというと、組織運営の平等性が保てるから、みんな平等に業務に参加でき、かつ合名会社のように無限責任を負う必要もないところがあるからでしょう(会社法590②)。

 合同会社の勉強も必要かもしれません。

 HKさんありがとうございました。 このブログは、ヒット数を伸ばすことをよりも、信託周りの仕事をしたい、しているというようなコアな方々に役立ち、自分も成長できるようなものを目指しています。ですから長文ですし、飾り気のないデザインです。(綺麗なデザインを創る能力がないだけですが)

 癒し系とは一線を画し、おたくというか、テクニカルに特化し、他の追随を許さない(誰もやらないですよね。こんな感じのブログは)オンリーワン戦略です。

 おそらく信託ビジネスは、今年の後半から来年にかけてプチ化けし、紆余曲折をへて、大化けしていくのではないかと思います。

 地方に埋もれ、名もなく、金もなく知恵もない信託大好きおばちゃんが、それでもこれに賭けると信じて、本を読んだり、いろんな人に教えてもらいながら、こつこつとノウハウやら信用やらを築き、10年後には、信託ビジネス(といっても税務をベースなんでしょうけど)といったら信託大好きおばちゃん!と、子供?に憧憬をもって言ってもらえるような存在になれたらと思っております。

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会社法第590条(業務の執行)

 社員は、定款に別段の定めがある場合を除き、持分会社の業務を執行する。

 2 社員が2人以上ある場合には、持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。

 3 前項の規定にかかわらず、持分会社の常務は、各社員が単独で行うことができる。ただし、その完了前に他の社員が異議を述べた場合は、この限りでない。

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2006年4月21日 (金)

使えない特定目的信託

 昨日、信託税制の不思議ということで、但書信託のうちの1つ特定目的信託を書きました。

 特定目的信託は、TMK(特定目的会社)と兄弟姉妹のようなもので、資産の流動化、証券化のためのビークルの信託版です。

 TMKも手続が結構大変なので、ちまたではやっているのは有限責任中間法人と有限会社と匿名組合を使ったTKYK法ですよね。

 信託を使って、信託それ自体を納税義務の主体として法人税をかけるけど、一定の要件を満たした場合は配当が損金として認められるもの

 結構いけるのかなと思うと使えないらしい。

 その理由として 宮田房枝、香取雅夫、五十嵐一徳 「日本版LLP実務ハンドブック」P276商事法務によると

 ◎同族特定目的信託に該当しないように組成することは至難である

 ◎流動化法220、221条で受託者責任を加重していること

 ◎社債的受益権に租税特別措置法8条(金融機関等の受ける利子所得に対する源泉徴収の不適用)不適用であり、固定金利に限定したことにより信託業法24条1項4号(損失補てんの禁止)に抵触すること

 ◎システム的対応の未整備

 佐藤一雄  「不動産証券化の実践完全版」 P232 ダイヤモンド社によると

「信託銀行にとって大変利用価値のありそうなこの制度は、あまり(ほとんど)使われている形跡がありません。その理由は各種の利益相反や、ただちに不動産を運用対象とするため、不動産のリスクをモロに受け切れるか不安だという面もあるようです。」 

 いずれにしても、使えない特定目的信託 信託財産自体に課税するというシステムは、アメリカの信託税制の基本形であるし、現在の信託課税の不思議さを解消させるのにもいいと思うのですが、利用されなかったら絵に描いた餅ですね。

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2006年4月20日 (木)

信託税制の不思議 但書信託 3

 信託税制の不思議ということで、何日か続いているのですが、もう一度復習すると、

 信託税制の例外は、財産に信託を設定した場合、受益者がその財産から利益を実際に受けていなくても、発生時点で、利益に対して受益者に税金を課しますよ。

 例外として3タイプあります。

 ① 発生した時点で、利益に対して税金を課すのではなくて、受益者が実際に受取った時点で、受取った利益に対して受益者に税金を課しますよ。

 ②厚生年金基金契約のように、退職後の年金にあてるために、財産を信託したような場合で、ある意味公的なものについては、税金の計算のシステムをかえて、受益者に対して税金を課すのではなく、受託者に対して、しかもフローの所得ではなく、退職年金等積立金の残高に対して税金を課しますよ。

 そして今日は最後 特定目的信託というやつ

  以前、ここでTMK(特定目的会社)について書きました。資産の流動化、証券化目的のための会社で、証券化したい資産を、TMKにうつし、TMKが社債を発行したり、優先出資証券を発行したりして、投資家からお金を集めるもの

 特定目的信託は、このTMKの姉妹で会社のかわりに信託を利用するもの 委託者(オリジネーター)が財産を信託して、信託受益権を受取り、それを投資家に販売するというようなものでしょうね。

 この信託の場合は、信託財産を1つの納税義務者として、こちらは、フローの所得に対して法人税を課します。でも50人以上の投資家が信託受益権を引き受ける場合や、適格機関投資家が引き受ける場合で、一定の要件をクリアした場合は、投資家に支払った配当は損金算入できるというものです。

 通常の信託の場合、委託者(財産を持っている人)が信託を設定して、名義上の所有者が信託銀行等に移った時点では、税金がかかりません。もちろん信託受益権を投資家に売買した時点で譲渡益に対して税金はかかりますが、

 しかし、特定目的信託に委託者が譲渡した場合は、特定目的信託を税務上は別の納税主体に資産を譲渡したことになるから、この時点で譲渡益課税が発生しますね。

 

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2006年4月19日 (水)

信託税制の不思議 但書信託 2

 全然信託とは関係ない話ですけど、昨日 成分解析ってやつをやってみました。

http://seibun.nosv.org/

そうすると信託大好きおばちゃん(本名の方です)は

 99%は宇宙の意思で出来ています
 1%は魂の炎で出来ています

 だそうです。 つまり信託大好きおばちゃんは、神の見えざる手に動かされているような人物。。。。 これ、あたってるような気がします。なんか 突然、霧に覆われた森に迷い込み、いろんな声が聞こえるけど、道がみえない今日この頃。とりあえず現在の判断は、霧が晴れるのを待つ。。。。。 不安であせってわーっと動くと、森から出られないような予感がするから。。。。この判断は適正でしょうか○○さん♪

 さて、信託の税法の続き、信託の税法は、受益者が特定されているときは、たとえその時点で所得をもらえなくても、原則として、特定された者に対して所得税や法人税が課されます。

 その例外として但書信託がいくつかあり、昨日書いたのは、合同運用信託、投資信託のような金融商品は、投資家が受取った時点で、累積した所得に対して所得税や法人税が課されます。

 そして今日は、別のタイプの但書信託です。

 退職年金等積立金の額の計算に規定する厚生年金基金契約等については、受益者に対して課税するのではなくて、退職年金等積立金の残高に100分の1の法人税率を乗じて計算します。ようするに将来の退職金の原資として信託した財産の残高をベースに法人税を計算します。受益者課税ではなく、受託者段階で、受託者本体の事業所得とは別個にそれぞれの契約ごとに独特な方法で法人税を計算するということでしょう。

 でも平成20年3月31日までの間に開始する事業年度の退職年金等積立金については、特別法人税を課さないこととされてるから、今のところ税金はかかってません。

 富田房枝、香取雅夫、五十嵐一徳編著 「日本版LLP実務ハンドブック」P266 商事法務によると 

 「厚生年金基金、国民年金基金等が直接投資すすr場合には所得税法別表の公共1法人等に該当して、源泉税が課されないが、厚生年金基金契約等は但書信託に該当するので、源泉税が自動的に免除にならない。スキーム組成については注意を要する。」 

 これを翻訳すると 厚生年金基金が有価証券を持っていて、配当をもらった場合は、配当に対する源泉税は免除されるけど、厚生年金基金契約により有価証券を信託して、配当を受取った場合は、自動的には免除にならないから注意してねということでしょうか。

