REITの源泉税は複雑系
1.REITって何?
REITというのは、投資法人という投資信託及び投資法人に関する法律により作られた会社に投資家からかき集めたお金を入れて、不動産に投資して、儲けを投資家に還元しましょうというものです。上場してREITの株式を市場で売買できるものもあれば、上場していないものもあります。
REITから配当を受け取った場合は、源泉税を差し引かれます。この源泉税率がケースによって異なります。
2.上場しているREITの場合
REITというのは、通常クローズドエンド法人といわれます。クローズドエンド型投資法人というのは、投資したお金を回収するために、会社が払い戻しをしない法人です。お金を回収するためには売却するしかありません。
このREITのうち上場しているものの源泉税は、投資家が個人か法人かでわかれます。
①個人投資家の場合
個人投資家の場合で出資比率が5%未満の場合は、平成20年3月31日までに受取る配当については10%(所得税7%、住民税3%)になります。平成20年4月1日以降に受取る配当については20%(所得税15%、住民税5%)になります。
このような個人の投資家の場合は、10%源泉税を差し引かれるだけで課税関係を終わらせ、確定申告をしないことができます。他の所得とあわせて実効税率が10%を超えるような人の場合は、確定申告しない方が得です。
なお5%以上所有しているような個人については20%(所得税)となり、確定申告をして精算しなければなりません。
②法人投資家の場合
法人投資家の場合は、平成20年3月31日までに受取る配当については7%(所得税)、平成20年4月1日以降に受取る配当については15%(所得税)となります。
3.上場していないREIT
上場していないREITつまり、非上場のクローズドエンド型投資法人に関しては、投資家が個人でも法人でも、源泉税は20%(所得税)となります。
4.オープンエンドで、公募しているような投資法人
REITは、クローズドエンド型投資法人といわれますが、投資法人でオープンエンド型というものもあります。こちらは投資ししたお金を解約して投資法人から払い戻しを受けることにより回収できます。
この投資法人で50人以上に買ってねと募集して、発行されたような投資口(株式のようなもの)の源泉税も投資家が個人と法人で異なります。
① 個人投資家の場合
個人投資家の場合は、平成20年3月31日までに受取る配当については、10%(所得税7%、地方税3%)であり、平成20年4月1日以降に受取る配当については20%(所得税15%、地方税5%)となります。
② 法人投資家の場合
法人投資家の場合は、平成20年3月31日までに受取る配当については7%(所得税)であり、平成20年4月1日以降に受け取る配当については15%(所得税)となります。
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コメント
REITとSPCとの違いはあるのでしょうか?
同じような気がしますが。
企業が息のかかったSPCを作り、資産を譲渡し
その後、REITが買うなんていうのがスキームで
しょうか?
お時間のあるときにご教示願いただけると幸いです。
突然、すみません。
投稿: ど素人 | 2006年7月24日 (月) 23時25分
REDREDさん おはようございます。信託大好きおばちゃんです。コメントありがとうございます。
源泉税が上場会社と同じで安くなっているのは、REDREDさんのご指摘のとおり、投資の促進 みんなで貯金したお金を投資に回しましょう!という政策がベースにあると思います。
REIT自体はいまのところ、堅実な商品かもしれませんが、いま東京とかはバブルなので、これからはババをつかむかもしれません。
投資家サイドとしては、税金は利回りを下げるひとつのツールですので、ちょっと頭にとめといてもらって、あとはそれぞれのREITの開示資料を検討して、自己責任で、買いましょうねということでしょうね。
REDREDさんのコメントに対するレスにはあんまりなっていませんが、
投稿: 信託大好きおばちゃん | 2006年7月 8日 (土) 10時48分
今日,払い込みがあり,郵便局に行ったのですが,REITも取り扱っているのは驚きでした。
さて源泉所得税ですが,個人投資家の財布のひもを締めるのを助長させるようで,この策は好ましく思っていません。
REITは比較的リスクの低い方なので,素人は手を出しやすい商品なので,やっぱりどうかなって思いますね。
法人においても,ここにはてこを入れるのは反対ですね,僕は
投稿: REDRED | 2006年7月 7日 (金) 12時58分