« 信託税制の不思議 但書信託 3 | トップページ | またまた TK+YKスキーム のお返事 »

2006年4月21日 (金)

使えない特定目的信託

 昨日、信託税制の不思議ということで、但書信託のうちの1つ特定目的信託を書きました。

 特定目的信託は、TMK(特定目的会社)と兄弟姉妹のようなもので、資産の流動化、証券化のためのビークルの信託版です。

 TMKも手続が結構大変なので、ちまたではやっているのは有限責任中間法人と有限会社と匿名組合を使ったTKYK法ですよね。

 信託を使って、信託それ自体を納税義務の主体として法人税をかけるけど、一定の要件を満たした場合は配当が損金として認められるもの

 結構いけるのかなと思うと使えないらしい。

 その理由として 宮田房枝、香取雅夫、五十嵐一徳 「日本版LLP実務ハンドブック」P276商事法務によると

 ◎同族特定目的信託に該当しないように組成することは至難である

 ◎流動化法220、221条で受託者責任を加重していること

 ◎社債的受益権に租税特別措置法8条(金融機関等の受ける利子所得に対する源泉徴収の不適用)不適用であり、固定金利に限定したことにより信託業法24条1項4号(損失補てんの禁止)に抵触すること

 ◎システム的対応の未整備

 佐藤一雄  「不動産証券化の実践完全版」 P232 ダイヤモンド社によると

「信託銀行にとって大変利用価値のありそうなこの制度は、あまり(ほとんど)使われている形跡がありません。その理由は各種の利益相反や、ただちに不動産を運用対象とするため、不動産のリスクをモロに受け切れるか不安だという面もあるようです。」 

 いずれにしても、使えない特定目的信託 信託財産自体に課税するというシステムは、アメリカの信託税制の基本形であるし、現在の信託課税の不思議さを解消させるのにもいいと思うのですが、利用されなかったら絵に描いた餅ですね。

|

« 信託税制の不思議 但書信託 3 | トップページ | またまた TK+YKスキーム のお返事 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 信託税制の不思議 但書信託 3 | トップページ | またまた TK+YKスキーム のお返事 »