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2006年6月21日 (水)

NPO法人の会計、税務は難しすぎ、報酬は安すぎる

1.NPO法人とは

一昨日(620日)、信託大好きおばちゃんは、CPE(継続研修)稼ぎもかねて、1日がかりのNPO法人の会計、税務の研修を受けてきました。

NPO(Non Profit Organization)法人というのは、非営利活動を行うために設立された法人です。たとえば介護事業や、まちづくり、異文化交流に…etc,というように多様な活動をする団体であり、2006年2月末には25,682法人あるようです注1

これらの活動に参加する人たちは、目的の達成のためには一生懸命なのですが、えてして組織のコントロール面に関しては興味のない人が集まっているところが多くあります。とくに会計、税務の専門家のサポートが必要なのに、担い手がいないという問題があるようです。なぜ担い手がいないかというと、会計、税務のしくみが通常の会社と異なっていて、一から勉強しないと対応できないから、そして特殊な専門的知識を提供したことによる報酬が、NPOは非営利法人だから安すぎるからだと思います。

2.決算書が一般の会社とは違う

会社法の改正により一般の会社が作らなければならない決算書類としては、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表です。

これに対してNPO法人が作らなければならに決算書は、事業報告書、貸借対照表、収支計算書、財産目録です。

このうち事業会社の損益計算書と似て非なるものが収支計算書です。

一般の事業会社は利益を1円でも多く稼ぐことを目的として作られたものだから、この利益がいくらなのかが大事です。そこで利益がどうして稼がれたのかを期間に区切ってあらわしたものが損益計算書です。

一方NPO法人は利益を稼ぐことを目的としていません。でも活動をする限りお金の出入りが発生します。お金がどこから入ってきて出でいったのかわからないとNPOの運営もできないです。そこでこのお金の出入りをあらわしたものが収支計算書です。

上場会社などがキャッシュフロー計算書を作っていますが、これは現金などがどんな活動に使われているかをあらわしたものです。これに対して収支計算書の場合は、現金の動きに特化すると事務処理が大変なので、未収入金や未払金も現金の中に含めて計算することもできます。

収支計算書を作るのは、通常の汎用会計ソフトを転用することが可能な場合もありますが、パソコンや建物のような固定資産を購入したりすると対応が難しくなります。

3.法人税のかかる範囲を区分するのが大変

NPO法人は、非営利活動を行う法人です。このような法人の活動で利益がでることはあまりないのですが、それでも出てしまった場合、その利益を法人税で定めた収益事業に該当するのかどうか区分します。そして法人税で定めた収益事業の利益の場合は法人税を納めないといけません。

ところでNPO法人は特定非営利活動による収入かその他の事業収入かに区分して帳簿書類を作らないといけません。そして会計上の特定非営利活動による収入が、法人税法で定めている非収益事業に必ずあてはまるとは限らないのです。

ですから会計と法人税でそれぞれ定めている区分と内容に関する知識が必要とされます。

4.消費税は、もっと大変だ

消費税というのは、日本国内で商品を売ったら、その代金に対して消費税を課しましょう。そしてその消費税を納税しましょう。ただし商品を売るためにつかった商品の代金やその他の経費について生じた消費税は差し引いて計算してもいいですよというものです。

普通の会社が補助金をもらった場合、消費税はかかりませんが、その補助金によって消費税のかかるような物を購入した場合、その消費税を差し引いて計算することはできます。なぜなら普通の会社にとって補助金収入が収入全体に占める割合というのは低いからです。

しかし非営利法人の収入のうち補助金や寄付金は大きな収入源となります。これらの収入に対して消費税はもらわないのに、この収入を元にして多額の固定資産投資を行い、支払った消費税の還付を受けるというのは、消費税の趣旨に反するから、消費税を計算するときに差し引くことはできませんよとしています。

この計算が結構やっかいですね。ただし消費税を納めなければならないNPO法人で原則課税が適用されている場合だけです。簡易課税(2年前の課税売上が5,000万円以下なら使える)を選択しているならこのやっかいな計算はいりません。

こんな感じで、結構複雑なんですね。いっそ医療費のように会計税務の専門家に対する報酬のうち7割とはいわなくても5割くらいでもお上にもっていただけたら信託大好きおばちゃんもNPO大好きおばちゃんに宗旨替えするのですが、

1 内閣府資料 NPO法人の認証数の推移

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