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所得税法第13条 信託財産に係る収入及び支出の帰属

信託財産に帰せられる収入及び支出については、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に掲げる者がその信託財産を有するものとみなして、この法律の規定を適用する。

 ただし、合同運用信託、投資信託、特定目的信託又は法人税法第84条第1項(退職年金等積立金の額の計算)に規定する厚生年金基金契約、確定給付年金資産管理運用契約、確定給付年金基金資産運用契約、勤労者財産形成給付契約若しくは勤労者財産形成基金給付契約、国民年金基金若しくは国民年金基金連合会の締結した国民年金法第128条第3項(基金の業務)若しくは第137条の15第4項(連合会の業務)に規定する契約若しくはこれらに類する退職年金に関する契約で政令で定めるものに係る信託の信託財産に帰せられる収入及び支出については、この限りでない。。

  • 一 受益者が特定している場合 その受益者
  • 二 受益者が特定していない場合又は存在していない場合 その信託財産に係る信託の委託者

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2006年4月18日 (火)

信託税制の不思議 但書信託

 この前 信託税制の不思議で 10歳の子供に、その子供が20歳になったら信託契約の受益者として財産を分配すると言う契約を結ぶ場合の話を書きました。

 この場合 贈与税は20歳に子供に発生するけど、10歳から20歳までの期間に生じた所得については、毎年、所得税が発生するという不思議な話です。

 で、なんでもこのルールかというとそうではなくて、信託を使って金融商品を作り、多くの投資家からお金を集めるような場合、投資したお金が数年間換金できないのに、税金だけかかるというのでは、投資家は困ってしまうので、一定の信託については、受益者が信託財産の収益を受取った時点で所得税や法人税を払ってもらいましょうとルールづけしています。

 このような信託は所得税法や法人税法の条文の中で、ただしの後に列挙されていることから但書信託といわれています。なお但書信託はみな、所得に関しては受益時に受益者で課税されるルールではなく、但し書信託のうち、次のようなものですね。

 合同運用信託  ビッグ、ヒット、貸付信託

 投資信託    ただし外国法人信託のうちタックスヘイブン国で作ったようなものは、タックスヘイブン税制の対象になります

 でもお上はこのように税金の課税時期が繰延べれるのは、けしからんという考えをもっているようですね。ですから平成になってからできた特定目的信託では、信託を1つの納税義務者として法人税をかけ、一定の要件を満たした場合は、その信託から受益者に分配した金額は、法人税の計算上損金としましょうねとルールづけしています。

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 所得税法第13条 信託財産に係る収入及び支出の帰属

 信託財産に帰せられる収入及び支出については、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に掲げる者がその信託財産を有するものとみなして、この法律の規定を適用する。

 ただし、合同運用信託、投資信託、特定目的信託又は法人税法第84条第1項(退職年金等積立金の額の計算)に規定する厚生年金基金契約、確定給付年金資産管理運用契約、確定給付年金基金資産運用契約、勤労者財産形成給付契約若しくは勤労者財産形成基金給付契約、国民年金基金若しくは国民年金基金連合会の締結した国民年金法第128条第3項(基金の業務)若しくは第137条の15第4項(連合会の業務)に規定する契約若しくはこれらに類する退職年金に関する契約で政令で定めるものに係る信託の信託財産に帰せられる収入及び支出については、この限りでない。。

  • 一 受益者が特定している場合 その受益者
  • 二 受益者が特定していない場合又は存在していない場合 その信託財産に係る信託の委託者

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2006年4月17日 (月)

アイドルファンド ♪

JDC信託のHPを見ていたら 「アイドルファンド1号、2号」の運用成績を発表という言葉が目に入りました。

アイドルファンド?

重要事項説明書を読むと

名称: 「新人グラビア☆アイドルファンド 第1号プロジェクト」匿名組合契約

目的及び事業の内容: 本匿名組合契約に基づき、営業者がDVD及び写真集を製作し、これを商業的に利用して収益を獲得すること

匿名組合出資金: 各支援プロジェクトにつき金500万円

出資単位: 1口金5万円(お1人当たりの出資口数は各支援プロジェクトごとに20口が上限です)

 匿名組合契約なんだ 匿名組合の本質というのはパトロン つまり出資者は金はだすけど口はださないということだから、アイドルファンドのようなもののために組成するのはぴったりですね。

 リスク情報のところなんか「本プロジェクトのアイドルに関する風評、スキャンダル、事件に巻き込まれる等の外部的要因、あるいは引退等の個人的理由により、本プロジェクトの継続が不可能、もしくは、著しく困難な状況に陥るリスクがあります」って書いてあって、わー芸能界リスクだ♪

 このアイドルファンド1号の成績発表が今回あったわけでして アイドルごとの回収率をみると

青山愛子 142.3%

島田早希 104.6%

武市智子 100%

EIREI    40%

神谷怜奈 40%

誰の名前も知らないけど、なんか人気によって結果が全然違うんだなと実感しました。

 アイドルファンドって、今の日本の小口投資家のニーズをとらえているような気がします。1つのロットを大きくするよりも、多様なニーズにこたえて少量多品種で販売すると、結構イケルのではないでしょうか♪

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2006年4月16日 (日)

またまた TK+YKスキーム 

 信託大好きおばちゃん@東京です。先週も今週も、土日は東京です。プライベートな勉強会のためなんですが、 

 失業者の分際で多額のコストをかけてなんでいくのか?と思われそうですが、おばちゃんのようなソフトウェアサービス業の従事者にとって知識の仕入れ並びに知識を自分のものにしてビジネスに落とし込めるようにするためのコストは、絶対に必要な経費なんですね。

 なるほど東京への往復の交通費並びにホテル代は高いのですが、聞きっぱなしのセミナーのコストも、へたをすると この勉強会のためのコストと変わらない場合もあります。

 また勉強会だと双方向で討議できるから効果が高い。しかも勉強会に参加している面々はどう考えても現時点で、先端分野の先頭集団的な人たちなので、この投資はGo!とわたし的には判断してるんですね。

 さて 今日は検索ワードでいつも人気があるTK+YKスキームの話

 TK+YKスキームというのは 不動産証券化のための人気のあるスキームです。

 ●不動産を所有している会社(オリジネーター)が不動産を信託して、信託受益権を獲得します。

 ●オリジネーターは、中間法人を作り、中間法人が有限会社に出資します。

 ●有限会社を営業者として、匿名組合出資契約を出資者と結び、資金を調達します。

 ●また有限会社は、匿名出資以外にもノンリコースローンで資金を調達することも可能です。

 ●その資金で信託受益権を購入します。

 昨日購入した 佐藤一雄 「不動産証券化の実践 完全版 」ダイヤモンド社を読んで新しい知識を吸収 そして自分なりに考えると

◎有限会社を使うメリットとして 会社更生法が適用されません。会社更生法が適用されると何らかの担保を持っていても更正担保債権となって、債権者(ローンの貸し手の銀行)にはすぐお金を取り戻すことができないというリスクがあるからです。注1

 会社法の適用になって、有限会社が原則なくなるのですが、その後存在する株式会社、持分会社 特に持分会社の場合、会社更生法の適用はどうなるのでしょうか?これって大事ですよね。

 ただ営業者または匿名組合が破綻した場合、出資金の返還請求権や利益分配請求権とノンリコーソローンでどちらが優先的に弁済を受けるかが問題になりますが、実務上は、匿名組合契約に定める出資金の返還等の支払いが、ノンリコースローンの元利支払いに劣後する旨の停止条件特約をしておけば、有効であると考えられます。注2

 いずれも有限会社にお金を貸した銀行さまのためのメリットですね。

◎信託受益権を使うメリットは、もし不動産そのものを有限会社が手に入れた場合は不動産特定共同事業法の適用になるが信託受益権の場合はならないそうです。

 不動産特定共同事業法の適用を受けるためには有限会社が許可をとらないといけない。つまり余分な時間と金がかかるということ

 それでは、これからプールで1キロほど泳ぎに行ってきます♪

注1 佐藤一雄 「不動産証券化の実践 完全版」P216 ダイヤモンド社

注2 西村総合法律事務所編 「ファイナンス法大全」(下)P295 商事法務

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2006年4月15日 (土)

信託税制の不思議 贈与税より先に所得税を払う? お返事

通りすがりの無資格者さん おはようございます。信託大好きおばちゃんです。

コメントどうもありがとうございます。

>受け取っていない財産から生じた利益について子供に
>所得税がかかるという解釈について疑問があります。

おっしゃることはなるほどです。誰でもそう思いますね。

>子供が20才になったら信託から生ずる利益を分配する
>というような信託の場合、相続税法上は停止条件付で
>受益権を与えることとしているものと解釈するのだと
>思いますが、それならば所得税法上は「受益者が特定
>していない」と解釈して委託者に所得税の課税がかか
>るということになるのではないでしょうか?

