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2006年5月31日 (水)

ストリップ債を組込んだ投資信託を売却した場合の譲渡益は非課税か?課税か?

 個人投資家が外債投資をすることが増えています。ただ個人投資家の場合は、リスクが読めないこともあるので直接外国債に投資するよりも投資信託を利用することが多いようです。

投資信託には、契約型と会社型があって、契約型が主流です。運用資産が国債、地方債、社債などであり、株式を1株も運用しないものを公社債投資信託といいます。以下において契約型の外国公社債投資信託を持っている個人の税金のことを書きます。

1.契約型の外国公社債投資信託の税金

契約型の外国公社債投資信託から分配金を受け取った場合、その支払いが日本の金融機関を通じて行われたならば、原則的には20%の源泉税が徴収されて課税関係は終了します。確定申告で精算をする必要はありません。日本の金融機関を通さない場合は、他の所得と合算されて確定申告し、税金が計算されます。

ただしタックスヘイブン国で組成された投資信託の一定の利益については、雑所得として課税される場合もあります(措法40の7)。

契約型の外国公社債投資信託を譲渡した場合の譲渡益に対して所得税は非課税とされます(措法3715)。ちなみにこの規定で非課税となるのは、公社債等とされていて、その中に公社債も公社債投資信託も含まれています。

2.ストリップ債をナマで譲渡した場合

 ところでストリップ債というエロいネーミングの債券があります。これは、債券の元本部分と利子部分を切り離して、それぞれ取引するものであり、アメリカで広く売買が行われています。この元本部分は、利子がもらえないので額面よりも割引かれた価格で取引されています。

 このストリップ債を譲渡した場合の譲渡所得はどうなるかというと、これは非課税にはなりません(措法3716)。通常は、譲渡所得といわれて、他の所得と合算されて税金の計算をします。合算した所得の金額が多ければ、所得税は超過累進税率だから多額な税金を払わなければなりません。

ではこの規定はどうなっているかというと、『割引の方法により発行される公社債で国外において発行されるものを国内において譲渡したことによる所得として政令で定めるもの』(措法3716①一)となっています。あくまでも公社債の譲渡であり、公社債等の譲渡とは書かれていません。

3.ストリップ債を組み込んだ投資信託を譲渡した場合は?

 それでは、ストリップ債を組み込んだ公社債投資信託を譲渡した場合はどうなるのでしょうか。ストリップ債の譲渡は課税されますが、ストリップ債を含んだ公社債投資信託まで含めるとは書かれていません。そうなると非課税となるのでしょうか。

もし運用資産が100%ストリップ債ならば、実質的に同じ資産なのに形式の違いにより課税関係が異なるのは不合理です。でも複数の運用資産の一部がストリップ債であり譲渡益の按分が不能な場合は、課税するのが困難です。

やはり現行税法では非課税になるのでしょうか?

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2006年5月30日 (火)

知財信託はなぜブレークしない リニューアル♪

1.知財信託はどんな場合に使えるのか?

信託業法が改正されて、特許権や著作権など知的財産権といわれるものも信託財産になれます。これらの知的財産権を信託するのは、いろんな会社が持っている知的財産権を一括管理することにより、管理の効率化を図るというニーズと知的財産権を担保として資金を調達しましょうというニーズが主たるものです。

誰が信託を使って管理の効率化を図るためのニーズを持っているかというと、大企業のグループ会社、大学、研究機関やベンチャー中小企業などです。

管理の効率化を図るためには、管理子会社を持つ方法も考えられますが、権利の譲渡時に、税法用語でいう適格組織再編(現物出資)にあてはまらない場合は、譲渡益に課税されるデメリットがあります。しかし信託を設定した場合は、このような課税関係は生じません。

2.グループ企業内信託の引受けは、簡単にできる

信託業法の改正により、銀行以外も信託会社を作ることが認められました。通常の信託会社や管理型信託会社は、最低資本金の規制の他信託業法による受託者責任等の規制があります。またTLO(大学の技術を民間に移転するために信託を使うもの)に関しては、最低資本金の規制はありませんが、信託業法による受託者責任等の規制は、信託会社同様にあります(信託業法52)。

これに対してグループ企業内信託(委託者も受託者も受益者も全員グループ会社のような信託)の引受けは、最低資本金の規制もなければ、信託業法により規制もありません。信託法の受託者責任のみあります(信託業法51)。

3.なぜグループ企業内信託はブレークしないのか

このようなメリットがあるにもかかわらずグループ企業内信託がブレークしたという情報は今のところありません。

大きな原因の一つとして、信託をすることにより損害賠償請求できる範囲が狭まるという問題点があります。

特許権を第三者が侵害し、やめろ!という差止請求を信託の受託者は行うことができます。なぜなら信託をすることにより特許権を有することになるからです。

相手方に対して、特許権の侵害により生じた損失の賠償を請求することはできる範囲は次のとおりです。

     譲渡された侵害物権の数量に特許権者の単位数量あたり利益額を乗じた額(特許法102①)。

     侵害者が侵害行為によって得た利益(特許法102②)

     特許発明の実施に対して受けるべき金額に相当する額(特許法102③)。

事業会社が自分の有している特許に対して侵害された場合は①~③を算定方法として利用できますが、受託者の場合は、自分で発明したのでないから③の実施許諾料相当額に限定されます。

立法による手当等がなされるまでは二の足を踏む企業が多いのかもしれません。

参考文献 小林卓泰 『知的財産ファイナンス』清文社

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2006年5月29日 (月)

TMKとTK+GK(旧YK)どっちがいいか

KHPさんの質問です。『自社保有の不動産、今後購入予定の不動産を本体の会社から切り離したい 株式会社がいいのかTMKがいいのか。』自社保有の不動産、今後購入予定の不動産を本体の会社から切り離したい 株式会社がいいのかTMKがいいのか。

株式会社は流動化のビークルではあんまり使わないですね。従来は有限会社(YK)を作りましたが、会社法改正からは、合同会社(GK)を利用すると思います。GKとは、有限責任だけど株式会社より会社の組織を柔軟に設計できて、会社更生法の対象にならないから、GKにお金を貸した金融機関は、GKが潰れても、しっかり自分の取り分は優先的に返済できるので債権者にやさしい会社です。

1. TMK

特定目的会社は、資産の流動化のための会社ですが、設立されるためには、お上に資産流動計画を提出しないといけません。これ自体はそんなに膨大な作業がいらないのですが、一番大変なのが、税務上の恩典である配当が損金となる要件を満たすことです。

この要件のメインは、

◎社債を公募(50人以上)で1億円以上集めるか、適格機関投資家のみに引き受けてもらう 又は優先出資証券(議決権がないかわりに配当を多くもらえる)を50人以上が引受けるか適格機関投資家のみが引受けるか

◎同族会社にあてはまらないこと

◎配当可能所得の90%超を配当として支払うこと

 TMKがやっかいなのは同族会社(3人の株主が過半数の株を持つ会社)にあてはまらないのが難しいことです。なぜなら劣後部分はオリジネーターが持つのがお約束みたいなものだからです。

 ただTMKに関しては、社債を1億円以上公募で集めるか、適格機関投資家のみに引受けてもらう場合は同族会社でもいいので、実務でTMKは、ほとんど適格機関投資家が社債を引受けているパターンです。

また90%超の配当をしないといけないのも問題です。このベースになるのは税務上の利益ですが、税務上の利益と会計上の利益が異なる場合(会計上の利益の方が低い場合)は、税務上要求される90%超の配当が行えないので、自動的に利益全部が課税されます。

このように厄介な問題があるので、あまりTMKは使われていません。といっても平成183月末現在で関東財務局届出分は547件ありますが、

2.TK+GK(旧YK)スキーム

TMKは、上記のような問題があるので、私募の多くはTK+GK(旧

YK)スキームが利用されています。

どんなスキームかというと

会社(オリジネーター)が持っている不動産を信託して、信託受益権を受取る。

オリジネーターが有限責任中間法人(そのうち一般社団法人になる)に出資し、中間法人がGKに出資する。GKが投資家と匿名組合(TK)契約を結び、金融機関からノンリコースローンローンを借り資金調達をする。

その資金でオリジネーターの持っている信託受益権を購入する。

信託受益権から生ずる利益を原資に利息や、TKの分配金を支払う。

?なぜ信託受益権なのか

信託受益権をGKが取得した時に不動産取得税がかからないし、登録免許税もナマの不動産売買よりもはるかに安いから。信託受益権をGKが購入した場合、GKが不動産特定共同事業法の事業にあてはまらないので、資本金が1億円以上とか宅建免許が必要という規制の対象外になります。

?なぜ有限責任中間法人か

これは会社が倒産した場合に、会社の債権者が、GKに移った資産は会社の資産だから召し上げる!となったら投資家がつっこんだお金がパーになるので、これを避けるために中間法人をかましています。中間法人は、出資者が経営者をコントロールできないしくみになっているから倒産隔離が図れます。

?なぜ匿名組合(TK)か

TKは、パトロン契約みたいなもので、出資者は、金はだすけど口はださないので、経営者としては自分の自由に運営でき、分配金が損金となるからです。TMKも配当が損金となるので、受取の実質手取りは同じになります。

3.TMK TK+GKの共通の留意点

資産の流動化でTKやらGKに資産を移動する目的は、オリジネーターの資産を減らして(オフバランス)、資産効率をよくしましょうという目的のためです。とはいっても証券化した部分のうち劣後部分は通常オリジネーターが引受けます。

この引受け部分が不動産の総額のおおむね5%を超えるような場合で、オリジネーターに会計監査が入っている場合は、売買ではなく金融取引だ!ということになり、オフバランスはできなくなります。

コストやらリスクと効果を考えるとTK+GKの方がいいのですが、投資家が、TKの出資よりも社債を引き受けたいというならTMKなのでしょうか。でもGKだって会社法の改正により社債は発行できるので、今後TMKが他のビークルよりも競争力を得ようとしたいなら、特別のセールスポイントが必要じゃないかなと思います♪

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2006年5月28日 (日)

REITの配当と通常の配当とどっちが利回り高い お返事

HKさんからの質問がありました。要約すると REITからの配当が損金算入されても、投資家側で受取り配当の益金不算入がとれないなら、通常の配当(税引後)からの配当で、受取配当の益金不算入を受けるのと結局、投資利回がかわらないか?ということです。

1.       ベーシックなケース

あとで、もうちょっと詳しく説明しますが、受取配当の益金不算入というのは、法人投資家が、配当を受取った場合は、この収入金額は、法人税の計算上、収入にいれないというものです。なぜならこの配当というのは、支払い側で法人税をいったん控除したあとの利益を分配しているものなので、受取側でかけると2重課税になると考えるからです。

簡単な事例です。 税引前利益1,000REITと普通の会社があります。この利益をめー一杯法人投資かに配当した場合、法人投資家の手取りの収入はいくらですか。実効税率40%  受取配当の益金不算入が100%控除可能な場合

(配当支払法人)

