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2006年8月 9日 (水)

昔、すごい節税対策があった

1.平成11719日 財産評価基本通達改正前

昔、昔 といっても10年も昔のことではないのですが、当時の財産評価基本通達によると、信託受益権の受益者を元本受益者と収益受益者にわけ、別の人にした場合、相続税や贈与税の節税ができました。

なぜなら、この当時の信託受益権の評価をする際の現在価値の割引率(基準年利率)が8%と、実勢利率を大幅に上回っていたことと、受益権が2つに分かれた場合の評価方法が、それぞれの価値を現在価値に割り戻した結果、元本受益権の価額+収益受益権の価額<信託受益権の総額となったからです。

例をあげて説明します。たとえば5億円の土地の元本受益権を子供に、収益受益権を奥さんにするような信託期間30年の信託を設定します。奥さんは毎年1,000万円の賃料収入を収受します。信託設定時に、子供や奥さんに対する贈与税が生じます(相法4①)。

このときの評価額は、

子供 5億円x0.099(8%の複利現価率)49,500,000  --

1,000万円X11.2588%の複利年金現価率)=112,580,000-

①+②=162,080,000円となります。

もし今、奥さんなり子供にこの土地を贈与すると5億円の評価に対して贈与税が計算されるのですが、信託を設定し、元本受益者と収益受益者が異なるならば なんと評価額が337,920,000円も減らすことができたのです。

2.平成12年6月13日 財産評価基本通達改正前

 これは、おかしいということで平成11719日に改正したのですが、このケースでは、計算式は変わらず、ただ基準年利率が8%から4.5%に低下しました。

改訂後の評価額は次のようになります。

子供 5億円x0.267(4.5%の複利現価率)133,500,000 --

1,000万円X16.2894.5%の複利年金現価率)=162,890,000-

①+②=296,390,000円となります。

8%のときよりは評価額は高くなっていますが、それでも土地をそのまま贈与するよりは203,610,000円も評価額が圧縮されます。

3.平成12年6月13日 財産評価基本通達改正以後

このように平成11年の改正は、信託受益権を使った節税策を抜本的には解決できませんでした。

そこで平成12613日の改正で信託受益権の評価の算式を変えてしまいました。すなわち下記のようになったのです。

元本受益権の価額=信託財産の相続税評価額-収益受益権の価額

そして、基準年利率も世の中の金利に接近していき、平成18年8月現在では、30年の信託期間を設定した場合は、2.0%となります。

その結果、評価額は次のようになります。

1,000万円X22.396現価率)=223,960,000

子 500,000,000-223,960,000=276,040,000-------------

①+②=500,000,000

この結果、以前使われていたような劇的な節税対策は封じ込められたのでした。

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コメント

1円たりとも余計な税金は払いたくないもの。その分の資金を福利厚生や
設備投資に回さなければ、時代を生き残って行けません。
クルーザーは福利厚生費の代表例。こちらに良い商品がそろっています。

投稿: 節税の友 | 2009年6月20日 (土) 13時25分

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