 税法は、基本的には、書かれた日本語をきちんと読むのが基本です。

 受益者が特定していないというのは、あくまでも誰がもらうかわからない場合です。この場合は、誰がもらうかは決まっています。ただもらう時期が将来なんです。

 20歳になるまで収益が発生して、子供はそれを毎年もらえません。でも収益は毎年、確定しているわけですね。これは、たとえば5年後にならないとお金を絶対に引き出せないような預金(仮定ですが)を有している場合の毎期の利息というのは、たとえ受取っていなくても原則的には計上しないといけませんよね。これと同じだと思います。

 このもらえないかもしれない信託の収益について税金をかけるのは合理的でないという質問は、実は以前、税務大学校が「事業体課税の理論と課題」に対する意見をHP上に求め、そのときに質問したのですが、その回答をかの朝長英樹氏がなさってますが、私が上記に書いているような理屈で合理的だとしています。

>税法によって用語の統一がされていないのかも知れま
>せんが、逆に所得税法上、この信託が信託設定時点に
>おいて「受益者が特定されているもの」と考えるのな
>ら相続税法上も「受益者が特定されている」即ち「委
>託者≠受益者」の信託の設定があったものとして信託
>設定時に贈与税が課されることになるのではないので
>しょうか?

 税法は上記にも書いたように書いてある日本語を素直に読むのが基本であり、相続税法において、停止条件付であるならその条件が成就している限り、そのときに贈与税や相続税は発生します。

 こう書いているけれども実際は、所得税と整合性がとれないから、こんな信託の場合は、信託設定時と解釈させたいなら、必ず、この間をつなげるもうひとつ別の法律等が作られるはずです。しかし作られていない。だから素直に所得税法、相続税法の条文を読む。そうすると私が書いたようなおかしな問題が生ずるわけです。

>今回の例にあてはまるような実例があればすっきりす
>るのですが、今のところ見つけることができていない
>ので厚かましいようですが、実例の有無など情報をお
>持ちでしたら教えていただけないでしょうか?

 この法律というのは、実は何十年も(ほとんど第二次世界大戦前から)改正されていません。受託者課税だ委託者課税だという論点は昭和15年に改正されてますが、

 何十年も改正されていないということは、その間、この法律が生きているわけです。それにもかかわらず不思議な現象が起こる可能性を放置していたのは、おそらく他益信託で停止条件付みたいなやつは、いろんな問題があるので信託銀行が引き受けなかった。だから事例もなかった。したがって改正する必要もなかったのが真実かもしれません。

 ちなみにこの考えのベースは、私がいきなりひらめいたのではなく、信託の税法の分野では第一人者の占部裕典 「信託課税法 その課題と展望」の論議をベースにしております。

 おそらく信託法が改正されると、後継ぎ遺贈だ、受益者連続だとなり他益信託が脚光される可能性が高くあります。お上もこの辺の問題点は、きっちり認識していらっしゃると思いますから、大事になる前に改正してしまうだろうとと確信しております。

 通りすがりの無資格者さん、これからも遊びに来てくださいね♪

 

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2006年4月14日 (金)

新薬特許の信託 日経一面に載ってたこと

 信託大好きおばちゃんのお家は、マンションの9階で新聞は1階の郵便受けに入れられるんです。でいつも取りに行くのは、朝7時から近所のプールで1キロ泳いで、戻ってから。だからいつも最新の情報が遅れるんです。

 で、今日もそのパターンでして、 最近 わたくし、めでたく失業者(笑)になりまして、時間があるので、もう一本書きます。

 ついでにと言ってはなんですか。わたしブログを読んでいただいてもおわかりのように文章を書くのが大好きです。 専門的な文章を書くお仕事で、信託おばちゃんでもいいとお思いの方、ぜひ紹介してくださいね♪ 以上 若干の営業を。。。

 今日の日経の一面に新薬特許 ネットで売買 知財信託活用ってありますね。

ベンチャー企業や大学の持つ特許権を三菱UFJ信託に信託し、その情報を専用サイトで公開、 この特許はいける!と判断した大手製薬会社が、三菱UFJから特許の使用許可を受けて利用、ロイヤリティを支払う。そのロイヤリティから手数料を差引いて、受益者であるベンチャー大学に支払う。

 信託の形はいたってシンプルな 自益信託 委託者=受益者 で、かつ受益者の変更がないやつ。

 この知財信託を利用するメリットは、

◎自分のところの特許のユーザーが見つけられず、宝の持ち腐れになるところを信託を利用し、ネットである程度公開することにより、ユーザー(金主)を見つけられる。

◎特許権の侵害とかが起こったとき、専門家を雇う財力がないベンチャー企業のかわりに、受託者である信託銀行が退治することができる。

ただこれについては以前になんども書いているように、受託者に特許権の名義が移った場合、侵害した第三者に対して請求できる損害賠償の範囲が、自分で持つより狭まるという問題があります。

ベンチャー企業のようにそもそもこういう分野の専門家を持てない場合は、信託を使うメリットの方が多いかもしれませんが、自分のところで法律の専門家をなんぼでも雇える大企業の場合は、損害賠償の範囲が狭まるリスクの方が大きいからこの手法はとらないでしょう。

大企業も将来的には知財信託に参入すると思うけど、その時は、自益信託でしょうけど、信託受益権を販売して投下資本の回収という方法をとるでしょう。

信託受益権の有価証券化がそれを促すでしょう。ただ税制に関しては、この辺ファジー、いまのままでは何もできなくなるので、この辺が改正されて本当に動き出すのでしょうね♪

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アメリカ法人が日本版LLPに出資した場合の受取配当の源泉税は何パーセント?

 今日も非常にテクニカルかつグローバルかつ長文です。いつも長文ですみません。指が動いてしまうのです。中身はコンソメですが、

 有限責任事業組合(以下日本版LLP)というのは、組合員のうち1人は、日本の居住者か日本の法人じゃないといけないですね(有責法3②)。ということは、日本法人と外国法人がジョイントで日本版LLPを組成できますね。

 もしこの日本版LLPが事業がうまくいって儲かったら、決められた配賦割合で利益が按分されますね。外国法人に按分された利益については、たとえ儲けを現金で分配しなくても、20%の税率で源泉税課税がされる可能性があります。

 20%の源泉税が課税されるポイントはいろいろありますが、最大のポイントは日本版LLPが日本にPE(permanent equipment 恒久的施設)を有しているかです。

 ここらへんは実質どうかというグレーなところですが、日本版LLPは登記をすること、1人以上は日本の居住者、内国法人であること、組合員全員が業務を執行することとなってるから、日本に事業の拠点があると通常はとらえられるので、PEが日本にあるととらえられそうですね。

 で、話はここで終わらず、次の展開があります。 この日本版LLPが実は非上場の日本法人の株式を保有し、大儲けをして莫大な配当をもらった。この配当に対する源泉税のうち、外国法人に配賦された配当に対する部分の源泉に日米租税条約の適用はあるのか?