       REIT      普通の会社

税引前利益   1,000       1,000

法人税等      0        400

税引後利益   1,000                  600

配当      1,000       600

(配当受取側) REIT配当受取  通常配当受取

税引前利益   1,000        600

法人税等     400         0

税引後利益    600       600

 HKさんのご指摘のように,もし、受取配当の益金不算入が100%とれるようならば、投資家段階の手取りはかわりません。

2.受取配当の益金不算入の規定 

detailed

受取配当の益金不算入の規定ですが、これも結構改正されています。今では受取配当の益金不算入に関しては3つのグループにわけています。連結納税親子間配当、関係会社配当、その他の配当です。

これらのグループごとに、実は、受取配当の益金不算入になれる範囲が異なります。

連結納税親子間配当の場合は、100%可能です。たとえ親会社が借金して株式を購入したような場合でも、株式購入にかかる利子(負債利子)を引いて計算することはありません。

関係会社配当とは、持株割合が25%以上の会社から受取る配当で、この場合は受取配当の額から負債利子を控除した金額の100%が受取り配当益金不算入の対象になります。

一般の配当は、上記2つ以外の配当で、これは受取配当の額から負債利子を控除した金額の50%が受取り配当の益金不算入になります。

そうすると上記の事例で、一般会社からの配当とすると投資家の手取り収入は次のようになります(負債利子控除は無視)。

(配当受取側) REIT配当受取  通常配当受取

税引前利益   1,000        600

法人税等     400        120#

税引後利益    600       480

# (600X50%)X40%=120

 また受取配当の益金不算入は、通常の法人税を計算するときに控除されますが、同族会社の留保金課税といって、株主が社長のような会社は個人の所得税を減らすために会社に利益をためこむことがないように、特別の税金をかける制度があります。この制度の計算をするときは、受取配当の益金不算入は持ち戻を行うので、通常の法人税はかからないけれども、同族会社の留保金課税はかかるという場合もあります。

ですから、受取配当の益金不算入を利用して投資家段階での税金を減らすよりも、支払側で配当が損金になる方が、メリットがあるのです。

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2006年5月27日 (土)

梅田望夫さんの「ウェブ進化論」とAmazon.com

1.Amazonからのメール

 私は、本を読むのが大好きです。最近の大きな本屋さんは、本屋さんの中に机や椅子が置いてあって、自由に読むことができます。そこでじっくり読んで、よかったら買ってね。ということでしょう。1時間以上読んでいたら、罪の意識もあるからやっぱり買ってしまいますね。

で、リアル本屋さんだけでなく,ネット(Amazon)でも買います。クリックしていったら購入が確定して、目の前で現金が出ていかないからほとんど衝動買いに近い感じですね。

このAmazonから時々、信託おばちゃんのところにメールが届きます。『Amazon.co.jpで、以前に「○○○○」の著書をお買い上げていただいたお客様に、このご案内をお送りしています』

これは、受取った側の潜在的ニーズを掘り起こして、より売上に繋げようとしているAmazonの戦術の一つですね。Amazonに残っている販売履歴をデータベース化して、売ろうと考えている本とマッチングさせて、潜在的な顧客に購買喚起を促す。これを大々的にシステム的にやっているのでしょう。

2.Amazonの売上とロングテール

ネットビジネスの本を読むと必ず、ロングテールという言葉がでてきます。ロングテールとは読んで字のごとく長い尻尾。

Amazonの商品ごとの売上をグラフ化して、縦軸1,000部で5ミリとすると、左端は高さ10メートルを遥かに越えるけど、すぐすこーんと落ちて、あとは5ミリになるかならないかの尻尾が1キロ以上続くようです。

つまり少量しか売れない本が一杯あるけれども、それを集積すると膨大な売上になるので商売として成立することができるのでしょう。

従来のリアルの本屋さんのビジネスモデルは、ベストセラーで儲けて、他の売れない本(いわゆる不良在庫)の損失分を埋めることでした。だからベストセラーを人の目につくところにおき、なるべく売れない本は返品するなどして回転をよくする必要がありました。

でもAmazonの場合は、従来のビジネスモデルに従う必要もありません。なぜならネット上の本屋さんで在庫を最小限におさえることができるからです。

ロングテール提唱者のアンダーソンは、当初Amazonの全売上の半分以上をリアル書店が在庫を持たない本から上げているという発表内容を約3分の1に訂正したそうですが、それでもすごいですね。

3.Amazon Web 2.0

  Web 2.0という言葉が、梅田さんの『ウェブ進化論』のキーワードの一つとなっていますが、これは彼の定義によりますと『ネット上の不特定多数の人々(や企業)を、受動的なサービス享受者ではなく能動的な表現者と認めて積極的に巻き込んでいくための技術やサービス開発姿勢』だそうです。注1

おしゃっていることはなんとなくわかるのですが、Amazonではどうしているかというと、

Amazonでは、販売している商品のデータベースや、システム開発者がこのデータベースを活かしたプログラムを作りやすいようなプログラムAPI(Application Program Interface)を無料公開したそうです。

なぜこのようなことをしたかというと、信託大好きおばちゃんもブログを始める時に考えた、SEO(サーチエンジン最適化)のためだそうです。

無料公開の結果、いろんな人がAmazonのデータを使って、新しいビジネスを行うことができます。そうすると多くの人がAmazonのサイトにリンクを張ります。Amazonのサイト(いろんなアイテムのサイトです)が検索エンジンの上位に乗ってきます。なぜなら検索エンジンの上位になるのは、いろんなところからリンクを張られているものが多いからです。そしてより多くの人がAmazonのサイトをクリックして、商品を確認し、買ってくれるから売上が伸びます。

ちなみにAmazonは、Web経由の売上代金から15%の手数料をもらい、本来のビジネスよりも高収益を得るようになったそうです。

梅田さんの『ウェブ進化論』には、他にも考えさせられる文章がちりばめられています。この一週間、おばちゃんは毎晩、この本を繰り返し読んでいました。

1 梅田望夫 『ウェブ進化論P120 ちくま新書

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2006年5月26日 (金)

REIT の税務と投資家の税務に与える影響

1.    森トラスト総合リート投資法人の場合

 リートというのは、簡単にいうと上場している不動産投資信託のようなものです。

平成17101日~平成18331日までの森トラスト総合リート法人の決算短針が平成18519日に公表されました。

以下の数値は、決算短信の平成18331日期の数値です。

損益計算書をみると        (単位千円)

税引前当期利益          3,083,381

法人税、住民税及び事業税 989

法人税等調整額          1         991

当期純利益            3,082,389

となっています。他の会社と比較すると法人税等の金額が非常に少なくなっています。次に金銭の分配に関する計算書を読むと                 

Ⅰ 当期未処分利益   3,082,454,913 (単位円)

Ⅱ 分配金の額     3,082,400,000

Ⅲ 次期繰越利益        54,913

となっており分配金/当期未処分利益は99.9%となっています。

そして法定実効税率と実際負担率の差額は次のように分析されていま 

    法定実効税率      39.39%

     支払分配金の損金算入額 △39.38

   住民税均等割       0.02%

税効果会計適用後の法人税負担率 0.03

2.配当が損金となるためには、

このように実際の法人税負担率が極端に低くなるのは、配当が損金となるためです。これは利回りの高い金融商品を組成し、投資家から広くお金を集め運用することが日本経済のためにも望ましいとい政策的配慮があるからです。ただし投資法人においてこの配当が損金となるための要件は厳しく、REITが優先出資証券を発行した場合の主な要件は以下のとおりです。

      事業年度の終了時において発行済の投資口数が50人以上の者に所有されること

      発行した投資口の発行総額に占める国内募集の割合が50%超であること

      営業年度が1年を超えないこと(6ヶ月のREITが多い)

      資産運用を投資委託業者に委託していること

      配当等の額が配当可能所得の90%超であること

      事業年度の終了時において同族会社に該当しないこと

      適格機関投資家以外から借入を行わないこと

      他の法人の株式の50%以上を原則として所有しないこと

(措置法6715

2.    投資家側の税務の影響

投資法人側で配当が損金になった結果、投資家側での課税上の取扱いも一般の株式の配当を受ける場合では異なります。一般の配当は、法人税を支払ったあとの利益の分配となり二重課税を排除するために法人投資家については受取配当の益金不算入、個人投資家には配当控除という規定が設けられていましたが、J-REITの場合は、二重課税の排除がないためこれらの規定の適用を投資家側で受けられません。

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2006年5月25日 (木)

信託ライツプラン 事例分析(税務面)

1. 敵対的買収防衛策としての信託ライツプラン

敵対的買収の防衛策を、この6月に開催される三月決算の株主総会で導入しようと考えている会社が結構あるようです。

敵対的買収というのは、ようするに現経営陣と対立するような考えをもつ人が株式を大量に手にいれることです。ある日突然、大株主が現れ、会社の経営にプラスになる嘴をいれるならいいのですが、プラスにならない嘴を一杯いれられると会社の業績が傾く可能性もあります。   

会社は株主のものですが、たくさんの利害関係者が絡み、彼らの利益の犠牲のもとに株主の利益を重視するのも問題です。ということで将来の敵対的買収の防衛策を会社も練っておこうということでしょう。

この敵対的買収防衛の方法はいくつもありますが、その一つとして信託ライツプランというのがあります。信託ライツプランもいくつかありますが、その一つとして敵対的買収者が現れる前に新株予約権を無償で発行して信託するプラン(直接型)があります。直接型では、発行会社が信託した新株予約権を、敵対的買収者が現れた時点で、その時点の株主全員(敵対的買収者を含む)に無償で新株予約権を交付します。そして敵対的買収者以外の株主からは、その時点の株価よりはるかに低い株価で株式を取得することができます。

株式の発行により発行済み株式総数が大きくなるので、必然的に敵対的買収者の持株割合は低くなります。こんなことになるから買収なんてしないでね!という抑止力効果としての価値があります。

2. 信託ライツプランの課税上の取扱い

抑止力効果のある直接型信託ライツプランですが、実は課税上の問題があります。

新株予約権は敵対的買収者も含めて付与されるのですが、敵対的買収者は、権利行使をして株式を手にいれることができない等不利益を受けます。

この不利益は、本来敵対的買収者が受けるべき利益を他の株主にプレゼントしたものだとして、他の株主に対してプレゼント部分課税関係が生じます。

他の株主が法人である場合は、付与を受けた時点で新株予約権の時価相当額(ブラックショールズなどで計算するのでしょうか)の受贈益があるとして税務上認識されます。他の株主が個人である場合は、権利行使をした時点で、その時点の株式の時価から権利行使価額を差引いた金額が所得として税務上認識されます。つまりそれぞれの時点で税金を計算して納めないといけない。

これでは困るという不満が続出したのでしょうか。新たな方法を考案し、たとえ敵対的買収者の新株予約権を行使できなくても、この新株予約権を譲渡することの制限がなく、かつ譲り受けた人の権利行使に対して制限もないような場合は、他の株主に対する上記のような課税関係は起こらないというようにしました。

