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2006年7月14日 (金)

グローバル.ソブリン.オープンはなぜ株式投信なの?

1.新聞によると

平成18年7月13日の日本経済新聞朝刊の金融欄で「投資用語見直し議論活発 投資家にわかりやすく」という記事があります。

これは、投資信託を多くの人に買ってもらうためには、投資信託を理解してもらわないといけない。でも現状の投資信託関連用語が難しすぎるのでこれを見直しましょうという動きについて書いてます。

この記事の中で国際投信投資顧問が運用する国内最大の投信「グローバル.ソブリン.オープン」について紹介しています。

2.グローバル.ソブリン.オープン

 グローバル.ソブリン.オープンとは、読んでもさっぱり意味がわからないのですが、次のようなことを意味します。

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グローバルとは、世界中の主要先進国のうち、米国、ドイツ、フランスなど信用力の高い国を主要投資対象とします。

ソブリンとは、政府・政府機関・国際機関が発行する債券(=ソブリン債券)に投資を行います。

オープンとは、「開かれている」という意味。販売会社の営業日なら、原則取得・換金のお申込みが可能です。

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 この投資信託は、債券に投資を行うものだから公社債投資信託に該当するものと思われそうですが、商品分類は追加型株式投資信託となっています。なぜなのでしょうか。日経新聞の記事と グローバル.ソブリン.オープンのHPのQ&Aから類推ですが、実際には債券しか投資しなくても約款上は株式も投資対象に含めているから株式投資信託になるのだと思います。

3.なぜ株式投資信託にしたのか? 理由その1

 それではなぜ株式投資信託にしたのでしょうか。HPのQ&Aによると次のような理由によります。

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 当ファンドが設定された1997年当時、追加型公社債投資信託は、当初元本(10,000円)以外の基準価額では制度上追加設定ができませんでした。当ファンドのように、日々変動する基準価額をもって追加設定を行うファンドは、たとえ主要投資対象が債券のみであっても、追加型株式投資信託(バランス型)として取扱われる必要がありました。

したがって、当ファンドは主として債券に投資するファンドですが、形式上は追加型株式投資信託として設定されました。

◇その後ルール改正により、追加型公社債投資信託についても、決算日の翌日に限り、基準価額が当初元本を下回る水準での追加設定が可能となりました。

 しかし、追加型公社債投資信託では、分配対象収益額の範囲が「決算日時点で当初元本(10,000円)を上回る全ての部分」と定められています。つまり、基準価額が10,000円を下回っている場合には収益分配が出来ないと定められているため、収益分配政策が大きく制約されています。

 したがって、当ファンドのように、外国債券のクーポン収入に加え、為替差益や債券価格の値上がり益を追求し、その投資成果を定期的に収益分配金としてお支払いすることを目指すファンドは、制度上の観点から、追加型株式投資信託に区分されることになります。

つまり基準価格(時価)が1万円を下回るような場合でも収益の分配ができるようにするためというのが理由です。

4.なぜ株式投資信託にしたのか? 理由その2

なぜ株式投資信託にしたのかという理由としてもうひとつ税金の問題があります。

 公社債投資信託とした場合は、収益の分配金に対して20%の税金が源泉徴収されます。個人の場合は、これで課税関係は終了します。

 でも公募株式投資信託(50人以上の一般投資家に販売するようなもの)で平成20年3月末までに受取る収益の分配については、たとえ投資先が外国の株式であろうとも10%の税金が源泉徴収され、個人の場合は、これで課税関係は終了します。

 この10%の差額が投資家にとっては重要だから株式投資信託として組成させたのかもしれません。

 新聞によると投信協会は、今の源泉税の優遇策の延長を求めていくそうですが、増税圧力が政府にはあるのでどうなるか不透明です。

特に外国株式や実質的には外国債券に投資しているようなものにまで優遇税制が継続されるとは思えないのですが♪

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コメント

元IB現PBさんこんにちわ 信託大好きおばちゃんです。

どうもコメントありがとうございます。

実務をやっていただいた方の情報は非常にありがたいです。
私は、信託の実務はやっていないので、

実務をやってないなら何もできないというのでは何もできなくて人生が終わるので、誰でも入るような知識をベースに自分でこつこつ積上げ整理しています。

これからも続けて、信託の大化けのために少しでも貢献できたら、ここまで書くといいかっこうですが、それが自分の人生にいい方向でフィードバックできたらと思っています。

またいろいろ教えてください。

投稿: 信託大好きおばちゃん | 2006年7月15日 (土) 12時59分

 はじめまして。いつも楽しく拝読させていただいてます。常に根っこからきちんとまとめていらして、信頼の置けるブログの一つです。私はいろんな証券会社で商品組成やら投資銀行部門やらを転々としておりまして、信託は常に周辺分野として身近にあった(けど知識は体系だってない)ので、豆知識を仕入れる感じで朝晩仕事に疲れたときの楽しみとなってます。 
 今回の株投問題については、かなり土地勘のある分野なのでコメントさせていただきますと、理由その1がそもそもの原因です。中国ファンド、公社債投信(←固有名詞)の昔、債券は時価評価しないものでしたので、追加型公社債投資信託のルールに「元本割れ」って概念がなかったんですね。その結果、値動きがある(元本割れの可能性のある)商品を少しでも組み入れたかったら、とりあえず株式投信にするしかなかった、と。私も某証券会社で当初円貨建て債券100%からスタートする投信を株式投信に設計した思い出があります。あ、株式投信という名前にした方が販売手数料を高く取れるというも動機もあったんですけど(^^)。
 また、グローバルソブリンは、為替で負けて元本が毀損してっても利金の分配の方を約することで高配当を謳う、<朝三暮四>商品ですので、一万円以下で配当できない仕組ではマーケティング上成り立ちませんね。
 株投10%源泉課税の延長は、そもそもの根拠である通常の株式の配当に関してでさえ、厳しいと思います。業界で本気でこの延長を信じてる向きは少ないんじゃないでしょうか。

投稿: 元IB現PB  | 2006年7月14日 (金) 09時32分

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