 2国間の税金をどうするかというルールで最優先は、租税条約でその次が国内法です。日本法人の株式を米国法人が直接所有しているような場合は、持株比率により配当の源泉税率は変わります。子会社の場合は、源泉税は0 あと持株比率に応じて 5% 10%

 で次に問題になるのが、日本法人の株式を米国法人が直接持たず、その間にLLPだのGPSだのLPSだのLLCだの ようするに法人でも個人でもない事業体をかました場合はどうなるのか? 特に日本と米国でその事業体に対する課税の方法が異なる場合(たとえば日本では法人ととらえ、米国では法人ではなく組合ととらえる)はどうなるのかを日米租税条約では規定してます。

 もう1つ大切な情報が、米国ではCheck-the-Box Regulation というルールがあって、事業体それ自体を1つの納税義務者として法人税をかけるか、その事業体をパススルーさせて組合員に課税させるかを、納税義務者が選択できる制度があるんです。日本じゃ絶対考えられないけどね。

 本件で日本版LLPの出資者である米国法人が事業体課税を選択したか、構成員課税を選択したかがまず問題になります。

 事業体課税を選択した場合、米国法人がこの日本版LLPを日本法人と考えたととらえるから、この場合は租税条約の特典が与えられません(日米租税条約4⑥(e)).

では次に構成員課税を選択したらどうなるか。日本版LLPは日本では構成員課税のものであり、米国でも構成員課税を選択したということになるから、これは日本の法人の株式を米国法人が直接所有しているということになるから、日米租税条約の特典を受けて、持株比率に応じ 0だ5%だ10%だとなる。これが正解となるところなのですが、、、

ここでにょきにょきと日本版LLPが日本にPEを有しているという問題が持ち上がってくるのです。

 日米租税条約10条⑦によると 「1から3までの規定は、一方の締約国の居住者である配当の受益者が、当該配当を支払う法人が居住者とされる他方の締約国内において当該他方の締約国内にある恒久的施設を通じて事業を行う場合において、当該配当の支払の基因となった株式その他の持分が当該恒久的施設と実質的な関連を有するものであるときは、適用しない。この場合には、第7条の規定を適用する。」

 つまりPEがあり、PEと実質的な関連がある場合は、配当の規定でなく7条つまり事業所得の課税となります。事業所得の課税というのは、日本に課税権があるから、日本の国内法で課税していいよ。ということは、配当の源泉税については、通常の20%課税となるのではないでしょうか。

 PEと実質的な関連があるというのを納税者サイドで否定するのは難しいかもしれません。事業とは全然関係なく、たまたま日本の株式を所有していて、それがあたって大儲けしたと説得していくのでしょうか。これでOKならいいのですが♪

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2006年4月13日 (木)

利益参加型社債 ケイマンスキーム Ver2

 2006.3.6に利益参加型社債のケイマンスキームを書きました。

 昨日 宮田房枝、香取雅夫五十嵐一徳 編著 「日本版LLP 実務ハンドブック」を読んでると、このスキームっぽいのが載ってました。ほとんど私がさくっと書いたのと変わらなかったのですが、一つ重要な平成17年改正を見落としてました。

  外国投資信託というのは、法人税法でいう投資信託グループにはいり、この投資信託の利益には、法人税は課税されず、最終的に投資家が分配金を受取った時点で、所得税、法人税が投資家サイドで課せられます。

 でも外国投資信託の利益のうち、その外国投資信託がタックスヘイブン国(法人税率25%以下の国)で作ったようなやつに関しては、その利益を投資家の所得として合算して、日本で税金をかけましょうというものです。

 で、このタックスヘイブン税制にひっかかるような利益参加型社債を受取った場合、個人はその利益を雑所得として申告しないといけないみたいです。後で税金払えと言ってきたら、投資家は怒るでしょうね♪

 もちろんケイマンに作ったらなんでもかんでもタックスヘイブン税制の対象になるとは限らないのですが、可能性は高い。そうなるともう利益参加型社債 ケイマンスキームは使えないのかもしれません。

 会社法が施行されると、株式会社だけでなく、特例有限会社、持分会社でも社債を発行できるようになると思うので、今後は華麗なケイマンスキームなんかやらず、地道に日本で発行するようになるかもしれませんね♪

以下前回のコピペ-------------------------------------------------

① 日本国内にspcを作って、そこが不動産の信託受益権を購入する。

② spcは不動産の購入資金を調達するためにケイマンの会社と匿名組合契約を結ぶ

③ 匿名組合契約を結んだケイマンの会社は利益参加型社債を発行してファンドが引き受ける。

④ このファンドの出資者を投資家からつのる。

 ⑤spcで取得した不動産の受益権に関して、収益がでたら、匿名組合契約に基づき分配金をケイマンの会社に支払う。

⑥ ケイマンの会社が利益参加型社債発行しているので、利益に応じて利子をファンドに支払う。

⑦ファンドが投資家に利益を分配する。

 で、税制がからむところでメインの匿名組合と、ケイマンのところですが

☆ 匿名組合の分配金は、営業者の税金の計算上損金となるから、spcで、収益があがっても分配金分だけ差引いて税金の計算ができる。

☆ ただし、匿名組合の分配金を外国法人(ケイマン会社)に支払った場合、20%の源泉税が差引かれる。ケイマンとは租税条約を結んでいないので、非課税にはならない。

☆おそらくケイマンの会社は東京支店を設けていると思う。この場合20%の源泉がとられても、確定申告で精算される。 PEがある場合の免除の規定は、匿名組合の分配金にはあてはまらない。

☆ケイマンの東京支店の所得を計算する時、収益として、分配金が計上されるけれども、利益参加型社債を支払った場合、その部分については損金として差引いて税金を計算できる。国内所得を生むための必要経費みたいなもんだから。したがって、所得はかなり圧縮できる。

☆ケイマンは外国の会社であり、日本の国内法では外国の法人が発行した社債の利子は、源泉をとわず、国外源泉所得となるから日本の源泉税の対象にはならない。

☆ケイマンの会社の税金について、東京支店部分は、日本の税法で税金がかかるかもしれないが、ケイマンではかからない。

☆ケイマンの会社から利子を支払うときに、ケイマンで源泉はかからない。

☆ただし日本の投資家がファンドから利子なのか配当なのかわからないけど、受取った場合は、その時点で日本のルールにのって源泉税がかかる。

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2006年4月12日 (水)

非適格組織再編と組合損失超過合計額

 今日の話は、いつも以上に非常にマニアックで、かつ いつも以上に長文です。 

ですが、もし法律を作っている系の人がご覧になっていたら、どこかで回答していただけませんか。

 LLP(有限責任事業組合)等で生じた損失というのは、パススルーできて、いくらでも構成員である組合員の所得と相殺できるとすると、いくらでも租税回避ができるので制限が設けられています。

 組合員が法人である場合の制限として、調整出資金額(組合に出資した金額に、組合で稼いだ利益の配賦分を加え損失を引いたようなもの)までしか損金になりません。超える部分(組合損失超過合計額)はキャリーされ、将来組合利益が生じたようなときに損失を相殺できます。

 また、組合の出資持分を譲渡したような場合は、その時点で全額損金算入可能です(改正税法のすべて平成17年版 P282)。

 さて、本題は、LLP等の組合員である法人が組織再編を行った場合でその組織再編が税法でいう非適格であった場合、組合損失超過額がどうなるのかという問題です。

 すなわち 非適格合併、非適格分割型分割の場合の組合損失超過合計額は、合併期日、分割期日の前日を含む事業年度で損金算入がOKなのか。条文を素直に読むと、そうじゃないようにもとれるのではっきりして欲しいということです。

