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2006年5月 7日 (日)

ヒルズ黙示録と信託受益権

信託大好きおばちゃん@東京です。ゴールデンウィークの最終日、東京は雲に覆われてます。

昨日、東京駅の見下ろせるオフィスで会社法とそれに関連した税法の勉強会をしていたのですが、その勉強会の主宰者の方から話題の本 大鹿靖明「ヒルズ黙示録 検証ライブドア」朝日新聞社をいただきました。

信託とは関係ないだろうと思いつつ読み初めたところいきなり信託受益権の話が飛び出てきました。

例のライブドアのニッポン放送株買占め事件の発端ででてくるわけです。

フジサンケイグループは、ご存知のようにラジオ放送の会社であるニッポン放送が、フジテレビをなど、グループ会社の株を保有しコントロールできる立場にありました。

そのニッポン放送の大株主が、鹿内宏明氏でした。彼は、急死した鹿内春雄氏の後を受けて、グループのトップに就任したのですが、トップの器にはふさわしくないと判断されて、追い出されてしまったわけです。でも株は残っており、隠然とした力をある意味持っていたのです。

フジテレビ等は、それが目の上のたんこぶであり、また小さなニッポン放送が大きなフジテレビを支配するという構造も、もう一つ目の上のたんこぶでした。

また鹿内宏明氏サイドも、復権をもくろんでいたがうまくいかず、またお金も底をつきかけていたので、株を売却したいという意向もありました。

しかしいきなり鹿内氏の株式をフジテレビが買い取るというがバレルのは、フジテレビサイドも鹿内サイドも望ましくなかったのです。

フジテレビサイドとしては、ニッポン放送の経営者や社員のフジテレビの傘下になんか入りたくないというプライドを刺激したくなかった。

鹿内サイドとしては、株の売却資金が手に入ったことがわかると、株式の購入の不明朗さもあったので、一族のどろどろした利益の奪い合いにまきこまれる可能性もあった。

そこでどうしたかというと鹿内夫妻の持つニッポン放送株式に信託を設定した。所有者はあくまでも鹿内氏なので、株主総会の議決権も鹿内氏として行使した。つまり外からみたらずっと所有者は鹿内氏のままです。

そして信託受益権部分を大和SMBCに売却した結果、ニッポン放送の株式の配当収受権と、信託期間終了後の現物株式の受取人は、大和SMBCとなりました。信託期間は6ヶ月として、状況をみて更新することとしました。

ところがこの信託を引き受けたシティトラスト信託銀行なのだが、これがシティバンクのプライベートバンキングの撤退とセットでクローズされることになり、信託契約も強制終了することになってしまったのです。

そうすると、自動的にニッポン放送株の所有者は大和SMBCとなり、証券取引法上の大量保有報告書の届出義務が生じるので、世間に公表されることになってしまいました。

そしてその5日後、フジテレビはTOBを発表したのだが、実は、もっとすごい魑魅魍魎がいたのだった、、、

ここからあとはマスコミでご存知のとおり

 信託受益権の利用の仕方として非常に勉強になります。実質的な所有権が移動しても、形式的な所有権が移動しない限り、大量保有報告書の届出はでないから、世間的には、移動がわからない。これを利用して、いろんなことができるということなんでしょう。

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