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2006年7月18日 (火)

役員退職金は損金経理が不要になったというけど

1.

平成17年までは、

 役員退職金というのは、原則としては、役員が会社を辞めた時に会社での貢献に報いるために支払われるものです。

 退職金の支給は税務上のメリットがあります。会社側では、支払った費用が異常に高額な場合でなかったら、税務上の費用として認められます。また受取った側は、退職所得として、税金を支払わなければなりませんが、通常の所得よりは非常に税金が軽減されます。

 この役員退職金は、従来は損金経理といって、

会計上 役員退職金XXX 現金 XXX 

という処理をしないと税務上の費用(損金)として認められませんでした。

 上場会社等で役員退職金規定のあるところは、役員が退職する以前に見積額を役員退職慰労引当金として計上しています。この見積り額の積立は 会計上は費用となりましたが、税務上は費用となりません。

そして役員が退職し、株主総会等で役員退職金額が決まり支給した場合は、役員退職慰労引当金を取り崩す処理をしましたが、

役員退職慰労引当金 XXX  役員退職労引当金戻入益 XXX

役員退職金 XXX  現金 XXX

という2つの仕訳をしないと、税務上損金として認められませんでした。

もし会計上

役員退職慰労引当金 XXX 現金 XXX

として、役員退職金の金額が決まり、支払った時点で損金経理していないので、税務上損金を否認されることにより、税金の支払いが高額になるので大変でした。

2 平成18年改正

 平成18年役員退職金が損金となるためには、損金経理の必要がなくなりました。ですから役員退職金が確定して支給した時点で、

会計上 役員退職慰労引当金 XXX 現金 XXX

として、税務上は損金処理することも認められます。

 それでは次の場合はどう考えるのでしょうか。従来の制度では、株主総会の前に退職金を支給しても会計上損金経理をした場合は、税務上も損金となります。また株主総会で役員退職金の支給額が決まっても、資金繰りの都合で支払えず、数年後支払うようなことになった場合は、支給時に税務上損金とすることもありました。さらに退職年金の場合は、支給時に損金処理しなければなりませんでした。

 改正により、損金経理要件がなくなるということは、株主総会で支払額が確定した時点で、会計上の処理の有無を問わず、税務上は費用となることとも考えられます。そうなると上記の事例は、一時金だろうと年金だろうと、支給金額として決まった金額が自動的に税務上は損金となるのでしょうか。それとも年金の場合は支給時まで繰延となるのでしょうか。

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コメント

疑問者さんおはようございます。信託大好きおばちゃんです。

税法は、考え方の基本として、債務確定主義というのがあって、債務が確定した段階で、たとえ支給の事実がなくても損金として認められるというものです。
役務提供が完了し、支払われる金額が決まった時点でOKですよというものです。そこから考えると株主総会で支払う金額が確定し、役員自体の役務の提供も完了しているので、この時点だと思います。

それに支給基準で決めてしまうと、いくらでも利益操作できてしまいますので、

投稿: 信託大好きおばちゃん | 2006年7月19日 (水) 06時47分

私は、法法34条②と法令70条の読み方と思うのですが、法令70条①二では、
「・・・・その退職した役員に対して支給した退職給与の額が、・・・」と規定されていることから、未払金処理は損金扱いされず、支給時の損金扱いとしての現金主義になると解釈するのですが。

投稿: 疑問者 | 2006年7月18日 (火) 10時54分

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