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2006年5月15日 (月)

りそなの自社株承継信託♪

 昨日(2006/5/14) 日経の3面に載ってましたね。

 りそなの本邦初の自社株承継信託

 これはどういうものかというと 自社株を信託する。自社株の議決権は、オーナーになるようにする。自社株の実質的価値を収益収受権と元本収受権にわける。元本収受権はオーナーが受取り、収益収受権は後継者が受取る。信託設定期間は最長30年。ということは30年間 子供は配当を受取る権利を受ける。

  このブログが始まってすぐくらい(去年の10月ころ)この自社株承継信託を紹介したけど、あれは、信託して、実質的価値部分は、オーナーが受取り、議決権を後継者に渡して、経営者のトレーニングをさせてたというやつ

 みそは信託受益権の配当収受権の評価を利用した相続対策というかまあそんなものでしょう。

 信託受益権の評価で元本受益権者と収益受益権者が違う場合の評価は、簡単にいうと、相続贈与時の自社株の評価額ー収益受益権の評価額=元本受益権の評価額

収益受益権の評価は、受益者が将来受けるべき利益の価額ごとに課税時期からそれぞれの受益の時期までの期間に応ずる基準年利率による複利現価率を乗じて計算した金額の合計額

 つまりこの件にあてはめると収益受益権の評価は、信託受益権設定時に、将来受取る配当を予測して複利現価率(現在1.5%)で計算した金額となる。

 将来は予想でわからないから、たぶん税法では、過去の実績をベースにするのでしょう。

 もし額面5万円で1割配当を受取る会社の場合 配当は5,000円 30年信託を設定した場合の配当収受権の価値は、5,000X24.016=120,080となります。

 その後、配当の利回りを高く設定すると、配当期待権よりも高い利益を子供は受取ることになる。

 もしその後相続が発生したような段階で、今度は元本収受権に関する相続税の評価をしないといけないけど、その時点の自社株の評価額からその時点での配当収受権を差引いて評価する。 この時点で配当収受権がどうなるかというのは その時点での複利元価率(たぶん今より上がっているでしょう)と配当利回りと信託期間で決まりますね。

 問題点? 現時点での将来の配当を予想できるか?これは神様の世界 だから過去の実績におそらく依拠するのでしょうね。

将来極端な節税対策をした場合の否認の可能性? たとえば それまではほとんど配当しなかったのに、突然1,000%配当みたいなことをして会社の財産をほとんど子供に渡し、会社は抜け殻にする。子供に対しては配当課税が超過累進税率でかかるけど、どうかな?

 まあ猛烈に配当をしておいて、元本収受権を子供に贈与し、その後配当をやめるということをしでかす可能性のある商品、つまり元本受益権を子供に贈与というのではないんですね。これはさすがにまじめな日本の銀行は手をださない

 5月15日発売だから、そのうちパンフレットが手に入ると思うので、それからもうちょっと研究します。 

財産評価通達

202

 信託の利益を受ける権利の評価は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げるところによる。(平11課評2-12外・平12課評2-4外改正)

(3)  元本の受益者と収益の受益者とが異なる場合においては、次に掲げる価額によって評価する。
 元本を受益する場合は、この通達に定めるところにより評価した課税時期における信託財産の価額から、ロにより評価した収益受益者に帰属する信託の利益を受ける権利の価額を控除した価額
 収益を受益する場合は、課税時期の現況において推算した受益者が将来受けるべき利益の価額ごとに課税時期からそれぞれの受益の時期までの期間に応ずる基準年利率による複利現価率を乗じて計算した金額の合計額

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