3.実務事例 トランスコスモス株式会社の場合

トランスコスモス株式会社が平成18522日に「信託ライツプラン(買収防衛策)導入のための新株予約権の発行について」を、発表しました。

このプランは、発行会社が新株予約権を無償で発行し、信託します。そして敵対的買収者出現後、敵対的買収者を含めた全株主に新株予約権を無償交付します。そして敵対的株主以外の株主は1円の行使価格で株式1株を取得することができます。

ここで課税関係がどうなるかということですが、敵対的買収者以外の株主に対して課税関係を生じさせないようにするためには、新株予約権の譲渡が取締役会の承認により可能であり、譲り受けた者が新株予約権の権利行使をする際に、制限条項を設けないことが必要です。

ここで資料((別添1)本新株予約権の募集事項および割当先)を読むと、「新株予約権の譲渡による取得は、当社取締役会の承認を要する。」となっています。また新株予約権の行使ができないのは、敵意的買収者だけでなく、株主が非居住者の場合も原則行使不能となっており、このような非居住者が新株予約権を譲渡する場合の取扱いは書かれています。

しかし敵対的買収者から新株予約権の譲渡に関しては、書かれていません。また譲受人の権利行使の制限に関しても書かれていません。

書かれていないということは、制限が設けられていないということだから、他の株主に対する課税関係が起こらないような信託ライツプランということになるのでしょうか♪

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2006年5月24日 (水)

土地信託受益権を譲渡、購入した場合のポイント

1. 土地信託受益権の売買契約書

最近、土地や建物を信託受益権として売買することが多いと思いますが、通常は、土地、建物をナマで譲渡した場合と税務上も会計上も同じ取り扱いになります。でも念のために信託契約書や売買契約書をチェックするポイントとしては、

◎ 土地、建物を信託財産として、その管理、運用、処分をするような信託か 

       自益信託(委託者=受益者)の信託か? 

◎ 受益権が元本部分と収益部分にわかれていないか。

◎ 信託受益権が分割されていないか? 相続等以外の理由で分割されている場合は、一口1,000万円以上で50口以内か。

◎ 信託銀行等が信託を設定しているか。

あとは、譲渡対価をみて、土地と建物ごとに対価の区分がある場合は、そこをチェックして、消費税の計算をするということでしょう。

2.信託受益権を使って、事業用の買換えの特例を受けることができるか

上記のような事例の場合は、そんなに悩まないのかもしれませんが、たとえば信託受益権を持っている会社が、その信託受益権を売却して、他の信託受益権を取得し、この取引に関して、たとえば特定の事業用資産の買換えの特例を受けたいと考えた場合、この規定の適用を受けることができるのでしょうか。

特定の事業用資産の買換えの特例というのは、お上の政策税制の一つなのですが、たとえば10年以上所有していた工場用地と建物を譲渡して、別のところに工場と建物を購入した場合は、旧土地、建物の譲渡益のうち20%部分だけ課税対象となり、残りは繰延べられるというものです。

ナマの土地、建物の場合だったら、譲渡資産、買換資産が条件に該当していたら、特例の適用を受けることができます。

それでは譲渡資産がナマの資産でなく、信託受益権であり、かつ取得した資産が信託受益権であった場合はどうなるのでしょうか。

この場合は、チェックポイントが2段階になります。

第1段階は、信託の設定が、譲渡資産だけでなく買換え資産についても、上記の要件(詳しくは土地信託通達)を満たしているかの確認を信託契約書で行います。この条件が満たされた段階で、信託受益権という箱は消え、中身であるナマの不動産が現れます。

2段階は、譲渡する不動産並びに取得する不動産が、特定の事業用資産の買換えの特例の適用を受けることができるのかを売買契約書等で確認します。それぞれが要件を満たしている場合は、特定の事業用資産の買換の特例は当然適用を受けることができると考えます。

なおこの事例で信託受益権を譲渡した場合のことだけを書きましたが、信託受益権は譲渡せず、信託財産である土地、建物を譲渡した場合も、要件を満たせば、特定の事業用資産の買換えの特例の適用を受けることができます。

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2006年5月23日 (火)

RCCの信託を利用した再生スキーム

1.   整理回収機構(RCC)って何?

株式会社整理回収機構RCC)という会社があります。昔、中坊弁護士が社長をなさったことで有名な会社です。

会社の仕事は大きくわけて2つあり、一つは旧住専や破綻金融機関から買い取った貸付金の回収を行うことであり、もう一つは、健全金融機関が有する不良債権を買い取り、企業再生を推進するということだと思います。

このうちの後者について、信託を利用したスキームで行われているものもあるようです。なぜ信託を利用したスキームをRCCが使えるかというと、RCCは信託兼営認可を受けているからです。

2.RCCの信託スキーム

RCCが使った信託スキームは複数あります。そのうち最近使われているスキームを紹介します。

このスキームは証券化型信託スキームといわれるものです。

①金融機関からRCCが不良債権を買い取ります。

RCC保有の不要債権を売却するので買いたい人は入札をします。

③高い値段を付けた投資家が不良債権を買い取ります。通常はSPCをつくり、そこが受け皿となります。

SPCが有する元RCC不良債権をRCCに信託します。

RCCは信託された不良債権を信託財産として信託受益権を発行します。ただしこの信託受益権部分は、優先部分と劣後部分に分かれます。優先部分に関しては、外部格付機関で、いい出物ですよというような評価をいただいて、投資家に販売します。劣後部分に関しては、落札した投資家やRCCが引き受けます。

⑥この信託された不良債権の回収に関しては、落札した投資家と関係のあるサービサーが受託し、RCCも絡むそうです。

なぜ上記のようにRCCが金融機関から買い取った不良債権を、一旦売却して再び信託するかというと、今の信託法では、自己信託つまり自分が所有している資産を自分で信託することができないからです。

3.改正信託法が施行されたら

改正信託法が施行されたら、上記のスキームの場合、わざわざSPCに不良債権を売却する必要がなくなります。

公正証書等で信託契約を作成した場合、信託会社が有する固有の財産を信託財産とすることができるからです(改正信託法3三)。

また今までの信託を用いたスキームは、あくまでも不良債権化した金融機関の貸付債権を信託にする等のスキームでした。

しかし改正により事業信託が可能になると、貸付債権にこだわらず、傾いた事業自体を信託し、RCCが主導権を握って、優秀な経営者を起用して事業の建て直しを図り、金融機関と交渉し債権処理も行い、再生が完了した時点で、信託を終了させ、元に戻すということができます。

おそらくこのようなことをおやりになるのではないでしょうか♪

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2006年5月22日 (月)

事業信託は、ライバルたちに勝てるか?

1. 事業信託が使える条文発見!

以前、このブログで、信託法改正要綱試案では 第1信託の意義で「信託契約の効力発生時における債務の引き受け信託契約の効力が生じる時に、受託者となる者は、委託者となる者が負担している債務を信託財産に属する債務として引き受けることができるものとする。」と規定しているのに、改正信託法では1条で委託者の債務が書かれていないので、事業信託はだめになったのかと書きましたが、他の条文の中で発見しました。

すなわち「次に掲げる権利に係る債務は、信託財産責任負担債務となる。

信託前に生じた委託者に対する債権であって、当該債権に係る債務を信託財産責任負担債務とする旨の信託行為の定めがあるもの」(信託法21三)

信託財産責任負担債務とは、信託財産にかかる債務で、受託者がその財産を限度に弁済したらそれでいいですよ、持ち出しの必要性はありませんよというようなものです(信託法二⑨)。

これで事業信託は可能ということが確認できました。

2.事業信託の強みは?

事業信託というのは、読んで字のごとく、土地とか知的財産というような具体的な静物を信託するのではなく、人、物、金が一体となった能動的な生物を信託するというのが私のイメージです。

事業譲渡や会社分割という手法により事業を別会社に譲渡することが可能ですが、それと同じことを信託を使ってやりましょうということでしょうね。

債権者を害さないような信託なら倒産隔離が図られて、事業者が受取った信託受益権を売却すると、投下資本の回収が図れる。資産の譲渡の中に不動産がある場合は、事業譲渡をするよりは流通税のコストが下がる。この辺が、他のスキームよりも競争力のあるところなのかもしれませんが、まだ具体的なイメージがわきません。

3.会計、税務上の取り扱いがどうなるのかが最大のポイント

事業信託が、使えるようになるためには会計、税務上の取り扱いがどうなるかがポイントですよね。

事業信託をしたけど、事業のコントロールがあいもかわらず委託者にあるような場合は、委託者のF/Sから事業資産、負債が残り、事業信託の損益も総額で計上されるだろうと思います。

事業信託をして、事業のコントロールが完全に受託者に移ったような場合で、信託受益権を譲渡した場合はオフバランス可能でしょうか。こちらにも5%ルールが適用になるのでしょうか。

それでは、税務上はどうなるのでしょうか?

受益者が特定している信託の場合は、受益者が損益のパススルーを受けるということだから、委託者=受益者の場合は、委託者に損益がパススルーするということになるのでしょうか。

それでは受益権を譲渡した場合は、譲受人もパススルーされるのでしょうか。

アメリカでは、事業信託は法人税の課税対象になっているので、日本でも特定目的信託同様法人税の課税対象になるのでしょうか。それとも組合課税との整合性をとって、パススルー課税を使うが、損失規制を設けるのでしょうか。

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2006年5月21日 (日)

だから私は、毎日ブログを書く

1. 磯崎さんのブログに紹介していただいて

磯崎さん(ISOLOGUE)のブログで紹介していただいて10日くらい経過しました。瞬間的に以前のブログのヒット数の10倍以上にはね上がり、最近は5倍くらいに落ち着きました。

私のブログはニフティのココログを利用しているのですが、このシステムでアクセス分析というのができて、ブックマーク割合というのがわかります。このブックマーク割合(固定のお客さま)が、ISOLOGUE効果前よりも10ポイント以上、上昇しました。磯崎さんではないですが、ディープというかマイナーなのに読んでいただいて本当にありがとうございます。

固定のお客さまがどのような業界の方かまでは分析できませんが、以前と比較して業界関係者(税理士、会計士、、、)は減少し、信託ビジネスの関係者の割合が上昇しているのではないかと思います。理由はブックマークをつけて読んでいただいているお客さま数の多い時間帯が月曜日から金曜日の8時から17時までなのです。これ、業界関係者の行動パターンじゃないから。

2.専門家ブログって

私のような専門家(文科系エンジニア)にとって、ブログとはどういう位置づけなのでしょうか。

私たちの仕事というのは、オートクチュールというかオーダーメードの店です。税務というのは、日本にいる限り、日本のお上が決めたルールに基づいて一律に処理しなければならないものなのですが、お客さまの状況やご要望によって、バリエーションに富んだサービスを提供しています。そしてお金はお客さまからもらいます。

でもオートクチュールの価値というのをお客さまがわかってもらってもらえるためにはどうするか。これは、まず目の前のお客さまに値段以上のサービスを提供する(但し脱法行為はしない)が一番です。

しかしこれだけでは、売上の急上昇にはつながりにくいのです。多くの人に知ってもらわないといけない。そのためにファッションショーをするわけです。このファッションショーが、私たちの仕事の場合は、本を書いたり、セミナーで講演をしたりということでしょうか。そして最近ではこのファッションショーの一つとしてブログを更新される専門家が増えています。

