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2006年7月20日 (木)

コミットメントライン契約と印紙税

1.はじめに

 1~2ヶ月前に新聞で、コミットメントラインの借入金の契約書等にはる印紙税について、国税当局と見解が異なり大変だというのがあった記憶があります。

 昨日、国税庁のホームページで、コミットメントライン契約に関して作成する文書に対する印紙税の取扱いについてQ&Aが公表されています。

 2.コミットメントライン契約とは

 コミットメントライン契約とは、銀行からお金を借りるときに、期間と枠を決めて、その期間内で、枠内なら、いつでもいくらでも借りることができます。

 これは一つの銀行と相対契約を結ぶ場合もあれば、数行がお金を貸しますが、事務手続きはエージェントとなる銀行が行うような契約を結ぶ場合もあります。

この取引の中で、印紙税が登場するのは、最初の基本契約を結ぶ時点、借入金を申し込む時点、領収書を発行する時点の3点です。

3.基本契約を結ぶ時点

コミットメントライン基本契約においては、(イ)融資極度額、(ロ)借入申込方法、(ハ)借入金の返済方法を定めています。

これらは、消費貸借に関する契約書に該当します。国税庁のHPで相対取引とシンジケート取引の契約書のサンプルが掲載されており、相対取引の方は、契約金額の記載のない消費貸借契約書だから印紙税は1通200円となります。

シンジケートローンの方は、エージェントがからむことから「金融機関の業務を継続して委託するため作成される契約書で、委託される業務の範囲を定めるもの」で、1通の印紙税は4,000円となります。 

 

4.借入を行う場合

国税庁のHPでは借入れの申し込みについて請求書で行う場合と、借入申込書で行う場合の2つのサンプルが掲載されています。

 コミットメントライン契約では、一定の期間内、一定の枠内ならいつでもいくらでも借りられるものです。借りたいと申し込めば自動的にお金を調達することができるので、請求書や借入申込書を銀行側に送った時点で具体的な借入契約は成立します。

ですからこれらの請求書や借入申込書は、借入金額の記載された消費貸借契約書なので、記載金額に応じた印紙税を納めなければなりません。

5.領収書を発行する場合

 お金を借りたいと申し込んで、実際にお金が入金されました。この時点で領収書を発行し、銀行に渡すことになりますが、国税庁のHPでは領収書について2パターン用意しています。

金額だけを記載するような領収書の場合は、売上代金以外の金銭の受取書となるので印紙税は1通200円となります。しかし金額だけでなく借入期間まで書いている場合は、もはや領収書ではなく、借入の契約書であると考えて、記載金額に応じた印紙税を納めなければなりません。

6 ファックスやe-mailで借入申し込みを行った場合

このように印紙税がかなりかかる可能性が生じるので、請求書や領収書をファックスやe-mailで送った場合はどうなるのでしょうか。

印紙税法では、ファクスやe-mailは、印紙税の対象になる文書でないので、送った側においても、受取った側においても印紙税を納める必要はありません。

ですから今後は、印紙税の節約のためにファックスやe-mailを使うことが多くなるのではないでしょうか♪

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