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2006年8月 7日 (月)

TMKが減損会計適用したら、

1.TMKのメリットは?

 TMK(特定目的会社)のメリットは、配当を行った場合に、一定の要件を満たしたら、支払った配当が税務上の費用(損金)となるところです。そうすることによりTMKでの利益に対する税金のキャッシュアウトが減少するから、投資家の手に入る配当の利回りが向上します。

でも配当が損金となるための要件というのは、結構きびしいものがあります。その要件の一つとして、配当の支払額が配当可能所得の金額の100分の90を超えていないというのがあります。この配当可能所得というのは、税務上の利益つまり課税所得なのですが、この要件を満たすのが意外と難しいのです。

2.税務調査で否認されたら

 たとえば税引前利益が 1億円だったので、配当を9,000万円支払いました。しかしその後税務調査が入って費用が否認されて、課税所得が1億2千万円になりました。そうすると配当は1億2千万円の90%である1億8,000万円支払わなければならないのに、9,000万円しか支払っていないので、90%の要件を満たさない。したがって配当は否認されてしまうということになってしまうのです。

3.減損会計を適用したら

それではTMKが所有している不動産に対して減損会計を適用した場合はどうなるのでしょうか。

たとえば次のような例です。

経常利益   10億円

減損損失    9億円

   税引前利益   1億円

 TMKのようなビークルでは、会社内部に留保利益をためることはあまりありません。過年度の留保利益がないなら配当ができるのは1億円が限度となります。

 ところで減損損失というのは、会計上は費用となるのですが、税務上は一時の損金とならず、減価償却超過額のようなものとされています。ですから減損したのが建物なら、減損後、減価償却という方法により徐々に損金として処理されますし、土地なら売却でもしない限り税務上は損金となりません。

 つまりこのケースでいうと税務上の配当可能所得は1億円でなく10億円となります。そうなると9億円配当しないといけないのに1億円しか配当ができない。だからこのような減損損失を計上してしまうと配当が損金にならなくなってしまうのです。

 TMKって会計監査人の監査を受けなければならないから、減損会計に該当するような場合は、減損しないと意見が出せないし、減損したら配当が損金にならないから投資家が暴れるだろうし、大変な問題が内在しているなあと思うのです。

4.投資法人の場合は

 さてJ-REITの母体となる投資法人はどうなのでしょうか。こちらの方は、一定の限度がありますが、配当として利益部分だけでなくそれを超える部分を支払うことができるのです。このことにより減損損失を計上した途端に配当が損金とならないリスクは、かなり下がることになります。

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