以下非適格合併、非適格分割型分割、非適格分社型分割に区分して書いてます。

◎ 非適格合併の場合

    -----I------I--------------------I--------------------

         X1.3.31   X1.4.1                         X2.4.1

  3月決算法人が、X1.4.1合併期日で合併により消滅します。X1.3.31現在、LLPの組合損失超過合計額を有しています。

  非適格合併の場合、組合損失超過合計額を合併法人に引継ぐことは出来ません(措令39の32⑦)。また、被合併法人において、承継の日を含む事業年度後の事業年度において組合損失超過額はないものとする(措令39の32⑥)ということは、合併期日が承継の日と考えるから、X2.4.1以後の事業年度は組合損失超過額はないということです。ではX1.4.1の事業年度に組合損失超過額を損金算入できるかというと、この日には消滅しているから損金算入できません。

 ではX1.3.31に損金算入できるのでしょうか? 非適格合併の場合は、合併の日の前日に譲渡があったものとみなして含み損益を実現させます(法法62①、②)。この組合の出資金は、合併期日の前日に時価譲渡による譲渡利益または譲渡損失を計上すると思うのですが、そのときに組合損失超過額の損金算入もセットと考えていいのでしょうか。

 譲渡はX1.4.1だけども、この日は会社がないから前日にもっていったてことですよね。組合損失超過合計額は、いわゆる資産とか負債のように譲渡の対象になるものではないけど、出資金とくっついたものだから損失実現はX1,3,31でOKというのが可能でしょうか。

◎ 非適格分割型分割

-----I------I--------------------I--------------------

         X1.3.31   X1.4.1                         X2.4.1

  3月決算法人が、X1.4.1分割期日で、事業の一部を分割し、分割会社から対価として株式をその法人の株主にわたします。 X1.3.31現在、LLPの組合損失超過合計額を有しています。

 非適格分割型分割の場合、組合損失超過合計額を承継法人に引継ぐことは出来ません(措令39の32⑦)。また、分割法人において、承継の日を含む事業年度後の事業年度において組合損失超過額はないものとする(措令39の32⑥)ということは、分割期日が承継の日と考えるから、X2.4.1以後の事業年度は組合損失超過額はないということです。ではX1.4.1の事業年度に組合損失超過合計額を損金算入できるかというと、合併と異なり分割法人は存続し続けるから、損金算入は可能です。

 しかし非適格分割型分割の場合、分割期日の前日で、含み損益が実現することになります。もし組合損失超過合計額の損金算入がX2.3.31期であると、含み損益の実現はX1.3.31であることから、この部分だけ1期ずれてしまいます。整合性を保つために非適格分割の場合の組合損失超過合計額の損金算入時期は、LLPの出資金の含み損益の実現と同様にX1.3.31でよいと考えるのがいいのでしょうか。

◎非適格分社型分割

-----I------I--------------------I--------------------

         X1.3.31   X1.4.1                         X2.4.1

  3月決算法人が、X1.4.1分割期日で、事業の一部を分割し、分割会社から対価として株式を受取ります。 X1.3.31現在、LLPの組合損失超過合計額を有しています。

 非適格分社型分割の場合、組合損失超過合計額を承継法人に引継ぐことは出来ません(措令39の32⑦)。また、分割法人において、承継の日を含む事業年度後の事業年度において組合損失超過額はないものとする(措令39の32⑥)ということは、分割期日が承継の日と考えるから、X2.4.1以後の事業年度は組合損失超過額はないということです。ではX1.4.1の含まれる事業年度に組合損失超過合計額を損金算入できるかというと、合併と異なり分割法人は存続し続けるから、損金算入は可能です。

 また非適格分社型分割の場合の、含み損益の実現は、合併や分割型分割と異なり承継の日つまり分社の日(X1.4.1)に実現するので、組合損失超過合計額の損金算入と同時事業年度実現で、整合性がとれます。

 

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2006年4月11日 (火)

信託は 印紙税がとってもお得

 最近、不動産そのものを譲渡するのではなく、信託を設定して、信託受益権を譲渡するのが流行ってます。なぜ流行っているのか? 原因はいろいろあるのですが、その1つというか最大の原因が、流通にまつわる税金が安いこと

 流通にまつわる税金の1つとして印紙税があります。ほら、契約書に貼るやつです。

 どのくらい安いか?

 まず 信託を設定した時ですが、これは1通につき 200円なんですね(印紙税法別表第一12号)。

 それで信託受益権を譲渡した場合も 1通につき200円(印紙税法別表第一15号)。

 個人が領収書をもらった場合は、不動産の売買を事業として営んでいるような場合を除き、営業に関しない受取書とみなされ、非課税として実務的には扱われてるみたいですね(印紙税法別表17②)。不動産賃貸を業としてる個人が、その不動産を譲渡したときの受取書も(自宅を売却したときと)非課税のようです。

 法人の場合は金額基準で、1億円なら20,000円でしょうね。

 で、もし生の不動産を譲渡した場合

 たとえば個人が不動産を1億円で譲渡した場合はいくら印紙税かかかるかというと

 原則は 60,000円 ただし平成19年3月日までの譲渡の場合は、45,000円(印紙税法別表第一1号)。

 1億円の不動産を 信託して信託受益権を譲渡した場合の印紙税のコストは200円+200円=400円

 平成19年3月31日までの譲渡なら 44,600円 お得

 平成19年4月1日以後の譲渡なら  59,600円 お得♪

 

 

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2006年4月10日 (月)

信託税制の不思議 贈与税より先に所得税を払う?

 信託の税制って、いろいろ不思議なものがあります。そのうちの1つを書きます。

 信託というのは、ある人(委託者)が財産を ある人(受託者)に預けて、運用してもらい、その利益をある人(受益者)にわたすシステムです。

 委託者=受益者のような信託を自己信託といい、 委託者≠受益者のような信託を他益信託といいます。

 信託財産について生じた収益に対する税金というのは、誰が払うのかというと、受益者が特定している場合は、その受益者、 受益者が特定していない場合、不存在の場合は、委託者が払います。

 この受益者が特定しているというのがくせもので、たとえばお父さんが子供(10歳)のために財産を信託して、その子が20歳になったら、利益を分配するという信託を設定します。

 10歳から20歳までの間も、信託財産から利益を生み出した場合、その利益に対しては、原則的には(本文信託といわれる信託の場合は)、発生時に所得税がかかります(所得税法13①一)。

 つまり子供は利益を受けないのに税金がかかります。

 ところでお父さんが子供を受益者とするような信託を設定した場合は、お父さんが子供に利益をプレゼントしたと考えるので、贈与税やら設定の方法によっては相続税がかかります。

 それでは子供が20才になったら信託から生ずる利益を分配するというような信託の場合、いつ贈与税が課税されるかというと、子供が10歳の時ではなく、子供が20歳になったときなんです(相続税法4②四)。

 つまり 20歳になるまで、先行して子供は、受取っていない信託財産の利益に対して所得税を払い、20歳になると贈与税を支払うというような不思議な現象が起きていしまいます。

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所得税法 第13条 信託財産に係る収入及び支出の帰属

信託財産に帰せられる収入及び支出については、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に掲げる者がその信託財産を有するものとみなして、この法律の規定を適用する。ただし、合同運用信託、投資信託、特定目的信託又は法人税法第84条第1項(退職年金等積立金の額の計算)に規定する厚生年金基金契約、確定給付年金資産管理運用契約、確定給付年金基金資産運用契約、勤労者財産形成給付契約若しくは勤労者財産形成基金給付契約、国民年金基金若しくは国民年金基金連合会の締結した国民年金法第128条第3項(基金の業務)若しくは第137条の15第4項(連合会の業務)に規定する契約若しくはこれらに類する退職年金に関する契約で政令で定めるものに係る信託の信託財産に帰せられる収入及び支出については、この限りでない。。