彼らにとってのブログは、おそらく既存のお客さまとのコミュニケーションツールとして、今後獲得しようと考えている潜在的なお客さまへの営業ツールとしてだと思います。

3. さて信託大好きおばちゃんにとってのブログとは

さて信託大好きおばちゃんにとってのブログとは、なぜ毎日更新するのかということですが、

一つは、梅田望夫氏の「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる」ではないですが、知的生産の道具としてですね。毎日、自分の頭で考えて、論理的に組み立てて、一定の文字数(だいたいワード2枚くらい)でまとめあげるという作業を繰り返すと、猛烈に自分の中の知的分野が進化しているような気がします。

なんか凄い時間をかけているように思われているかもしれませんが、原稿を書くのは、30分くらいですね。その前に、ちょっと大きめのポストイットに、汚い字で設計図みたいなのを書くのが10分くらいです。書きながら、文献やネットで検証すると時間がかかりますが、でも2時間もかかりません。前日や明け方(3時、4時ごろ)に何を書こうかなと思って構想を練ったり、本を読んだりしますがあまり負担になりません。

もう一つは、いろんな人に自分を知ってもらえて、ビジネスに繋げいくためのアンテナのツールだから、これが明日からの人生を大きく変える原動力になるかもしれないからと確信しているところがあるからです。

梅田さんの本で「金も人脈も後ろ盾のない人間がアドバンテージを手に入れる唯一の手段が、情報の開示なのだと思う。」とお書きになってらっしゃいますが、ずばり本質のような気がします。

といっても、おばちゃんの書いている文章は、読む人が読めば、まだまだ発展途上であり、これでは食っていけないぞ!というレベルだと思います。

それでも亀は毎日進化していきますから、では今後ともよろしくお願いします。

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2006年5月20日 (土)

神田秀樹さんの 「会社法入門」

1. 会社法の本は山ほど出版されたけど

会社法が施行され、一大会社法ブームとなり、本屋さんには十冊もの会社法関連の本が並んでいます。信託大好きおばちゃんもそのうちの1tax ML著「税理士会計士社長の疑問に答える 新会社法の実務QA」清文社にかかわりましたが、

こんな自分の話はおいといて、ここにきて「すっきりわかる」会社法の本が登場しました。

神田秀樹著 「会社法入門」 岩波新書です。

2.なぜ会社法を作ったか。

なぜ会社法を作ったか?これは2つの理由があります。一つは会社法の現代語化、商法は文語でわかりづらかったので、これを全部口語に代えようとしたけれども、法務省の人手不足等があり会社関連部分(商法の一部、特例法+有限会社法)だけを口語にしたそうです。

もう一つは会社法の現代化、1990年代はバブルの崩壊後の景気の低迷、株価の低迷、不良債権処理の遅れという負の連鎖が起こり続けました。政府は無策ではなかったのですが、対処療法的というか場当たり的というか、そんな政策を繰り返したことも回復遅れの原因だったようです。そしてこれではいかんということで根本的な改革を始めたのですが、その総仕上げが会社法です。

ようするに日本の繁栄のためには企業の繁栄が必要不可欠なので、企業に競争力をつけ収益が得られることを支援するような仕組みを作りましょう、それが会社法ということでしょう。

3.会社法で充実したアイテムは

企業をサポートする会社法で充実したアイテムは、ファイナンスと、コーポレートガバナンスとリオーガニゼーション、ベンチャー支援だと思います。かたかなばかりでいやな感じもするのですが、

1)ファイナンス

会社が儲かるためには、元手つまり資金が必要です。この資金を集めやすくするためのツールを会社法は複数用意しています。

たとえば種類株式は従来からありましたが、これを整理、拡張しています。

たとえば新株予約権、将来株式を決まった値段で買うことができる権利なのですが、商法時代のような株式のおまけではなく、株式と対等の権利というような位置づけにまで出世しています。

(2)コーポレートガバナンス

これは、「主として大企業において、その経営をチェックするしくみをどのように企業に築きあげるか」注1 だそうです。議論としては、「不祥事防止その他のコンプライアンス重視という議論と、企業が繁栄するためにはどういう仕組みがよいのかという積極的議論」注2があるようです。

内部統制のあたりのことがコーポレートガバナンスの一つと思いますが、私はよくわかりません。神田さんも難解だとおっしゃっています。

(3)リオーガニゼーション

いわゆる合併、会社分割、株式交換、移転などの組織再編行為のことです。この辺に関しては、度重なる改正でかなり整理されましたが、会社法になり、組織再編の対価として「食う方」の会社の株式だけでなく、現金でもいいし、「食う方」の会社の親会社の株でもいいし、社債でもいいよとなりました。この結果、今まで以上に組織再編がフレキシブルにでき、企業の競争力の強化が図られるということでしょう。

(4)ベンチャー支援

最近では、会社を設立してから23年で上場するような会社もあるのですが、会社を設立しやすくして、日本発の新しいビジネスを作りましょう。スタートアップはお金がなくて困っているでしょうから、資本金も小さくていいですよ。また企業の運営に関して会社法で基本のフォーマットは作りましたけど、定款で自由にカスタマイズできる範囲を拡大しているから、思いっきりやってね、ただし自己責任でということでしょう。

このようなことがすっきりわかるように書いています。私はまだ 第1章しか読んでいませんがこれからじっくり読んでいきたいと思います。

1 神田秀樹 「会社法入門」P27 岩波新書

2 同著 P26

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2006年5月19日 (金)

投資事業組合を連結に取り込んだから業績が下がったというけれど

1. 新聞によると

昨日(平成18518日)日本経済新聞によると、JDCは、連結範囲の見直しなどに伴い業績予想を下方修正したと報道されています。平成183月期業績予想(連結、個別)の修正に関するお知らせ(平成18515日)を読むと「信託移行前の投資スキームである投資事業組合出資案件に係る連結範囲の見直し等に関し監査法人との協議がほぼ終了し、業績修正が必要となったことが判明したため、下方修正を行うものです。」となっています。

2.投資事業有限責任組合とは、

投資事業有限責任組合とは事業者に対する投資事業を行うための組合契約です。

特徴としては、無限責任組合員(組合の債務を無限責任で負う組合員)と有限責任組合員(組合の債務を出資額限度で負う組合員)がいます。多数の投資家から資金を集めて、無限責任の組合員がその資金を投資に回し、コントロールする場合にしばしば使われます。

3.投資事業有限責任組合の個別財務諸表上の会計処理は

従来から投資事業有限責任組合の会計処理は出資金(証券取引法で有価証券とみなされるものは、有価証券)で出資額を計上し、毎期の損益は、出資金額を増減させることにより取り込むのが通常です。この場合、組合純資産(組合総資産―組合総負債)組合純損益(組合総収入―組合総負債)のうちの当社配賦部分のみが個別財務諸表に計上されます。そしてその部分がそのまま連結財務諸表に載ってきます。

他に組合総資産、総負債や総収益、総費用のうち、自社持分を配賦する方法や、組合純資産と組合総収益、費用を配賦する方法があります。

個別財務諸表の監査を受けているならば、組合の損益、資産の内容も検討しているので、適正な組合の純資産、損益(自社配賦分)が計上されています。

4.連結の範囲に含まれると

従来から連結範囲は、会社、組合その他これに準ずる事業体が含まれ、支配力基準や影響力基準で決まります。この範囲に投資事業有限責任組合も入るはずです。

でもJDCの平成17年9月期の連結短信を読むと「投資事業組合等に対する出資のうち、当社の出資持分が過半数を超える投資事業組合が13ファンドありますが、投資は事業組合等の資産、負債及び収益、費用は出資持分に応じて各出資者に帰属するため、投資事業組合等は子会社として取扱っておりません。」となっており、連結には取り込まれていませんでした。

それではもし連結に取り込まれるとどうなるのか?これは、いったん投資事業組合の資産、負債、収益、費用は、総額で連結財務諸表に計上されます。そしてそのうち他の組合員に属する部分の資産、負債は純額で少数株主持分へ、収益、費用は、少数株主損益として振り替えられます。少数株主損益の計上は法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額と当期純損益の間で計上されるから、組合損失が大きい場合、経常損益に与える影響は大きいですが、当期純損益までくるとそんなに影響はないと思います。

じっくりと公表資料を読むと、業績修正の要因はどうも他の問題の方が大きいような気がするのですが♪

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2006年5月18日 (木)

公益信託の税金のしくみ β版

1. 公益信託とは

公益信託とは、教育や慈善目的のために財産に信託を設定するものです。また最終的に残余財産は国等の帰属になるので、委託者は信託をしたら、自由に財産を利用できません。

このような信託は、当初受益者が特定していないので、受益者の特定していない他益信託となります。信託財産の運用益は、税務上委託者に帰属し、運用益に係る税金を委託者は納付しなければなりません。しかし公益を目的とする信託に財産を拠出して、コントロールできないのに運用益に対する税金だけ払うのはおかしいということで、一定の場合は税金を課さないというルールを決めました。

2.公益信託を3つのメンバーにわける

 まず公益信託を3つのメンバーにわけます。それぞれ認定特定公益信託(以下「松信託」という)、特定公益信託(以下「竹信託」という)、公益信託(以下「梅信託」という)。

これらの3つの信託のうち松信託が一番、税金の恩典を受け、次が竹信託、最後が梅信託となります。ようするにより公益性が高いものに税金の恩典も与えましょうということです。なお松信託、竹信託に関しては、現金でないと信託できません。

3.財産を拠出した段階

 財産を拠出というのは、いわゆる信託の設定なので、税務上は譲渡しないと考えるから譲渡所得は発生しません。だけど信託を設定すると財産は寄付したのと同じ状況になるので、政策的配慮で、寄付金に対する恩典が一部使えます。

 委託者が個人で、松信託を設定した場合は、寄付金控除が使えます。ただし個人が有価証券を持っていて、これを拠出する場合は、一旦有価証券を売却して、売却益に対する税金を払い、売却代金である現金を受取り、これを寄付するという形になります。

 委託者が法人で、松信託を設定した場合は、特定公益増進法人に対する寄付金と同じルールで拠出部分が損金となります。竹信託を設定した場合は、一般の寄付金と同じルールで拠出部分が損金となります。

4.財産の運用益が生じた場合

受益者の特定していない他益信託の運用益に対する税金は、委託者が納付しなければなりません。しかし公益信託の場合は、一定の場合、非課税とされます。

委託者が個人の場合は、松、竹、梅、いずれの信託でも運用益は非課税となります。委託者が法人の場合は、松、竹信託に関しては運用益は非課税となります。

5.受給者に財産が給付された場合

公益信託からの給付は通常個人が受取ります。税法の基本的考えでは、給付時点で受益者が特定されるので、受取った給付金に対して、委託者が個人の場合はその受益者は贈与税を、委託者が法人の場合は所得税を、納付しなければなりません。

ただし松、竹信託で財務大臣が指定したものからの給付を受けた場合は、贈与税、所得税いずれも非課税とされます

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2006年5月17日 (水)

時代の先端をいく相続財産の評価方法 特許権

1.特許権を取得した場合の会計処理

会社が研究開発に莫大な費用を投入して、特許を取り、特許権として帳簿に乗っける金額は、通常、特許をとるために要した金額(たとえば弁理士費用)になりますね。過去の莫大な研究開発費用は、特許権という資産に含まれず、支出した時に費用として処理されます。

そして資産として貸借対照表に計上された特許権は、8年で償却されます。

この評価方法というのは、いわゆるコストアプローチの変形版といったところでしょうか。

2.ブランド価値評価研究会報告書 お薦めの評価方法は?

