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2006年6月28日 (水)

利益参加型社債に投資した場合の投資家の税務

1.利益参加型社債

利益参加型社債とは、社債の利子が、発行する会社の利益に連動するような社債のことです。

日本でも商法の時代から利益参加型社債は、定款で定めることにより発行することが可能という見解もありました。しかし日本で利益参加型社債が発行された事例を私は確認していません。

2.ケイマンで発行された利益参加型社債のスキーム

この利益参加型社債はケイマンで発行することができます。ケイマンで発行された利益参加型社債を組み込んだ代表的なスキームとしては、日本の投資家がケイマンのファンドに出資し、ケイマンのファンドがケイマンで発行された利益参加型社債に出資し、この会社が匿名組合出資するものがあります。    

3.ケイマンのファンドからの収益の分配金は利子か配当か

ケイマンのファンドに個人が出資して収益の分配を受けた場合その所得が利子所得なのか配当所得なのかという問題があります。

もしこのファンドが日本の金融機関を通じて購入した公募公社債投資信託ならば利子所得として収益分配金に20%の税金が源泉分離課税されます。確定申告で精算する必要はありません。

もしこのファンドが日本の金融機関を通じて購入した公募株式投資信託ならば、配当所得として平成20331日までに受け取る収益分配金に10%の税金が源泉徴収されます。確定申告をしなくてもいいし、確定申告することもできます。

収益の分配金に課せられる税金を考えると公募株式投資信託とされる方にメリットはあります。そして多くのケイマンの利益参加型社債を組み込んだファンドの収益の分配金は公募株式投資信託として処理されています。

4.株式投資信託とされるためには

税法上、公社債投資信託とは、証券投資信託のうち、信託財産のうち1%も株式に投資せず、国債、地方債や社債のみに投資するものです。このような公社債投資信託の分配金は利子所得とされます。

利益参加型社債というのは、経済的に考えると議決権のない種類株式に投資して、配当が支払われたものと同じようにも考えられますが、税法でどの所得かを考える場合は、実質主義で判断するといっても法律で決められたルールを逸脱して判断することはありません。社債としての法律上の要件を満たしているものであるならば、この社債のみを組み込んだ投資信託は公社債投資信託となると思います。

おそらく若干株式にも投資することにより公社債投資信託の要件を満たさないように組成しているのではないでしょうか。

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