  • 一 受益者が特定している場合 その受益者
  • 二 受益者が特定していない場合又は存在していない場合 その信託財産に係る信託の委託者

相続税法第4条 贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合(信託財産)

信託行為があつた場合において、委託者以外の者が信託(退職年金の支給を目的とする信託その他の信託で政令で定めるものを除く。以下同じ。)の利益の全部又は一部についての受益者であるときは、当該信託行為があつた時において、当該受益者が、その信託の利益を受ける権利(受益者が信託の利益の一部を受ける場合には、当該信託の利益を受ける権利のうちその受ける利益に相当する部分。以下この条において同じ。)を当該委託者から贈与(当該信託行為が遺言によりなされた場合には、遺贈)により取得したものとみなす。

令1の3 〔通達55-2〕

2 次の各号に掲げる信託について、当該各号に掲げる事由が生じたため委託者以外の者が信託の利益の全部又は一部についての受益者となつた場合においては、その事由が生じた時において、当該受益者となつた者が、その信託の利益を受ける権利を当該委託者から贈与(第一号の受益者の変更が遺言によりなされた場合又は第四号の条件が委託者の死亡である場合には、遺贈)により取得したものとみなす。

  • 一 委託者が受益者である信託について、受益者が変更されたこと。
  • 二 信託行為により受益者として指定された者が受益の意思表示をしていないため受益者が確定していない信託について、受益者が確定したこと。
  • 三 受益者が特定していない、又は存在していない信託について、受益者が特定し、又は存在するに至つたこと。
  • 四 停止条件付で信託の利益を受ける権利を与えることとしている信託について、その条件が成就したこと。

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2006年4月 9日 (日)

日本企業の特許戦略はグローバル

 なんとなく朝 鈴木公明 「知財評価の基本と仕組みがよーくわかる本」 秀和システムをぼーっと読んでいました。

 ここで初めて知ったのですが、知的財産報告書というIR活動の一環の報告書があるそうですね。任意ですが、企業がどのような知財戦略を持ち、それが事業戦略と関連付けられているのかを表したもののようです。

 たまたまぐーぐるったら東芝の知的財産報告書が載っており、東芝では、日本だけでなく、米国や中国にも積極的に特許を出願しているようです。

 そしてその中で 「米国登録特許件数(2004 年)*USPTO 公表データ」というのがあります。これによると

 1. IBM 3,248

 2. 松下電器 1,934

   3. キャノン 1,805

 4. HP    1,775

 5. マイクロン 1,760

 6. 三星    1,604

 7. インテル  1,601

 8. 日立    1,514

 9. 東芝    1,311

 10.ソニー    1,305

 というように 2、3、 8,9,10位は日本企業がとってます。 日本企業は知財戦略が遅れているというイメージがあったのですが、驚きです。

 日本企業の特許出願件数をみていると、日本企業がいっぱい中国に進出して、技術立国が空洞化されているといわれても、技術の肝の部分はしっかりキープしているというか、前からキープはしていたけど、法的にも確たるものにしようという戦略が根付いてきたのでしょうね♪

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2006年4月 8日 (土)

米国では信託は相続対策の王道 probate

実は、信託大好きおばちゃんは、名刺には多分書かないと思うけど、日本のCFP(サーティフィケード ファイナンシャル プランナー)という資格を持ってます。

この資格を持っていると、毎月Journal of Financial Planningという雑誌が送られてきます。

この2006.4月号に米国CFP資格挑戦記という記事があり、ただいま米国のCFPをめざしている一万田陽子さんが書いていらっしゃいます。

この中で、米国では信託は相続対策の王道として、いくつか例を簡単に紹介してます。

 信託がなぜ米国で王道になった理由として、相続税と信託の税金の計算方法が似ているというのがあります。

 米国の相続税の納税義務者が日本のように相続人ではなく、被相続人です。その被相続人の相続財産を1つの納税主体として相続税を計算します。

一方信託財産の収益を1つの納税主体として計算します。

つまり両者は非常に似ているので、信託を利用しやすいのでしょう。

 また信託を利用することによって アメリカの相続では必要不可欠な検認手続(probate)をしなくてよいという理由があるようです。

 probateってなんだ? これは、相続が開始されると、遺言があるか否かを問わず、原則的には、遺産については検認手続(probate)が必要になります。これは、遺言の効力の確定と遺産の管理および分配という死者の財産の清算を裁判所の監督のもとで行う手続です(注1)。

 この手続による問題点は以下の3つです。

◎裁判所がからむので時間がかかる。

◎裁判所の費用やら弁護士の費用やらもろもろの費用がかかる。

◎裁判所の手続なので、遺言の内容や、家族の記録や、ようするに人に見せたくない どろどろした家族の闇が白日のもとにさらされる。

 これらは厳しいですよね。 特に金持ちにとって三番目はきつい。

 これらの問題点が信託 とくに撤回可能信託といって、委託者がいつでも信託やめたといえるようなやつを利用することによって解決できるそうです。

 なんでも100万ドルの遺産で、撤回可能信託を利用したらコストが1万1千ドルの節約になるようです(注2)。

 そりゃ、はやるわ♪

注1 大塚正民、樋口範雄 編著 現代アメリカ信託法 P92 有信堂

注2 Shaffer & Mooney, supra note 4, at 319

 

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2006年4月 7日 (金)

JPモルガン信託 お仕置だ!

 昨日(H18.4.6)の日経新聞を読んでいたら、JPモルガン信託の不動産信託 半年、業務停止にという記事が載ってました。JPモルガン信託銀行だけでなく、グループ金融機関も業務改善命令、業務停止命令などを受けるようです。

 なんとなく肌で感じているのですが、最近は、不動産を直接売買せずに、信託受益権で売買したりするケースをよくみかけます。またTK-YKスキームを筆頭に不動産の流動化、証券化の話もよく聞きます。不動産まわりに関しては、信託受益権を利用する手法が、一般化されてきたのかなあって思います。

 で、こんな不動産の信託ビジネスの中で、一円でも多く儲けてやろうと思うのは、あたりまえのことですが、JPモルガン信託は、やりすぎたのでしょう。外資は業績評価が厳しいのでそうならざるを得ない風潮だったとも思いますが、

 記事によると、不動産を委託者から信託する際の審査がずさんで、違法建築や評価をかさ上げした物件まで受けれていたようです。

 信託業法28条2項においては、「信託会社は、信託の本旨にしたがい善良な管理者の注意をもって信託業務を行わなければならない」とされています。この善良な管理者の注意の中に資産査定もあるはずだ!ということですが、そうは書いていないので、善管注意義務のout of 範疇と解釈してつっぱしったのではないかと記事では書いてますね。

 信託を設定しても、当初の委託者=受益者であるならば、別に違法建築だろうとなんだろうと、自己責任!なのかもしれませんが、信託受益権というのは、譲渡可能ですよね。相対取引での譲渡も可能なら、この信託受益権をTMK等に売却して、この資産を担保に発行する社債等を投資家に販売することも可能です。

 もしこの信託受益権の中の不動産に瑕疵があった場合は、信託受益権を買った投資家は将来、損失を負うリスクが生じます。

 今後信託受益権が有価証券化され、金融自由化の総仕上げとして世に広まることが予想されるのに、ババ信託受益権がいっぱい登場したら大変なことになってしまう。

 だから今回は見せしめの意味もこめて厳しいお仕置をしたのでしょう。

 金融庁は、あいまいな規定だと、また何をしでかすかわからないから、指針を改正して信託する資産の査定(例えば法的に問題がないか)をするよう要求するようです。

 金融自由化の実現のためには、透明なマーケットの構築が必要、そのためには発行者側には凛とした自己管理が、投資家側には、凛とした自己責任が求められるということでしょうね♪

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2006年4月 6日 (木)

なぜ受益者がいないなら委託者課税なのか?

