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2006年9月 5日 (火)

借入目的信託

借入目的信託とは

西村ときわ法律事務所の「ファイナンス法大全 アップデート」商事法務 P291P297に借入目的信託というスキームがあります。

オリジネーターが所有している資産を信託して、信託受益権を受け取ります。受託者はこの信託財産を担保にお金を調達します。このお金を委託者に支払い、信託受益権の一部を償還することによりオリジネーターの資金調達を図るというものです。

投資家の中には、信託受益権を購入するよりも、お金を貸す形で投資をしたいという人がいるし、オリジネーター側でも有限中間法人を使ってSPCを作り、そのSPCが信託受益権を買い取るというスキームを作るよりコストが下がるというメリットがあるから使われているようです。

2.借入目的信託の問題点は

「ファイナンス法大全 アップデート」においては借入目的信託の問題点について信託財産による債務負担、解除、真正売買 優先受益権と責任財産限定特約付ローンの同順位制の4つの点で論じています。

このうちの解除についてを私なりにまとめてみます。

借入目的信託においては、受託者が信託財産を担保にお金を借り、そのお金で信託受益権の一部を償還します。しかしこのスキームで問題となるのは、たとえば受益者が委託者のみとなった場合は、信託法58条により信託契約を解除することができるとされることです。信託契約が解除されると、信託財産は委託者にもどり、負債だけが受託者に残るという現象がおこるのではないでしょうか。そうするとお金を貸した投資家がババをつかむことになるかもしれません。

だから借入目的信託では、安定性の確保のために信託が予定より速く解除されないようなスキームを組成するそうです。

どうするかというとたとえば、貸付人の同意がないと信託を解消できないように決めたりします。

また組成時点で、信託受益権の一部が償還されたあとも受益者が1人にならないようにするようです。これはたとえば信託受益権をA,B,Cに分割し、 A信託受益権は、借入金により償還します。B信託受益権は投資家等に販売します。C信託受益権はオリジネーターが所有し続ける。このような結果、信託受益権の一部を償還したあとも受益権者が投資家+オリジネーターという形で残るので、信託が解除されるリスクが低くなるということです。

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