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2006年7月28日 (金)

株式交換、会社法が変わって、会計が変わって、税務も変わって、、、、

1.株式交換って何?

 株式交換とは、既存の株式会社の株式と交換に別の会社の株式を交換し、その結果、既存の株式会社が別の会社の100%子会社になるようなことです。株式の交換だと、当事者間の契約で可能ですが、株式交換となると、両社で株主総会を開いてOKとなったら、たとえ反対の株主がいても実行されてしまいます。反対の株主は自分の株式を買い取ってくれということしかできません。

2.企業結合会計って

 株式交換は組織再編行為の一種であり、組織再編の会計については企業結合会計や事業分離等会計基準に基づいて行わないといけません。この企業結合会計基準はアメリカからの輸入物ですが、組織再編により新たに会社を手に入れたような場合はパーチェス法といって時価で手に入れた会社の資産、負債を計上しないといけません。なぜこのように時価で計上するのかというと経営者の粉飾を防止するためです。もし2億円の価値のある会社を帳簿価額が1億円だからといって1億円の価値として合併したとします。そして合併後に資産を2億円で売却した場合、譲渡益が1億円発生します。この1億円は経営者の手柄だとされますが、実はそうじゃない。帳簿外の含み益があるものを実現させただけだから。こんな粉飾が起こらないようにするために、合併時に2億円の価値のある会社なら、2億円として計上しましょうとなったわけです。

3.株式交換で株式を取得した場合

 では株式交換で、他の会社を100%子会社にした場合の仕訳はどうなるのでしょう。親会社の仕訳と、子会社の仕訳を考えます。

株式交換時点の帳簿純資産(総資産―総負債)が1億円の会社を2億円の株式を発行して100%子会社にしたとします。

 親会社での仕訳は、 子会社株式 1億円 払込資本 1億円

これは、時価で取得したと考えるからです。

 子会社での仕訳は、株式交換時点ではおこりません。子会社サイドでは、単に自社の株主が変わっただけに過ぎないからです。でもこれでは、粉飾が起こるという懸念があります。もし株式交換後、子会社の資産1億円を2億円で売却した場合、子会社の帳簿では1億円の売却益が生じるからです。

 たしかに個別財務諸表上では売却益が生じます。でも会計上は、問題となりません。なぜなら今の会計では、連結財務諸表が主役となるからです。連結財務諸表では、親会社と子会社の資産、負債、収益、費用を、合算し、二重に計上されているような部分は相殺します。

そして株式交換により会社を取得したような場合は、連結決算上では、子会社株式2億円と子会社の帳簿純資産価額1億円の差額が、のれん等として計上します。株式交換後に、子会社が1億円の資産を2億円で売却しても、子会社の個別財務諸表上は1億円の売却益が計上されるけれども、連結財務諸表では、すでに資産の含み益が計上されているので、売却益が表示されません。だから粉飾は防げるのです。

4. 税務上は子会社で評価益を計上する

 ところで平成18年の税制改正で株式交換の税制に適格組織再編の要件が導入されました。この結果、株式交換についても適格か非適格か判定し、もし非適格な組織再編の場合は、子会社の含み益を株式交換時に計上するというようになりました。株式交換というのは、単に株主が変わるだけなのですが、子会社自体に課税関係がおこるようにしたのです。おそらく子会社の株主に課税関係が生じると設計した場合、上場会社のようにたくさんの株主が子会社にいたら、大変なことになるからだと思います。

そうすると税制上非適格組織再編の場合は、子会社の決算については、会計と税務が異なることになります。この差は申告調整と税効果会計で調整をしていくと思いますが、非常にめんどうなことになりますね♪

会社法と会計と税務の改正が平成18年いっきに起こっています。この辺を理解して、ひとつひとつ自分の頭に格納しなきゃいけない。厳しい時代ですが、専門家としてのビジネスチャンス到来かもしれません。

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コメント

少しコメントさせて下さい。

1.株式交換
株式交換は平成11年の商法改正により出現した。この時は、完全子会社としたいとき(企業買収を行いたいとき)、完全親会社になる会社が株式交換前の子会社となる株主に完全親会社の株式を交付することであった。従い、自社株を交付すればよいので、新たな借入や資金調達も必要でない。
一方、完全子会社となる株主(親会社株式を対価に自分が持っている株式を譲渡する。)から見れば、投資先が完全親会社に変わる。
これって、完全親会社が上場会社でなければ、成立しなかっただろうと思うのです。
勿論、自分の会社が業績も悪く、譲渡して自分は撤退したい。でも、誰も買ってくれないが、たまたま株式交換だったら買ってやろうというスポンサーが現れた何てこともあるかも知れませんが。

ところで、これが会社法により(第767条~第771条)、完全親会社以外の資産を完全子会社となる旧株主に交付することができることとなった。キャッシュを必ずしも必要としないのが、株式交換の魅力であり、金銭を交付するケースは少ないと思う。実際には、上場会社の子会社が孫会社を株式交換子会社とする株式交換で上場会社である親会社株式を交付するのがあり得る形であろうと私は思っている。

なお、会社法の株式交換親会社以外の資産を交付する部分の規定については、未施行と了解します。(時間が無くて、調べていませんが、平成18年10月と思います。)

2.会計処理
上場会社株式の交付であれば、交付する株式の時価があるので、これが取得原価となって、子会社株式を投資その他の資産として計上することになる。非上場であっても、取得原価と株式の価額は等しい。
連結は、株式交換完全子会社の資産の時価評価と簿価の差が連結調整勘定となるだけと思いますが。

3.税務
今までは、(厳密に言うと未施行であるので、平成18年10月1日以前はとなるが。平成18年改正附則第1条①四イ、ロ)完全子会社となる法人、完全親会社、完全子会社となる会社の株主のいずれも税に関しては何も発生しなかったと了解します。(反対株主の金銭を対価として受領する場合は除く。)

平成18年10月以降については、法法2条①十二の六に適格株式交換の定義を設け、適格株式交換であれば完全子会社となる会社の株主も税は発生せず(法法61の2⑦及び所法57の4)、完全子会社における資産の評価損益も発生せず(法法62の9)、従来と同様である。

以上のように思うのですが。

投稿: 疑問者 | 2006年7月29日 (土) 14時57分

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