平成14 6 24日経済産業省 企業法制研究会が、ブランド価値評価研究会報告書を発表しました。

この中でブランドのような無形固定資産の評価方法として3つの方法を提唱しています。すなわちコストアプローチ、マーケットアプローチ、インカムアプローチです。チョー簡単に説明するとコストアプローチは、発生した費用の集積で評価する方法、マーケットアプローチは、同じような資産の売買がある場合は、それと比較して評価する方法、インカムアプローチは、その資産から生み出す収益から評価する方法です。

インカムアプローチの中にDCF法はあります。この3つのアプローチのうちインカムアプローチが無形固定資産の評価としては、妥当という考えが、今の主流かな。

3.相続財産である特許権を評価する場合

さて、たとえばものすごい特許権を有する人が死んだ場合の、彼または彼女が有する特許権の評価はどうなるの?

これは、財産評価通達のルールにのっとります。特許権(権利を使わしてあげるから利用料を払ってねという権利)と実施権(利用料を払うから権利を使って商売させてねという権利)が一致する場合と異なる場合で評価方法は異なり、どちらが多いかというと後者です。

特許権者と実施権者が異なる場合の評価方法はどうなるかというといわゆる将来受取る補償金の年額を現在価値に割戻して特許権の価値を評価しようとしています。

つまりインカムアプローチ、ちまたではやっているDCF法的評価方法が、以前から相続税の世界ではルール付けられていたわけです。

ただ、将来の利益というのは、いくら書いても絵に描いた餅で評価できないというお客さまのために、財産評価通達では、過去の収益のうち経常的な部分をベースに特許権を計算してもOKですよ規定しています。

ちなみに将来利益を受ける期間とは、相続発生した時から特許権が切れるまでの期間であり、特許権の保護期間は出願から20年です。

注 現在価値に割戻す時に採用する割引率は基準年利率による複利現価率です。本日現在(平成18517日)だと、短期(2年以内)01% 中期(3年~6年)0.75%、長期(7年以上)1.5%というように、ちまたのDCFの割引率よりもかなり低いですね。それだけ評価額は高くなってしまいますが、

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2006年5月16日 (火)

シネマ信託 なんで金銭信託なの?

 いつも知財信託ネタになると登場するJDC TRUSTです。

 平成18年4月24日に「シネマ信託TM ~シネカノン。ファンド第1号~」信託設定及び運用開始のお知らせをプレス発表しています。

ファンドの概要として

ファンド名  シネマ信託TM ~シネカノン。ファンド第1号~

信託設定日 2006年4月24日

信託元本  46億4,000万円

投資スキーム 合同運用指定金銭信託

ファンド期間 2006年4月24日~2011年3月31日

運用方針  約20作品の映画著作権の信託受益権等を運用資産とする

この商品は、個人投資家向けだそうです。

で、なぜ合同運用金銭信託なのか? いきなり著作権の信託受益権じゃだめなのか?にいきつきます。

 信託受益権が譲渡されても損益がパススルーされるかの規定としては、土地信託通達しかないです。あれは不動産が前提ですね。

 著作権信託も適用できるかどうかは、明文では定かではないですが、過去にJDCが「阿修羅城の瞳」の信託受益権を機関投資家に販売していることから、国税と交渉したら、パススルー可能となったのかもしれません(あくまでも情報を知らないおばちゃんの想像です)。

 しかし問題は個人投資家なんです。土地信託の規定って最低一口1,000万円以上 しかもパススルーされたときの所得が何所得になるのか?たぶん雑所得でしょう。そうすると損失は、他の所得と損益通算されない。しかもパススルーだと、利益がでた場合、発生した段階で課税されるので、へたをするとキャッシュが入ってこないのに税金だけとられるという悲惨な状況になるかもしれません。

 そこで個人投資家向けのベストの方法として、でてきたのが合同運用指定金銭信託ということではないでしょうか。

 これだとパススルーはできないのですが、税法ではこの合同運用金銭信託は、但書信託のメンバーになります。そうすると収益に対して、発生した時点で税金が課せられるのではなく、投資家が収益を受取った時点で税金(所得税15%住民税5%)が課せられることになります。ついでにこの合同運用金銭信託を譲渡した場合の譲渡益は非課税ですね。

 おそらくこのような税金の問題があるから合同運用指定金銭信託なのではないのかなと思います♪

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2006年5月15日 (月)

りそなの自社株承継信託♪

 昨日(2006/5/14) 日経の3面に載ってましたね。

 りそなの本邦初の自社株承継信託

 これはどういうものかというと 自社株を信託する。自社株の議決権は、オーナーになるようにする。自社株の実質的価値を収益収受権と元本収受権にわける。元本収受権はオーナーが受取り、収益収受権は後継者が受取る。信託設定期間は最長30年。ということは30年間 子供は配当を受取る権利を受ける。

  このブログが始まってすぐくらい(去年の10月ころ)この自社株承継信託を紹介したけど、あれは、信託して、実質的価値部分は、オーナーが受取り、議決権を後継者に渡して、経営者のトレーニングをさせてたというやつ

 みそは信託受益権の配当収受権の評価を利用した相続対策というかまあそんなものでしょう。

 信託受益権の評価で元本受益権者と収益受益権者が違う場合の評価は、簡単にいうと、相続贈与時の自社株の評価額ー収益受益権の評価額=元本受益権の評価額

収益受益権の評価は、受益者が将来受けるべき利益の価額ごとに課税時期からそれぞれの受益の時期までの期間に応ずる基準年利率による複利現価率を乗じて計算した金額の合計額

 つまりこの件にあてはめると収益受益権の評価は、信託受益権設定時に、将来受取る配当を予測して複利現価率(現在1.5%)で計算した金額となる。

 将来は予想でわからないから、たぶん税法では、過去の実績をベースにするのでしょう。

 もし額面5万円で1割配当を受取る会社の場合 配当は5,000円 30年信託を設定した場合の配当収受権の価値は、5,000X24.016=120,080となります。

 その後、配当の利回りを高く設定すると、配当期待権よりも高い利益を子供は受取ることになる。

 もしその後相続が発生したような段階で、今度は元本収受権に関する相続税の評価をしないといけないけど、その時点の自社株の評価額からその時点での配当収受権を差引いて評価する。 この時点で配当収受権がどうなるかというのは その時点での複利元価率(たぶん今より上がっているでしょう)と配当利回りと信託期間で決まりますね。

 問題点? 現時点での将来の配当を予想できるか?これは神様の世界 だから過去の実績におそらく依拠するのでしょうね。

将来極端な節税対策をした場合の否認の可能性? たとえば それまではほとんど配当しなかったのに、突然1,000%配当みたいなことをして会社の財産をほとんど子供に渡し、会社は抜け殻にする。子供に対しては配当課税が超過累進税率でかかるけど、どうかな?

 まあ猛烈に配当をしておいて、元本収受権を子供に贈与し、その後配当をやめるということをしでかす可能性のある商品、つまり元本受益権を子供に贈与というのではないんですね。これはさすがにまじめな日本の銀行は手をださない

 5月15日発売だから、そのうちパンフレットが手に入ると思うので、それからもうちょっと研究します。 

財産評価通達

202

 信託の利益を受ける権利の評価は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げるところによる。(平11課評2-12外・平12課評2-4外改正)

(3)  元本の受益者と収益の受益者とが異なる場合においては、次に掲げる価額によって評価する。
 元本を受益する場合は、この通達に定めるところにより評価した課税時期における信託財産の価額から、ロにより評価した収益受益者に帰属する信託の利益を受ける権利の価額を控除した価額
 収益を受益する場合は、課税時期の現況において推算した受益者が将来受けるべき利益の価額ごとに課税時期からそれぞれの受益の時期までの期間に応ずる基準年利率による複利現価率を乗じて計算した金額の合計額

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2006年5月14日 (日)

企業結合会計が税制に与えた影響

 もうすでに会社法も適用され、今後行われる組織再編は、企業結合会計基準や事業分離等会計基準に準拠した会計処理を行うことになります。

 内容を検討された方なら、どなたでもため息をもらさずにはいられない膨大な量です。この会計基準は、会計監査の入っているような上場会社や会社法上の大会社で遵守しなければならないものです。 ではこの難解な会計処理は、どんなちっこい会社の組織再編でも適用しなければならないものでしょうか。

実はこの企業結合会計基準の思想が会社法計算規則に入っています。

 会社法はどんなちっこい会社でも遵守しなければならないもの(たとえたてまえでも)ですよね。でもこの組織再編周りの計算規則を読んでいると 「できる」となっている条文が多いのです。「しなければならない」ではないんですね。 

 ただ注意して欲しいのは、別に会計処理は、企業結合会計基準に準拠しなくてもいいのかもしれませんが、この会社法計算規則を受けて、平成18年税制改正がなされており、それは企業結合会計基準の影響を受けています。

 企業結合会計基準で負ののれんというのが登場します。 これはどういう場合に生ずるかというと 時価資産-時価負債 > 組織再編の対価の時価

 ようするに 時価で換算すると 200万円の企業を 150万円で買ったような場合、賢い買い物をした場合に生じます。

 この負ののれんは、会計上は20年以内で償却しないといけないんですね。

 この会計の負ののれんのコンセプトが、、税金の世界にも入ってきました。

 組織再編は、ご存知のように税法上は、適格組織再編と非適格組織再編にわけられます。

適格組織再編は、組織再編時に、承継される事業ないし会社の資産、負債を税務上の帳簿価額で引継ぐもの つまり組織再編時に評価損益を繰延べ、課税させない。

非適格組織再編は、組織再編時に承継される事業ないし会社の資産、負債を時価で譲渡したと考えて、含み損益を実現させ課税させる。

あんまり企業は非適格組織再編をやりたがらないのですが、このケースに当てはまった場合の税務処理で負ののれん 税法用語でいう負債調整勘定が登場します。

この負債調整勘定も3つのパートにわかれていて、

①退職給与債務引受額 会計上の退職給付引当金みたいなもの 非適格合併の場合、合併消滅法人では、この部分時価で計上 つまり退職給付費用が損金となっていたはずです。退職給付引当金を引継いだ合併存続法人側の処理をどうすべきかは、平成18年改正前は議論のあるところで4つくらい説がありました。私は、読んで疲れて理解するのをやめてましたが、

②短期重要債務見込額、これは3年以内に発生するような重要な債務の引当金みたいなもの たとえば合併後、工場を閉鎖することがわかっているような場合の、閉鎖損失見積り額

③差額負債調整勘定 税務上計算した負債調整勘定のうち①、②を差引いた残額 60ヶ月(5年)で償却

これらを計上し、それぞれのルールに従って、償却しなければならないと定めています。つまり償却額が利益に計上される。

③の差額負債調整勘定が、会計でいう負ののれんに似たようなコンセプトのものです。

ただ実務で泣かされるのは、会計上の負ののれんと差額負債調整勘定は、まずイコールにならない。償却年数も会計上は20年までいけるけど 税務は5年ですし、金額もまず違うでしょう。そうなると税効果会計の計算をしないといけないんでしょうね。えんえんと

 もうええかげんにして欲しい。 ちょっと昔まで 会計も税務もそんなに難しくなかったのに平成12,3年くらいからややこしさを追求するようになってきました。スーパー職人の時代というか、今現在100人いる会計人または会計実務担当者のうち、この辺を理解して実務ですぱっつすぱっつと応用できる人が何人いるんでしょうか? こんな膨大な時間をつぎこまないとわからないようなシステムってへんだと思うのは私だけでしょうか?

