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2006年5月 5日 (金)

事業信託と受益者への費用の補償

 信託法が改正になって事業信託が可能になりますよね。資産だけでなく、負債もセットで信託できるから

 今の信託で問題になっているのが、債務超過になって、信託資産で負債が支払えなかった場合は、誰が負担するのかということ。

 まず受託者が払うけど、受託者は、受益者に払った分、費用請求ができる。受益者としては、これを拒否するためには、受益権の放棄をしないといけない。でも特約で放棄できないようにしたりしている。また、信託の利益を享受した場合、あるいはすでに発生した信託債務については、受益権放棄をしても補償を免れることができない(注1)なんて解釈されているらしい。

 つまり受益者は、ある日突然、請求書がきて仰天という事態がおこる。土地信託みたいな場合なら、自分が事業をやっているようなものだからしょうがないとあきらめがつくかもれれないけど、信託受益権が有価証券化されて、それを購入した一投資家にまで被害が及ぶのはかなわない。

 で、改正でどうなるか、あんまりよく調べないで記事を書いていたのですが、今日再度補足説明までもどって読み直したけど、

 改正では、そこまで読みきれるかどうかはわからないのですが、 原則的には、受益者は、費用等の補償をしなくてもいいけど、特約で払うとなっている場合は、費用を払わないといけない。つまり債務超過になって、債務を払え!と銀行が受託者にいってきて、受託者が受益者に請求した場合、原則的には受益権の放棄をしようとしまい請求に応ずる必要がない。

ただ信託会社も馬鹿じゃないから きっと特約をつけてきたりするのでしょう。特に事業信託というのはリスキーだから

信託法改正48条

5 第一項又は第二項の場合には、受託者が受益者との間の合意に基づいて当該受益者から費用等の償還又

は費用の前払を受けることを妨げない。

この条文にフィットしそうな要綱試案の補足説明

受益者は,費用の補償につき責任を負わないもの
とするが,受託者と受益者との間で個別に費用の補償の合意をすることは
妨げないものとする案である。
この考え方は,債務の負担に関する一般原則に照らして,信託行為の当
事者となっていない受益者が信託行為の効力によって当然に補償請求権に
係る債務を負担すべきものとするまでの必要性は乏しいと考えるものであ
り,受益者に対する補償請求権は,個別の受益者との合意(したがって,
委託者と受託者との間の契約である信託契約そのものとは位置付けられず,
その外側で締結される,信託契約の従たる契約であることになる56。かか
る契約は受益者のほか,委託者等とも締結することがあり得ると整理する
ことになる。)によってのみ発生するとするものである。
この考え方からは,受益者が特段の意思表示なく債務を負担する地位に
立たされることはないため,甲案と異なり,受益者に債務負担を免れる手
段を与えるために受益権の放棄に関する規定を設ける必要性は存しないこ
とになる

注1 北村恵美『信託財産に帰属する債務に関する一考察』信研18号3ページ以下(1994)

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