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2006年7月 3日 (月)

リース会計が改正されたら

1.新聞によると

平成18年6月29日の日本経済新聞朝刊によると企業会計基準委員会は、リース会計基準の見直しの原案をまとめたようです。

これによると、現在の会計では、リース料を支払ったときに費用処理していたファイナンスリースも基本的には、資産と負債に計上して、毎期減価償却や支払利息という形で費用計上してくださいということになります。

国際会計基準や米国会計基準と日本の会計基準が乖離している部分のひとつがこのリース会計でしたが、これを近づけることだと思います。ただ航空業界など、現行会計のメリットを享受しているところは影響が大きいし、リース業界も当然大きな影響を受けるので、改正までは時間がかかるかもしれません。

2.リースとレンタルってどう違うの?

リースと似たようなものでレンタルというものがあります。どちらも賃貸料を払って資産を利用するという点では同じです。でもレンタルは不特定多数の人向けに短期間利用してもらうというようなものですが、リースは特別の人のために長期間利用してもらうようなものです。

3.ファイナンスリースとオペレーティングリースって

今回の改正の対象になるのはファイナンスリースといわれるもので、リース取引のほとんどを占めているものです。これは、中途解約ができなくて、リース料で資産の購入代金やら利用期間の金利やら、その他もろもろの諸経費がすべてカバーされているようなものです。ようするに実態としては賃借人が資産を借金して買ったようなものだけど、会計上は、払った賃料を費用処理すればいいですよ。その結果、資産と負債が帳簿に載ってこないので、バランスシートがスリム化されますよというようなメリットのあるものですl

一方オペレーティングリースというのはレンタルも含まれると思いますが、中途解約ができ、リース料で諸費用が全部カバーされるというようなものではありません。

4.現行の会計では、

現行の会計によるとファイナンスリースの賃借人は、支払った賃借料を処理していますが、上場会社等では、リース物件の取得価額、減価償却累計額、未経過リース料相当額、支払リース料や、減価償却費相当額、利息相当額の計算方法の注記が必要になっています。

また商法の時代は、リース契約により使用する重要な固定資産は注記しなければならない(商法計算書類規則18条の2)となっていましたが、会社法になり、注記する内容が期末のリース資産の取得原価、減価償却累計額、未経過リース料相当額 そのほかリース物件にかかる重要な事項となります(会社法計算規則139条)

リース会計が改正されると、これらの注記事項で書かれた内容をバランスシートに計上しましょうということになるのではないでしょうか。そして毎期支払ったリース料は、減価償却費と支払利息として費用処理しましょうということでしょう。

5.現行の税制では

それでは税制はどうなっているでしょうか。税制も会計と同じような考えで賃借料処理を認めていますが、たとえばその資産の耐用年数が10年未満の場合でリース期間が70%を下回るような取引などは、その資産を購入したものとして計算してくださいということになっています。 つまりリース期間よりも長い期間で税務上は費用となっていきます。

6.消費税が問題だ

リース会計が改正され、リース税制が今のままだとどのような問題がおこるのでしょうか。

信託大好きおばちゃんは、法人税よりも消費税の方で問題があると考えています。

税務上も会計上も資産処理となると、リース資産を計上した時点で、資産の購入のために支払った消費税を、消費税の計算上、控除することができると考えます。

でも税務上は賃貸処理、会計上は資産処理となると、会計上は毎期減価償却と支払利息計上を計上するけれども、消費税は、毎期支払った賃借料について発生すると考えるので、毎期支払ったリース料について発生した消費税を控除していくことになるのかなと思っています。

ところでリース料のうち金利や保険料部分が明確に契約において区分されている場合、金利等の部分の消費税は差し引けないとされています。今注記で利息相当額がいくらと書いていますが、これは契約で書かれたものではなく、リース会社からの資料に基づき、会社が一方的に計算しているから特に問題視はされていないのかもしれません。

会計上利息部分と減価償却部分を区別して計上した場合の利息部分の消費税は、なんて細かい改正はして欲しくないですね♪

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コメント

リースで調達した100万円の設備を導入したら
リース期間中100万円全額を損金算入が可能

借金やら自己資金で100万円の設備を導入したら
残価が発生するから100万円全額の損金算入は不可能

ゆえに今までならリースで設備導入した方が損金が多く計上できるから
税金対策になるわけ。
でも制度変更で、後者の方法で設備導入しても全額損金算入できるなら、
今までのその税金対策メリットがなくなるのです

税法での利益を益金、損失を損金といいます。

会計は利害関係者に対し公正な情報を提供するためにあります。
税法は税金を正しく取る為のもので会計とは基準が違います。

例えば交際費は会計では全額費用ですが、税法ではある一定の額、
または全額が認められないことになっています。これは交際費という
なの元で税金を安くしようという人達が出てくるためです。業種毎でも
差がありますので。その為、申告書でこの差額を計上するわけです。


益金-損金の額に税率をかけて税金を計算します。

今回のケースで言うと損金が購入ならば減価償却費、リースならば
経費(全額認められていた)になるわけです。

仮に100万円で設備があったとしましょう。尚、リースの場合は一般的
なファイナンスリースという設定と考えます。

条件:償却費は5年とします。
【購入】
1年目 36.9万円 2年目 23.3万円 3年目 14.7 4年目 9.3万円 5年目 5.8万円 (残存価格10万円)

【リース】
1年目 20万円 2年目20万円 3年目20万円 4年目20万円 5年目20万円 (残存価格0円)