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2006年5月13日 (土)

事前確定届出給与の届出書はいつまでに提出するのか?

 久々の土曜ネタというか、信託以外ネタ 

平成18年の税制改正はすさまじいものがありますが、役員賞与関係は大きく変わってますね。

 以前は、ある役員の年収が1,800万円の場合、役員報酬として毎月150万円ずつ払わないと支払った費用が税務上の費用(損金)になりませんでした。毎月100万円ずつ払ってボーナス時に300万円ずつというとこの300万円は損金にならない。ただこの役員が使用人兼務役員だった場合、つまり総務部長取締役とか、工場長取締役のような場合は、賞与部分のうち、同じような仕事をしている従業員に支払った賞与と同じような金額の部分は損金となりました。

 それが改正になり事前に届出を出しているのような場合は、上記のケースで、300万円部分も損金となります。

 事前の届出はいつまでか? 

 ◎職務の執行を開始する日

 ◎当該事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3月を経過する日

 いずれか早い日

 これは、たとえば3月決算法人の場合で、6月25日の株主総会で取締役に選任されたような場合だったら、職務の執行を開始する日はたぶん6月25日でしょうね。会計期間開始に日から3月を経過する日って難しい表現だけど、このケースの場合は6月30日 6月25日の方が早いから届出期限は6月25日

 すでにずっと役員になっている場合は、4月1日は、職務の執行を開始しているから4月1日に届出書をだせということかな?

 じゃ今年は、どうなる?すでに5月13日。今年は例外規定で上記2つのいずれか早い日が施行日(H18.4.1)から3ヶ月を経過する日以前の日となる場合の届出期限は、当該3月経過日

 3ヶ月を経過する日以前となるから、6月末までに事業年度が開始するケース、つまり3月決算、4月決算、5月決算までは届出期限が6月末ということかな?

6月決算は7月1日スタートになるから、ずっと役員である人の給与の場合は、執行を開始した日は7月1日だから、この日が届出期限ということか?

 なんかこの辺、税務の専門誌でも内容が錯綜してます。上記は私なりの条文解釈なので取り扱い注意。間違ってた場合は、ごめんなさい記事を わかり次第 書きます。

 次に国税庁のHPからダウンロードした平成18年度法人税関係法令の改正のあらましによると、職務の執行を開始する日までに所定の時期に確定額を支給する旨の定めが定められていることが必要なのでご注意ください。とかいてます。

 会社としてフォーマルに金額、時期を決定する必要がある。これ通常は取締役会が代表取締役に一任して、代表取締役が報酬決定通知書みたいなもんを渡して「あんたはいくら」とやるんでしょうね。そうするとそんな書類も残しておく必要があるということでしょう。しかも執務の執行を開始する日までにです。

 3月決算法人で以前からずっと役員をしているような場合は、4月1日以前に上記報酬決定通知書が作成されていないと届出書を提出してもだめだということでしょう。

 さてこの規定を進行事業年度から適用しようと考えておられる会社の皆様、報酬決定通知書を既にお作りになられたでしょうか?

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2006年5月12日 (金)

構成員課税(パススルー課税)になると何が問題だ!

 昨日の夕方の6時から、突然ヒット数がいつもの10倍以上に膨れ上がり すわスパムか!と驚いた信託大好きおばちゃんです。

 原因はかの有名な 磯崎さんのブログで紹介していただいたことです。

http://www.tez.com/blog/index.html

 ありがたいですね。それと同時に なぜいつも平日の9時から13時まで ヒット数に占めるお気に入りの割合(割りと私は重視しています。固定のお客さまですので)が多いので、いったい誰なんだろう???いつも思ってました。 

 なんかプロの方がご覧になってると思うと 指が震えます。

 で、今日は、2日間続いた税制の考え方という非常にねっこのところの続き 

お上は、LLPに関しては構成員課税(パススルー課税)にしたけど、彼らは、あんまりパススルー課税にしたくないんですね。 その理由は2つあります。信託を書くと大変なのでLLPのことを書きます。

◎ LLPで生じた損失と構成員の利益を相殺して、損失分税金を減らす

 パススルーということはLLPで生じた利益は、構成員が生じたものとして構成員の所得にプラスされるということは、LLPで生じた損失もパススルーして構成員の所得にマイナスされます。当然マイナスするということは構成員の支払う税金も減ります。

 ちゃんとした事業の結果生じた損失ならマイナスするのは当然なのですが、必ず節税商品というのがでまわって、人工的な損失を犠牲して税金を減らすというものがでてくるはずです。

 なにせレバレッジドリースで、さんざん納税者とやりあい、この任意組合契約(微妙だけど要件はそろっている)は、匿名組合契約だ!というものすごい論理を展開して、こけてしまったトラウマがお上にはある。

 だから平成17年に組合契約で生じた損失というのは、法人組合員に関しては、原則的には、出資金額限度(ただし本当に支払った金額に、それまでの配賦された所得をたして、分配された分を差引いて計算)にして、超過部分はキャリーしてますね。個人組合員の場合は、もっときつくて、超過金額は切り捨てでしょう。繰越損失の条文がないもんね。

 だから

 損失とりこみによる税金減らしは、なんとか防げることになってますね。

◎ 外人が出資した場合

 たぶんお上がパススルーをいやがる理由は、欠損金使った節税策(これは日本人向け)と、もう1つ稼いだ税金に対する課税逃れ(これは外人向け)でしょう。

 たとえば、外人と日本人がジョイントで日本に会社を作ります。この会社は日本と外国で大儲けをします。この儲けに対する利益に対して、どこの国が課税するのか? 外国でも課税されるかもしれないけど、とりあえずこの会社の利益全部に対して、日本のお上は税金を課せられますよね。

 で外人がこんなんいやじゃ!といいだしてジョイントでLLPを作りました。LLPは日本と外国で事業をやり、大儲けをしました。さて日本のお上はどの部分に税金をかけることができるか?

 日本人に配賦された利益に関しては、LLPが稼いだ全世界の所得(日本+外国)に対して、日本で税金を払わないといけません。

 じゃ外人は? これはね、外人に関しては、LLPが稼いだ所得のうち日本で稼いだ分についてだけ、日本で税金を払わないといけない。

 しかも外人の国と日本との間に租税条約が結ばれている場合は、通常、日本の国内の儲けのうち、PE(恒久的施設)に帰属する部分だけと、狭められてしまうんです。

 たとえばLLPが外国に営業所みたいなものを設けていて、そこが日本向けのサービスなんかをして大儲けをしても、日本のお上は指を加えて眺めているだけ。。。。

 で、こっちのほうは、法律一本作って今年から規制というわけにはいかないところがあるんですよね♪

 お上も必死なんでしょうけど、相手は、海千山千の外人ですから なかなかどうして。。。

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2006年5月11日 (木)

なぜ事業体ごとに誰が税金を払うのか変わるのか?

 昨日 事業体によって、その事業体が稼いだ所得について課せられる税金を誰が税金を払うかが変わると書きました。

 株式会社が稼いだ利益だったら、その利益に対して税金が課せられます。たとえ、その会社の100%の株式を持っているAの孤軍奮闘により利益がでているからといって、Aの所得として、税金が課せられるのではありません。

 会社というのは、登記によって人工的に作られ、会社として、契約をして、不動産を買ったり、人を雇ったり、物を売ったりすることができる。つまり自分で法律行為ができる事業体であるので、株主とは別のものだから、この事業体を一つとして税金を計算します。

 日本版LLPは、契約で2人以上の人やら会社やらが、一緒に事業をしましょうねという契約です。この契約は登記されますが、これは、この契約により作られた事業体が、失敗して大損しても、有限責任だから、かかわる人は気をつけてね!という注意喚起がベースあります。

 たしかにLLPは、不動産を買ったり、人をやとったり 物を売ったりすることはできます。でもこれはLLPが、単独で法律行為ができるというものではなく、LLPの組合員が共同で、LLPという名称を使って行為をしていると考えるのではないでしょうか。つまりLLP自体は法律行為はできない。

 だからLLPはLLP自体が稼いだ利益は、LLPが稼いだ利益じゃなくて、組合員が稼いだ利益として税金を計算するのではないでしょうか。

 会社とLLPについては、法律行為ができるのは誰かという視点が大きいと思います。

 じゃ 信託は?となるのですが、たとえば不動産に信託を設定した場合は、名義は、信託会社になります。つまり法律上の不動産の所有者は、信託の受託者である信託会社になります。だから受託者は、その不動産を担保にお金を借りることもできます。

 上記会社とLLPと同じ論理で考えると、信託財産を1つの納税義務者として税金を課しますとぴしゃっと書けばいいわけです。

 しかしここで実質的にその財産から生ずる利益の帰属者は誰かという実質主義的な考えがお出ましになります。信託の受託者というのは、一生懸命働くのですが、それは自分の利益の最大化のためでなく、受益者のためなんですね。だからなんば信託財産で利益を獲得しても、手間賃はもらえるけど、利益は受益者さまにお渡ししないといけない。

 だから信託の場合で、受益者が特定している場合は、受益者が利益を稼いだと考えて、税金を課すということになるわけです。

 でも信託の場合はですね。例外がいろいろあるんですよね。政策的な思惑やらなんやらで、接木のように新しい製品ができるたんびに新しい税金の計算方法や、税金を払う人を変えたりもしているわけです。

 

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2006年5月10日 (水)

誰が税金を払うのか?それが問題だ

 信託の税金のことを、時々、書いてきましたけど、今日は、もっと基本的というか、広い視点で、 つまり世の中にはいろんな事業体があるけど、誰がその税金を払うのか?ということを書きます。

