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2006年5月19日 (金)

投資事業組合を連結に取り込んだから業績が下がったというけれど

1. 新聞によると

昨日(平成18518日)日本経済新聞によると、JDCは、連結範囲の見直しなどに伴い業績予想を下方修正したと報道されています。平成183月期業績予想(連結、個別)の修正に関するお知らせ(平成18515日)を読むと「信託移行前の投資スキームである投資事業組合出資案件に係る連結範囲の見直し等に関し監査法人との協議がほぼ終了し、業績修正が必要となったことが判明したため、下方修正を行うものです。」となっています。

2.投資事業有限責任組合とは、

投資事業有限責任組合とは事業者に対する投資事業を行うための組合契約です。

特徴としては、無限責任組合員(組合の債務を無限責任で負う組合員)と有限責任組合員(組合の債務を出資額限度で負う組合員)がいます。多数の投資家から資金を集めて、無限責任の組合員がその資金を投資に回し、コントロールする場合にしばしば使われます。

3.投資事業有限責任組合の個別財務諸表上の会計処理は

従来から投資事業有限責任組合の会計処理は出資金(証券取引法で有価証券とみなされるものは、有価証券)で出資額を計上し、毎期の損益は、出資金額を増減させることにより取り込むのが通常です。この場合、組合純資産(組合総資産―組合総負債)組合純損益(組合総収入―組合総負債)のうちの当社配賦部分のみが個別財務諸表に計上されます。そしてその部分がそのまま連結財務諸表に載ってきます。

他に組合総資産、総負債や総収益、総費用のうち、自社持分を配賦する方法や、組合純資産と組合総収益、費用を配賦する方法があります。

個別財務諸表の監査を受けているならば、組合の損益、資産の内容も検討しているので、適正な組合の純資産、損益(自社配賦分)が計上されています。

4.連結の範囲に含まれると

従来から連結範囲は、会社、組合その他これに準ずる事業体が含まれ、支配力基準や影響力基準で決まります。この範囲に投資事業有限責任組合も入るはずです。

でもJDCの平成17年9月期の連結短信を読むと「投資事業組合等に対する出資のうち、当社の出資持分が過半数を超える投資事業組合が13ファンドありますが、投資は事業組合等の資産、負債及び収益、費用は出資持分に応じて各出資者に帰属するため、投資事業組合等は子会社として取扱っておりません。」となっており、連結には取り込まれていませんでした。

それではもし連結に取り込まれるとどうなるのか?これは、いったん投資事業組合の資産、負債、収益、費用は、総額で連結財務諸表に計上されます。そしてそのうち他の組合員に属する部分の資産、負債は純額で少数株主持分へ、収益、費用は、少数株主損益として振り替えられます。少数株主損益の計上は法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額と当期純損益の間で計上されるから、組合損失が大きい場合、経常損益に与える影響は大きいですが、当期純損益までくるとそんなに影響はないと思います。

じっくりと公表資料を読むと、業績修正の要因はどうも他の問題の方が大きいような気がするのですが♪

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