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2006年8月 2日 (水)

企業の税負担率が40%割るのは?

1.新聞によると

ちょっと前になるのですが平成18年7月29日の日本経済新聞に「企業の税負担率40%割る アジアなど低税率国で利益拡大」という記事があります。ようするに2005年度の企業の決算をみると、法人税等税金費用を税引前利益で割った数値、つまり実際の税金負担率が連結ベースで39.3%となり、40%をきったということが話題になっています。特に税負担率の低い主な企業として10社ほどあげていますが、HOYAはなんと22.3%となっています。つまり100円の利益に対して法人税等を22.3円しか支払っていないとなっています。いったいどうしてなんでしょうか。何か問題はないのでしょうか。

2.HOYAの有価証券報告書を読むと

 HOYAの有価証券報告書を読むと、個別財務諸表ベースでは、平成18年3月期の実際の法人税等負担率が39.1%であるのに対して、連結ベースでは22.3%となっています。

個別財務諸表と連結財務諸表の法定実効税率と実際税率の差異分析をサマライズすると

              個別       連結

法定実効税率         40.4%     40.4%

 海外連結子会社の税率差異         △ 18.2%

 その他           △ 1.3%            0.1%

  税効果会計適用後の法人税等  39.1%           22.3%

 負担率

海外の連結子会社の所得に対して、支払った税金が少ないということがわかります。

で、どの辺の国で支払った税金が少ないのかというのを所在地別セグメント情報で分析すると

     日本  北米 欧州 アジア 計  消去  連結

営業利益 38,484  1,086 6,548 48,114 94,234 6,861  101,095

(単位百万円)

アジアでの営業利益が多いということから、アジアの国々で支払った税金が少ないということが推測されます。

関係会社の状況を読むと、アジア各地に子会社がちらばっており、これらはほとんど生産拠点等となっているようです。

アジア諸国での法定実効税率は日本より低いところが多いですが、特に産業の発展、雇用促進を促すような工場を作った場合は、法人税の免除や軽減などの優遇措置を受けることができるので、その辺が税率の軽減に大きな影響を与えているのではないかと考えます。

3.怖いのが移転価格税制

 いやー税金負担が減って、利益が増えてほくほくと思っている企業の方もいらっしゃるかもしれませんが、おっとすっとこどっこい、ものすごい請求書を携えたお上(国税庁等)がふっとんでくることが予想されます。

 今年の6月末、株主総会が終わったころに打ち上げ花火のごとく移転価格税制による追徴課税が大企業に対してなされました。連結ベースでの法人税負担率が低いのは、低税率国に所得を移転して、日本での課税を不当に回避しているにちがいない。特にアジア諸国の子会社等に対して、技術役務等知的財産の無償供与があることが多いから、そこらへんを重点的についてくるかもしれませんね♪

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