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2006年6月 6日 (火)

村上ファンドは、シンガポールへ行ったけど

 昨日、鮮やかに罪を認めて、だけどセレモニーとして村上さんは逮捕されちゃいました。投資は手仕舞いの時点の見極めが大事といわれていますが、村上さん、そして村上ファンドがどうなるか気になります。

今日も村上ファンドの税金ねたです。村上ファンドは、資料を読んでいると投資事業有限責任組合のようです。これは1人の無限責任組合員と、他の有限責任組合員から構成されています。有限責任組合員から資金を募り、無限責任社員がコントロールして事業を行うというものです。無限責任社員が自分自ら日本で事業を行うならば、彼が事業を行う場所が日本にあるはずです。このような場所をPE(恒久的施設)といいます。

1.PEとはどういうものか

PEは、国内法によると大きくわけて3つあります。

①支店、工場その他事業を行う場所

②建設作業現場のような場所

③代理人等 (所法164①一~三)

そして代理人はまた3つに分かれます

一常習代理人 非居住者等の多様な代理権をいつも有している者

二在庫保有代理人 非居住者等のための入出庫業務をしている者

三注文取得代理人 非居住者等のためにいつも仕事をとってくる人

常習代理人は、また2つに分かれます。

(1)独立的常習代理人 非居住者等から経済的、法律的に独立している代理人。たとえば問屋(商社)

(2)従属的常習代理人 非居住者等から経済的、法律的に独立していない代理人

PEの範囲は、租税条約といって2国間の税金のルールを決めている条約では、範囲が狭まり独立的常習代理人は除かれるところが多いです。

 PEの有無により非居住者等の所得の範囲が異なります。たとえば組合が日本で稼いだ事業所得は、PEがあれば日本で課税されますが、PEがなければ日本で課税されません(所法161一の二).

2.村上ファンドはどうなっているのか

さて村上ファンド(シンガポールに行く前)は、どうなっているかです。投資組合の組合員は、直接株式投資事業を行っていなかったので、日本にPEがないとして税務上処理していたと推測します。

彼らは上場会社の株式の売買をしていたのですが、これを投資顧問業者に一任し、業者の判断により売買を行い、経済的効果だけ組合員に帰属していたのではないでしょうか。

投資顧問業者は、組合とは独立し、自らの判断で売買を行う、つまり商社のような独立的常習代理人に該当すると思います。

そうするとたとえば村上ファンドの投資家がビルゲイツの場合、国内の組合事業の収益は日本では課税されません。なぜなら組合事業を行っているのは投資顧問業者(独立的常習代理人)であり、日米租税条約でこのような代理人はPEからはずれるからです。

もし投資家がアラブの石油王の場合、国内の組合事業の収益は日本で課税されます。なぜならアラブの石油王の国と日本の間で租税条約がないから国内法で処理されるので、組合事業を行っている投資顧問業者はPEとなるからです。

 それでは村上ファンドとセットで投資顧問業者もシンガポールへいったらどうなるのでしょうか。この場合は代理人も非居住者等になるので日本にPEがなくなります。そうすると株式の譲渡益に対する課税の問題は残りますが、基本的にはアラブの石油王は、安心してファンドに投資できるようになるわけです。

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