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2006年7月24日 (月)

リース会計とリース税制 耐用年数は何年になるの?

1.新聞によると

平成18年7月21日の朝刊によるとリース税制の見直しが検討に入るようです。これは、平成18 年7 月5 日に企業会計基準委員会が、リース取引に関する会計基準(案)を公表したことに伴っていいます。

米国においては、会計がいくらかわっても税制は改正されませんが、日本のお上は、経済界のニーズに答え、会計と税務の処理が異なることによる事務処理の煩雑化を避けるために、会計にあわせたような税制に改正を行う傾向があります。

会計基準の変更により、所有権移転外ファイナンスリースに関しては、現行の会計基準においては、賃貸処理による会計処理を認めていますが、改正により原則的にはリース資産として計上して、減価償却を行うようになることが予想されます。これにともなって税務上もリース料について減価償却費として損金計上を認めるということだと思います。

2.会計上の耐用年数はどうなるのか 

 リース会計基準(案)によると、所有権移転外ファイナンスリース資産の耐用年数は、リース期間と連動し、残存価額は0として減価償却を行います。

 所有権移転ファイナンスリースに関しては、通常の固定資産の減価償却と同じ耐用年数で減価償却し、税法基準で残存価額を計算するならば、残存価額は取得価額の5%となります。

なおリース料の総額が1件あたり300万円以下の所有権移転外ファイナンスリースに関しては、従来どおり賃貸処理が認められます。

3.現行の税制はどうなっているか

税務上、所有移転外ファイナンスリースに関しては原則として賃借料処理を認めています。

しかし売買と認められるものは、資産を購入したものとみなして、法定耐用年数で減価償却をしなければなりません。たとえばリース期間がリース資産の法定耐用年数の70%を下回る場合や120%を超える場合です。

また金融取引とみなされた場合、たとえば一定のセールアンドリースバックの場合は、税務上は資産の売買はなく、資産を担保にお金を借りていたとみなして、リース料の支払いは、元本の返済と利子の支払いとみなします。

4.税制はどう改正されるのか

さて税制は会計にあわせるということですが、所有権移転外ファイナンスリースの税務上の減価償却も、耐用年数はリース期間に連動し、残存価額は0になるということでしょうか。

たとえば耐用年数が10年の資産でリース期間が5年の所有権移転外ファイナンスリースについても5年間で残存価額0の減価償却を認めるのでしょうか。これを認めると租税回避行為が流行りそうなので現行の70%基準は継続されるのではないかと思います。

またリース資産の残存価額が0で通常の資産の残存価額が取得価額の5%というのは整合しないので、通常の資産の残存価額も0になるのではないかと思います。

なお報道によるとリース料の総額が1件300万円以下のもの、中小企業に関しては、従来どおり賃貸処理をしても税務上は認めるということのようです。上場会社やそのグループ以外の会社では、影響はあまりないということでしょうね。

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コメント

えくさん おはようございます。信託大好きおばちゃんです。ご指摘ありがとうございます。

「逆に合わせることで税法が煩雑になる、減価償却の耐用年数が変わるetc.で企業がいやがると言うことはないでしょうか?

会計上の耐用年数と税務上の耐用年数が一致するような場合は、調整がいらないから簡単です。

でも節税商品や会社の信用力の問題で リース会計期間が耐用年数よりも著しく低いような商品の場合は、2重に仕訳をする必要があるからめちゃくちゃに大変です。

ただほとんどの商品は会計上の耐用年数=税務上の耐用年数になるので、被害は最小限にとどまるのではないかと思うのですが♪

投稿: 信託大好きおばちゃん | 2006年7月26日 (水) 07時15分

>会計と税務の処理が異なることによる事務処理の煩雑化を避けるために、会計にあわせたような税制に改正を行う傾向があります。
とありますが、逆に合わせることで税法が煩雑になる、減価償却の耐用年数が変わるetc.で企業がいやがると言うことはないでしょうか?

投稿: えく | 2006年7月25日 (火) 23時27分

疑問者さん いつもコメントありがとうございます。信託大好きおばちゃんです。

ファイナンスリースについて、所有権移転外と移転にわけて
所有権移転については、現行でも、会計税務ともに資産計上

所有権移転外リースについては、現行では会計は賃貸処理、税務でも賃貸処理 ただし租税回避的なものについては税務上は資産処理

そして改正後はおそらく 所有権移転外ファイナンスリースも、会計上も税務上も資産処理が原則。ただし、会計上も税務上も300万円以下の場合や、賃貸処理をした場合、賃貸処理しかできない場合 ようするに中小企業の場合は、従来どおりでOKという組み立てになるのでしょうね。

税務が進んでいるというか、税務は必ず悪いことをする人がいるのでその対策をたえず入れとく必要があるということでしょうね。

投稿: 信託大好きおばちゃん | 2006年7月25日 (火) 06時34分

実は、私は一点を除いては実質何も変わらないのではと、思っているのですが。

その一点とは、平成5年6月の企業会計審議会の「リース取引に係わる会計基準」では、この会計基準の三1(2)で所有権移転外ファイナンス・リース取引について賃貸借取引に準じる会計処理を認めていた。
これが、平成18年7月の企業会計基準委員会の「リース取引に関する会計基準(案)」では、ファイナンス・リース取引は全て通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を行うこととしている。

法人税では、法令第136条の3③において「リース取引に係わる会計基準」のファイナンス・リース取引の定義そのものが、法令第136条の3のリース取引の定義となっている。(この定義は、「リース取引に関する会計基準(案)」でも変更はない。)

法令第136条の3①で、リース取引のうち一から四のいずれかに該当する場合は、資産の引渡時に売買があったものとすると規定している。

私には、むしろ税制の方が進んでいたと思えるのですが。(細かいことを言えば、所有権移転外ファイナンス・リース取引で会計がリース期間満了時に残存ゼロとする償却と税が通常の資産としての償却の違いがありますが。)

投稿: 疑問者 | 2006年7月24日 (月) 14時57分

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