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2006年8月14日 (月)

コクヨのグループ内知的財産管理信託

1.プレスリリースによると

平成18年8月8日のプレスリリースによると「コクヨ株式会社は、8月8日から、グループ企業が有する知的財産の管理及び活用する信託業を開始します。」

この信託は、グループ企業が有する約4,000件の知的財産を集中管理することによって効率的に知的財産を活用し、競争力を高めましょうということを目的としていると思います。

この信託のスキームはプレスリリースによると次のとおりです。

(1)      対象グループ企業が有する知的財産をコクヨ株式会社に信託譲渡

(2)      コクヨ株式会社がグループ企業の指図をもって知的財産の管理、維持、対外的交渉等を行う。

(3)      交渉の結果、第三者からライセンス料を得た場合は受益者であるグループ企業に還元する

2.グループ内信託のメリットは、

 ここで注目したいのは、このコクヨの信託は、グループ内信託であることです。信託を業としてできるのは、大きく分けて4つのグループのメンバーです。信託兼営金融機関(信託銀行)、信託会社(これは信託会社と管理型信託会社に分かれる)、TLO(大学がその有する知的財産を民間に移転して収益を得るための受け皿)、そしてグループ内信託です。

 グループ内信託が、他の信託と異なるのは、金融庁に届け出ることにより信託業を営むことができる点。つまり他の方法で信託業を営むより簡単に設立することができます。

また他の信託業の場合は、兼業に関して規制が厳しいですが、グループ内信託は規制がないです。だから文房具のコクヨさんが直接信託業を営めるわけです。

それから受託者責任も信託法に基づくものに限定されるので、他の信託業務を営む団体よりは、細かいことをお上にがたがた言われることはないのではないかと

ただメリットがある限りは、そのメリットの悪用を避けるための縛りというのがあって、委託者、受託者、受益者は同一グループに属することを要求されています。ですから信託受益権をグループ外の会社等に売却することはできません。

3.問題点は?

グループ内管理の信託の場合は、信託をした時点で売却益を計上する必要はありません。また第三者に信託受益権を売却することもないので、難解な知的財産の評価で悩むことも、課税リスクを懸念する必要もありません。管理業務は受託者が行い、入ってきたロイヤリティから管理手数料を除いた残りが受益者であるグループ会社に分配されます。ロイヤリティの支払先が、第三者の場合は、支払い金額について特に課税上のリスクはないですが、グループ企業間の場合は、今後金額の妥当性で課税上のリスクが生じる可能性はあります。

 また受託者は、知的財産の侵害があった場合、当事者として訴えることはできますが、訴えるときに求める損害賠償の範囲が、直接知的財産を所有している場合よりも狭まる問題点があります。このことは何度もブログで書きましたが、知財信託が広がるためのキーポイントだと思います♪

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