 今日は、朝起きるのが遅かったので(笑)、信託の税法をちょこっと書きます。

 信託法というのは大正11年に施行された伝統あるものなのですが、この信託法に関連した税法というのは、少なく、接木のように新商品がでるたんびに作ったところがあるので、信託関連商品に対する税法の規定の整合性はあんまりとれてません。

 でその信託の税法の基本になるのが、所得税法でいうと13条 この中で、原則として、受益者が所得を有するとして所得税課税がなされるのですが、もし受益者が不特定の場合または、不存在の場合は、委託者が信託から生ずる所得の課税を受けることになるのです。

 原則的に受益者が課税というのは大正11年に施行された所得税法においても定められているのですが、当初は、受益者が不特定または不存在の場合は、受託者課税されていました。

 それが昭和15年の税制改正で、受益者が不特定又は不存在の場合は、委託者課税になるとしました。

 これはなぜかというと委託者が信託を利用して租税回避を行うことを避けるためです。つまり、大金持ちである委託者が、将来生まれてくる子孫を対象に財産を信託します。将来生まれている子だから、受益者不存在となるので、受託者課税になります。この結果、大金持ちの財産は減り、当然信託から生ずる所得に対して税金を払う必要もなくなるというようなことをしでかさないようにしたのでしょう。

 このような受益者不存在のような信託を設計するのは、租税回避の意図が委託者にあり、契約をつぶさに検討すると本来なら信託を設定すると、財産に対するコントロール機能は、委託者の手からはずれるが、このような信託の場合ははずれないはずだ。だから委託者課税をして何がおかしい。。。 となったのでしょうね。

 でもこの受益者不存在、不特定の場合の委託者課税というのは、非常に疑問に思うわけです。だって実質的には、所得を得ない人に対して、税金だけ課す制度でしょ。

所得税法第13条 信託財産に係る収入及び支出の帰属

信託財産に帰せられる収入及び支出については、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に掲げる者がその信託財産を有するものとみなして、この法律の規定を適用する。ただし、合同運用信託、投資信託、特定目的信託又は法人税法第84条第1項(退職年金等積立金の額の計算)に規定する厚生年金基金契約、確定給付年金資産管理運用契約、確定給付年金基金資産運用契約、勤労者財産形成給付契約若しくは勤労者財産形成基金給付契約、国民年金基金若しくは国民年金基金連合会の締結した国民年金法第128条第3項(基金の業務)若しくは第137条の15第4項(連合会の業務)に規定する契約若しくはこれらに類する退職年金に関する契約で政令で定めるものに係る信託の信託財産に帰せられる収入及び支出については、この限りでない。。

  • 一 受益者が特定している場合 その受益者
  • 二 受益者が特定していない場合又は存在していない場合 その信託財産に係る信託の委託者

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2006年4月 5日 (水)

TMKの作り方

 今朝、布団の中で真剣に読んでいた本があります。それは、編著 社団法人 大阪府宅地建物取引業協会 北区支部 「OSAKA発 特定目的会社 北区不動産会館のすべて」住宅新報社です。

  これは、大阪の不動産業者さんが中心となって、本当にTMK(特定目的会社)を作ったときのデータを開示している本です。TMKの本とかとまると、法律の規定が整然と書いてあって、というのが通常ですが、この本は、実務で携わった人の頭脳に掻いた汗のほとばしりを感じます。

 TMKというのは資産の流動化に関する法律に基づいて作られた、証券化のために作られた会社のことです。この会社を作って、証券化し、投資家に販売するのは、大変な手間やコストがかかるので、いわゆるTK-YK方式という 有限会社に信託受益権を譲渡して、その有限会社を営業者とする匿名組合を組成し、出資をつのるという方法が広まったのだと思います。

 私がぱらぱらっと布団の中で読んで、突き刺さったところを自分なりに書くと

 TMKを使うメリットとして、一定の要件を満たす場合は、投資家に対して支払う配当は損金算入できるんですね。

 その要件として 次のいずれかを満たすことというのがあります。

次のいずれかに該当するものであること。

  • (1) その発行(当該発行に係る証券取引法第2条第3項に規定する有価証券の募集が、同項に規定する勧誘であつて同項第1号に掲げる場合に該当するものに限る。)をした特定社債券(資産流動化法第2条第9項に規定する特定社債券(同条第8項に規定する特定短期社債につき発行をした債券を除く。)をいう。以下この項において同じ。)の発行価額の総額が1億円以上であるもの
  • (2) その発行をした特定社債券が証券取引法第2条第3項第1号に規定する適格機関投資家(以下この号において「適格機関投資家」という。)のみによつて引き受けられたもの
  • (3) その発行をした優先出資証券(資産流動化法第2条第9項に規定する優先出資証券をいう。以下この号において同じ。)が50人以上の者によつて引き受けられたもの
  • (4) その発行をした優先出資証券が適格機関投資家のみによつて引き受けられたもの  

  (租税特別措置法67の14①一ロ)

この事例では(3)を満たすような優先出資証券を発行しています。

 1億円以下の特定社債(本件の場合8,000万円)を発行する場合には、特定社債管理会社を定め、債権の保全等特定社債の管理を委託しないといけないそうですが、そのためコスト(イニシャルコスト500万円 ランニング年間300万円くらい)が高すぎて、わりにあわないから発行できない(上記書籍 P19)

 出資者は、不動産業者を念頭においていたので、適格機関投資家のみにはあてはまらいからこの要件は満たせない。

 で、優先出資証券で50名以上の出資者をつのったのですが、税務上の論点として、いつの時点で50名以上なければいけないかというのがあります。ずっとなのか 出資払込時点なのか、配当時点なのか?

 これについては、国税局に相談に行かれて、その回答として

 資産の流動化計画の全計画期間を通じてである。(上記書 P23)

 頭脳に掻いた汗を感じます。 また機会があれば熟読したいと思います♪

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2006年4月 4日 (火)

株式交換でのれんが計上される場合って何?

 今朝は、布団の中で、法務省民事局付郡谷大輔氏の会社法施行規則(計算関係)及び会社計算規則について 週刊経営財務 No2765 第2分冊を読んでいました。

 昨年末から実は、会社計算規則について 特に組織再編周りについて、お上が出してきた案の日本語がよくわからなくって 悩んでました。 何をいってるのかさっぱりわからないんだもん。

 で、会社計算規則のほんちゃんがでてきて、おそらくこの規則の立案者だろう郡谷さんの解説がでました。

 郡谷さんは、この中で 旧商法では認められない株式交換、移転のような場合ののれんも計上されるとして 条文も下記のように用意されています。

???でも株式交換、移転でのれんが想定されるってどういう場合だろう?

 条文を読んでいると、対価が完全親会社の株式じゃない場合を前提にしてますよね。

 なるほど、株式交換の対価を現金にすることもできます。でも共通支配下の取引(たとえば親子会社間)で株式交換をし、少数株主に対して現金を対価に株式交換しても、この取引は、グループからみると外部取引だから、時価で計上せよ!となって 完全子会社株式の取得価額=現金となるからのれんが入る余地はありませんよね。

 パーチェス法も同じ。 で、プーリング法を念頭にしているのかなと考えたのですが、そもそも現金なんかを対価にしたらプーリング法は使えなくなりますよね。

 何を想定しているのでしょうか?