 えっつ誰って? そりゃ稼いだ人でしょ? そう思われるのが普通です。でもそれってすべての事例にあてはまるわけではない。つまり例外があるんです。

個人が事業をして稼いだ所得は誰が税金を払うか? ----その個人でしょ

株式会社や合同会社、合名会社、合資会社に特例有限会社が稼いだ所得の税金は誰が払うか?ーーーーーーーーーその法人ですね。

民法上の組合や有限責任事業組合(日本版LLP)や投資事業有限責任組合が稼いだ所得の税金は誰が払うのーーーーこれはですね。その組合じゃないんです。組合員なんですね。あたかも組合という事業体はないと考えて、組合の所得を、契約で決めた割合で配分するわけです。これをパススルーといいます。

じゃ匿名組合の所得の税金は誰が払うのーーー 匿名組合の出資者 とすぐ答えそうですけど、微妙に違うのです。これは稼いだ所得は、営業者の所得といったんなるのですが、匿名組合員に分配する部分を、営業者の所得の計算上差引けるわけです。その結果、その所得は匿名組合員の所得となる。 パススルーは組合の存在を全く否定するのですが、匿名組合は、営業者の存在を認めているけど、分配金が損金になります。これをペイスルーといいます。

では、信託は?信託財産が稼いだ所得は、原則としては、信託財産の所得となりません。受益者が特定している場合は、受益者の所得、受益者が不特定、不存在の場合は、委託者の所得となります。これもパススルー

組合のパススルーと信託のパススルーでどこがちがうか。

平成17年の改正で組合の所得の計算上生じた、損失については、原則として、一定の金額を超えては損失とならないような規制がはいりました。節税対策で組合が結構利用されたからでしょう。

信託に関しては、今のところ規制は入っていません。でも他のパススルーの事業体との課税の公平性を保つために、同様の規制が入ってくることが、当然予想されます。

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2006年5月 9日 (火)

昔、こんな節税対策があった

今日は、ねたくりのために週刊税務通信のデータ版で遊んでいたところ昔懐かしい相続税の節税対策が載っていました。

土地を信託するんですね。30年の信託期間で、 ただ受益権者をセパレートするんです。

収益受益権者を委託者(たとえばお父さん)元本受益権者を子供

 信託を設定した時点で、子供に対して贈与税が発生するわけです。収益受益部分は自分が自分に贈与するわけないからなし

 じゃ元本受益権はどうなのかというと これ8年くらい前だから平成10年くらいなんでしょうけど

《算式》

5億円×0.0994(=1÷1.08÷1.08÷1.08÷……÷1.08)=4,970万円

今、贈与したら5億円の資産の贈与として贈与税ホ計算になるけど 30年信託を行った場合は、10分の1に下がるわけです。

これは、当時 日本の信託銀行はこわくてやらなかったけど、外資系の信託銀行とかがよく提案していた節税スキームで、

なんでこんなのができるかというと この当時は、バブルがこけて、公定歩合とか下がったのに、税務上の資産評価をするときの基準年利が8%と 高止まりだったことに基因するようですね。

今は、税務の基準金利がかわり10年以上の長期だと1.5%にしかならない

そうするともし上記と同じ算式だとしても 5億円X0.64=3億2,000万円

あまり相続対策にはなりません。

当時の202 信託受益権の評価 です。 今は使えません。

信託の利益を受ける権利の評価は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げるところによる。

  • (3)元本の受益者と収益の受益者とが異なる場合においては、次に掲げる価額によって評価する。

    イ 金銭たる元本を受益する場合は、元本受益者が受けるべき金額について課税時期から受益の時期までの期間に応ずる年8分の利率による複利現価の額

    ロ 金銭以外の財産たる元本を受益する場合は、その財産の課税時期における価額(減価償却を必要とする財産については、課税時期からその財産を受益するまでの間の償却額を控除した価額)について課税時期から受益の時期までの期間に応ずる年8分の利率による複利現価の額

    ハ 収益を受益する場合は、課税時期の現況において推算した受益者が将来受けるべき利益の価額について課税時期からそれぞれの受益の時期までの期間に応ずる年8分の利率による複利現価の額の合計額。この場合において、例えば、受益者が受ける利益が家屋に無償で一定期間居住することができるものであるときの、その将来受けるべき利益の価額は、次による。

    • (イ)第1年目は、課税時期におけるその家屋の価額の100分の8相当額
    • (ロ)第2年目は、課税時期におけるその家屋の価額から1年分の償却額を控除した価額の100分の8相当額
    • (ハ)第3年目以後は、(ロ)に準じて計算した価額

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2006年5月 8日 (月)

1つの土地が 2つの会社のBSに載る?

 不動産の流動化で、会社(オリジネーター)が不動産を証券化して、信託受益権をSPCに譲渡するということが、よく行われます。

 目的のひとつとして、資産のオフバランス化、 オリジネーターの貸借対照表(BS)から資産を減らしましょう。資本の効率化をはかりましょうというのがあります。

 でもいくらオリジネーターのBSから減ったって子会社に移したら、連結BSには資産がのっかってくるから、オフバランスにはならないんです。

 これじゃ困るということで、オリジネーターが有限責任中間法人(そのうち一般社団法人になるけど)に出資して、有限責任中間法人が有限会社(そのうち合同会社になるだろうけど)に出資して、有限会社が信託受益権を買い取ることになる。

 その結果、連結はずしもできる。 めでたしめでたし、とここではおわらないんですね。

 有限会社が匿名組合とかを利用して投資家から出資することになるけど、その投資家の中に、まずオリジネーターがはいってくる。 こけた場合のリスクは、通常オリジネーターがかぶるようなしくになってますよね。

 でもこのオリジネーターの出資というかリスク負担が、譲渡した不動産(信託受益権)の価額のおおむね5%(このおおむねがどういうことかは監査人の判断らしいですが)を超えるような場合は、ちゃんと譲渡していても、会計上は、譲渡していないので金融取引だということになる。つまり不動産はあいかわらずオリジネーターが所有しているとするそうです。

 現金 100   土地 10

        売却益   90

という仕訳が当初の仕訳で

土地 10     借入金 100

売価益 90

という仕訳を追加するということなのかなあ?

でもね ちゃんと法律上は売却しているんですよね。

そうするとSPCの方はやっぱり

土地 100      現金 100 

となるわけです。

つまり1つの土地が

オリジネーター側で 10 として計上され 

SPC側で 100として計上される。

へーーーー へんだけどね♪

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2006年5月 7日 (日)

ヒルズ黙示録と信託受益権

信託大好きおばちゃん@東京です。ゴールデンウィークの最終日、東京は雲に覆われてます。

昨日、東京駅の見下ろせるオフィスで会社法とそれに関連した税法の勉強会をしていたのですが、その勉強会の主宰者の方から話題の本 大鹿靖明「ヒルズ黙示録 検証ライブドア」朝日新聞社をいただきました。

信託とは関係ないだろうと思いつつ読み初めたところいきなり信託受益権の話が飛び出てきました。

例のライブドアのニッポン放送株買占め事件の発端ででてくるわけです。

フジサンケイグループは、ご存知のようにラジオ放送の会社であるニッポン放送が、フジテレビをなど、グループ会社の株を保有しコントロールできる立場にありました。

そのニッポン放送の大株主が、鹿内宏明氏でした。彼は、急死した鹿内春雄氏の後を受けて、グループのトップに就任したのですが、トップの器にはふさわしくないと判断されて、追い出されてしまったわけです。でも株は残っており、隠然とした力をある意味持っていたのです。

フジテレビ等は、それが目の上のたんこぶであり、また小さなニッポン放送が大きなフジテレビを支配するという構造も、もう一つ目の上のたんこぶでした。

また鹿内宏明氏サイドも、復権をもくろんでいたがうまくいかず、またお金も底をつきかけていたので、株を売却したいという意向もありました。

しかしいきなり鹿内氏の株式をフジテレビが買い取るというがバレルのは、フジテレビサイドも鹿内サイドも望ましくなかったのです。

フジテレビサイドとしては、ニッポン放送の経営者や社員のフジテレビの傘下になんか入りたくないというプライドを刺激したくなかった。

鹿内サイドとしては、株の売却資金が手に入ったことがわかると、株式の購入の不明朗さもあったので、一族のどろどろした利益の奪い合いにまきこまれる可能性もあった。

そこでどうしたかというと鹿内夫妻の持つニッポン放送株式に信託を設定した。所有者はあくまでも鹿内氏なので、株主総会の議決権も鹿内氏として行使した。つまり外からみたらずっと所有者は鹿内氏のままです。

そして信託受益権部分を大和SMBCに売却した結果、ニッポン放送の株式の配当収受権と、信託期間終了後の現物株式の受取人は、大和SMBCとなりました。信託期間は6ヶ月として、状況をみて更新することとしました。

ところがこの信託を引き受けたシティトラスト信託銀行なのだが、これがシティバンクのプライベートバンキングの撤退とセットでクローズされることになり、信託契約も強制終了することになってしまったのです。

そうすると、自動的にニッポン放送株の所有者は大和SMBCとなり、証券取引法上の大量保有報告書の届出義務が生じるので、世間に公表されることになってしまいました。

そしてその5日後、フジテレビはTOBを発表したのだが、実は、もっとすごい魑魅魍魎がいたのだった、、、

ここからあとはマスコミでご存知のとおり

 信託受益権の利用の仕方として非常に勉強になります。実質的な所有権が移動しても、形式的な所有権が移動しない限り、大量保有報告書の届出はでないから、世間的には、移動がわからない。これを利用して、いろんなことができるということなんでしょう。

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2006年5月 6日 (土)

あれって 事業信託ってできなくなるの?

 事業信託は可能になる 可能になる 可能になる なんか要綱試案やマスコミの報道で刷り込まれてしまった昨日 なんとなく条文を読んで気づきました。ほんとうに事業信託可能なのかなと

 事業信託が可能というのは、信託財産に債務が含まれてもOKというのが根拠で

その根拠は、

 昨年の7月に出された信託法改正要綱試案

第1信託の意義について

3.信託契約の効力発生時における債務の引き受け

信託契約の効力が生じる時に、受託者となる者は、委託者となる者が負担している債
務を信託財産に属する債務として引き受けることができるものとする。

でもね、この意義って 信託法の第1条から消えているんですよね。

どこかに隠れているのかなと思ってPDFの検索機能使ったのだけどそれでもうまくいかない。

おーい 委託者の債務の条文はどうなったのだーーい 

これがないと事業信託は難しいんちゃうの 

誰か知っている人教えて。。。。 本当はどうなの。。。。

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2006年5月 5日 (金)

事業信託と受益者への費用の補償

 信託法が改正になって事業信託が可能になりますよね。資産だけでなく、負債もセットで信託できるから

 今の信託で問題になっているのが、債務超過になって、信託資産で負債が支払えなかった場合は、誰が負担するのかということ。

 まず受託者が払うけど、受託者は、受益者に払った分、費用請求ができる。受益者としては、これを拒否するためには、受益権の放棄をしないといけない。でも特約で放棄できないようにしたりしている。また、信託の利益を享受した場合、あるいはすでに発生した信託債務については、受益権放棄をしても補償を免れることができない(注1)なんて解釈されているらしい。

