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2006年6月22日 (木)

福井総裁と有価証券管理信託

村上ファンド騒動のおかげで、各方面の方々がとばっちりを受けていますが、そのとばっちりを思いっきり受けた方の一人が日銀総裁の福井さんだと思います。

日本経済新聞621日の朝刊によると、福井総裁は村上ファンドに1,000万円投資したのですが、その代償として月額200万円の給与の30%カットを半年(200万円×30%×6=360万円)されるようです。 

そして日銀総裁のような公人は、世間からごちゃごちゃ言われないようにするために、持っている株式などは信託すべきではないかという意見がでているようです。

ここでいう信託とは、有価証券管理信託のことだと思いますが、以下で少し書きます。

有価証券管理信託とは

有価証券管理信託とは、有価証券の管理を目的とするような信託です。有価証券の管理を目的とするから、受託者の判断で信託された株式を売却するようなことはできません。

委託者は、自分の所有している有価証券を受託者(信託銀行)に信託します。信託をした時点で名義上の株主は、委託者から受託者に移ります。

信託した株式に関して配当を支払われたら、受託者はその配当を受け取ります。受託者が受け取った配当に関しては、受益者へ交付する日までは、受託者が管理します。配当を受け取るつど(年2回とか)交付する場合と、毎年一定の時期にまとめて交付する場合があるようです(注1

またその信託をした株式を発行した会社が、株主総会を開く場合は、名義上は受託者が株主だから、受託者宛に株主総会の招集通知が送られてきます。受託者は株主だから、株主総会に出席して、株主総会での議決権を行使することができますが、受託者自らの判断で議決権を行使することよりも、委託者(=受益者)の指図にしたがうことが多いようです(注2)。

この有価証券管理信託というのは、諸般の事情で有価証券の管理を自分で行えない人のために、その人に代わって受託者が管理するというようなものですが、平成元年7月からは、閣僚になったような場合は、それまでに保有した株式は、在任期間中は信託されます。これにより在任中に所有する株式を売却して、やれインサイダーだとか後ろ指刺されないようにするためだと思います。

さて福井総裁が保有する株式を信託するかどうかは未定ですが、公人といわれるような立場の人にとっては、どんなに身の回りに気を配っても、何か綻びを発見されて、がたがた言われるうっとうしい時代になってきたなと思います。

でも日本経済新聞621日の朝刊の記事で、信託大好きおばちゃんを釘付けにしたのは、報酬カットではなく、1,000万円投資して、運用益が1,473万円(利回り147.3%)の方でした。やっぱりヘッジファンドって猛烈に儲かるものなのですね。

注1       三菱信託銀行信託研究会編著 『信託の法務と実務 4訂版』社団法人金融財政事情研究会 P503

注2       同著 P502

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