« 井沢元彦さんの「逆説の日本史」~北条泰時は、偉かった~ | トップページ | 丸島儀一さんの「キヤノン特許部隊」~クロスライセンス契約と 交渉の極意~ »

2006年7月30日 (日)

株式交換、会社法が変わって、会計が変わって、税務が変わって お返事

疑問者さんのコメントに対するお返事のようなものを書きました。

かなり長文です。

1.株式交換

「株式交換って、完全親会社が上場会社でなければ、成立しなかっただろうと思うのです。

勿論、自分の会社が業績も悪く、譲渡して自分は撤退したい。でも、誰も買ってくれないが、たまたま株式交換だったら買ってやろうというスポンサーが現れた何てこともあるかも知れませんが。」

上場会社を完全親会社とするような株式交換の場合、非上場会社である完全子会社の株主にはメリットが一番ありますね。株式が上場株に化けて、市場で売却してキャピタルゲインをとれるから でも過去の事例では完全親会社には限らず、広く使われていたように思います。上場準備会社でもあったし、グループ会社内の組織再編でも組織再編の中では一番らくなので使われたように思います。

「ところで、これが会社法により(第767条~第771条)、完全親会社以外の資産を完全子会社となる旧株主に交付することができることとなった。キャッシュを必ずしも必要としないのが、株式交換の魅力であり、金銭を交付するケースは少ないと思う。」

完全子会社の株主で、完全親会社の株主になって欲しくない人を追い出すためにはキャッシュはいいと思います(税制は無視ね)。 ただの株式譲渡だと、本人の意思が必要ですが、株式交換の場合で、たとえば略式組織再編(90%以上すでに支配)の場合は、取締役会決議だけで株式交換が承認されます。したがってうるさい株主は、自動的に追い出される。文句があっても完全親会社の株主にはなれません。株式の買取請求をしてうまくいったら、株式交換契約時の価額より高い値段で買い取ってもらえるかもしれませんが

「実際には、上場会社の子会社が孫会社を株式交換子会社とする株式交換で上場会社である親会社株式を交付するのがあり得る形であろうと私は思っている。」

これはありえると思います。税制の整備が必要ですが

「会社法の株式交換親会社以外の資産を交付する部分の規定については、未施行と了解します。」

これは平成19年5月1日施行

2.会計

「上場会社株式の交付であれば、交付する株式の時価があるので、これが取得原価となって、子会社株式を投資その他の資産として計上することになる。非上場であっても、取得原価と株式の価額は等しい。

連結は、株式交換完全子会社の資産の時価評価と簿価の差が連結調整勘定となるだけと思いますが。」

◎完全子会社株式の取得価額=株式の時価か

株式の価額(時価)=取得原価となるとは限りません。

企業結合会計の中にはEUにぼろくそにいわれているプーリング法という方法があります。これは株式の時価がいくらかではなく、子会社の帳簿純資産をもって株式の取得価額とするような方法です。この場合取得原価と株式の価額は等しくない場合があります。

◎連結財務諸表上 子会社の取得価額と子会社の帳簿純資産の差額はすべて連結調整勘定か?

連結財務諸表原則を適当にこぴぺしますと

支配獲得時における連結の手続き

①子会社の資産及び負債の評価

子会社の資産及び負債は公正な評価額により評価することとする。

②投資と資本の消去

親会社の投資と子会社の資本の消去は、子会社の資産及び負債の評価の時点に対応する子会社の資本を用いて計算することとする。

③連結調整勘定

上記の処理を行った結果生ずる投資と資本の消去差額は、連結調整勘定として計上される。

たとえば帳簿純資産額(資本金等)100 土地の含み益60の会社の株式を200で株式交換した場合の個別、連結仕訳は、

個別(親会社)   株式 200  払込資本 200

連結   土地  60  評価替剰余金 60

     評価剰余金 60 株式  200

     資本金等  100

     連結調整勘定 40

つまり連結調整勘定は、資産、負債の評価損益を計上した後、残りの調整に使われるようなものです。結果的に連結財務諸表には、子会社の資産については、連結加入時の時価で計上されることになります。

3.税務

「今までは、(厳密に言うと未施行であるので、平成18年10月1日以前はとなるが。平成18年改正附則第1条\x{2460}四イ、ロ)完全子会社となる法人、完全親会社、完全子会社となる会社の株主のいずれも税に関しては何も発生しなかったと了解します。(反対株主の金銭を対価として受領する場合は除く。」

条件が2つあって、子会社の株主の完全親会社株式の受入価額が交換直前の子会社株式の帳簿価額以下であること

交換により受取る完全親会社株式以外の資産(現金でしょ、通常は)が交付対価の5%以下であること

完全親会社の子会社株式取得価額は、株主が50人未満か、以上かでかわる。 50人未満の場合は、株主の取得価額をベースに算定、50人以上の場合は、子会社の簿価純資産(税務上)で算定、会計上の子会社株式の取得価額と異なる場合があるので、その場合は、資本積立金額(現資本金等の額)を増減して調整する。

「平成18年10月以降については、法法2条x{2460}十二の六に適格株式交換の定義を設け、適格株式交換であれば完全子会社となる会社の株主も税は発生せず(法法61の2\x{2466}及び所法57の4)、完全子会社における資産の評価損益も発生せず(法法62の9)、従来と同様である。」

こちらも完全親会社側では、課税関係は生じませんが、税務上の子会社株式の取得価額と会計上の取得価額に差異が生じることが多いので、その部分の調整は必要になります。

ふー 日曜日の朝から頭を使い疲れちゃいました。これに懲りずまたコメントくださいね♪

|

« 井沢元彦さんの「逆説の日本史」~北条泰時は、偉かった~ | トップページ | 丸島儀一さんの「キヤノン特許部隊」~クロスライセンス契約と 交渉の極意~ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/143467/11148075

この記事へのトラックバック一覧です: 株式交換、会社法が変わって、会計が変わって、税務が変わって お返事:

« 井沢元彦さんの「逆説の日本史」~北条泰時は、偉かった~ | トップページ | 丸島儀一さんの「キヤノン特許部隊」~クロスライセンス契約と 交渉の極意~ »