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2006年5月14日 (日)

企業結合会計が税制に与えた影響

 もうすでに会社法も適用され、今後行われる組織再編は、企業結合会計基準や事業分離等会計基準に準拠した会計処理を行うことになります。

 内容を検討された方なら、どなたでもため息をもらさずにはいられない膨大な量です。この会計基準は、会計監査の入っているような上場会社や会社法上の大会社で遵守しなければならないものです。 ではこの難解な会計処理は、どんなちっこい会社の組織再編でも適用しなければならないものでしょうか。

実はこの企業結合会計基準の思想が会社法計算規則に入っています。

 会社法はどんなちっこい会社でも遵守しなければならないもの(たとえたてまえでも)ですよね。でもこの組織再編周りの計算規則を読んでいると 「できる」となっている条文が多いのです。「しなければならない」ではないんですね。 

 ただ注意して欲しいのは、別に会計処理は、企業結合会計基準に準拠しなくてもいいのかもしれませんが、この会社法計算規則を受けて、平成18年税制改正がなされており、それは企業結合会計基準の影響を受けています。

 企業結合会計基準で負ののれんというのが登場します。 これはどういう場合に生ずるかというと 時価資産-時価負債 > 組織再編の対価の時価

 ようするに 時価で換算すると 200万円の企業を 150万円で買ったような場合、賢い買い物をした場合に生じます。

 この負ののれんは、会計上は20年以内で償却しないといけないんですね。

 この会計の負ののれんのコンセプトが、、税金の世界にも入ってきました。

 組織再編は、ご存知のように税法上は、適格組織再編と非適格組織再編にわけられます。

適格組織再編は、組織再編時に、承継される事業ないし会社の資産、負債を税務上の帳簿価額で引継ぐもの つまり組織再編時に評価損益を繰延べ、課税させない。

非適格組織再編は、組織再編時に承継される事業ないし会社の資産、負債を時価で譲渡したと考えて、含み損益を実現させ課税させる。

あんまり企業は非適格組織再編をやりたがらないのですが、このケースに当てはまった場合の税務処理で負ののれん 税法用語でいう負債調整勘定が登場します。

この負債調整勘定も3つのパートにわかれていて、

①退職給与債務引受額 会計上の退職給付引当金みたいなもの 非適格合併の場合、合併消滅法人では、この部分時価で計上 つまり退職給付費用が損金となっていたはずです。退職給付引当金を引継いだ合併存続法人側の処理をどうすべきかは、平成18年改正前は議論のあるところで4つくらい説がありました。私は、読んで疲れて理解するのをやめてましたが、

②短期重要債務見込額、これは3年以内に発生するような重要な債務の引当金みたいなもの たとえば合併後、工場を閉鎖することがわかっているような場合の、閉鎖損失見積り額

③差額負債調整勘定 税務上計算した負債調整勘定のうち①、②を差引いた残額 60ヶ月(5年)で償却

これらを計上し、それぞれのルールに従って、償却しなければならないと定めています。つまり償却額が利益に計上される。

③の差額負債調整勘定が、会計でいう負ののれんに似たようなコンセプトのものです。

ただ実務で泣かされるのは、会計上の負ののれんと差額負債調整勘定は、まずイコールにならない。償却年数も会計上は20年までいけるけど 税務は5年ですし、金額もまず違うでしょう。そうなると税効果会計の計算をしないといけないんでしょうね。えんえんと

 もうええかげんにして欲しい。 ちょっと昔まで 会計も税務もそんなに難しくなかったのに平成12,3年くらいからややこしさを追求するようになってきました。スーパー職人の時代というか、今現在100人いる会計人または会計実務担当者のうち、この辺を理解して実務ですぱっつすぱっつと応用できる人が何人いるんでしょうか? こんな膨大な時間をつぎこまないとわからないようなシステムってへんだと思うのは私だけでしょうか?

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