 つまり受益者は、ある日突然、請求書がきて仰天という事態がおこる。土地信託みたいな場合なら、自分が事業をやっているようなものだからしょうがないとあきらめがつくかもれれないけど、信託受益権が有価証券化されて、それを購入した一投資家にまで被害が及ぶのはかなわない。

 で、改正でどうなるか、あんまりよく調べないで記事を書いていたのですが、今日再度補足説明までもどって読み直したけど、

 改正では、そこまで読みきれるかどうかはわからないのですが、 原則的には、受益者は、費用等の補償をしなくてもいいけど、特約で払うとなっている場合は、費用を払わないといけない。つまり債務超過になって、債務を払え!と銀行が受託者にいってきて、受託者が受益者に請求した場合、原則的には受益権の放棄をしようとしまい請求に応ずる必要がない。

ただ信託会社も馬鹿じゃないから きっと特約をつけてきたりするのでしょう。特に事業信託というのはリスキーだから

信託法改正48条

5 第一項又は第二項の場合には、受託者が受益者との間の合意に基づいて当該受益者から費用等の償還又

は費用の前払を受けることを妨げない。

この条文にフィットしそうな要綱試案の補足説明

受益者は,費用の補償につき責任を負わないもの
とするが,受託者と受益者との間で個別に費用の補償の合意をすることは
妨げないものとする案である。
この考え方は,債務の負担に関する一般原則に照らして,信託行為の当
事者となっていない受益者が信託行為の効力によって当然に補償請求権に
係る債務を負担すべきものとするまでの必要性は乏しいと考えるものであ
り,受益者に対する補償請求権は,個別の受益者との合意(したがって,
委託者と受託者との間の契約である信託契約そのものとは位置付けられず,
その外側で締結される,信託契約の従たる契約であることになる56。かか
る契約は受益者のほか,委託者等とも締結することがあり得ると整理する
ことになる。)によってのみ発生するとするものである。
この考え方からは,受益者が特段の意思表示なく債務を負担する地位に
立たされることはないため,甲案と異なり,受益者に債務負担を免れる手
段を与えるために受益権の放棄に関する規定を設ける必要性は存しないこ
とになる

注1 北村恵美『信託財産に帰属する債務に関する一考察』信研18号3ページ以下(1994)

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2006年5月 4日 (木)

信託税制の不思議 今の相続税では、受益者連続信託は根付かない お返事

みしっくさん おはようございます。信託大好きおばちゃんです。

みしっくさん:

『配偶者の相続税額軽減というのは,ずいぶん大きなメリットがあるのですね.
そうしますと,財産的な利益がなるべく配偶者に行くような形で遺産を残すのがよさそうだと思いました(具体的には,種類株式を活用することになるのかと).』

配偶者の税額軽減は そうですね。 だんなが1兆円財産残しても、配偶者が5,000億円もらう限りにおいて、相続税は1円もかからないのですよね。

これはね、配偶者というのは、被相続人と同世代であり、そんなに遠くない将来にまた相続が起こることが予測されから、ここはちょっと配偶者に対する税金はサービスしといて、そのかわり配偶者が亡くなったときは、しっかりいただきますよということでしょうね。

だから配偶者に財産を渡しすぎるのはよくないんです。 ある意味 第一次相続の時点で子供に相続税をかけてでも財産をわたした方が、配偶者を経由するより相続税が安くなるケースもあります。

また第一次相続の時に、使えばどんどん減るような現金は配偶者にわたしておいて、土地とか、同族会社の株式については、子供に渡すという方法もありますね。

それから、贈与税がめちゃくちゃにかかりますけど、相続対策としていいのは、孫に贈与すること。一代飛ばしになるのですが、 そのおかげで相続税を1回スキップできるというやつです。

これ大正製薬でも、孫がものすごい(うん百億とか?)贈与税を払って、実行しましたね。新聞に載ってました。

種類株式については、まだまだ未研究ですが、おそらくお上もその辺のことはわかっているので、相続税回避スキームを封じ込めるような税制を設計するものと思われます。

みしっくさん:

『遺族の生活保障を目的として受益者連続信託を設定することも想定されているかと思ったのですけれど,こちらについては,遺族に生活費を終身支給するとともに,残余財産を特定の者に引き渡すという内容の信託を設定する方がよいのかなと思いました.

Xの財産を、一定時期までAさんにわたし、Aさんが死んだらBさんにわたすというような場合、どのように相続税をかけるかということを今の法律では設計されていないんですよね。

最悪の場合というか、今の相続税法で近いのを組み立てて考えると

最終的にAさんが死ぬのを停止条件とするBさんに対する遺贈だと

そうなるとAさんが死んだ時点で被相続人Xの財産は確定すると考えるわけです。

それまでは未分割財産(相続人が法定相続分で財産をもらったものとする)

でも相続財産が未分割の場合だと、配偶者の税額軽減は使えない、小規模宅地の特例といって、一定の広さ以下の住居や事業用に使っている土地を相続した場合は、かなりディスカウントしてあげましょうというルールが使えないんですよね。

だからものすごいことになる。

で、みっしくさんのおっしゃるように1つの財産の価値を残余財産分配権と収益収受権に切り分けて、Xの死亡時点で遺贈させる。

この場合は、その財産の丸ごとの価格というのを相続時点で計算して、これを収益分配権と残余財産分配権に、きりわけて計算する。財産の価額ー収益分配権の価額=残余財産分配権の価額というように算定される。

そうしたら上記受益者連続の悲劇はおきないですね

みしっくさん。 コメントありがとうございます。 また遊びに来てくださいね♪

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2006年5月 3日 (水)

短信で土地信託の受益権の会計上の処理を読む

 今日は、5月3日 世の中的にはゴールデンウィーク 会計人にとっては、ブルーウィークの真っ只中でしょう。

 信託受益権の評価って会計上はどうなるのか? BSの借方にのってたのは 信託受益権の中に含まれている資産の勘定科目を使ってた記憶があります。

有形固定資産の中に実物資産と同じ勘定科目で入っていたような、

日本公認会計士協会審理情報No6では、『受益者は受益権を貸借対照表における表示科目は、「投資その他の資産」の区分において、不動産信託にかかる資産であることを示す名称を付した科目、たとえば「土地信託』又は「不動産信託受益権」として表示するのが適当であると考えられる』だそうです。

あれ有形固定資産って間違いだったのかな?

 購入のために要した費用  たとえば仲介手数料 信託報酬等は資産の購入に要した金額だから、取得価額にONですよね。 いくつも不動産がある場合は、なんらかの基準で按分配賦ですけど

固定資産の精算金として支払った金額は、支払った側では損金にならないからこれも資産に配賦でしょう。

REIT(不動産投資法人)はどうなっているのかなと思って 阪急リート投資法人の平成17年11月30日期の決算短針を読んでみると、

 BSの固定資産の項目で たとえば 土地 4,303,991

                    信託土地24,551,909

となってますね。このように信託受益権として所有しているものは、区分掲記してます。

これは、重要な会計方針によると 『保有する不動産を信託財産とする信託受益権につきましては、信託財産内の全ての資産及び負債勘定並びに信託財産に生じた全ての収益及び費用勘定について、貸借対照表及び損益計算書の該当勘定に計上しております。

なお、該当勘定に計上した信託財産のうち重要性がある下記の項目については、貸借対照表において区分掲記しております。 

(1)信託現金及び信託預金

(2)信託建物、信託構築物、信託機械及び装置、信託工具器具備品、信託土地

(3)信託その他無形固定資産

(4)信託預かり敷金保証金』

 この区分する重要性って財務諸表等規則17条2、24条、29条、49条のその金額が資産総額の100分の1を超えるものについては、当該資産を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならないというところからくるのでしょうか?

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2006年5月 2日 (火)

不動産取得税は誰がいつ払う?

 不動産信託がはやっている大きな理由として流通税がナマの不動産で譲渡するよりも安いということがあります。

 この流通税というのは、登録免許税、印紙税、それに不動産取得税

 不動産取得税というのは、土地や建物を購入したり、増築した場合に購入した人が払う税金のことです。

 ナマの不動産を購入した人は当然、不動産取得税を支払います。税金の計算方法は

 土地の場合   不動産の価格 X 1/2 X 3%

   建物 住宅の場合  不動産の価格 X3%

           非住宅の場合 H18.4.1~H20.3.31まで取得 不動産の価格X3.5%

                                 H20.4.1以後取得       不動産の価格X4%

   不動産の価格というのは、固定資産評価額がベースになっており、住宅の場合で、条件を満たしている場合は、不動産の価格から一定の金額を控除して計算します。

 さて、信託をした場合ですが、これは3つの側面で不動産の取得がどうかを考えることになります。

 ◎ 不動産を信託した場合  信託するというのは譲渡するというのではないと考え、信託銀行や信託会社が不動産に信託を設定するのは、取得と考えないから、不動産取得税はかかりません。たとえた益信託(委託者≠受託者)のような信託を設定してもです。

 ◎ 信託受益権を譲渡した場合 不動産受益権を譲渡して、実質的に不動産から利益を受ける人が交代しても、登記上は、受益者変更なんてしないんですよね。だからお上も税金取りたくても、調べようがないから、この時点で受益者に不動産取得税はかからないんです。もっともらしい合理的な理由はあると思うのですが、

 ◎信託期間が終了した場合 信託期間が終了して、不動産が受託者から受益者に戻ってきます。もし戻ってきた不動産の所有者と、最初に信託した所有者が同じ場合には、不動産取得税はかかりません。ずっと自分の所有のものであり、たまたま一定の時期、形式的な名義を信託銀行等にかえたと考えるからだと思います。

 でも、不動産の最初の取得者≠終了時に不動産を取得した者の場合、これは他益信託(委託者≠受益者)の場合や、自益信託(委託者=受益者)でも、信託受益権を譲渡して、信託した取得者と異なる人が、不動産を取得した場合は、この時点で不動産取得税を払わなければならないことになります。信託の終了時点で、登記がなされるから、この時点で所有者の変更がわかりますしね。

 

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2006年5月 1日 (月)

知財信託の間接税は、不動産信託よりはお徳感がない

 不動産の信託が最近、凄く浸透している最大の理由は、生の不動産を売るより、流通税コストが安いから

 不動産を信託したからって不動産取得税はかからないし、不動産の信託受益権を購入したかっらて この時点で不動産取得税はかからない。

 登録免許税の費用だって、信託した方が、ずっとやすい

 じゃ、知財信託をした場合と、生の知的財産を譲渡した場合はどうちがうのか?

生の知的財産を譲渡した場合と 信託設定時の登録免許税の比かく /件

            信託 *         譲渡

特許権       3,000        15,000

実用新案権    3,000         9,000

意匠権       3,000         9,000

商標権       9,000        30,000

著作権       3,000        18,000

登録免許税法別表第1

*信託原簿に登録するためにかかるもの 

   なんで商標権が高いんだろう?

たしかに信託を設定した方が安いのだけど、知的財産には、不動産取得税というものがないから不動産信託ほどメリットはない

この登録免許税は、単価X金額で総額が決まるから、膨大な知的財産を信託するなら、それだけコストもかかる。

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