日英租税条約と信託
1. 租税条約って何
信託大好きおばちゃんのブログでは、しばしば租税条約という言葉が登場します。これは、2国間で課税上の問題がおこったときに、どのように解決するのかを決めている条約です。
もちろんそれぞれの国においても課税上の問題がおこったときの解決方法は国内法でも規定されています。もし租税条約と国内法がバッティングした場合は、租税条約の規定を原則として優先させます。
2. 新しい日英租税条約
日本とイギリスの間でも租税条約は締結されています。そして新しい租税条約が平成18年2月2日に署名されました。ただいつから発効されるかは、未確認です。信託法と同様に国会を通っていないのかもしれません。
この日英租税条約で、配当や利子、使用料をイギリスの会社が日本人や日本の会社に支払った場合や日本の会社がイギリス人やイギリスの会社に支払った場合に徴収する源泉税率について決めています。
配当 新条約 現行条約
議決権割合50% 以上保有 0% 10%
議決権割合10%以上50%未満 5% 10%か15%
議決権割合10%未満 10% 15%
受取人が年金基金 0%
利子
受取人が年金基金や金融機関、政府 0% 10%
その他 10% 10%
使用料 0% 10%
3. 信託の場合の租税条約の取り扱い
日米租税条約では、信託財産についての租税条約の取り扱いについてほとんど書いていないのでどうしたらいいの?というところが多いのですが、日英租税条約では、それなりに書いています。
日本で組成した信託がイギリスの株式に投資したような場合で、イギリスの会社の議決権の50%以上を所有しているから、配当の源泉税を免除する場合は、受益者の50%以上が条約適格者である日本の居住者や日本法人である必要があります(新条約22②(g))。
源泉税率が5%や10%の適用を受けようとする場合は、受益者が日本人や日本法人だったら、信託財産が条約適格にあてはまらないような場合でも彼らに配賦される所得について条約の適用が受けられるのではないかと考えます(新条約22①)。でも投資信託で受益者が頻繁に変わるような場合はどうしているのでしょうか。受託者が租税条約の特典を請求できるとなっていますが(日本側交換公文③)。
4. 年金信託の場合の租税条約の取り扱い
租税条約では、配当や利子を受け取るのが年金基金の場合は、源泉税は免税としています。この年金基金にあてはまるのは、信託がらみで考えると、厚生年金基金、適格退職年金、確定給付企業年金、企業型確定拠出年金のような企業年金であり、これらの年金の財源にあてるためにイギリスの金融商品に投資して、収益の分配を受けた場合には、収益の分配(利子や配当)に対する源泉税は免税となると考えます。
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コメント
日英租税条約を読ませていただきました。有難う御座います
。
さて、もしご教示いただけるのなら、日米租税条約において、日本人で日本の居住者が米国の一時払い年金を受取る場合30%の源泉を米国においてかけられると思います「米国の非居住者扱い」このため、日本は全世界課税と言うことから、この方の年金所得を申告し外国税額控除により米国の源泉分を差し引けばいいかと思いましたが日米租税条約により何か申請書を提出すれば米国で惹かれている源泉徴収が低くなるのでしょうか
投稿: たかみまさひこ | 2009年4月25日 (土) 16時05分