 第20条 

 株式交換完全子会社の株式につき株式交換完全親会社が付すべき帳簿価額(第31条本文の規定により計上する負債の額を含む。)を株式交換完全子会社株式簿価評価額【子会社の簿価純資産。ただし、株式交換完全親会社が株式交換完全子会社の株式を有する場合は、それを差し引いた金額】をもって算定すべき場合において、次の各号に掲げるときは、株式交換完全親会社は、株式交換に際して、当該各号に定めるのれんを計上することができる。ただし、吸収型再編対価の一部が株式交換完全親会社の株式である場合には、第1号に定めるのれんは、吸収型再編対価簿価を超えて計上することはできない。

 ◆1 株式交換完全子会社簿価株主資本額【子会社の簿価純資産】が吸収型再編対価簿価未満である場合(吸収型再編対価の全部が株式交換完全親会社の株式である場合を除く。) その差額に対応する部分についての資産としてののれん

 ◆2 株式交換完全子会社簿価株主資本額が吸収型再編対価簿価以上である場合(吸収型再編対価の全部又は一部が株式交換完全親会社の株式である場合を除く。) その差額に対応する部分についての負債としてののれん

一応 郡谷さんの解説(経営財務 No2765 P47)をコピーぺ

 本条は、株式交換の場合において、取得する子会社の株式を、子会社の簿価純資産額を基準に算定する場合である。

 この場合には、交付した対価と簿価純資産額の差額は、のれんで埋めることとなる。

 1号は、交付した対価が高い場合には、資産としてののれんを計上する。ただし、対価の全部が株式交換完全親会社の株式であれば、利益剰余金のマイナスとなる。

  また、対価の一部が株式交換完全親会社の株式であれば、対価相当額までのれんで埋め、簿価純資産額のマイナス相当部分は、利益剰余金のマイナスとなる。

 2号は、交付した対価が安い場合は、差額は全部のれんで埋める。(ただし、対価に株式が混じれば、払込資本で埋める)。                        

 うーーーーーーーーん イメージがわかない。。。。。

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2006年4月 3日 (月)

浪費者信託!

朝起きて、今日のねたを布団の中で考えようと、樋口範雄「アメリカ信託法ノート」弘文堂を読んでました。目にささったのが 浪費者信託!という言葉

 結構章を割いて書いているのですが、ぼーっとしていたので読み込んでません。

 浪費者信託っていうのは、たぶんお金持ちの人が、かわいいどら息子(娘)のために設定するような信託って感じがします。ようするに自分の財産を信託して、受益者を浪費家の子供にする。信託財産から、子供の生活資金などを月々渡す。子供は浪費家でとんでもないから、いつ何時受益権を売り払って、遊興費にあてられちゃうかわからない。それはかなわない!ということで、他の人に譲渡できないように設計している信託

 受益権の譲渡や差押さえを信託条項で明示して禁止するような信託 実際には、浪費家のためというようなものではないのですが、受益者の軽率な行為により財産がなくなってしまうのを防ぎたいという委託者の愛情が底に流れているような信託です。

 ただこの信託は 委託者≠受益者であるような信託では有効ですが、委託者=受益者であるような信託では無効です。

 この信託によると、たとえば浪費信託の受益者が破産した場合、破産管財人は、この受益権を差し押さえられないという凄いパワーを秘めています。

 これは、アメリカの多くの州では認められているようですが、日本の信託では設計できるのでしょうか?

譲渡禁止というのは設計できると思うのです。根拠は信託法93条の逆読み

受益者の債権者からの差押さえ禁止ですが、これに該当する条文は見つからないような気がします。 委託者の債権者からの差押さえ禁止、受託者の債権者からの差押さえ禁止は確認できるのですが、(信託法11、12条あたりの逆読みとか、23条とか)

したがって日本では浪費者信託は、譲渡禁止しか設計できないのでは?

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2006年4月 2日 (日)

カプコンさま 17億円也

 先週、新聞やテレビで話題になってましたが、カプコンが移転価格税制で追徴税を17億円払いました。これが不満で不服申し立てをするそうですが、

カプコンのプレスリリースによると下記のようです

「移転価格税制に基づく更正通知の受領について 平成18年3月31日

 本日、当社は、大阪国税局より、当社と海外子会社との間の平成12年3月期から平成17年3月期までの取引に関して、取引価格が独立企業間価格と異なるという当局の判断により、移転価格税制に基づく更正処分の通知を受領しました。更正された所得金額は51億円で、追徴税額は地方税等を含め、合計約17億円と試算されます。

 当社としましては、海外子会社との取引価格はあくまで適正であり、各国において適正な申告、納税を行ってきたと考えております。したがって、今回の大阪国税局による更正処分は遺憾であり、不服申立てを行います。

 今後、公正な手続きの中で当社の主張が認められ、当社として納得できる結論が得られるよう努めてまいります。 」

 これは移転価格税制といって、海外の関連会社との取引価格が、第三者間取引価格と差異がある場合、 たとえば同じ製品を海外関連会社には100円で売り、第三者には200円で売ったようなときは、差額100円は、海外子会社に、意図的に利益を移転させたとして、日本で追加の税金をかけるような制度です。日本だけでなく、海外の国々も同じような制度をもうけています。

 このような場合の納税者の救済方法としては2種類あります。

1つは、国内の方法で、異議申し立てをお上に申し出る。これは、期限があって、処分の通知を受けてから2ヶ月以内。 この異議申し立てに対するお上の決定に関して不服がある場合は、国税不服審判所に、異議決定書の謄本の送達があつた日から1月以内に審査請求ができます。この審判所の決定に不満な場合は、裁判へと 地裁→高裁→最高裁

もう1つは 相互協議といって、租税条約のルールに基づいて、移転価格の対象となった外国のお上と日本のお上が協議をしてもらって、日本で追加で支払った税金に相当する所得について、外国で、減額してもらって、外国で支払った税金を返してもらうという制度です。

相互協議は、時間がかかるし、外国のお上との話し合いが決裂するリスクもあるので、通常は、上記2本立てで、手続を進めていくようです。

カプコンは国税当局に不服申し立てを行った旨だけを書いているのですが、これは相互協議はしないということなのでしょうか?

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2006年4月 1日 (土)

会社「経理、財務」の基本テキスト

 経済産業省「経理、財務サービス スキルスタンダード」を活用した会社「経理、財務」の基本テキスト 金児昭監修 NTTビジネスアソシエ株式会社 著を先月末に買いました。

 この本いいですね。 経理、財務の本とくると 普通は、専門知識に関する本で、学者か会計士、税理士が書いているものですよね。 難しい専門用語をわかりやすく書いてある本もあれば、難しい専門用語をより難しく、混乱させるように書いている本もあります。

 でもこの本はちょっと違います。 会社の経理部門の人が、仕事をするときにどういう段取りで仕事をしたらいいのか、そのためにはどのような専門知識が必要なのかを鳥瞰図を描いたり、業務プロセスをフロー化したプロセスマップを描いたりして説明してます。

 目次も 1 売掛債権管理、、、、、9 単体決算業務 10 連結決算業務 16法人税申告業務 18 税務調査対応 19 現金出納管理、、、、 28 デリバティブ取引管理

 というように経理部の担当別に何をすればいいのかというような観点でまとめられています。

 この中身も大分類、中分類 小分類にわかれていて たとえば 1売掛債権管理なら

中分類は 与信管理、契約、売上計上、請求、決済、顧客別債権管理、期日別債券管理、滞留債権対応、値引割戻対応、支払いにわかれ

小分類は たとえば滞留債権対応なら 

◎滞留債権報告 (滞留債権に関し、原因、対応策を報告します)

◎ 貸倒引当金計上 (滞留債権残高に対し、実質的に回収不能と見積もられる額について、貸倒引当金を計上します。過去の貸倒損失発生額に基づく実績繰入率など、合理的根拠に基づいて、期末の貸金残高に対する貸倒引当金の計上を算定します)

となっていて、それぞれ詳細の解説があります。

 この発想の本っていいですよね。かゆいところに手が届く。 実務直結。どこにでもある会社の経理部の担当から管理者まで、使える本、こんな本が欲しいを実現してます。

 素人に毛のはえたような信託大好きおばちゃんも、目からうろこで明け方読んでしまいました♪

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