5年目時点で100万円全て償却できその分税金が安くなるのです。
3年目以降に大きな節税効果があり、5年間で見れば10万円の節税効果があります。
また購入ではこの後特別償却しても5%の残存価格までしか償却できません。

ちなみに制度が変わるとこのリース料、つまり経費が損金に認められなくなれ、購入した時と
同じように資産に上げ、減価償却をする事になります。つまり経理的にはリース資産を管理する
という余計な業務が増えてしまう事になるのです。

資産項目にリース資産を計上する事になります。

なので今後リースは資金調達目的の利用ぐらいしかメリットが無くなるわけですね。

簡単に言うと同じリースなら5年間で100万円全額損金に計上できるので
今日した時の5年間で90万円損金計上より残存価格10万円だけ得してる
ということなんだ。

だから5年間の利益(益金)を200万円、税率を40%とすると、

【購入】
(200万円-90万円)×40%=44万円

【リース】
(200万円-100万円)×40%=40万円

つまりリースを利用する事で同じ利益(益金)でも4万円税金の得になるということなんだ。
特別償却というのは耐用年数以降に5%まで償却を進めれる制度の事だね。
ほとんどの企業は5%まで償却してるよ。ただ制度が変わって0%まで償却
できることになるみたいだけどね。なのでリースの全額償却と同じ制度になる
のでよりリースが衰退していくようになると思われます。

リース会社は長期固定金利で契約してるので金利が上がると損をしてしまうんだ。
例えば契約時は金利1%でも期中に3%に上昇したら2%損だしね。それと調達金利
と貸出金利の差額で利益出してたからそれがやりにくくなるんだよ。

これは消費者金融にも同じことがいえるね。

フル償却(簿価5%→1円)できるようになったのも大きいが、
定率法の償却方法が「250%法」に変更され償却率があがったのも大きい。
250%法ってのは簡単に言うと定額法で償却した場合の償却率×250%が
定率法の償却率になるってこと。
例えば耐用年数5年の物件の償却率は今までは0.369だったけど、改正後は
定額の償却率0.200×250%=0.500が定率の償却率になる。
なので上記の購入の場合の金額は
1年目50万 2年目25.5万 3年目12.8万 4年目6.4万 5年目1円
になるはずだよ。

なので、今まではフル償却&早期償却というメリットがあったけど
今回の改正でそのメリットは無くなってしまったから、
安定的に利益を出している企業なんかは
リース→購入にシフトしていくんじゃないの。

あともう1つ
特別償却は特定の条件・物件に対して通常の償却よりも
割増償却ができることだろう。
例えば1000万の油圧ショベル(耐用年数5年)なんかの場合、
取得初年度に特別償却により通常+30%多く償却できるようになるから、
減価償却費は、通常の場合は1000万×0.500=500万になるけど
特別償却を行った場合にはさらに30%=300万が償却費として計上できるので
500万+300万=800万が初年度減価償却費になる。

儲かってる企業にとっては設備の購入意欲を増進させる制度ですわな。

投稿: o | 2007年6月21日 (木) 23時38分

私も有資格者ではありませんが,同業の人間なので,これは大変だということは分かります。
消耗品の一括償却は多く使いますが,パチンコ屋なんかは厳しいですね。

保険にしてもそうですが,業者さんの方が仕訳をよく知っているケ-スがありますね。
リ-スについても,よく知る必要がありそうです。

投稿: REDRED | 2006年7月 4日 (火) 08時49分

えくさん おはようございます。信託大好きおばちゃんです。コメントありがとうございます。

えくさんのご推察のとおり、今回の改正は、所有権移転外型でも、実質的には所有権が移転しているようなものだから、資産として計上しましょうねというものです。

ただあくまでも原案が固まった段階ですから、すぐ改正というわけではありません。また、300万円以下の物件は、資産計上しなくてもいいようです。

投稿: 信託大好きおばちゃん | 2006年7月 4日 (火) 06時43分

REDREDさん おはようございます信託大好きおばちゃんです。
コメントありがとうございます。

リース会計ってたいへんです。 リース会社にお願いして、リース料の総額と、リース資産の金額を教えてもらい、その差額を長期前払い費用で計上します。そして毎期のリース料の支払いを減価償却部分と支払利息部分に切り分けて計上するのですが、これなんかリース会社が作ってくれないから、自分たちでエクセルで作ったりします。ときどき間違ったりして大変なんですよ。

 仕訳は 最初が リース資産  リース債務
         長期前払費用

 リース支払い時
         リース債務   現金
         減価償却費   減価償却累計額
         支払利息    長期前払費用

 こんなの大企業だったら可能ですが、中小企業は、無理ですよね。 300万円以下の場合はしなくていいという例外規定はありますが、それでも大変です。


投稿: 信託大好きおばちゃん | 2006年7月 4日 (火) 06時33分

今回の改正というのは所有権移転型でも所有権移転外型でも、どちらでも資産計上を義務づけるということで理解してよいのでしょうか。今は移転外なら費用処理OKでしたよね。

投稿: えく | 2006年7月 3日 (月) 22時42分

人に勧められて,このペ-ジを時々拝見しておりますが,この内容のリ-ス会計改正は,いただけないものですね。
確かに消費税の問題は大きなことは見逃せない問題でもありますし,またリ-ス料を細かくわけるということは,より一層会計処理を複雑化させ,一般の方々は混乱さえ生じることもあると思います。
また続報があれば,お聞かせください。

投稿: REDRED | 2006年7月 3日 (月) 08時55分

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