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2006年9月12日 (火)

対価のない合併をした場合は、適格合併になるのか、ならないのか

1.対価の交付のないような合併

今日は、テクニカルな組織再編ねた。合併というのは、2つ以上の会社が1つの会社になるようなこと。新たに会社を作るような合併(新設)もあれば、ある一つの会社に他の会社が吸収されるような合併(吸収合併)もあります。実務的には吸収合併が多いと思います。

吸収合併になると、合併消会社の株主が持っていた合併消滅会社の株式は紙切れとなります。だってこの世にその株式を発行している会社が存在しなくなるから。そのかわりに合併存続会社の株式をもらいます。ただで自分の財産をなくしてしまうような行為を認めるような奇特な経済人はそういませんから。

でも会社法では合併により株式も他の財産ももらわないような合併が可能になっています。これはどのような場合を想定しているかというと、たとえば100%子会社同士(兄弟会社)を合併したような場合や債務超過の会社を吸収合併したような場合ですね。

2.適格合併は

適格合併というのは、法人税法で定義づけている合併で、合併時点で、合併消滅会社の所有している資産を時価課税させたり、合併消滅会社の株主が所有している合併消滅会社の株式を時価で譲渡したと考えて課税したりしないようなものです。

この適格合併には3つのタイプがあって、一つは100%資本関係のある会社間の合併、一つは、50%超の持株関係のある会社間の合併、それから共同で事業を行うための合併です。

で、適格合併になるための最初の要件として『被合併法人の株主等に合併法人の株式及び出資以外の資産(当該株主等に対する利益の配当又は剰余金の分配(出資に係るものに限る。第12号の11において同じ。)として交付される金銭その他の資産を除く。)が交付されないものをいう。』があります。つまり合併消滅会社の株主に合併存続会社の株式以外の資産 たとえば現金だけをわたすようなキャッシュアウトマージャーの場合は、最初の段階でアウトになってしまいます。

それでは全く何も交付しないような合併はどうか。条文では株式及び出資以外の資産が交付されないものとあります。全く何も交付していないので、株式以外の資産を交付されないことになるから適格チェックの第一段階はパスということか。

それでは第2段階のテスト。合併後の合併会社の株式の継続所有要件 100%子会社同士を合併したような場合で、合併消滅会社の株式を交付しなくても、親会社と合併存続会社の100%所有関係は継続されているからこれはOK

親会社と70%所有子会社を合併して、30%の少数株主に対して合併存続会社の株式を交付しないような合併の場合は、事前で50%超の所有関係のある会社同士が一つになるなら、たとえ30%の少数株主がその後に株式を売却しても適格OK(これでいいよね?)

では共同再編の場合はどうか。条文を適当にはしょってこぴぺすると 『合併の直前の当該合併に係る被合併法人の株主等で当該合併により交付を受ける合併法人の株式の全部を継続して保有することが見込まれる者が有する当該被合併法人の株式(議決権のないものを除く。)の数を合計した数が当該被合併法人の発行済株式等の100分の80以上であること。』ただし株主が50人以上の場合はこの規定はない。

この条文は合併により株式の交付を受けることを前提になっていると思うのです。そうすると共同再編のような合併で、合併対価がない場合は適格合併にはあてはまらない。ただし合併消滅会社の株主が50人以上で彼らに株式を交付しないような合併の場合はOK

これってほんとうに問題はないのでしょうか♪

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コメント

そうなんですよね。。。
この世界で最も大事なのは、すべて理解してるわけないじゃん!という開き直りのような気がします。

上には上がいるわけで。。。

めげないということが大事なんでしょうね。
いつになったら、おれってすげーと思える日がくるのでしょうか

投稿: zai | 2006年9月15日 (金) 11時13分

zeiさん おはようございます。信託大好きおばちゃんです。
コメントありがとうございます。

なんかすごいお仕事していらっしゃるようですね♪

信託大好きおばちゃんは、先月、突然、上京して働いていますが、税法こなし系の仕事ではないので、たいしたことないです。ただ議論は毎日しています。田舎からぽっとでてきた信託大好きおばちゃん以外は、トップレベルの人ばっかりでついていくのが大変ですが

でもおばちゃんは、年とって心臓に毛が生えていますので、「私は、あんたと違って馬鹿ですから!」とぶつぶつ心の中で言いながら、この世界で生きながらえてやろうと思っています。

これからもお暇でしたら遊びにいらしてください。

投稿: 信託大好きおばちゃん | 2006年9月13日 (水) 09時34分

損失負担金の問題にしても、適格合併の論点にしても、最近仕事でかかわった論点ばかりだったので、タイムリーすぎる話題に釘付けになって読ませていただきました。

企業の再編ニーズは未だ衰えていないようで、うちの税理士法人ではそのような仕事がひっきりなしです。

やれ非適、適格だの、やれみなし共同事業要件はどうなっているだの、繰欠をどうするだの、われわれの仕事は机上のスキーム作りだけですが、机上ながら徹夜状態で大変です。

おばちゃんもやはり仕事は忙しいですか?
たぶん私もおばちゃんと同じような仕事に携わっていると思いますので(TMKやらTKやら信託やら組織再編やら国際課税やら)、親近感がわきます。

知識ではおばちゃんにまだまだ到底及びませんが、いつか追いつきたいなと思う毎日です。今後もがんばってください。


投稿: zei | 2006年9月12日 (火) 22時46分

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