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2006年7月26日 (水)

お天気デリバと気象保険

1.新聞によると

 昨日(平成18年7月26日)の日本経済新聞によると、天候デリバティブのような金融派生商品の上場規制を緩和して、来夏から上場が可能なるということです。

2.お天気デリバって?

 お天気デリバ(天候デリバ)とは、気温や、降雪量、降雨量が予想していたものと異なった場合は、一定の金額を払いましょうというような、気候の変動リスクをヘッジする金融商品です。

 たとえば「そうめん屋」さん。 冷えたそうめんというのは、夏に食べるものですが、冷夏が続くとそうめんはあまり食べられません。そうするとそうめんの売上は落ちます。でも冷夏かどうかというのは、夏にならないとわからないし、そうめんの原料を仕入れて製造するのは、夏になる前です。原料を仕入れる時点で予想していたほど売上が伸びなかったら、作った商品が在庫として残り、その部分お金が入ってこないので、経営は苦しくなります。そこでお天気デリバを購入し、もし冷夏なら、いくらかでも約束したお金が入ってくると助かりますよね。

3.気象保険

 お天気デリバと似たようなもので気象保険というものがあります。これは異常気象により損失が生じた場合は、保険金を払いましょうというものです。

お天気デリバと気象保険の違いは、お天気デリバというのは、一定の指標に基づき、一定の状況になったら、損失の有無にかかわらずお金が入ってきますが、気象保険の場合は、損失が生じたときに、損失の金額を限度として保険金が支払われます。

4.お天気デリバと気象保険の会計、税務上の違い

お天気デリバと気象保険は、会計、税務上も異なります。

お天気デリバは、金融派生商品だから金融商品会計の影響を受けます。会計上、原則としては期末に時価で計上するのですが、現状では合理的な価額なんて誰もつけられないので、お天気デリバを買った時の値段で計上します。で、期間が終了した時点や、お金が支払われる条件を満たした時点で、この金額は精算します。

税務上も、会計と同じような処理をします。

たとえば 100円でお天気デリバを購入して、何事もなく契約期間が終了した場合と、条件が満たされ1,000円お金が入ってきた場合の会計、税務上の仕訳は次のようになります。

お天気デリバを購入した場合

お天気デリバ(資産) 100 現金 100

何事もなく契約期間が終了した場合

お天気デリバ消滅損(費用)100 お天気デリバ(資産)100

条件が満たされ、1,000円入ってきた場合

お天気デリバ消滅損(費用)100 お天気デリバ(資産)100

現金 1,000         お天気デリバ収入(収入) 1,000

(実際の勘定科目はもっとまじめなものだと思いますが)

次に気象保険の場合は、これは掛捨保険になることが多いと思います。そうすると支払った時点で前払費用になる部分がある場合もありますが、原則的には、支払った時点で会計上も税務上も費用となります。

上記と同じような事例を仕訳にあらわすと次のようになります。

 気象保険料を支払った場合

お天気デリバ(費用)100 現金 100

何事もなく契約期間が終了した場合

仕訳なし

条件が満たされ、1,000円入ってきた場合

現金 1,000         お天気デリバ収入(収入) 1,000

 つまりお天気デリバは、購入した時点で、いったん資産計上しますが、気象保険は費用となります。お天気デリバが上場されると、期末ごとに時価で評価するから、評価損益を原則として計上しなければなりません。ヘッジ会計の適用の検討といっても 有効性の判定(80%から125%)ができるかどうか疑問です。

節税(税金の繰延)ということを考えると、気象保険の方が得なのかもしれませんね♪

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