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2006年5月22日 (月)

事業信託は、ライバルたちに勝てるか?

1. 事業信託が使える条文発見!

以前、このブログで、信託法改正要綱試案では 第1信託の意義で「信託契約の効力発生時における債務の引き受け信託契約の効力が生じる時に、受託者となる者は、委託者となる者が負担している債務を信託財産に属する債務として引き受けることができるものとする。」と規定しているのに、改正信託法では1条で委託者の債務が書かれていないので、事業信託はだめになったのかと書きましたが、他の条文の中で発見しました。

すなわち「次に掲げる権利に係る債務は、信託財産責任負担債務となる。

信託前に生じた委託者に対する債権であって、当該債権に係る債務を信託財産責任負担債務とする旨の信託行為の定めがあるもの」(信託法21三)

信託財産責任負担債務とは、信託財産にかかる債務で、受託者がその財産を限度に弁済したらそれでいいですよ、持ち出しの必要性はありませんよというようなものです(信託法二⑨)。

これで事業信託は可能ということが確認できました。

2.事業信託の強みは?

事業信託というのは、読んで字のごとく、土地とか知的財産というような具体的な静物を信託するのではなく、人、物、金が一体となった能動的な生物を信託するというのが私のイメージです。

事業譲渡や会社分割という手法により事業を別会社に譲渡することが可能ですが、それと同じことを信託を使ってやりましょうということでしょうね。

債権者を害さないような信託なら倒産隔離が図られて、事業者が受取った信託受益権を売却すると、投下資本の回収が図れる。資産の譲渡の中に不動産がある場合は、事業譲渡をするよりは流通税のコストが下がる。この辺が、他のスキームよりも競争力のあるところなのかもしれませんが、まだ具体的なイメージがわきません。

3.会計、税務上の取り扱いがどうなるのかが最大のポイント

事業信託が、使えるようになるためには会計、税務上の取り扱いがどうなるかがポイントですよね。

事業信託をしたけど、事業のコントロールがあいもかわらず委託者にあるような場合は、委託者のF/Sから事業資産、負債が残り、事業信託の損益も総額で計上されるだろうと思います。

事業信託をして、事業のコントロールが完全に受託者に移ったような場合で、信託受益権を譲渡した場合はオフバランス可能でしょうか。こちらにも5%ルールが適用になるのでしょうか。

それでは、税務上はどうなるのでしょうか?

受益者が特定している信託の場合は、受益者が損益のパススルーを受けるということだから、委託者=受益者の場合は、委託者に損益がパススルーするということになるのでしょうか。

それでは受益権を譲渡した場合は、譲受人もパススルーされるのでしょうか。

アメリカでは、事業信託は法人税の課税対象になっているので、日本でも特定目的信託同様法人税の課税対象になるのでしょうか。それとも組合課税との整合性をとって、パススルー課税を使うが、損失規制を設けるのでしょうか。

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